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元小結の阿武咲が引退 膝や足首のケガ相次ぎ...同学年ライバル貴景勝と同じ28歳で力士人生に終止符

[ 2024年12月18日 18:17 ]

阿武咲
Photo By スポニチ

日本相撲協会は18日、元小結・阿武咲(28=阿武松部屋)が現役を引退したと発表した。阿武咲は、右膝と右足首のケガで東前頭5枚目だった名古屋場所から3場所連続途中休場が続き、来年初場所では9年ぶりの幕下転落が確実となっていた。19日に会見を予定している。

青森県中泊町出身の阿武咲は、小学生時代から全国大会で優勝するなどトップレベルの選手として活躍。中学2、3年時には全国都道府県中学生大会で優勝し、3年時の全国中学校体育大会(全中)では決勝でライバルの佐藤貴信(のちの大関・貴景勝)に敗れた。青森・三本木農業高に進学し、1年生ながら国民体育大会で個人優勝するなど大活躍。その後すぐに中退し、阿武松部屋に入門して2013年初場所で初土俵を踏んだ。

2015年初場所で新十両昇進。初土俵からわずか2年、18歳5カ月20日という平成以降4位の年少記録だった。2017年夏場所、20歳で新入幕を果たすといきなり10勝を挙げて敢闘賞。新入幕から3場所連続2桁勝利という史上初(のちに大の里も記録)の偉業を成し遂げた。同年九州場所に新三役昇進を果たしたが、翌場所で右膝を大ケガ。その後も三賞や金星獲得など幕内上位でも活躍したが、三役復帰は果たせなかった。

白鵬杯の第1回大会出場者としても知られている阿武咲。新小結で迎えた2017年九州場所では、白鵬杯出場経験者として初めて当時の横綱・白鵬(現・宮城野親方)と対戦。3度目の挑戦となった2020年春場所では初勝利を挙げた。

晩年は両膝と右足首の慢性的なケガに苦しみ、今年7月には右足首を手術。6年ぶりに十両に転落した秋場所前には「悔しいというかつらい気持ちもある」と複雑な心境を明かしながら再起を誓っていたが、秋場所は1勝4敗10休、九州場所は2勝11敗2休と苦しい土俵が続いていた。幕下転落確実となった来年初場所を前に、28歳5カ月という若さで引退を決断。12年の力士人生に終止符を打った。今後は日本相撲協会に残らないという。

同学年で小学生時代からのライバルだった貴景勝が今年秋場所限りで引退。ともに10代の頃から関取として活躍してきた盟友も、同じ年に土俵を去ることとなった。貴景勝とは幕内で15回対戦して3勝12敗。最後の対戦となった2023年初場所13日目は、激しい攻防の末に敗れて単独首位から後退した優勝争いを左右する大一番だった。

◇阿武咲 奎也(おうのしょう・ふみや)本名=打越奎也(うてつ・ふみや)。1996年(平8)7月4日生まれ、青森県中泊町出身の28歳。5歳から中泊道場で相撲を始め、小4でわんぱく相撲全国大会3位、全日本小学生優勝大会3位。小6で全日本小学生優勝大会優勝。全国都道府県中学生大会では中里中1年時に16強、2年時に優勝、3年時に優勝。全中では3年時に準優勝。三本木農業高1年時に全国高校金沢大会準優勝、全国高校選抜宇佐大会優勝、国民体育大会優勝。1年で中退して阿武松部屋に入門し、2013年初場所で初土俵。2015年初場所で新十両昇進。2017年夏場所で新入幕、同場所で敢闘賞。同年秋場所で日馬富士から初金星。翌九州場所で新三役昇進。2018年初場所で右膝後十字靱帯損傷の大ケガ。三役在位1場所、幕内在位42場所。殊勲賞1回、敢闘賞3回、金星2個。幕内成績297勝287敗46休。通算成績473勝422敗59休。身長1メートル76、体重165キロ。

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