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森敏氏 暁斗の高い踏み切りが高地のジャンプ台にハマるかもしれない

[ 2022年2月9日 05:30 ]

公式練習するノルディックスキー複合男子の渡部暁斗(AP)
Photo By AP

【今日のツボ教えます ノルディックスキー複合男子個人ノーマルヒル・森敏】9日に行われるノルディックスキー複合男子個人ノーマルヒルでは渡部暁斗(33=北野建設)の3大会連続メダルに期待がかかる。東海大スキー部ノルディック担当監督の森敏氏が占った。

シーズン開幕後、徐々に前半飛躍(ジャンプ)の調子を上げてきたと感じていた渡部暁だが、まだ完調とはいえない。近年は後半距離(クロスカントリー)対策として上半身強化を図ってきたが、これが原因か、少し飛躍のバランスを崩している印象だ。

特に踏み切りで力みがあり、カンテ(ジャンプ台の踏み切り場所)に力がうまく伝えられていない。このため高く飛び出す形となり、空中で前傾姿勢に入るまでに時間がかかり、失速しているように見える。しかし、この高い踏み切りが、今回のジャンプ台にハマるかもしれないのが、注目ポイントの一つといえる。

今回のジャンプ台は標高1700メートル近い高地にあり、低地とは傾向が異なる。実際、02年ソルトレークシティーや10年バンクーバーなど高地で行われた五輪で飛距離を伸ばしたのは、通常より3〜4度上方向に踏み切った場合というデータがある。つまり、今の渡部暁の踏み切りがフィットする可能性がある。距離に関しては今季、上位タイムを記録しており、メダルは前半飛躍次第だろう。

もう一人、言及しておきたいのが山本だ。前半飛躍で上位につけるケースが増え、W杯の表彰台にも立ったが、実はジュニア時代から後半距離に強い選手。スキーに乗るのが上手で、1メートル69、54キロという軽量サイズを生かした攻撃的な滑りは、世界でも存在感を高めている。山本のレース内容は日本の団体戦のメダル奪回にもつながっていくので、ぜひ注目してほしい。(ノルディック複合五輪2大会連続代表、東海大スキー部ノルディック担当監督)

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