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March 2015

March 31, 2015

アナログ伝送の弱点を克服するためにデジタル伝送が生まれているのは皆さんご存知かと思う.
言ってしまえばオーディオ信号の替わりに使われているAES/EBUやS/PDIF等のプロトコル(通信規格)技術を用いた伝送がそれにあたるわけで,見た目にはフォンケーブル等が光ケーブル等に変わっている事があげられる.
ケーブルやコネクタの形状が同じでも,通信プロトコルが異なると信号解釈がまるで違う事は既に姉妹ブログである鍵盤天国で記載済みだ.
平衡配線とAES/EBUの関係や不平衡ピン配線と同軸(コアキシャル)S/PDIFの関係がそれにあたると思う.
厳密に言えばコネクタ形状が同じに見えてもデジタル用にはインピーダンス調整が施されていたりと見た目以上の違いがあることもご存じの通りである.

今回,話題に挙げるのはフルデジタルスピーカ.
今までは伝送配線をデジタル化することで『伝送時に発生する音質劣化等を防ぐ』という働きだったわけだが,このフルデジタルスピーカやフルデジタルアンプというものはその概念とは異なる.

伝送のデジタル化は受ける機器,例えばスピーカ等の受動器側やアンプ等の増幅器側でD/A変換を行う必要がある.
これはスピーカのボイスコイル等がアナログ受けで振動し,音波にするためである.
フルデジタルスピーカとはその受動素子であるボイスコイルに位置する素子がアナログ波形による駆動ではなくHi/Lowのビット判定による駆動方式になったと言う事なのである.

これまでは伝送時に発生するノイズ対策としてのデジタル化がメインだったわけだが,今回のデジタル化は駆動素子の制御がデジタル化するという事であり根本的に違うことが判るかと思う.

これによる利点はD/A変換等の回路が省略できることがあげられる(概念としてはそういう理屈であると捉えてほしい.詳しくは後述)
また,信号増幅に用いられるアンプ回路を必要としない事やDSP(DigitalSignalProsesser)から直接コイルへ伝送するため沢山の電源を用いる必要がなくなる事でDC/DCの削減や省電力化につながる点があげられる.
その辺の理屈について少し解説してみる.



まず,デジタルを用いると言う事は伝送に用いられるプロトコルのままスピーカが駆動できるのか?と勘違いされてしまうかもしれないがそれは違う.
I2SやS/PDIF(AES/EBU)とも符合化の手法が違う為(詳しくは後述)D/D変換がDSP等で行われることになる.

尚,フルデジタルスピーカの概念自体は実は80年代に既に発案されていた内容である.
ただ,フルデジタルスピーカに用いられているD/D変換が80年や90年代初頭のコンピュータ処理スピードではリアルタイムに44.1kHz16bitのCD音源を再現する事すら不可能だった様だ.


少し蛇足するが,アナログの原理をザックリ話しておこうかと思う.
例えばダイナミック型(一般的に一番メジャー)のスピーカ原理は皆さん知っての通り,電気が流れることで振動するボイスコイルが内蔵されており平たく言えば電気信号が音波になる方式である.
もちろん,振幅イコール電力ではなく効率などによる前後があるわけだがその部分はここでは割愛する.

アナログの欠点は何と言っても信号上に発生するノイズという事になるのだろう.
機器間の配線が長ければ外来ノイズによる影響は受けやすくなるし低電圧で駆動している再生機から順に機器を経るごとに駆動電圧が変化したりするためベース電圧が上がる度にベース付近に潜むノイズ成分も一緒に持ち上がる場合がある.
また,さまざまな電圧で駆動する回路を経由すると言う事は,スイッチング回路等も付近に存在したりするわけで,その分ノイズの影響も多くなるのは必然だろう.
何となく理屈はわかると思うがこれらの現象がアナログにおけるノイズ拡大につながるのだ.

故にライブハウス等では低電圧の音声信号上にノイズを極力載せない接続で未然に防いでいるのである.
PA側にてダイレクトボックスを用いて不平衡配線を平衡にしたり,ミキサー内部でローパスフィルターやEQによるチューニングを行う一つの理由もこれである.
マキシマイザ―やリミッタ等を使用する際にノイズゲート等を先に通すのも音圧を上げる際に小さなノイズ成分を持ち上げないようにするための工夫と言う事になる訳である.

ただ,これらのノイズは先に述べた通り低電力伝送時に発生することが多く,駆動素子のデジタル/アナログの差ではほぼ違いはないと考えられる.

例えアナログと言えど,パワーアンプから出る大きな振幅の電気波形に極小のノイズがのった程度ではライブハウスや野外コンサート時の大きな発音における影響力はほぼ無いと言えるからだ.


話を戻す.
では,駆動素子がデジタル化する利点はなんなのか問話になるわけだが一番は電気効率と言える.
アナログの場合,大型スピーカでも小型スピーカでも音波を発生させる(コイルを振動させる)上では熱エネルギーが発生する.
その温度は100度をも超える事すらあるわけだが,その熱によって発散されてしまう分,多くの電力を必要とするわけであり,結果的に大型スピーカを動かすためにも小型スピーカを鳴らす上でも多くの電力が必要になるということになる.

基本的な機器内部回路はデジタル化が進んでおり,デジタルトランジスタもマイクロコンピュータも駆動電圧は3Vや5Vと低圧だ(最近では1.8Vなんていうのもある)しかし,オーディオ部分ではたとえ数W(ワット)程度の小さなスピーカと言えど15Vや18Vが必要となる.
これが駆動素子までデジタル化すると,なんとビット判定に使う電圧,すなわちDSPの出力電圧で大音量のSRスピーカも発音できてしまうと言う事なのである.
もちろん,効率も非常によいため電圧だけでなく消費電流も飛躍的に抑えられることになる.

回路内電源が複数に別れなければアナログでは必然的だったノイズの原因になりやすいDC/DCコンバータの数も減る事になる.
増幅回路等も削減される分,基板配線も経由する部品点数も減るのだから基板内でもノイズが発生しにくくなるのは言うまでもない.
また,DSPが駆動できる程度の消費電力ですむと言う事は大型スピーカだけにとどまらず小型スピーカにもメリットがある.
従来の方式では小型故に出音の音量感や臨場感に限界があったものもフルデジタル化することができればより繊細でダイナミックレンジも稼げることになる(もちろんコーンが小さい分,物理的限界はある)
今までは伝送路のデジタル化によって『劣化の少ない高音質な』と言う観点に重きを置いてきたわけだが,フルデジタルスピーカでは電気的効率の見直しによる新しい形の表現力を得ることができると言えるのである.


それでは,そのフルデジタルスピーカはどのような構造で成り立っているのか簡単に説明してみたいと思う.
ただし,フルデジタルスピーカの概念は先に述べた通り80年代から始まっており,様々な方式が存在する.
今回は旧来発案されたPCM(Plus Code Modulation)による展開と近年のマルチユニットシステムの2通りを解説したいと思う.


旧来のフルデジタルスピーカでは1bitにつき1つのコイル(スピーカの場合コイルに電流が発生すると振動する)を制御するというPCMをそのまま受動素子へ渡すようなイメージの方式が一般的であった.

CDクオリティであれば16bitであり上記条件で再現する場合16個のコイルをスピーカに取り付けなければならないことになる.
近年では24bitや32bitというビットレートがDAW環境で一般的に使われており,再現するためには32個のコイルが必要になる訳で,コスト的にも物理的にも不可能に近いのが何となくわかるかと思う.

また,デジタルをビットごとに置くにはコイル事に重み付け(図で言えば縦の振幅に該当する)をしなければならないという問題が発生する.
この重みと言う概念をスピーカで再現する為にはコイルの巻き数を16bitなら16通り分けて作らねばならないという事になり,1つ1つの精度を出すことすら難しいコイル製造がより困難になるという現象を作りあげてしまったのである.
重み付けをしている分コイル自体も該当ビット専用となり,バラつきが大きく生じると対象ビットで正常に再生(再現)出来ない製品が生まれてしまう事になるわけだ.

上記の図と同じアナログ波形でもバラつくと有効ビットが異なってしまう

故に,現実的には試作ができても製品として安定配給にすることはできず技術が出てきた80年〜90年代には発展途上のままクローズドせざる得なかったと思われる.
おそらく,これを改善する技術も考案されただろうがCPUの処理速度という大きな壁に当時の技術ではリアルタイムによる信号変換が事実的に不可能だったと言われている.


この発展系として誕生したフルデジタル技術が現在におけるフルデジタルスピーカの原理になる.
Trigence Semiconductor社がライセンス配給を行っているデジタル信号処理技術であるマルチユニット方式(Dnote)を参考に説明すると従来の製造で一番問題視されたコイルによる重み付けの概念を取り除かれている.

以下の図を見てほしい.

4つのコイルに2ビットずつデータ線を設けて表現している.
何とも珍しい表現であるが,デジタル表記においての0,1に2つ以上の意味を持たせるため少しややこしいだけである.
"+1","0","-1"という表現には1つの情報に対して2bitを使用して取決めを作っている.
簡単に言えば図で言う"0"を二進数で表現すると0b00,"+1"を0b01,そして"-1"を0b10を表現していると言う事だ.
(注記)0b11は規定していないらしい
これをPCM概念に置いてしまうと8bitの表現程度しかできないが,マルチユニット方式で用いられているのはPCMとサンプリングの原理が異なり,少ない情報量でサンプリング出きる?Σ変調の概念を用いている.
DSD(Direct Stream Digital)に近いといったのがわかりやすいだろうか.
周波数をパルス変調で置き換えることでPCMよりもはるかに少ない情報量でデコードが可能なのである.

DSPから最終端であるコイルまでは,このマルチユニット方式で伝送された2ビットずつあるデジタル信号が送られることになる.
1ビット制御のDSDと異なり複数ビットでの処理になるわけだが,近年のDSPの高速処理によりそれらを可能にしていると言える.


ここで疑問になるのはコイルが従来のものでは再現できないという部分だろう.
PWMで受けると言う事は電流が発生すると動作する従来のダイナミック型とは少し異なる訳である.
マルチユニット方式ではPWMの概念なので周期が早くなると振幅は小さくなり周期が遅くなると振幅が大きくなる.
これをボイスコイル内で再現しているわけである.
故にコイルに重みをもたせる必要はない上,消費電力も振幅に左右されないため低電力と言う事になるのである.

ただし,この方式はコイル部分で0と1という電気的に言えばON/OFFによって制御されているわけで一部で懸念されているONに隣り合ったOFFの巻線(コイル)で発生しえる逆起電力という不都合な現象が潜んでいると言われている.
本来なら磁場が発生すべきでないビットに不要な磁場が発生してしまうと振動板が余計な動きをしてしまう可能性があると言う事だ.
これにより波形再現にズレが生じる事があると言われているのである.

また,コイルの特性に重みをもたせる事なく表現できるようになったわけだが,製造上発生しえる部品精度誤差がゼロになるわけではないわけで,例えば4Ωのものもあれば前後1%の部品もあると言う事になる.
1個で成り立つダイナミック型ボイスコイルに対して3〜8個程度のコイルで1つのスピーカを構成するマルチユニットタイプのフルデジタルスピーカでは,使用するコイルのばらつきで出音に直接影響を与えてしまう可能性がアナログよりも高くなるのは言うまでもない.


現行の技術マルチユニット(Dnote)等ではこれらをスポイルするためにDSP側で最適なバランスを保つべく,ランダム出力して使用する素子を入れ替えているとの事.

簡単に言えば図のようにコイルを"1st,2nd,3rd..."と決めないで未使用素子"X"に仮の1dataを定義したら次の1dataは別の未使用素子"X'"を使うと言った具合である.

ランダムに使用する素子を使い分ける為,事実上バラつきがコイル固有で発生しないため全体的なバランスが均等になると言った理論である.
これらも,現代における高速処理スピードがなせる業であると言えよう.
業務用の機器ではこれらの部品精度を製造上で選別して物理的誤差を極限まで減らすと推測できる(もちろんマイクのように高価にはなるだろう)
以上の技術により現在のフルデジタルスピーカは成り立っていると言う事である.


尚,PAの世界ではフルデジタルスピーカは多くの現場で使われている.
コンシューマ向けに展開される前に,既に様々な不具合にも見舞われた事ももちろんある.

ほんの一例だがフルデジタルスピーカを導入した途端にスピーカがたちまち吹っ飛んだというのが一番驚くべき話だと思うのでその事例を挙げてみる.

市場導入され始めた頃のフルデジタルスピーカでは広帯域の周波数をカバーするべく可聴範囲をはるかに超える100kHz(人間の可聴範囲は〜20kHz程度までだが...)までの再現を謳っていた.
日本製の製品では可聴対域外の波形であっても機器に影響を及ぼす可能性を疑いローパスフィルタ回路を加えるなど,フルデジタルという概念にとらわれることなく(故に,現在でもアナログのローパスフィルターを通すべくD/Aしている回路もある)製品保証を目指していたわけだが,一部の海外メーカーなどでは聴こえないのだから問題ないとして設計されたものがたくさん出回ってしまい,ボイスコイルの駆動能力をはるかに超える高域成分が発生した場合にスピーカが壊れるという現象が頻発したという.
目にも耳にも届かない状態で次々壊れたわけだから現場は大騒ぎになったに違いない.
それらの理由から現場としては鳴らなくなるが一番の問題であり,一時期ではあるものの成熟していないデジタルを懸念する声が上がったのは言うまでもない.


また,デジタル化することにより指向性が非常に高くなる.
PA的に言えばアナログの歪やボケ味で音が空間を回る感覚がまず発生しにくいと言う事.
これ自体はいいことのようにも聞こえるがケースバイケースで,逆に言えば分離が音域でも定位でもハッキリしすぎてしまい音の混ざりが悪くなると懸念されるケースもあるのだ.

厳密には駆動部分までデジタル化することによるオーディオ特性の違いはハッキリと発生しないようにも思えるのだが,やはり回路内部での電圧変化が無くなったりボイスコイルの駆動方式における変化等により出音の印象が変わるのは必然.

映像的に言えば収録機器をFullHDから4K(UltraHD)に乗り換えたら画が精密でクッキリしすぎた結果,女優の化粧ノリや肌の凹凸が見えてしまった...このような不利益をいったい誰が喜ぶだろうか?と言う感覚に近いだろう.
クッキリしすぎるから,映像コンテンツとしてはあえてぼかしたりすることになる.本末転倒だがこれが事実であり音の現場でも同様である.

実際に現場のPAさんから聞いた話でクライアントの要望により96kHz24bitでのライブ収録をするから出音もそのままフルデジタルスピーカで鳴らしてくれと言われたらしい.
しかし,分離がよすぎるせいで出音がスカスカになってしまい(アレンジの問題もあると思うが...)結局,フロア音声の卓側にはアナログのプリアンプを通しなおすという"汚し"(ぼかし)を施したと言っていた.


どんなに優れた技術も絶対ではないと言う事である.
今となってはメジャーなデジタルミキサーも出始めた頃は似たような現象で騒がれた事があり,技術の成熟度により緩和されていったのはご存じの通りだ.

様々なケースにおいて技術というものは一長一短を持ちつつも時代の流れの中で周辺環境の変化や技術の向上により新たなものへ置き換えられる日は遅かれ早かれ来るわけで,われわれとしては新たな技術を何食わぬ顔で迎え入れられるだけの知識を持ち,全てをスポイルした上で欠点を克服し利点活かしていかなければならないのだと思う.

March 06, 2015

近年,パソコンは種類も豊富で格安なものから高価なものまでさまざまあります.
今回は,そんなパソコン事情に苦手な方で購入に迷っているあなたの為に簡単にまとめてみました.
タブレット?2in1?ノート?デスクトップ?
店員さんに高いモデルやいらないモノを買わされる前に,あなたの疑問を少しは解消できればと思います.



☆ノートvsデスクトップ
デスクトップは高負荷処理(例えばオンラインゲーム?)向きだけどモニタ類を固定せざる得ない.
その分,ノートはどこでも開ける.ただ,可動性がよい=持ち出す機会が増えると壊れやすくなる事もある.

性能面でデスクと言われるがノートでもデスク並みGPU(グラフィックプロセスユニット)内蔵やUSB沢山付いているモデルはある.
それでも,ノートはグラフィック処理の一部分はCPUパワーから補っているモデルもあったりとスペックだけでは見えない部分があるし,筐体が小さいから排熱限界がある為,高負荷な処理には向かない.
ただし,3Dリアルタイム描画のような高負荷をかけなければ問題ないので一般の皆にはほとんど気にするべき部分ではない.
(注記)省エネ等と謳っている小型モデルは基本ノートやタブレット並みのハードを箱に収めただけ.モニタ,キーボード類の遺産保持者向け.

☆2in1vsタブレット
タブレットは基本iPad等を示しスマートフォンに近い存在であるため実作業はおまけ.2in1やタブレットPCはノートPCをタブレット風に仕立てているイメージな為,実作業がメインでタブレット的軽快さがおまけ.Office等がメインなら断然2in1PCといえる.スマフォなどで使用しているアプリ等を大きな画面で使用したりしたいのであればタブレットという選択になるだろう.

くろまる2in1とは?
特別な取り決めはないと思われるが,基本的にはノートPCをタブレット仕様にしてキーボードを脱着可能または回転させることによりタッチだけでもコントロールできるように仕立てたもの.
言わばノートPCとタブレットの良い所取りといったポジションになる.
メジャーなモデルは基本的にWindows8.1辺りが搭載されておりタッチでもキーボードでもコントロールが可能である.また,USBや光学ドライブ等のI/OポートもノートPC並みに備えているものが多く,タブレット型パソコンといっても過言ではない.あまりパソコンパソコンしているのは苦手という方や,出先の電車や飛行機の中でも気軽にパソコンの画面が見たい方には打って付けである.

くろまるミニPC(小型PC,スティックPC)とは?(注記)ミニタワーやmac miniの事ではない
基本的にはタブレット等のエンジンを箱に収めたモデル.
簡単に言うとタブレットのタッチパネルなし版.
Windowsが使えるPC互換器もあるが,AndoroidやLinuxがメインのキワモノ系もあるので注意.
安いなりの理由がある.用途が違うなら手を出さない事.あくまで玄人の実験向け.

くろまる低価格PCは買いか?
一言では片づけられないが,一般的な低価格PCはモバイルノートにせよ省エネデスクトップにせよマシンスペックは最低限である.もちろん,Officeアプリ系のワープロ使いでそれなりに使えてしまう.用途を絞ればよいということだ.
故に,映像を再生したり写真を加工したりと少し高度な処理を行おうものならたちまち悲鳴を上げることになるだろう.考え方にはよるがパーソナルと言うには苦しいかもしれないが,あくまで最低限のコンピュータであることを受け入れられるならありかもしれない.
ただ,そのくらいならタブレットやスマフォで十分かもしれない.限定的にパソコンのOSでしか動作しないアプリを動かさないといけない等特殊な場合を除いては差し迫って必要なモデルとは言えないかもしれない.

だいやまーくノートPCを買うならやっぱりメーカー製?
基本的にノートPCはBTO(Build to Order:受注生産やPC用語ではパーツ組み換えの意味)でも結局,破損した場合HDD(またはSSD)・メモリ程度しか個人での交換はできない.
故に,保証を付けたメーカーPCはトラブルの時に助かる.

だいやまーくデスクトップPCを買うならショップブランド?
要は安いから.基本的に壊れた箇所が判ればそこだけ入れ替えることが可能.また,マザーボードが対応する限り後から拡張することも可能.長く付き合いたいならなるべく高スペックで導入を.有名店では対応やアフターも昔よりはしっかりしてきた.それでも,専門用語が飛んできてビビる人にはお勧めしない.



[メーカー満足度ランキング](注記)デスクトップ調べ
14年末確認ではエプソン⇒SONY⇒東芝,,,
国内メーカーのハード頑丈さは似たり寄ったり.エプソンを押す理由は余分なソフトがインストールされてこない事.使いもしないのにバンドル版のウイルスソフトやら電源の監視ソフトやらが国内メーカーのPCには必ず入ってくる.非常に重くなってしまうし,初心者にはどれを消していいのか困るとの事.
ノートであればPanasonicがダントツのメーカの模様.ただしLet'sNoteはスペックの割に値段が高くハードワークなビジネスマンでもない限り必要ないかも?

[ショップブランド満足度ランキング]
14年末確認ではマウスコンピューター⇒サイコム⇒ツクモ⇒ドスパラ,,,
圧倒的に値段最優先な順位.マウスコンピュータは安いモデルに力を注いでいるブランド.サイコムはごめんなさい個人的にお世話になったことありません.ツクモは一度破産に追い込まれ(根底はNECリースのせい?)民事再生手続きを行って現在はヤマダ電機の子会社の傘下.老舗店の一つだし,今後は簡単に潰れないと思う.ドスパラは名前の通りDOS時代からの老舗で高スペックマシンの信頼性が高い(StudioT'sLABのDAWマシンは昔からドスパラ製Primeシリーズ)

[2in1のおすすめ]
値段もスペックもほぼノート.ノートより便利な点としてはタッチパネルでキーボードが脱着できたり回転できたるする事やワイヤレスWANが内臓されている点だろう.I/Oが充実しているモデルすらあり欠点らしい欠点は見当たらないものも.意外と買かも?!
タブレットライクではあるが一般的なタブレット端末に比べるとはるかに重い.また,ハイスペックなCPUを用いているためFANも内臓されている.

[まとめ]
結局,用途によって異なる為,「これがお勧めですよ,絶対買いですよ」と無責任な言い方はできません.
使い道はご自分で明確にするべきです.
それでも,ピンとこないあなたには以下の簡単な早見表を参考にしてください.

・何となくPC持たなきゃって言う人
⇒タブレットでも十分
・少し文章打ったり表計算する人,写真の整理等に使いたい人
⇒2in1辺りがお勧め
・学校やバイト先とか,会社やカフェに持ち歩いてOffice類を使う人
⇒2in1ないしノート
・モニタ類がそろっていて置き場所もある人,持ち歩かない人
⇒デスクトップや大型ノート

特殊なケースの場合は以下の通り(だいたい,そういう人はこのページ見ていないでしょうけど)
・映像やります,DAWやります
⇒ハイエンドのデスクトップかショップブランドの専用PC(別途ペンタブ,AudioI/F等必要に応じて)
・騒音を気にするけどハイスペックが欲しい
⇒Mac mini , Mac Book Pro
・ニコ生やりたい
⇒ミドルエンド以上のノートまたはデスクトップ(別途キャプチャボード,AudioI/F等必要に応じて)

尚,近年のCPU事情は分かりにくい.
ベンチマークをまとめているうれしいサイトがあるので紹介しておく.
迷ったらこれで辺りをつけるとCPU性能が一目である(もちろん,測定条件が必ずしも自分の使用目的に沿うわけではないので完璧な情報ではない)
http://www.cpubenchmark.net/index.php



いかがでしたか?以上を読んであなたの心は決まりましたか?
店員さんにいらないもの売りつけられない自信がつきましたか?
押入れに眠ったり部屋の片隅で埃かぶる事がないように賢く買い物しましょう.

March 05, 2015

とある機材を好みの仕様に改造しようと波形解析を行う事にした.
しかし,手持ちのポケットオシロスコープSeeed Studio製DSO Quadでは波形が出ていることくらいしか確認できず断念.
そして,昨年満を持してZEROPLUS製LAP-C(16128)というロジックアナライザ―を購入.
サンプリングレートは100Hz〜200MHz.DSO Quadで波形を見ていたので何となく見られそうな波形だなと言うことで迷わず選択.
魅力は何と言っても多チャンネルを波形化できる事とプロトコル解析が無料でたくさん使える事(標準でもI2CとかSPI,UARTと自作電気電子工作では十分)
その上,キャンペーン中でプロトコル解析のオプションが30個まで無料で認証できるという.
迷わずI2SやMIDI,S/PDIFやPCMを入れたのは言うまでもない.

ただ,買ったのが10月なのに申請したのが12月で対象の波形解析に至ったのは今年の3月と言うスロースタート.
4人の諭吉先生が飛ぶほどで貧乏な私には相当な買い物だったんだけどね...時間が許さなかった.

早速使い心地.
ま,先駆者たちも使ってるし英語のマニュアルもあるのでそれなりに使える.
ただ,先に言った通りプロトコル解析のツールはモノによって認証が必要なのでややこしかったし,解析方法もイマイチ親切じゃなくて迷ったので今回はまとめてみた.

これから使う工作ボーイや工作ガールの役に立てればと思う.

まずは,LAP-C_Standardというアプリの最新版をZEROPLUS社のHPよりDLする.
ドライバまでインストール出来たらUSBで接続して準備完了.

尚,ソフトはロジアナ本体がなくてもDEMOモードで動かせる.
出先のノートPCで波形解析っていうのも可能かも(私はやったことないけど)

今回の対象となる機器は先にオシロで波形のあたりを付けていたためクロックとデータっぽい波形が見れていた事からI2Cか3線シリアル辺りじゃないかと思って取り掛かった.
案の定全チャンネル分の波形を見たら2ライン以外はHiかLowに張り付いている事が判明.
I2Cに絞って解析開始.


解析方法
取得した2つの波形を[Shift]キーを押しながら左クリックで選択

右クリックより"Group into Bus"を選択しグループ化する

グループ化されたら"Bus1"となったグループにカーソルを合わせて右クリックし"Bus Property"を選択

[Bus Property]の"Protocol Analyzer Setting"より該当のアナライザーを選択(今回はI2C)
因みに,アナライザが出てこない場合はインストールされていないせい.
必要なソフトをZEROPLUSのページからDLすれば見れる.
また,解析に必要な数の波形が選択されていないとエラーが出たり,認証されていないアナライザーは選択できなかったりするので注意.

I2Cの設定画面.
波形が逆転してしまったので選択しなおした.
頻繁に短いスパンで上下しているのがクロック(SCL)ラインで,もう片方がデータ(SDA)I2Cプロトコルについてはフィリップス社が情報を公開しているので詳しくはそちらを参照されたし.

Busにプロトコル名が出ていれば解析されている.
もちろん,解析する波形が違うプロトコルだったりすれば正常な解析結果は出てこない.


次に,解析結果のデータを表化して表示してみる.
[Windw]より"Bus Packet List"を選択

波形ウインドの下にPacketリストが出現.

このパケットリストはテキスト形式で保存することができる.
テキストにすればExcel等で編集したりWinMerge等で差分確認に使用でき非常に便利.

Packet Listウィンドより[Export]を選択.

任意の場所に任意のファイル名で保存可能.

テキストでこのように保存される.

ついでなので解析等に有効な手段も紹介しようかと思う.


テキストファイルのExcel展開方法
Excelでこのようなファイルの開き方は,まずExcelを立ち上げて[ファイル]タブから"開く"を選択.

先ほど保存したデータを選択しますが,デフォルトでは.xls等が表示されるようにフィルタリングされているのでファイル名横のプルダウンメニューより"テキストファイル"を選択して表示させ開く.

選択すると"テキスト ファイル ウィザード"というウインドウが立ち上がるので今回のデータのように何か特定のスペースやカンマ等で保存されている場合はデータのファイル形式を"カンマやタブなどの~"を選択し[次へ]

次の項目では"特定の何か"を指定する.
LAP-C_Standardのエクスポートデータでは基本的にスペースが使われているため"区切り文字"の"スペース"にチェックを入れて[次へ]

次の項目はデータをどのようなルールでセルに保存するかを選ぶ.
表示するものが16進数などの数値データだと"文字列"で開くと仮にデータの中身が"0FF"と仮になっていても"0"が消えることなく表示できる(列ごとに選択して形式を変更)
今回のファイルは0x00と言った具合にExcelが数字として判断するデータはないのでG/標準のまま[次へ]で開ける.



これまたついでにデータ比較の方法なんていうのも紹介してみる.
先ほど開いたデータを他のデータと比較するためにWinMergeというフリーソフトを使用してみる.
まず,上記の手段で開いたデータは以下の通り.
比較に必要なWriteの列からデータまでをドラックアンドドロップでコピーする.

次にプレーンテキスト化するため新規にメモ帳を開いて先ほどコピーしたデータをペースト.

同じように比較データもプレーンテキスト化して準備したら次にWinMergeを立ち上げて比較するファイルを開く.

以下のように,差異がある行には色が付くので解析が容易にできる.



ロジアナの説明だけのつもりがおいしい情報を2つも載せてしまった.
解析に時間をかけるのはよくても,無駄な時間をかけるのはナンセンス.
色々な手段があると思うので慣れた方法でオートメーション化すればよい.
手段が特になければ今回の手法を応用して活用してくれればと思う.

さー,波形がわかったところで私としてはここからが本番.
さて,どんなマイコンで何をどう実現しようか.
企画書を作成しつつ奮闘の日々が訪れそうだ.


March 02, 2015

締切に追われてたもんで夜間帰宅後も28:00頃まで作業していたからウイルスチェック(終了後オートシャットダウン)させたままPC稼働状態で寝たんだけど急に5:40分頃UPSがピーピーなるもんで起きちゃって...
最初,なんで鳴ってるのか全く分からず漏電か?ってブレーカー見に行ったんだけどシャットされておらずで疑問増大

隣のおねぇちゃんも起きていたみたいでテトテト足音がしてたもんだからてっきり家だけの問題だと思ったんだけど,さすがに気になるし(冷蔵庫開けてもウンスンしてない冷たくない...いや,部屋が庫内とほとんど差がないだけか(爆)

さすがに,朝っぱらから一人暮らしの女性達が住む隣人部屋にピンポーンっていくわけにもいかず取りあえずカーテンを開けてみたらどうもおかしい.
電気がついているお家と付いていないお家が普段の雰囲気と全然違う(朝が早い家と御寝坊な家ってのはほとんど変わらないからよくわかるもの)

まー大したことなくても昨日は雪も雨も降ったし,送電線の異常かトランスの異常だろうと踏んで...までは頭が働いたがさすがに眠く次起きた時に調べようって二度寝についた―.


そして,時刻は7時
体がだるすぎて,ボサボサ頭をフラフラさせながら朝食を用意しようと炊飯器を見たら電気がついている.
あー戻ったのか
と,呑気に独りごちる.

結局,変電所間の送電線が故障したとのこと.
運休や信号が止まったりと交通機関に影響が出たらしいけど,大きなトラブルの連絡は来なかったとか...
ん?でも待てよ?
変電所の送電線故障は,想定の範囲以内だがなぜあの時,近所はまばらに電気が消えたのだ?
変電所間って言ったら給配電されている電気は根こそぎ電流を失うのでは?

ボーっとしながら思った事
その1.自家発電による電力(太陽電池の電灯や太陽光発電による蓄積電力)を使用している
その2.電線経路の問題(本故障で影響が出なかった?)
その3.使用電力による電荷抜けの差

送電線ってトランスまではAC(交流)6.6千ボルトとかで街中に送られているけど(←意外と皆,知らない?)
結局電気は電気であり,回路中の送電経路が断たれた状態では電気は流れない(配電しない)と,言うことは2.は難しくないだろうか?
1つの町を補う配電所はそりゃ複数あるだろうし後から継ぎ足されていくこともある送電線経路は決して隣と同じ配線とは限らないとは思うが,2件3件先や同じアパート内で差が出るものか?

おそらく,そうそうないと思う.

それと3.についてもゼロじゃないにしても1〜2分も差が出るものだろうか?
コンデンサのように電荷抜けが遅い部品の役割を配電間の機器や各電器製品が担ったとしても,難しい気がする.
電力を引く力が低い機器でもやはり電路を絶たれれば直ぐに消える.
残照的に残っても数秒〜数十秒.
遅くとも1分以内には目に見える電気の症候は消えるものだと思う.

と,言う事はまさかの1.なのか?!
そう考えると結構な家が電気ついていたぞ!
俺も人の事言えないけど(UPS:無停電装置⇒私の所有している物なら電力が断たれてもDAWシステムを10分くらいは安定動作しておける)

うーんにわかに信じがたいけど(アパートの電灯とかもついてたよーな・・・あーあれは小さい太陽電池か)
自宅発電の家はやっぱり多くなっているんだなぁという結論でいいのだろうか。。。
僕は寝てたから一切困らなかったけど,起きても付いてなかったら、、、弁当作るくらいなら電気なくてもできるか。。。
いやいや,信号が消灯してたらさすがに車で出社できんわ(あのシャーベット路の中シクロで出勤は勘弁だぜ)

あーでも,だからって自家発電や太陽電池を買う気はないから家にセールス来てもシニカルに追い返すよ.

ま,そういう時代になったって事にしておこう.
でも,もしもの時には自家発電って役に立つとは思ったけど,薄闇の朝日光と自慢の夜眼だけで普通に分電盤見に行ったから,やっぱり現代人って無駄に電気使いすぎだと思うよ.

俺の住んでるアパートは未だに共有スペースの電気はオレが消さないと昼間でも付けっ放しだったりするし...

どっちかっつーとそんなことを感じた停電でした。



traq

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