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鍵山SP2位 ノーミスで自己最高更新!"父子鷹"正和コーチとの夢結実へフリーで「全力尽くしたい」

[ 2022年2月9日 05:30 ]

北京五輪第5日 フィギュアスケート男子SP ( 2022年2月8日 首都体育館 )

演技を終えガッツポーズをする鍵山(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

30人がエントリーした男子ショートプログラム(SP)で昨季の世界選手権2位の鍵山優真(18=オリエンタルバイオ・星槎)がサルコー、トーループの2種類の4回転ジャンプを決め、自己ベストの108・12点をマークして2位につけた。18年平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(24=トヨタ自動車)も自己ベストの105・90点で3位。世界選手権3連覇のチェン(22=米国)が世界最高の113・97点でトップに立った。上位24人が10日のフリーに進んだ。

末恐ろしい18歳だ。得点を確認した鍵山は両手を大きく広げ、両拳を握る。そして、父の正和コーチ(50)と熱く抱擁した。2日前の団体戦フリーに続き、今度はSP自己ベストで2位につけた。「団体戦の時は何もかもが初めてだったので、謎の自信だったけど...。今日は、自分が思っている自信だった。"五輪でも自分はできるんだぞ"という自信があった」。メダリストとして、物おじしなかった。

世界中に笑顔を届ける「ウェン・ユア・スマイリング」のミュージックに乗って、軽やかな演技を披露。冒頭の4回転サルコーを出来栄え評価(GOE)で4・02点を稼ぐ。続く4回転―3回転の連続トーループも3・94点の加点で流れに乗った。ノーミスどころか世界歴代3位の108・12点。演技後は、無邪気に喜ぶ普通の少年に戻った。

92年アルベールビル、94年リレハンメル五輪代表の正和コーチとの父子鷹。初めてスケート場に足を踏み入れたのが5歳の時。正和コーチは「氷の上で座ってガリガリに氷をかじっていた」と笑う。どこかで音楽が鳴っていると、1人で踊っていた。競技を始めると、父親譲りの膝を使った柔らかいジャンプも身につけた。「彼が望む道を開いてあげる努力をしていく」と正和コーチ。いつしか2人の目標は夢舞台となった。

18年6月には父が脳出血で倒れたが、絆は固かった。1人での練習期間も乗り越え、19、20年の全日本選手権で3位。21年世界選手権準優勝で殻を破った。父子の夢の五輪メダルが、もうそこにある。

団体の銅メダル獲得で、日本フィギュアスケート界史上最年少メダリストとなった。まだ、夢舞台は終わらない。「メダルのことは考えず、やるべきことに全力を尽くしたい」。フリーの重圧を乗り越えた先に、もう一つの輝きが待っている。

《岡崎真氏 踏み切りのタッチの軽さ高評価》6分間練習前までは緊張感ある表情だったが、一気に切り替えて、乗っていった。鍵山の特長は「弾道」のようなジャンプ。予備動作が短く、踏み切りのタッチが軽いので、着氷後もスピードが落ちずに流れがいい。踏み切り前にスピードを落として長く構える選手とは一線を画しており、お父さん(正和コーチ)にそっくり。高評価を得られている部分だろう。五輪という舞台でさらに成長しており、フリーも勢いのまま演じてほしい。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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