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堀島行真が感涙の銅「ミスしたけど自分の全部が出せた」「またここから。本当の夢は金メダル」

[ 2022年2月5日 22:34 ]

北京冬季五輪第2日・男子モーグル決勝 ( 2022年2月5日 雲頂スノーパーク )

表彰台に立った堀島行真(右)(ロイター)

フリースタイルスキーの男子モーグル決勝で堀島行真(24=トヨタ自動車)が銅メダルを獲得。北京五輪での日本選手メダル1号となった。

堀島は「ありがとうございます。うれしいし、最低限、3位表彰台、メダルというとこまで掲げて今回挑んだので、それが達成できて良かったと思います」としみじみ語った。

3日の予選1回目で一発通できず、この日行われた予選2回目で得点を上げて決勝に進出。20人で行われた決勝1回目は77・91点で4位に入り、準決勝といえる決勝2回目に進出。そこで79・58点とさらに得点を上げ、3位で上位6人による決勝戦となる3回目へ進んだ。この日4本目となる最後の1本。第1エア手前でバランスを崩すようなシーンもあったが、それまでの滑りから、スピード上げ、81・48点をマークした。「2旗門目くらいのところであきらめそうになったが、これはあきらめちゃ駄目だなと思った。まずゴールまで行こうと思っていったら、(第)2エアが思ったより決まったので、ガッツポーズとともに、本当にミスしたけど、自分の全部が出せたと思います」と話した。

今季の堀島はW杯で非五輪種目のデュアルモーグル2戦を含む全9戦で表彰台に上り、うち3勝。通算でも11勝を記録し、五輪5大会連続入賞した女子の上村愛子を超え、日本歴代単独最多に浮上した。かつては高難度のエアで名前を売ったが、現在はターン技術も向上。滑りの安定性が格段に上がり、スピードと合わせた総合力で戦えるまでに成長した。

五輪初出場だった平昌は前年の世界選手権で2冠を達成し、一躍注目を浴びた。五輪前最後のW杯では初優勝。金メダル候補に躍り出たが、重圧に勝つ精神力は備わっていなかった。本番ではエア後の着地が乱れて転倒。その後は「同じ取り組みではいけない」と試合への向き合い方や練習方法を抜本的に見直した。

11位に終わった平昌から4年。「予選1本目から辛かったですし、この舞台に上がってくるまで、このメダルとか、最低限結果が残らないと、自分が競技をしていられないんじゃないかとネガティブな気持ちが多かった。最後の1本滑り切るまで安心できなくて、メダル確定した時にやっとホッとしたというか、安心な気持ちになれた」と本音も吐露したが、重圧に負けなかった。

「またここから。本当の夢は金メダルなので、またここから競技を頑張りたいと思います」と最後は涙をこらえ、前を向いた。

だいやまーく堀島 行真(ほりしま・いくま)1997年(平9)12月11日生まれ、岐阜県池田町出身の24歳。1歳でスキーを始め、小4から本格的にモーグル競技を開始。14年世界ジュニア選手権デュアルモーグル7位。17年世界選手権モーグル、デュアルモーグルの2冠。中京大出、トヨタ自動車所属。1メートル70、66キロ。

▽フリースタイルスキーモーグル 基本的にターン、エアなどの技術を競う。コブが連続した急斜面を滑り降り、途中の2カ所でエアトリックを行う。ターン、エア、タイムで採点し合計で順位を決める。五輪では1992年アルベールビル大会から正式種目として採用された。

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