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最強筋トレ「オーバーヘッドスクワット」の効果とやり方【画像付き】

[ 2024年12月18日 09:00 ]

「オーバーヘッド・スクワット」とは、バーベルを頭上に持ち上げたまま行うスクワットのこと。重量挙げの種目である、スナッチの動作の一部分でもあります。

オーバーヘッド・スクワットは非常に優れた筋トレですが、動作の難易度が比較的高く、筋トレ初心者には少々ハードルが高いかもしれません。

しかし段階を踏んで練習を行えば、オーバーヘッド・スクワットは全身の柔軟性や安定性、そして筋力の向上に大いに役立ちます。

オーバーヘッド・スクワットの効果とは

とくに柔軟性アップに効果的

どの種類のスクワットでも「下半身および体幹の筋力を鍛える」「柔軟性を高める」「バランスを向上させる」という大きな効果があります。

その中でも「オーバーヘッド・スクワット」は、とくに柔軟性を高めることに秀でています。

もちろん筋力を鍛える効果もありますが、単純に筋肥大のみを目的とするならば、オーバーヘッド・スクワットを選択する必要はありません。

肩や体幹部分の安定性を高める

また、オーバーヘッド・スクワットには、肩や体幹部分の安定性を高める効果があります。

バーベルを頭上に持ち上げた姿勢を保つためには、体軸をまっすぐにしてバランスを保たなくてはいけません。そのため、スタビライザーと呼ばれる小さな筋肉群もフル動員することになるからです。

インナーマッスル強化にもつながる

オーバーヘッド・スクワットはバーが頭上にあるため、バック・スクワットに比べると重心がはるかに高い位置になります。

いわば胴体が伸びた状態で負荷をかけるため、体の内部深くにある筋肉、いわゆるインナーマッスルをより強く緊張させることにも繋がるでしょう。

さらに、オーバーヘッド・スクワットは全身運動です。体幹の中心部分から動作を始め、末端となる手足にエネルギーを伝達する"Core to Extremity"の法則を身体に覚えこませるのに適した動作となります。

そのうえ、手首や肩、腰、膝、足首と全身のあらゆる関節の可動域を広げる効果も見逃せません。

オーバーヘッドスクワットのフォームとやり方

基本フォーム

  • 両足は肩幅に広げ、膝とつま先は同じ角度で、やや外側に向ける
  • バーを肩幅より広く握る
  • 両脇は前方に向け、背筋は自然なカーブを保つ

基本のやり方

1. お尻を後方に突き出し、次に下げる
2. お尻がヒザより低い位置までしゃがみ、立ち上がるときはヒザと腰をまっすぐに伸ばす
3. 肩はバーベルを上方向に押し上げ、バーの位置はかかとの真上にする

肘は常に伸ばしたままにする

かかとは常に地面に着ける

もっとも大切なポイントは、バーの重心が前後にぶれず一直線に上下することです。横の角度から動画を撮って、バーの軌道をチェックすると良いでしょう。

オーバーヘッドスクワットを行うときの注意点

重量負荷をつけてオーバーヘッド・スクワットを始める前に、ジムの施設とルールを確認しましょう。

重量と回数を増やしていくと、どうしても挙げることができないときがあります。そのときにもっとも安全な対処法がバーベルを床に落とすことですが、施設ルールで禁じているジムが少なくありません。

バーベルを床に落とさないように無理をすると、かえって肩や腰を痛める危険が多くなります。重量プレートが着いていると、深刻な故障に繋がる可能性もあるのです。

うまくできない人は「自重スクワット」をチェック

オーバーヘッド・スクワットの土台となる動作は、自重スクワットです。

言うまでもないことかもしれませんが、自重スクワットを正確なフォームで行えない人は、オーバーヘッド・スクワットを試すのは早過ぎます。

まずは「スクワットができない原因とは|深くしゃがめない、姿勢が崩れる、倒れる、膝が痛い」で自重スクワットのフォームを確認してください。

言い換えれば、オーバーヘッド・スクワットは自重スクワットで気づきにくい弱点やフォームの誤りを明らかにしてくれます。自重スクワットが問題なくできる人は、下記も試してみてください。

ウォール・スクワット

壁に向かって近い位置で立ち、両手を上に伸ばして、ゆっくりした動作でスクワットを行います。壁と体との距離を一定に保ち、体のどの部分も壁につかないようにしましょう。

膝をつま先より前に出さず、上体が前かがみになることを防ぎながら、かかとに体重を乗せます。ここに問題がある人は、自重スクワットのフォームが正しくできていないことが多いでしょう。

パス・スルー

塩ビパイプ(PVC)などの長い棒を使って、パス・スルーという動作を行ってみてください。

肘を伸ばしたままで、バーを体の前・後ろに動かすことができるでしょうか。ここに問題がある人は、肩の可動域が十分ではありません。

スクワットの姿勢でパス・スルー

上記のパス・スルーを、スクワットした体勢で4〜5回繰り返してみてください。

ここでスクワットの姿勢が保てない人は、股関節か足首の可動域が十分ではない、あるいは臀部やハムストリングス周辺の筋肉に柔軟性が不足しています。

筆者プロフィール

角谷剛(かくたに・ごう)

アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text & Photo:角谷剛>

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