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<羽生結弦を語ろう(3)>恩師・都築章一郎氏、熱弁「夢を実現するための努力をする男」

[ 2022年2月5日 07:30 ]

都築コーチと小学2年生の羽生 (都築氏提供)
Photo By 提供写真

羽生の最大の武器であるアクセルジャンプを叩き込んだ名将・都築章一郎コーチ(84)。幼少期から指導してきた愛弟子との日々やスケーターとしての特長を語り、前人未到の4回転半成功に期待を込めた。

私が羽生を指導し始めたのは彼が小学2年の時です。遊びからスケートを始め、当時はやんちゃで上の学年の子とケンカしていたりしていました。でも、体幹や立ち姿、体形がスケーターの条件として備わっていましたね。また、賢くてちゃんと自ら決めた行動を確実に行える子供でした。"オリンピックに行こう。芸術家になろう"と言葉をかけていました。

それからスケート場が閉鎖されたり、東日本大震災もありました。いろんな苦難を克服し、今日の羽生結弦がいる。ですから凄い強いんでしょうね。我々が想像できない過酷な経験をして、その中でトレーニングをしてきた。心の強さが行動を起こし、行動が結果を生んでいる。世界の人たちに喜ばれ、世界の人たちを魅了するような人間に成長してくれて、私は本当にうれしいんですよ。

昨年12月の全日本選手権で挑戦した4回転半ジャンプは私も見ていました。大一番で優勝を懸けて4回転半に挑戦するのは周りが思う以上に本人の心の葛藤がかなりあったと思います。それをやりきる彼の強さを見せつけられました。「王様のジャンプ」としてアクセルを教え、基礎をしっかりつくりました。いろいろなことをやりました。それが4回転半につながっています。全日本での4回転半は、公式練習で最後に跳んだジャンプ(ほぼ片足で着氷)が一番良かった。かなり完成に近い状態まで持ってきましたね。

彼は使命感の強い男です。五輪2連覇で達成感を感じたと思う。あと何をやるべきかを想像し、誰もやっていない4回転半を実現することが使命だと感じたのではないか。日本選手が初めて4回転半を五輪でやった、という実績をつくるという使命感が心の奥底にあると思う。

羽生は有言実行をする人間。これまで自分が決めたことは全てやってきた。踊ること、跳ぶこと、私が言ったこと全てやりました。正しい決断ができて、それを実行できる能力があるんです。羽生結弦とは夢、ですよ。夢を実現する男。夢を実現するための努力をする男。夢を実現する人間力があるということ。ごめんなさいね。羽生を語ると、つい熱くなってしまう。

◇都築 章一郎(つづき・しょういちろう)1938年(昭13)1月5日生まれ、名古屋市出身の84歳。59〜60年シーズンにシングルで全日本ジュニア優勝。日大卒業後の64年に日本フィギュアスケーティングインストラクター協会に参画。77年世界選手権男子銅メダルの佐野稔ら数々の名スケーターを育て、羽生は小学2年から東北高1年まで指導。現在も横浜銀行アイスアリーナで指導を続けている。

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スポーツの2022年2月5日のニュース

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