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若林クリス氏 サイドチェンジで攻めたいスマイルジャパン 準々決勝は選手起用と志賀紅の"1本"がカギ

[ 2022年2月9日 05:30 ]

北京五輪第5日 女子アイスホッケー1次リーグB組 日本3―2チェコ ( 2022年2月8日 )

ペナルティーショット戦でゴールを決める久保(AP)
Photo By AP

【アイスホッケー斬る 若林クリス】今大会のスマイルジャパンはパワープレーの精度が高く、この試合でもいい形で2点を取ったが、4試合を通じて5対5の局面で点が取れていないのは気がかりだ。中国戦、チェコ戦とフィジカルの強い相手に速いプレッシャーをかけられ、自陣からパックを思うようにアタッキングゾーンへ運べず、ボードへ押し込まれて苦しい展開になることが多かった。安全優先でプレーすることも大事だが、スピードに乗った攻めにはつながらない。もう少し逆サイドをうまく使って相手のプレッシャーを左右に分散させればスペースをつくれるし、縦のラインも空いてくるはずだ。

だが、相手にパックを持たれる時間が長くても、機動力を生かして粘り強く守り、パワープレーのチャンスをしっかり生かしてロースコアで勝ちきるのも1つの戦い方だ。大会を通じて日本のフォアチェックは大きな武器となっており、プレッシャーをかけてパックが取れている。GK藤本那菜のプレーも安定しており、何よりも選手たちの強い気持ちと高い組織力が感じられる。選手たちに疲れが見え始めた頃にちょうど製氷が入ったり、第2ピリオド終盤に5対3のパワープレーで点が取れなかった際も数的優位のままピリオドをまたぎ、リフレッシュして攻めることができるなど、チェコ戦はタイミングにも恵まれた。運を味方につけることも大切だ。

日本は基本的に3つのセットで回すため、守る時間が長くなるとどうしても後半に疲労が出てしまう。格上のフィンランドと対戦する準々決勝は、ベテランのFW久保英恵をうまく休ませるなど相手の第4セットに対抗できるような選手起用がポイントになってくるだろう。FWは床秦留可が絶好調で、ダントツで攻めの起点になっているが、志賀紅音がシュートは打っているものの、まだ良さを出し切れていない印象がある。1本いい形で点を決められれば彼女自身も乗るし、チームにも勢いがつくと見ている。(東北フリーブレイズ総監督)

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