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ふに落ちない競技によって異なる年齢制限

[ 2022年2月7日 05:30 ]

北京冬季五輪第3日・女子スノーボードスロープスタイル ( 2022年2月6日 雲頂スキー公園 )

最年少メダルはお預けとなった村瀬(AP)
Photo By AP

【藤山健二 五輪愛】スノーボードの17歳、村瀬心椛の最初の挑戦はスロープスタイルで10位に終わった。残念だが、ぜひ15日のビッグエアでは気持ちを切り替えて表彰台を狙ってほしい。

村瀬は13歳だった前回の平昌五輪でも有力候補だったが、「15歳」という年齢制限のために出場できなかった。その3カ月後に行われたXゲームでは史上最年少の13歳6カ月で優勝しており、周囲を大いに残念がらせた。

東京五輪ではスケートボードの西矢椛が13歳で金メダルを獲得。12歳の開心那も銀メダルを獲得したのに「なぜ?」と思う人もいるだろう。実は五輪憲章には年齢に関する制限は一切ない。制限しているのは各競技の国際連盟で、国際スキー連盟は「15歳」が条件なのに対し、ワールドスケート(旧国際ローラースポーツ連盟)は制限を設けていない。

スノーボードは98年の長野五輪から正式種目となった。当時のサマランチIOC会長の強い意向とされるが、急な話だったために正式な手続きを踏んで新競技として採用するには時間が足りず、やむなくスキー競技の中の1種目として実施することにした。統括団体も本来なら国際スノーボード連盟がIOCに加盟すべきところを、全く経験のない国際スキー連盟が全て仕切ることになり、それまで自由に競技を楽しんでいた選手たちは年齢制限も含め、突然五輪の厳しいルールに縛られるようになってしまった。今でも海外のトップ選手たちの一部が五輪に興味を示さないのは、この時の混乱も影響している。

スケートボードも混乱はあったが、結局ワールドスケートが統括することになったため、西矢や開は年齢に関係なくメダルを手にすることができた。

低年齢層の心身の健康を守るために年齢制限は必要だと思うが、競技によって異なるのはどうも釈然としない。IOCとして何か提案できることはないのか、村瀬を見ながらそんなことを考えた。(特別編集委員)

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