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船木和喜氏 陵侑の"前傾フォーム"高い汎用性証明した 4冠獲れる力ある

[ 2022年2月7日 05:30 ]

北京五輪第3日 ノルディックスキー・ジャンプ 男子ノーマルヒル決勝 ( 2022年2月6日 国家ジャンプセンター )

前傾フォームの小林陵(AP)
Photo By AP

【ジャンプ斬る 船木和喜】24年前の私以来、と何度も連呼されることは照れくさかったが、日本からまた五輪チャンピオンが生まれたというのは、本当にうれしいこと。正確に言えば、私はノーマルヒル銀メダル。ごまかしの利かないノーマルの王者は50年前の72年札幌の笠谷幸生さん以来で、日本ジャンプの歴史がつながった気がして感慨深い。この日の試合は陵侑のためのものだった、というのが率直な感想だ。

まずは技術面。新設ノーマルヒルの「低い飛行曲線」に必死にアジャストしようと各選手が試行錯誤する中、陵侑は前日の予選前からいつもW杯でラージヒルを飛ぶときと同じジャンプをした。結局、距離を伸ばした選手のジャンプは、ラージヒル同様に前傾を深めるフォームで、ランディングバーンが近づいても我慢し、終盤に距離を伸ばしていた。これは陵侑の選択の正しさ、フォームの汎用(はんよう)性の高さを証明した。

もう一つは、強運だ。実は1回目、W杯ランク上位にあたる最後の10人に、ジャンプには不利な追い風が吹いていた。ところが、陵侑のときだけ追い風が少し弱まり、飛距離を伸ばせた。結果的に、W杯でしのぎを削ってきた強敵たちが早々と表彰台争いから脱落。2回目の陵侑がリラックスして飛べる理由になったと思う。

前日の「ツボ」でも指摘したように、今大会の陵侑は新種目の混合団体を含めて4種目全て表彰台に立てるだけの力がある。最初で最大の難関は小さなミスと運が勝負を分けるノーマルと思っていたが、これも楽々とクリアした。私の24年前(金2、銀1)を超え、ジャンプ界初の4冠を目指してほしい。(98年長野五輪スキージャンプ2冠)

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スポーツの2022年2月7日のニュース

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