日経が「『人への投資』ソニーなど100社超連携 相互に兼業も」と報じています。世界と比べ日本企業は従業員への投資が極端に少ないとされる中で日本の大企業が連携してリスキリングを目指すというもので評価できる動きだと思います。
ただ、これをやっても目に見える改善が起きることもないだろうというのが私の予想です。
まず、日本がどれぐらい従業員にお金をかけないか、という点はGDP比率の従業員への投資額(OJTを除く)が厚労省から出ているのですが、日本はこれがざっと0.1%。これに対して欧米は2-3%水準なのでざっくり2−30倍の差があることになります。
なぜ日本企業は従業員に金をかけないのか、といえば私が感じるのは社員へのそもそもの期待度がとても内向きで事なかれ主義的な業務体型になっているのだろうという気がするのです。社員は会社が定めたルールや規範の枠組みから絶対にはみ出ることはなく、言われたことを言われたとおりにやるというスタンスはずっと昔から変わっていません。社員に個性を出されても困るのです。社畜という嫌な表現がありますが、フリーラン(自由に駆け回って育てる方法)ではなく、養鶏場で運動もさせず「しっかり産めばそれでいい」という発想です。
派遣社員制度はそもそも解雇が出来ない日本に於ける自由度の高い雇用形態として取り入れられました。批判が多いこの雇用方法を止める方法はあります。それは企業に解雇を認めることでしょう。そうすれば企業は派遣社員より一般採用を増やすはずです。しかし、それが当面望めないとすれば派遣社員には枠組みの決まったルーチン業務だけを延々とやってもらうことになります。会社の方針について社員から意見を聞くといったことは一般的ではありません。定常業務の枠組みからはみ出ることはありません。しかし、その仕事、楽しいですか?そんな訳、ないと思います。
会社経営に於いて経営をよりよくするには持てる資産の有効活用が問われますが、数多くいる社員を資産と捉えておらず、その機会も限定的です。また様々なアイディアを出してもその上司が「そんな突拍子もないことを...」といって握りつぶすかもしれません。
今回、日経が報じているのは日本を代表するような大手企業が100社単位で人を中心とした交流をすることでリスキリングを磨くというものです。リスキリングとは社員の能力開発のことでこれは世界で急速に広まっていますが、日本ではなぜかDX(デジタルトランスフォーメーション)に偏っているような気がします。いままで自分の会社を出たことがない人にとっては刺激的であろうと思いますが、私がそこまで期待をしていない理由は結局掛け声をするトップ層とコマのように動かされる社員の温度差が生まれるとみているからです。つまりやらされ感です。
一昔前は出向といえば社員にとって永遠のお別れのような感じでした。今の時代は出向は増えており、若い人から年配まで、また永久の出向というより数年間の出向も増えています。ただ、コロナ禍で雇用確保と人件費の調整的理由でも大きく増えた出向者をも踏まえれば出向命令を受けた社員はやる気をなくすだろうなと思います。またご本人も「会社の自分への評価はこんなものだから」と割り切り感も出るでしょう。もちろん、出向先での大活躍で本社に大栄転というケースもありますが、それはごく一部の例外です。
今回の報道も人への投資という立派なお題目は重要ではありますが、スキル(技術)習得という点が主体であり、「Youはなぜ仕事をするのか」という忠誠心や仕事への姿勢とは別世界です。日本人は会社への忠誠心が主要国に比して格段に低く、かといって転職も起業もするわけではない「なんとなくサラリーマン」という方が多いという統計もあります。仕事が生活のため、というフラット感がそうさせるのだと思います。一生懸命やっても普通にやっても手を抜いても給与は大差ないのです。
今週号の日経ビジネスの特集は「異端児に託す経営」。まさに今日のブログのためのような話ですが、冒頭のリードに「変化を起こそうとする異端児の芽を摘み取り、『出る杭社員』を叩きのめし、あえて凡人の集団にしてきたのではないか」と提起しています。異端児の特集は日経ビジネスでも過去何度かやっていますが、結局わたしの達観するところは会社ではそのようなシーンに於いて「異端児と傍観者」でしかなく、他の社員は美辞麗句を並べながら結局、冷たい視線を送るのです。
ならば傍観者であるその他の社員を惹起する方法を考えないといけない、これが私の思うところであり、仕事が楽しい、発見がある、異業種との出会い、学んだスキルを使いこなすなどを末端からトップまでが共有し、「前向き部署」を作るといった外科治療が私には必要だと思います。
以前提言したように例えば新入社員は全員子会社、関連会社からスタートし、頑張った者が親会社に行けるというステップも必要なのではないかと思います。
何事も改革は一歩目から、ですが、いっぺんに全部は変えられないのなら頑張る人を重用するといった明白なアメを与えるなどして10年かけて体質変換を図っていくしかなさそうな気がします。
では今日はこのぐらいで。
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また明日お会いしましょう。
ただ、これをやっても目に見える改善が起きることもないだろうというのが私の予想です。
まず、日本がどれぐらい従業員にお金をかけないか、という点はGDP比率の従業員への投資額(OJTを除く)が厚労省から出ているのですが、日本はこれがざっと0.1%。これに対して欧米は2-3%水準なのでざっくり2−30倍の差があることになります。
なぜ日本企業は従業員に金をかけないのか、といえば私が感じるのは社員へのそもそもの期待度がとても内向きで事なかれ主義的な業務体型になっているのだろうという気がするのです。社員は会社が定めたルールや規範の枠組みから絶対にはみ出ることはなく、言われたことを言われたとおりにやるというスタンスはずっと昔から変わっていません。社員に個性を出されても困るのです。社畜という嫌な表現がありますが、フリーラン(自由に駆け回って育てる方法)ではなく、養鶏場で運動もさせず「しっかり産めばそれでいい」という発想です。
派遣社員制度はそもそも解雇が出来ない日本に於ける自由度の高い雇用形態として取り入れられました。批判が多いこの雇用方法を止める方法はあります。それは企業に解雇を認めることでしょう。そうすれば企業は派遣社員より一般採用を増やすはずです。しかし、それが当面望めないとすれば派遣社員には枠組みの決まったルーチン業務だけを延々とやってもらうことになります。会社の方針について社員から意見を聞くといったことは一般的ではありません。定常業務の枠組みからはみ出ることはありません。しかし、その仕事、楽しいですか?そんな訳、ないと思います。
会社経営に於いて経営をよりよくするには持てる資産の有効活用が問われますが、数多くいる社員を資産と捉えておらず、その機会も限定的です。また様々なアイディアを出してもその上司が「そんな突拍子もないことを...」といって握りつぶすかもしれません。
今回、日経が報じているのは日本を代表するような大手企業が100社単位で人を中心とした交流をすることでリスキリングを磨くというものです。リスキリングとは社員の能力開発のことでこれは世界で急速に広まっていますが、日本ではなぜかDX(デジタルトランスフォーメーション)に偏っているような気がします。いままで自分の会社を出たことがない人にとっては刺激的であろうと思いますが、私がそこまで期待をしていない理由は結局掛け声をするトップ層とコマのように動かされる社員の温度差が生まれるとみているからです。つまりやらされ感です。
一昔前は出向といえば社員にとって永遠のお別れのような感じでした。今の時代は出向は増えており、若い人から年配まで、また永久の出向というより数年間の出向も増えています。ただ、コロナ禍で雇用確保と人件費の調整的理由でも大きく増えた出向者をも踏まえれば出向命令を受けた社員はやる気をなくすだろうなと思います。またご本人も「会社の自分への評価はこんなものだから」と割り切り感も出るでしょう。もちろん、出向先での大活躍で本社に大栄転というケースもありますが、それはごく一部の例外です。
今回の報道も人への投資という立派なお題目は重要ではありますが、スキル(技術)習得という点が主体であり、「Youはなぜ仕事をするのか」という忠誠心や仕事への姿勢とは別世界です。日本人は会社への忠誠心が主要国に比して格段に低く、かといって転職も起業もするわけではない「なんとなくサラリーマン」という方が多いという統計もあります。仕事が生活のため、というフラット感がそうさせるのだと思います。一生懸命やっても普通にやっても手を抜いても給与は大差ないのです。
今週号の日経ビジネスの特集は「異端児に託す経営」。まさに今日のブログのためのような話ですが、冒頭のリードに「変化を起こそうとする異端児の芽を摘み取り、『出る杭社員』を叩きのめし、あえて凡人の集団にしてきたのではないか」と提起しています。異端児の特集は日経ビジネスでも過去何度かやっていますが、結局わたしの達観するところは会社ではそのようなシーンに於いて「異端児と傍観者」でしかなく、他の社員は美辞麗句を並べながら結局、冷たい視線を送るのです。
ならば傍観者であるその他の社員を惹起する方法を考えないといけない、これが私の思うところであり、仕事が楽しい、発見がある、異業種との出会い、学んだスキルを使いこなすなどを末端からトップまでが共有し、「前向き部署」を作るといった外科治療が私には必要だと思います。
以前提言したように例えば新入社員は全員子会社、関連会社からスタートし、頑張った者が親会社に行けるというステップも必要なのではないかと思います。
何事も改革は一歩目から、ですが、いっぺんに全部は変えられないのなら頑張る人を重用するといった明白なアメを与えるなどして10年かけて体質変換を図っていくしかなさそうな気がします。
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自分の仕事が決まって、それを一所懸命に習得し、さらに創意工夫を加え、1年も過ぎた頃か、
定時ちょっと過ぎの電車に間に合うように他の人よりも効率的にさっさと仕事を終えるようになってきました。
定時ちょっと過ぎに帰宅するようになって1〜2ヶ月後。
直属の上司から、「部長から、早く帰すなと言われた。1時間ほど帰宅を遅らせてほしい」と言いにくそうに告げられました。
今から45年ほど前の話。
ショックでした。
時間を自己啓発に使うどころか、付き合い残業で無意に使え...って?
未だに日本のホワイトカラーの生産性は、低空飛行中。
新卒を一斉に採用して、「大学や社外の教育には、一切期待しない。人材は自社内で育てる」と自慢してきたんですよね。
外部流出コストの累計が世界と比して少なくても、ちゃんと社内で人材を教育・育成してきたはずですよね。
特に円高やバブルの時代には......?
+++
筆者 山崎 元
連載 山崎元のマルチスコープ
投稿 2022年07月27日 04:30
これに答えが書いてあると思う。
はっきり言って、大企業の総合職(あくまで総合職だけ)は、労働基準法適用除外にするくらいでないと、職場の活性化、生産性向上なんて「百年河清をまつ」ようなもの。
勿論、初任給なんて、年間換算2千万、5千万どころか、出せるのなら1億だってありだろう。当然そういう待遇の新入社員は、「成績不良なら1年でクビ」もあり得る。
私も就職氷河期世代の端くれなので、バブルで浮かれた世代を羨ましく思ったこともありますが、いまさらそんなことを言っても仕方がないと考えています。
たまたま私は運良く妻やその家族の援助のお陰で人並みの生活をさせていただいているので、今後はもっと貪欲に仕事と家庭生活を楽しみたいという思いから色々なことの勉強をしております。
同級生に言うと、今更そんに張り切りたくないという答えも返ってきました。
しかし私はせっかく高齢化社会になっているのだから、中高年こそもっと貪欲に仕事を楽しむべきではないのか?と考えるようになりました。
どうせ最期は死ぬのですから、楽しみながら仕事をして社会に貢献し張りのある生活をしていきたいと思うからです。
また、明日のブログも楽しみにしています。
グランドデザインがふにゃふにゃだと社員は何処に向かって走っていって良いか解りません。
グランドカバーは社長成る人が一人で考えても良いし、プロジェクトチームでやっても良いし。
今現在日本の企業で一番上手いと思うのはユニクロです。私は買わないけど・・・
調べたら自社のセオリーから始まりコラボレーションのブランドが9つ全部で10のブランドと普通のユニクロです。GUはお手軽で毎年買って着て捨てる。
後今流行りはフィッシングBESTが若い女性に大人気。ワークマンの影響ですね。BESTポケットにはスマホも入るし両手空くし、バック要らないし。足先の割れた足袋靴もこの夏流行りました。素足ではくときにサンダル(ケロッグ)だとだらしなく見えるから。
そういう意味では東芝はソニーより昔からグランドデザインがハッキリしないし、日立よりPanasonicのほうがハッキリしない。
社員に金かけるより社員にそこに向かって走れ全速力!って?発破をかけそうなモーター会社の社長居ましたね。彼そのものが生きたグランドデザインの様な気もします。
本来、どの会社も「そうあるべき」だったのに、バブル絶好調の時の「夢よもう一度」でズルズル来たのがこの30年だった。そういうことだろう。
異端児に経営を任せても、結局数年のうちに再度の軌道修正が掛かって元の縮小コピー的な体制に戻るというのが関の山ではないでしょうか。
これは日本の企業に限った話ではなく、つい先日、ディーゼル疑獄後のVWをEVシフトに180度転換させた立役者のヘルベルト・ディース会長がクビにされました。
これが自動車のあるべき姿への修正なのか、はたまた後退なのかは意見が別れるところでしょう。私はこれで、EV市場がテスラとBYDの2強が引っ張る戦国時代に突入したと解釈しています。
既存メーカーが身を切るような改革をするには、それを主導する部署を丸ごと本体から分離して別会社にするぐらいのことをしないと、ほぼ必ず改革派 vs 守旧派の内部抗争が起きると私は諦めています。
Fordのジム・ファーリーCEOがそれを画策していると報じられた時が今年はじめにありましたが、慌てて火消しをしたのを見て「やっぱりそう簡単には変わらないよね」と思ってしまいました。
始めに「日本の企業に限った話ではなく」と書きましたが、日本人の特性というか、win-winよりもlose-loseを志向するところがあるというか、社内ライバルに手柄を立てられる流れの時に、自分が損をしてでもそれを止めに動く傾向があるように思います。
その意味でも、ひとつ屋根の下での改革は難しいよなぁ、、、と。
>2025年度までにアジアで生産している国内向けカーナビ製品の生産をJVCケンウッド長野(白須良社長、長野県伊那市)に移管する計画で、中期的に現在の5倍となる年間約50万台規模を生産する。 カーナビの生産を国内回帰することで地政学リスクの低減を図る。 国内工場へのカーナビ生産の移管はインドネシア工場から開始する。
これは昨年のニュースでしたがほんとに移転してるんだ(笑)そりゃオートメイションだから人は居ません。全部機械・・・長野県の雇用に綱がるんかしら?
https://www.netdenjd.com/articles/-/258900#:~:text=%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%92%EF%BC%95%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AB%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2,%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E9%96%8B%E5%A7%8B%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82
インドネシアはインドネシアのカーナビをこれから作るそうです。
ここでは入社間もない若い社員にオートメイションのシステムを任せているそうで、ガランとした誰も居ない工場で機械さんが一生懸命はたらいてくれてました。
それと同じくNTTも何故かアグリ事業も有りますよね。
https://www.ntt-agritechnology.com/
百姓するためにNTTに入ったわけジャナイ!と思う人も居るけど海外から見学に来るくらいだから先進的何でしょうね。道は色々有りますね。
すし職人になるには10年以上の修行が必要だと巷でいわれる一方で、
ホリエモンさんなどをはじめ、多くの人間はすし職人に修業は不要だと申しています。
ところが、よくよく考えてみると、ホリエモン自身もすし職人として修業はしていないものの
IT界の風雲児として叫ばれていた時点で、起業し、自力で物事を進めてきたものの
実のところそうなるための修行を10年以上していたのではないかと思うわけです。
初めから才能を持った天才も、なんだかんだ言いながら実践を通して修行しているわけですし、物事に向き合うこと自体修行です。
それをも無視して、ただひたすらに薄っぺらい結果だけ出している界隈...。
マスコミもYoutuberもインターネットメディアやSNSもそう(目先の面白さや話題だけで延命している感じが否めない)ですし、
ひたすら金をばらまく実業家もコロナで大衆あおっている専門家だってそう(目先の数字だけとらわれていて、大局的な観点からものを見ていない)でしょう。
そして、結果が出なくなると...。彼らからコンプライアンスが減っていくんですよね。
そして、悪気もなく、悪意もないままに悪いことに手を染めたり...。ちょっとごまかしちゃったり...。
そして、それが本当の意味で修行してきた人たちにばれて炎上してということを繰り返しているんじゃないですかね。
本当の意味で修行してきた人たちって、どこで手を抜いていたり、粗末だったり、おかしかったりということが、他分野でも結構わかるものらしいですね。
本当の意味で修行できない人のせいで、地球規模で社会にゆがみが出ているような気がしてなりません。
体育館のような工場棟の間(隙間)にある、係長と女子事務員、二人しかいない小さな事務室。
課長の指示は、「この係長がいないと、工場が回らない。困ったことに、代わりがいない。誰でもできるように、標準化しろ」。
新入社員に、...ですよ。本当の話、...だよ。
何にもわからない。専門用語もなにも。
この頃に痛感、「俺、大学出てるんだぞ。...なにも知らない、わからない...」。... 勉強しなくっちゃ。 ... 必死。
最初にやったのは、一枚の伝票の意味。どこから来て、いかなる目的で、どのように加工され、何がどこへ送られるのか。
数ヶ月でプランをまとめて、喧嘩腰で課長のところへ。... もう、情緒不安定。
課長の指示は、こんな小難しい数式使わなくても、最初の計算結果(数値)を係長に修正させ、それを使え。
今だと、AIアプリだね。
こんな話を、有給休暇は消化し、同程度の日数の社内研修受講も義務付けられている、日本IBMのシニアSE(ある時期の僕のカウンターパートナー)に話したら、「いい経験させてもらいましたね」。
何もできない(無能な)新入社員に仕事を任せるなんて、できないですよ。
給与払ってるんですよ。
無駄になる確率、考えてみてください。
発狂寸前の当時の僕には、そんな発想、全くありませんでしたが、
日本では、未だにそんなプロセスで人材を人財にしてきているのかも(ヒロさんもその様に思います)。
1%の歩留でも、高い金払ってやってMBAに行かせるより、こんなやり方の方が、遥かに会社のためになる。... と思いますが?
+++
日米貿易摩擦で,アメリカの調査団が日本に来て先ず驚いたのは、日本人の忠誠心と帰属意識と、所属企業への献身、貢献の熱意の強さだったのです。
其れを育てたのが、大卒まで含めて,一斉採用で徹底した教育研修をして,企業人を育てるという熱意が企業にあって、その根幹をなしていたのが、終身雇用と運命共同体論だったのです。
其れで,年功序列賃金制によって帰属する従業員は誰でも等しく世間並みの賃金は確保する。
熱意や,貢献の度合いは、その地位を補償することで報いる。地位が上がることが立派なことで、努力と能力の評価として競って務めることが美しいこととしていたのです。
そこに企業風土が生まれ,生え抜きと言われる誇りが育ったのです。
結婚、子育て、子供の養育に支援を惜しまず、完全な健康保険制度で医療費への不安もなく無事円満に定年退職を迎えれば、持ち家も老後の保障も確保できる企業年金や、転職支援をしてきたのです。
何故其れが出来たかと言えば従業員を支えることが企業を守ることに繋がるというフィードバックが機能していたからです。
誰もが,所属する企業を繁栄させるために努力を惜しまなかったのです。
こんな制度に絶対太刀打ちできないとアメリカの調査団画が考えて,年功序列、終身雇用を攻撃して潰し、ユニオンショップ制を破壊して、ラインワーカーを派遣と非正規で賄って、首切り自由を提唱して企業の破壊したから今日があるのです。
終身雇用制こそ,流動性を高くするのです。
「日本の企業とサラリーマンの在り方」と言って良いでしょう。 以前から当ブログは起業家が少ない、少ない・・これが口癖のような物でした。
今中国では「公務員に思考に揺れてます。安くても良い公務員」です。就職ができない事態になってます。解雇されたらそれまで用〜・・なんでしょうね。
私の年代(団塊世代)は全学連、左翼化、グループサウンズ、フォーク時代を作り上げました。 今から考えると「最も燃えた時代です」政府へ反発も「高度成長の恩恵を受けました」
起業家は今でも沢山います。ただ活かせる環境がない、育てる人がいない・・・
「千里を走る馬はいるんです、しかしそれを見極める伯楽が居ないのです」
私のケースは椅子に座って家庭の手伝い程度をやってましたが、今は野外で力仕事です。
その喜びが生きがいですね。息子と喧嘩もします。 あと何年生きられるか? そんな意識が襲って来ますが・・・途中で仕事中に死ねばそれが一番と思ってます。
モチベーションってなんだと思いますか? 取り憑かれて「侵食を忘れる・・とは? いかに?」 若者もただ環境の問題だと思います。
意外と勉強が楽しかったり、仕事が楽しかったりする物です。昔、一番嫌いだったものが一番好きにもなります。「これは一体何故?」・・・・
そういった例は特殊にしても、みんなが納得する評価軸っていうのは結局今までと変わらないということですから、そういった感情面のハードルも高いと感じています。
「つまり、無駄遣いはできない、無駄な製品は作れない・・」余裕のない会社経営・・
別な言葉では「遊び心が生まれない環境」だと思います。
福島の原発事故の裏事情があります。つまり、確か「東電は清水社長? 彼はお金を使わない、経費節減社長と呼ばれていたようです。(記憶違いはご了承)
お金を使わなかったことが「安全の不備につながった」とも言われてます。
言ってみれば、いかに経費を節減して会社の売上を伸ばすか? 経費節減最優先だったのでしょう。
そうなれば・・新しい斬新な企画は消えます。なぜか? 成功の保証がないからです。
今、東電の旧経営者に莫大な罰金が課せられてますが・・・
諸行無常で「常に世の中は移り変わり、長く留まることはない・・」のでしょう。
また、変わっていくと思います。
天下泰平の江戸時代もありましたが・・近代国家建設に薩長が動き、日本は近代化しました。 心配ご無用!!
そうした成果が、高度経済成長に相当貢献したのは、疑う余地がありません。ところが、日米貿易折衝(日本の輸出増、米国の貿易赤字)に端を発し、繊維に始まり、鉄鋼,工機、家電、自動車など、次々とやり玉に挙げられ、通商外交に負けた上に、小泉政権ごろから、新自由主義経済が導入され、株主資本主義の攻勢が、労務費圧迫、手厚い福利厚生制度の廃止や社内教育の削減が始まり、合わせて、バブルがはじけ、旧民主党政権の経済金融政策が無茶苦茶となり日銀の超高金利(結果超円高)、企業業績低迷から、リストラブームとなり、有能技術、製造、営業社員が、中韓台へ漏出しました。竹中政策(パソナの派遣制度などと、パートタイマー)で、正社員の給与を圧迫、労務費削減が徹底されて行きます。
続く
平成の30年間は、大雑把に捉えれば、まず米国に、次いで中国に負け続けたのです。
それに甘んじたアベノミクス以前の政治家や企業経営者、マスコミの大罪と言えましょう。財務省も文科省も、厚労省も同罪でしょう。
日本が、斎行するには、こうした積み重なった悪習から抜け出すために、政治と、産官学、そして世論形成において、マスコミの"頭の切り替え"が、必須ですが、時間はかかりそうです。
有効需要拡大で、経済成長が戻れば、賃上げ、社内教育も叶い、おそらく結婚、出生も改善されてゆくはずでしょう。
娘も息子もいろんな世界に行ってます。その孫もスペインであったり、インドに住んだりしてます。 それぞれの家庭で生き方は違うでしょうが・・・
息子に子供がいます。2歳になろうとしてます。ちょっと言葉が出始めた頃です。
私の部屋に来たがります。興味があるのでしょう。いろんな機械や本や調理器具から、ギターまであります。コンピューターもそこらじゅうにあります。
見るも全てに興味深々です。私の趣味で作った木の彫刻を持っていったりしてます。
興味を持ち、挑戦して、体験して、失敗を重ねて・・体得して人生を歩んでもらいたいと思ってます。学校は普通に通えば良いです。
スペインで勉強している娘の長男は「ボーダリング人生ですが、それでも高校一年で地政学では大学レベルの認定を受けたようです。挑戦して、挑戦すれが何かが分かるでしょう。
できるだけ自分で切り開いてもらいたいですね。そんな思いが強いです。
入社して10年位して通信教育受けることになりました。先輩と一緒に販売主務者何タラをやることに成りましたが、なかなか難しくてその部の部長(一応慶応の経済卒、英検も准一位は持っていたような)に二人分押し付けて卒業しましたが、彼はちゃっかり試験を受けて合格、又違う課の課長さんは宅建を通信教育で受けて合格してました。あの後役にたったのかな?
そんな私は不出来な社員でしたが優秀な人は、介護へルパー三級を取って親の介護に役立てたいと言ってましたね。勉強が好きな人って居るんですよ。
大きな組織の一兵卒は汎用品の歯車であればよく、リスキリングの名の下に高品質の特注品であることを求めるのは、大手の体質に合わないし、むしろ強みを無くしてしまうとすら思います。
歯車の平均的な品質を高めることが悪いとは言いませんが、日経の記事にあるような活動を通して技量の向上や知見を広げることをしなければいけないのは、余裕のある体力をどう活かすのか戦略を考えるべき経営陣や管理職クラスではないでしょうか。
それと解雇規制の緩和には賛成です。やっぱり人数が多いとどうしようもない社員ってのはいるもんですから。
日本人は会社への忠誠心が主要国に比して格段に低く、かといって転職も起業もするわけではない
「なんとなくサラリーマン」...
昔々自分は、ひろ様もご存じの「派遣・アウトソーシング」を渡り鳥して、同じ技術での転職は「しない様に」しておりました!。
派遣者に対して、下らないやり口を行っている「大企業の部署」も数多く、日本国内には...ございます!。(自分自身も数多くの嫌な経験あり...)
しかしながら、楽しく未知の図面作成業務をこなしては、達成出来ても「まだまだ、3/4 だ。」
自分自身満足するのでは無くて、外連味も無く派遣先では...「淡々とこなして」次の仕事も飄々とこなす!。 少なくとも自分は、そういった考えでございました。
経営者に成りたい!とか、全体像を平均的に俯瞰する様な生き方や考えをして来なかったので、大企業の正社員様との考え方の違いは、自分達派遣者には...差があると思いますね...(苦笑)。
今回のタイトルですが・・「大統領が代わっただけでは改善がしないこれからの国家」
今の世界はこんな感じではないでしょうか? 気になる国がいくつかあるでしょう。
韓国を例に挙げましょう。新しい大統領「ユンソギョル」ですが、支持率が急落で30%ですが、就任してまだ2ヶ月です。家計負債額は世界一・・2割近い人が闇金融からお金を借りているようです。その平均金利が45%くらいです。異常な世界です。
そしてインフレは止まりません。既にウォンは1ドル=1320ウォン辺りを動いてます。
国民は何を大統領に期待して、大統領の支持率低下時の切り札が「反日」です。
国民が「反日で溜飲を下げる」狙いはこれでしょうが・・・・・
日本は通過スワップはしません。韓国の厳しい経済状況が読み取れます。
習近平は今北戴河会議で継続か? これも中国経済が控えてます。欧州のドイツも大変な状況です。 世界の国家破綻予備軍が30ほどあるそうですが・・話題のトルコのヤバいですよ。
経済は生き物と同じです。市場の動きで変わり、調整もします。それが市場主義の原則です。
迅速に対応できるのも市場の動きの速さです。バランサーは市場そのものです。
まあ、昔は給与は高くなかったかも知れないけれど、海外に語学留学とかをさせてくれる企業も多かったですし、もう少し時間もゆったり流れていた気がします。今は次に何が来るか分からない時代、会社側も対応に苦慮してるのではと推測しますね。
優、並、劣比率が2:6:2だったり3:4:3だったりで、「どうしようもない」2〜3割を切ったところで、残った8〜7割の中でまた2:6:2や3:4:3に、意外と早くなってしまう、これが会社に限らず組織体の宿命。
みんな会社に入ると勉強しなくなるので、勉強する流れが出来れば、やってくれると思います。
レベルが上ったり、自社以外の仕事受けたりすれば、日本人は基礎能力が高いから、いけると思うんですよね。
会社が人材に投資しなくなったとありますが、会社から押し付けられてやる勉強とか、つまらないしレベル低いしで時間の無駄ですよ。
人それぞれレベル差があるので、個人で勉強していく流れさえ作れればいいと思います。
最近は、残業なし、副業OK、さらにリモート可の会社だと通勤も無い。
時間は結構作れると思うんですよね。
大抵の人は遊んじゃうので、リスキリングで勉強してくれることを期待しています。
単に不自由のない生活で満足している訳ではありません。生きて来たことの意義ですかね〜
そして伝えたいこと・・子供は親の背中を見て育つと言いますが・・生き様ですね。
それで少し日本の幕末と明治維新・・それから現在に至る日本の姿です。
長州5傑はご存じでしょうか? 伊藤俊輔(博文)と井上聞多など五人が初めて英国に留学します。マティソン商会の援助や公使館の援助で留学します。1864年です。
そして1865年に薩摩藩の遣英使節団・・全員で19名です。長州と薩摩が英国でも合います。
その頃、1865年横須賀にはヴェルニーが来て、造船所の建設と観音崎灯台を作ります。
紙幣の発給、鉄道の開発、郵政事業、造船技術・・・数々の技術を習得して明治維新に尽力します。当時は外国から多くの教授や先生がやってきて日本を近代化に尽力していきます。
黒船から・・ポーハタン号と咸臨丸でのアメリカ訪問、そして生麦事件、薩英戦争、四国艦隊と下関、坂本龍馬暗殺事件・・この間に多くのことが起きてます。
そして日本から岩倉使節団が1871年に横浜からアメリカ、欧州と回ります。多くの留学生も参加してます。その中には大久保利通や伊藤博文、木戸孝允が参加してます。
そうして日清戦争に勝ち、日露戦争に勝ち、日韓併合が行われ、一等国としての仲間入りになります。第一次世界大戦の時は日英同盟で勝ち組になった訳です。
大東亜戦争の時には「既に日本は空母、戦艦、戦闘機を作る技術があった訳です」
細部については書きません・・日本が技術者を招いたとしても、よく日本人はこれらの技術を実践できたのか? その凄さを改めて感じます。 あの当時の外国との交流です。
環境が十分に整っていたでしょうか? そんな疑問を感じながら改めて日本を見てます。
鉄砲伝来の面白い話もありますが・・・優秀な日本人のポテンシャリティです。
このことを考えて頂きたいを思っていますが・・私達は日本の背中を見て・・育って来た訳です。
氷河期世代より年下の世代は貧乏なうえにもったいない文化も継承していますから日本でインフレはなかなか難しいでしょうね
「従業員への投資」の定義は何? もっと給料を上げること? スキルアップのための費用・時間を与えること?
企業はやっているつもりでも不十分と感じられるのなら、原資不足が理由。
十分に稼げないのに社員という理由だけで毎月給与を貰えるだけでも、十二分な投資だと思うけど。
かつては盛んだった社費留学。殆どの企業が止めた理由は転職。多額の学費や給与のモトが取れない内にキャリアを売り物に外国企業へ。憤慨した人事部長が「5年は辞めない」との念書を書かせたら「人権無視」と大騒動。企業は営利団体、ボランティアじゃない。
それにスキルアップは個人の問題。
技術者の採用面接。よく云われる「キャリアは職種名か企業名か」を実感。
米国人は「〇〇を何年、△しろさんかく△しろさんかくを何年経験」。日本人は「〇〇社で課長補佐として▢▢を開発しました」。
専門性は少し会話すれば直ぐ判る。米国人は狭いがかなり深い。しかも内容が具体的。
日本人は製品の特長を並べるが聞きたいのは「それを実現させるための肝」。つまり、実務能力としては「?」。けれども、何人かは採用される。「日本人」という理由だけで。物凄い「人材投資」だと思うけど。
米国企業の技術者は驚くほど担当範囲が狭い。「より深く専門的に」だろうけど真の狙いは「技術流失阻止」。
CEOでさえライバル企業への転職が珍しくも無い国。一人の人間に幅広く担当させればそっくり他社への危険が大。書類は持ち出せなくとも知識までは防げないので。
対して、管理職ともなると結構幅広い情報にアクセスできる日本。恵まれ過ぎるから甘えが出るような気も。
>「異端児と傍観者」でしかなく、他の社員は美辞麗句を並べながら結局、冷たい視線を送る
これが全てでは?
メディアが人材投資を煽るのは大多数を占める「なんとなくサラリーマン」に受けるから。
某社が始めた新プロジェクト。社内起業というほどではないにしても、上手く行けばその可能性も。
会社が指定した分野での新技術開発への応募が「頭の柔らかい熱意を失っていない若者」なのは想定内。意外だったのが、過去の社内プロジェクトなら審査の度に増えていく共同作業者が全く増えないこと。
当事者に聞いて納得したその理由は「条件」。
身分は退職しての契約社員。年俸は約2千万円。健保や福利施設使用は現行通り。将来、事業立ち上げ決定時には復職を認め勤続年数は通算される。期限(3年)後に継続の可否(実用化の一歩手前か否か)を審査。予算は限度額以内であれば使途不問。
これは「人への投資」では無いらしい。
成長しないのは「日銀が原因」「財務省が妨害」「経営者が無能」。
「中国は滅ぶ」論同様に壊れたレコード。
で、「それらが解決すれば日本は復活」。
まるで旧日本軍の「火器無き米軍は恐れるに足らず」と同じ現実無視の夢物語。
解決しないから30年も「失われた時間」が過ぎていく。
今年で期限を迎える希望プロジェクト。
外国や日本でも僻地で進めている案件は順調。けれど既存研究施設でのチームは芳しくない。手伝いもしないくせに様子見の不届き者が後を絶たないから。なので、別場所へ移したとか。
何が有っても許してもらえる日本社会の甘えの象徴かと。
今回の問いは,人間に対するあからさまな浅慮です。
海苔君も書いていますが、地球の保有熱量が人間元々能力も意欲も態度も普通である階層が70%なのです。
其れを育てて使うのが知恵です。
馬鹿と○しろまるは使いようと言うのが原理です。其れをやるのが企業の責任だからです。派遣は、要するに,人件費を変動費にする手段です。
仕事があって儲かるときは雇用して,暇になったら首を切って,変動費にする手段です。
そんなことをされた他普通の人間は生活できないのです。だから,工夫をして雇用を守ろうという知恵が企業を育ててきたのです。
賃上げも出来ず、雇用も確保できない企業など消えてしまえと言うのが企業を鍛えてきたのです。
其れを止めてしまったから日本の衰退した30年があるのです。
人を使い切れない経営者はそれだけで失格です。