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April 2014

April 20, 2014

ひょんなことから某国産のキワモノ機器,テン年代初頭に一部のコアユーザーの間で流行ったMiniPC(別名:アンドロイドスティック)というものをご紹介.

どんなものかというと写真の通りなんですが...(USBメモリが少し大きくなった程度のサイズ)
[画像:003]
VidOn.me製 Android 4.0 Mini PC


名前の如く小さな筐体にはCPUとメモリ等を積んでおり,OSにAndoroidを採用.
まさにコンピュータなわけです.

↑見た目もスペックもほとんど同じなMK802という商品↑


映像はMiniHDMIで出力する方式です.
これがややこしくて一般ユーザーならずコアユーザーも多くの方が手を焼いた商品(多分...)

何故か?という前にまず,どのような使用用途があるかを先に考察します.
まず,AndoroidOSを採用しているといえば巷で有名なスマフォが思い浮かぶかと思います.
勝手は同じと考えていいのですが一番の違いはタッチできる画面がありません.

代わりにUSB端子がついているのです.
想像力豊かな方はもうお分かりだと思います.
最近のAndoroidには外部機器用のドライバが内蔵されています.
要するに,マウスやキーボードのUSBドライバが内蔵されていればUSB経由で接続ができるわけなのです.

ということで,この端末ではUSBマウスやUSBキーボードを入力デバイスとして使用します.
Andoroid端末ですので,スマフォ同様にサードパーティー製とでも言うのでしょうか?色々なアプリを入れることができます(もちろんGooglePlayストアにアクセスできますが,公衆網に直接接続するわけではないのでWiFi接続)

映像の出力は先に記述した通りHDMIになります.
HDMI入力が付いたTVやモニタを用いて表示させれば小さな小さなコンピュータが出現するといった具合なんですね.

このコンパクトな形状でスマフォと同じような端末がTV等で使えるとあってか,コアユーザーの中には一早く輸入して手に入れた方もいらっしゃるようです.
自宅で眠っていたモニタやキーボード類を引っ張り出してAndoroid機にしてしまったり,TVにつないでAndoroid型映像サーバーにしてしまう人が続出したわけなんですね.

一躍,裏社会(?)の天下を統一するかに思われたのですが,時が経過するにつれ不都合が生じることに気が付いた人が後を絶たなくなってきました.

動きが遅いとか,USB機器の制限が多いとかは一般の人にも難なくわかる部分なわけですが,こぞって壁にぶち当たったのがTVサーバー化を試みたセミプロユーザー(?)の皆さま.


色々なサイトで「何だか動画を再生させたら映像が映らない」とか騒ぎ始めたわけです.
ほとんどの方が壁強し!と言わんばかり解決できずにTVサーバー化を断念してしまったようですが,ここには大きな落とし穴があったんです.


HDMIに少し詳しい方ならそれがなんなのか想像つくはずです.
HDMIの内部はディジタル信号です.

故に,劣化を最小限に抑えて送受信しているためディジタル業界でのタブーであるコピーが容易に出来てしまうとハイクオリティーの映像そのものが盗まれてしまうことになります.

これを防ぐべくHDMIには著作物保護の目的でディジタル暗号化処理等が規格に含まれています.
HDCPと呼ばれる技術等がそれに当たります.

いわばコピーガードがある信号なんですね.
これを解除することはできません.


話が長くなりましたが簡単に言えばコピーガードがかかっていて,認証に通らない機器では再生ができない(映像が映らない)ようになっているということなんです.

スマフォでは画面が切り離されていないため機器の中だけで扱っているという観点からコピーガードは発生しませんが,これが一度HDMIという外部出力端子を設けたがために思わぬ副産物を生んでしまったわけです.

故に,ストア等で購入した著作権保護されているディジタル映像コンテンツは再生しても画面に映すことができない現象が発生したというオチです.


「せっかくお金を払ったのに見られないとはどういうことだ」と抗議する人もいたかもしれませんが,それを含めて素人向け製品ではないということなんですね.


これが理由で,多くの方が望んでいたTVサーバーの夢がYoutube視聴専用機等へと格下げされることになったわけです.


その後も,CPUやOSのスペックアップ等進化をし続けているMiniPCの世界ですが特別な発展はなく現在に至っています.



私自身,景品として手に入れたから持っているにすぎません.
いちユーザーになっても,特別な使い道はなくroot化してAndoroidOSのアップデートをして標準オーディオドライバを扱えるようにしようかと考えて,etc...と,もはや玄人志向な感じになってしまいました.

実際,root化を試みたらデフォルト既にroot化されていたり,OSアップデートをするべく他のシステムを移植しようとしたら動かなくなったり(おそらく,よくあるドライバ不良的な何かかと...)と珍事件勃発.

設計段階から意外といい加減な製品なんだということを改めて知ることになったわけであります.


で,長い前置きになっちゃいましたがここからが本題(オイオイ)
AndoroidOSを書き換えようと一般的(その道では)な手法でPCからLiveSuitというソフトを用いてOS領域のフォーマットを行ってしまい動かなくなってしまった.

色々試して解決せずお蔵入りしていたのだが,ふと思い出して再リサーチしてみたらオフィシャルページにそれらしいネタ発見。。。

ファームを含むツールセットのダイレクトリンク⇒http://vidon.me/download/How-to-reinstall-firmware-on-VidOn.me-Android-4.0-Mini-PC.rar
早速,試してみることにした.

日本語仕様書<user-manual-of-vidonme-android-minipc-ja.pdf>
上記pdf通りにやればだれでもできそうである.
マニュアルが日本語化されているというのが何よりすごい話だ.

500MB近いファイルをダウンロードしたら『.rar』を解凍ソフトで解凍.
Toolというフォルダの中に『PhoenixCard.exe』というAndoroid端末業界ではお馴染みなライターソフトが入っている.
注:PhoenixCardは日本語のディレクトリで動作させると文字が表示されなかったりと不具合が生じるので『C:』等ドライブ直下に置いて動作させること(この業界では当たり前か^^;)

(注記)このpdfの文章だといまいちわかりにくいが,『PhoenixCard.exe』を用いたイメージファイルの書き込みにはMiniPC(AndoroidStick)は用いない.PC⇒市販のカードリーダー⇒microSD(32GB以下のものをFAT32フォーマットしたもの)である
急にカードリーダーとかPCとかTFカードとか出てきて意味が分からないあたりが素晴らしい(爆)

★複数の外部記憶デバイスが刺さるカードリーダをご使用の方へ
私は真夜中眠い目をこすりながらもこれで15分無駄にしたのだが『PhoenixCard.exe』というソフトは対1記憶デバイスにイメージを書き込む仕様で,対象外のカードリーダーやFDD等が認識された状態だとBurnボタンがグレーアウト(無効化)してしまう.
もしカードリーダやFDD等がUSB接続タイプなら対象のmicroSDを挿す以外のデバイスを全部外す.PCにビルトインタイプやマルチポートのカードリーダー等,ドライブを個々に外すのが大変(または不可能)な場合はデバイスマネージャを開いて書き込みの間だけ"デバイスの無効"で動作させない状態にする等して回避すること.

書き込みに関しては特別載せなくてもPDFを見ればわかるとは思う.
書き込み対象のDrive(disk)を選んで
ImgFileボタンで対象のイメージがある階層を選択(ここではsun4i_crane_vidon.img)
Productのチェックボックスが選択されている状態でBurnボタンを押すとイメージ書き込みが開始される.
最後に『Burn End...』かPDFに載っている中国語が出てくれば終了(5分くらい)
(注記)バーが途中で止まったりしても絶対にmicroSDを抜いたり,カードリーダを抜き差ししたりしないこと!

終了したらExitでソフトを閉じる.
2度と使わないならドライブ直下に展開した『VidOn.me Flash tool』フォルダは削除しても構わない(書くまでもないか...)


ここで,やっとMiniPC本体の登場!
イメージが書き込まれたmicroSDをMiniPCのTFカード差し込み口に挿入(カチッって言うまで押し込む)
電源が不安定にならないようにコンセントtoDC-JackタイプのDCアダプタを用いて電源を配給してあげる(以降,10分程度はコンセントを抜かない!)
この間,HDMIとかUSBデバイスとか刺さっていてもなにも映らないし何も動かない.
兎に角パイロットランプが赤く光る以外何も起きないので不安な10分だと思うが辛抱して待つ(タイマーセットして漫画でも読んでたらすぐさ!)

10分経っても特に変化はないのだがAC電源をOFFする.
必ず忘れずにmicroSDを抜き出してMiniPCをHDMIでモニタに接続して再度AC電源をONすると
・・・
出ました起動画面!(あ,私は慌ててSD挿したまま電源立ち上げちゃって2回やったから20分近く待ったけど...)

起動が遅い...と,未だ消えない不安を抱きながら待つこと5分程度で懐かしのデスクトップ(って言わないかなぁWindowsじゃないし...)が出現
マウスを挿してマウスポインタも出現
私は1年くらい眠らせていたのでこの瞬間は結構,感動したTT(明日は仕事なのに現在28時5分前...)

と,言うことで結果は成功!
ま,どっちでもいいんだけど。。。

いずれにしてもオフィシャルに純正OSのバックアップを置いておくとか意味が分からない.
言ってしまえばゲーム機のOS(BIOS等)をメーカーページにアップして「ご自由にお使いください」っていっているようなものである(お陰で直ったんで文句はないけど^^;)

「メーカーの言い分はOSが立ち上がらなくなるなどの不具合が発生した場合はこの手段で戻してください」だそうな...

うーん。。。
市場に出してから相当数の人たちがOSを破壊してしまったのかもしれない.

書き方から,ユーザーがOS入れ直しという流れをあたかも当たり前のように思えるが,普通に使っていてもハングしてOS破壊してしまうほど,もろい製品なのか?OS書き換えたりするところまでメーカーの想定範囲以内なのか―.


と,長くなってしまったがMiniPCが復活して動く状態になったわけである.

あーちなみに,書くの忘れるところだったがroot化へと足を向けた理由はAndoroid4.1が入れば標準オーディオドライバが入るため,TASCAMのiU2をオーディオI/Fとして使うことができるのでは?と踏んだわけ(所持した当時の話だけど)
そうすれば,アプリを入れて音楽制作にも使えるんじゃないだろうか?と考えたのである(かっこいいこと言ってみたけど本当はSkype専用機にするつもりだっただけ)
見事に前段階で実験失敗しまった訳である.
ちなみに,もう同じ実験はしないつもり(実験に至ってすらいないけど)
実はオンタイムから数年経ってしまった今となっては実験するまでもないというのが事実.
色々なセミプロが仕様書等から解読した結果,制限がたくさんあって単純にUSB-DACをつなげば標準Audio Driverで動作するAudioI/F等が使えるようになるとは限らない模様なのだ.

もとより,Andoroid4.1で実装されたAudio 標準 Driverがうんぬんかんぬんというよりスマートデバイスでの扱いがややこしいことに...

何でも,スマフォ等の端末側がDACでのデバイスに相当する仕様なんだとか...
おいおい,別にオーディオプレーヤをスマフォのスピーカで聞くやつとかいねーだろ...

ま,それは冗談として,おそらくスマフォをウェアラブルカメラとかの代わりに活用するというシーンを目指した仕様なのではないかと思う.

もちろん,ドライバが入ったことに変わりはないので音声外部出力に特化した形で使えるアプリを開発すればiU2等のUSB-DACをつなぐことは可能と考えられる(とか言っておきながら,さっきの情報も正しいのかよく知らないけど・・・)
いずれにしても,その実験の為にAndoroidアプリを一からプログラムする気が全く起きない私はこれでも昔プログラマー志望だったのだが...(苦笑)

April 12, 2014

中古で手に入れたRolleiflex MiniDigi AF5.0(Red)

今時500万画素程度のしかもスクエア描写なカメラに使い道はあるのか?
とか言う声が聞こえてきそうだが,所有感的な趣味だよ(爆)

なんて,喜んでいられたのはほんの一瞬...
それなりの金額が提示されていたので"まんまと"騙され一番下に申し訳程度に書いてあった「電源はいらず」の文字を見落としていた.

後日,書いていなかったとも言えず泣く泣く見送った諭吉先生に見切りをつけられないままとなった買い物.
致し方ないと思う努力をする間もなく押し入れに仕舞い込まれたのは言うまでもない.


数か月後,実家に帰省するのを機会に持ち帰ることに.
理由はリチウムのCR2電池があるからである.


そう,欲しくて買ったのに実は電池を所持していなかった.
ま,どのみち動かないものに電池を入れても仕方がないのだが―.


ということで,お約束の電池を入れてスイッチオーン

・・・

チーン

まー,そりゃそうだ
だって,『電源はいらず』って書いてあったんだからTT
なーんかスイッチがクリック感なく奥に押し込まれている感じなんだよなぁーとか思いつつ,電池の電圧を測って今一度自分に言い聞かせた
『壊れてるよ』orz


ご存知の通りそれでは終わらないのが私ですよ,はい.

早速分解です.
小さな部品ばかりのトイカメラですが,ほとんどのパーツがダミーです.

まず,電源スイッチを目視するべく正面左のパーツのみ取り外します.
電池蓋を外してまず1本

そして,左サイドのパネルにあるネジを2本
4本ネジで固定されているファインダー部分を取り外して完了.



サイドパネルを外したら,あらビックリ!

スイッチが基板から外れているではあーりませんかー(どこの人だよ)

おそらく,前オーナーはボタン長押し時に破壊的な力で押していたのでしょう.
そのうち内側に入り込んだスイッチを意固地になって押し込んだ挙句クラッシュさせたに違いありません.

メモリを読まなくなったり電源が入らなくなったり液晶が映らなくなったりと天下の精密Rolleiflexもディジタルはダメだと評価する方もいらっしゃいました.
残念ですがそうとは言い切れない気がします.
(「全然違うと思います」by美星バリスタ...えっ!?)

せっかくのカメラを雑に扱ったあなたが悪いと思います.


そんなことは今どうでもいい.
はい,早速確認してみました.
取りあえず目視では基板へのダメージが見当たりません(運が良かった)

電池を入れてスイッチを指で固定しながら長押ししたらほーらこの通り

『Welcome!』

懐かしい画面が表示されました.
素晴らしい!

あ,ちなみに私はAF5.0の前身モデルRolleiflex MiniDigi(Black)の所有者です.
「安い!」(当時中古で7kくらい)って即買いしたら旧モデルだったというオチなんですけど(苦笑)

リチウムのRC2電池まで買ってそのオチだったんで熱が冷めちゃって親父にあげちゃいました(余談が多いな)


はい,早速組み立てというか修理!
で,ここからが大変.

小さなフレームに収められた基板...
どうにも実家にある半田コテ(太い!)では到底コテ先が当たらないのです.

仕方がないので全分解を決意しました.
今回,手ごろなカメラが見当たらなかったので携帯で撮影.
マクロ撮影が苦手な機種なので画質が悪いのはご了承ください.


右サイドも同じ手順で取り外し
裏のパネルは両面テープでついています.

テープを剥いだ跡があるところを見ると前オーナーか買取業者が分解修理を試みたのが一目瞭然.

無駄に壊されず俺に引き取られてよかったなお前!
レンズ本体を取り外しフレキを丁寧に外す.



基板を一枚ずつ外し,これまた大変なファインビュー用の小型TFT液晶パネルをゆっくりとスライドさせて丁寧に外す.
フレキが織り込んであるので無理に引っ張るとオシャカです。。。
反物のように折り返して入っているので引っ掛かりがあるかもしれませんが,ゆっくり丁寧に外せば外れます.



そして,やっとお目に罹れた最後の基板.


スイッチが完全に浮いています(見えにくくてゴメン)
基板のパターンを剥ぐことなくすんだのは組み立て制度の悪さが影響してか?(笑)

基板の半田をソルダーウィッグ等を用いて丁寧に取り除きしっかりと固定しなおします.
ただ,あまり基板から出すぎるとボディーにあたってスイッチのクリック感がなくなる(下手すると押せなくなる)ので位置に気を付けましょう(実は1度組んだとき表面に出すぎて失敗してます)


取り外し時の逆順番で組み直し,完全に閉める前にもう一度動作確認をして問題ないことを確認します.

ばっちり映ったので完全に組み上げました.

組み立て終了記念に旧Rolleiflex MiniDigiと並べてパチリ!

実は,AF5.0の中古品はもう一つ難点が...電池蓋がないのです(というか付属品が全然ない)

今,思えば良く見もしないであんな金額出したものだなぁと思いました.
シャクなので「ほら,動いたぜ!どんなもんだい,エッヘン!」って転売業者に見せてやりたい気分ですが面倒なのでやりません(面倒じゃなくてもやるなよ)


ちなみに,ボディーの金型や素材は同じなのでしょう.
旧Rolleiflex MiniDigiとAF5.0はカメラのレンズと背面のパネル文字こそ違うものの同形状なので電池蓋も共有できます.
ただし,対応メモリが違います(もしかすると中のIC類も違かったりして...レンズは間違いなくオートフォーカス対応になってるから違うけどソフトだって制御が追加されているから違うよねー)
旧Rolleiflex MiniDigiはSDなのに対しAF5.0はminiSD
2014年現在,このモデルが対応するHCではないSDをしかもminiサイズのものを探すのは至難の業です(付属品なかったから物がない)

実家の押し入れを漁ったら運よく昔の携帯にサービス同封された16MBのminiSD発見(もう化石だ)
動作をばっちり確認できました.


P.S.
後日,漱石先生1人半出陣させてmicroSDの512MBを6枚とmicroSDtominiSD変換アダプタを仕入れ第一線に仲間入りさせましたとさ.

めでたしめでたし.

次は,革製のケースを買って電池蓋落下防止をしたいですね〜
本当は本物の2眼レフをぶら下げたいですけどね(苦笑)




traq

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