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渡部暁斗 ノルディック複合個人NH無念7位「力が残ってなかった」 前半飛躍トップ山本涼太は失速14位

[ 2022年2月9日 20:28 ]

北京五輪ノルディック複合男子個人ノーマルヒル ( 2022年2月9日 )

<北京五輪ノルディック複合>距離で上位を追走する渡部暁斗(左)(ロイター)

北京五輪は9日、ノルディックスキー複合男子個人ノーマルヒルが行われ、5大会連続出場の渡部暁斗(33=北野建設)は前半飛躍で9位タイにつけ、後半距離(10キロ)で順位を上げるも7位。日本勢最高位だったが同競技3大会連続のメダル獲得とはならなかった。

日本勢は暁斗の弟・渡部善斗(30=北野建設)が13位。前半飛躍でトップに立った山本涼太(24=長野日野自動車)は14位。谷地宙(21=早大)は30位に終わった。

5度目の五輪挑戦。「金メダルを獲りたい気持ちはどの大会よりも一番強い」。渡部暁はその思いを、よく山に例えてきた。「獲ったことがないから。何度かその山に挑戦したが、まだ山頂手前まで。そこに立ってみたい」と、まだ見ぬ頂上の景色に思いをはせていた。

20年11月には長男が誕生。「1人の人間として人生の中で凄く大きな出来事。自分の人生に生きる意味が生まれた」。来季以降は家族との時間を大切にしながら競技と向き合い、「100%自分のために時間を使って、金メダルを獲りに行くのは最後」と今大会を一つの区切りとし、集大成の五輪として臨んだ。

シーズン前には「五輪で金メダルを獲るために候補者として名を連ねるために1勝でも多くしたい」と語っていたが、今季W杯は0勝、最高位は5位。北京入り後も調子を上げられず、「台よりも自分自身に苦戦している。残りの時間を使って、いい助走姿勢のイメージを作りたい」と語っていた。

個人ノーマルヒルでは14年ソチ、18年平昌五輪2連覇のエリク・フレンツェル(ドイツ)やW杯個人総合3連覇中で金メダル最有力候補のヤールマグヌス・リーベル(ノルウェー)など優勝候補が新型コロナウイルス陽性反応が出たため欠場。

"本命不在"の混戦模様となった前半飛躍では98メートルの114・1点をマークし9位タイ。後半距離はトップの山本涼太(24=長野日野自動車)に1分16秒差でスタートし、序盤は5位グループに入って追走するも金メダルを獲得したビンツェンツ・ガイガー(ドイツ)の猛スピードについていけず7位に敗れた。

レース後には「金メダルを獲った選手ガイガーと一緒に走ってたんで、もう少し上手く走れればメダルもあったなと思うと、ちょっと悔しさもありますけど...ジャンプの悪さからすると、いい走りをして終えれられたかなと思います」とコメント。「コースのキツさと標高の高さというのもあって最後は力が残ってなかったですね」と肩を落とした。

▽ノルディック複合 飛躍(ジャンプ)と距離(クロスカントリー)を組み合わせた競技。ジャンプの瞬発力やテクニック、距離の持久力や精神力など総合的な身体能力が求められることから、本場欧州では王者には「キング・オブ・スキー」の称号が与えられる。個人戦では前半飛躍で1回のジャンプを行い、その得点差をタイム差に換算(1点差ごとに4秒)。後半距離は飛躍1位の選手が最初にスタートし、後続の選手は換算されたタイム差によって順にスタート。10キロを走り、ゴール到着順がそのまま最終順位となる。

だいやまーく渡部 暁斗(わたべ・あきと) 1988年(昭63)5月26日、長野県白馬村生まれの33歳。3歳からゲレンデスキーを始め、白馬北小4年からジャンプを始める。白馬中から本格的に複合を始め、白馬高、早大を経て、北野建設所属。五輪には白馬高2年時の06年トリノ、10年バンクーバー、14年ソチ、18年平昌から5大会連続出場。1メートル73、61キロ。

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