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外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2021年03月

2021年03月31日10:00
カテゴリ
経営
経済一般
創業の「創」という字には物事を始めるという意味と共に「はじめてつくる」という意味があります。70年代、80年代に創業したビジネスにはどちらかと言えば「はじめてつくる」の意味が強くあり、それが「祖業」となって残っていることもあります。

ところが最近の事業形態でこの「はじめてつくる」を率先している企業や事業が減ってきてしまっています。様々な理由は思いつきます。何十年という間に起業家(企業家)たちが切磋琢磨して新しいビジネスを立ち上げたのでニッチビジネス(すきまビジネス)がもうない、とまで言われています。

最近の日経ビジネスの特集に「儲かる市場は消える、レッドオーシャンで勝つ」とあります。読んでいて日本らしいなと感じます。同じ枠組みの中でどんぐりの背比べをしてほんのちょっとの差で「俺、お前より1センチ、背が高いぜ」と言っているような感じなのです。

コロナ禍でバラエティ食堂ならぬバラエティ飲み屋の典型である居酒屋が撃沈され、消費者はターゲットを絞って外食を楽しんでいると報じられています。それが焼き肉、回転ずし、ハンバーガー、ラーメン...なのであります。ワタミはそれこそ祖業の和民の居酒屋チェーンを投げうって焼肉屋に業態変更する、だけど他の所より1センチ背丈を伸ばすために「おれ、ロボットあるしー」なんです。私からすれば「それで本当に勝算があるのか?」と聞いてみたいのです。

最近、焼肉屋が流行っている理由のひとつが家で焼き肉屋の味が出せないから、とされています。それはご自宅でフラット型のホットプレートを使うからかもしれません。それでは油が落ちないのでおいしくないのです。焼肉の本場、韓国の焼き肉用プレートは表面に段差をつけて斜めになっているので肉の油が一定方向に落ちます。つまり、ご自宅で焼き肉用のプレートを使えばこの問題はかなり改善され、ワタミは必ずしも苦境から脱せられるわけではなさそうです。ちなみに私、ステーキもこの焼き肉用のプレートで焼きます。BBQと同じで油が落ちて旨いです。

私は自分の創業事業では改善を繰り返し、足を止めないようにしています。今でもアイディアがありすぎて事業資金は十分ではありません。ただ、一度にできないので一つずつ、こなしていくつもりです。例えば最近、フィージビリティー調査に入ったのが電気自動車用チャージャーを自社で所有する有料駐車場に設置することです。これだけ聞いても「へぇ、それで?」だと思います。実はこの駐車場の周りには電気自動車対応がない駐車場を持つ集合住宅がずらり並びます。この住民が電気自動車が欲しくても自分の駐車場でチャージができません。一方、管理組合もごく一部の住民のためにチャージャーへの投資はしにくいのです。だから近隣住民用に入口にゲートがあって安心安全でかつ、電気自動車のチャージャー付駐車場なら売れそうだと思うのです。

マリーナについてはクラブハウスを作りたいのです。小さなソーシャルルームでよいのです。施設内のボートオーナーが気軽に立ち寄れてビールなりコーヒーを飲みながら盛り上がったら「俺のボートに来いよ」というソーシャルネットワークの導入を支援する施設です。コミュニティから生まれるビジネスもありますが、顧客のニーズを拾い上げるアンテナ施設の意味合いも持たせたいのです。他のマリーナにはなかなかありません。私はゴルフ場のクラブハウスを業務上研究していた26歳の時にレクリエーショナル施設におけるソーシャル活動との親和性について一定の結論を得ました。これをマリーナに取り込んでみたいのです。

開発中の介護施設。私は入居者の状況をテクノロジーで管理支援する仕組みを取り入れてみたいとおもっています。世にある介護施設の運営は運営者の方針の影響力が大きいように見えます。一定の強制力という点でテクノロジーが遅れている分野の一つだと思っています。かなりローテクで入居者もスタッフもへとへとで今後の増大する高齢化社会と需要に対応しないだろうなと感じるのです。そこに光を当ててみたいです。

レッドオーシャン化するというのは概ね、「儲かりそうだから」「人気があるから」であります。そこには創業者としての独創性や知見というより単なる先駆者のコピーで1センチだけ背伸びをします。ここまで書けばお分かりになると思いますが、「出る杭は打たれる」が日本の基準になってしまった感があるのです。出たいけど出られない、だから潜水艦が潜望鏡を出すように1センチだけ顔を出す、そんな社会になっているのです。

リスクテイクとチャレンジは当然なのですが、「アイディアは思わぬところに転がっている」こと、自分の人生の中で見落としていた気づきが10や20は必ずあるはずです。「なぜ、あのとき、あぁだったのだろう」と。それを何年も経って見返すと思わぬビジネスへの閃きがあるかもしれません。

ボーっとしていたら何も見えません。目を凝らしてじっくり探してみてください。必ず、ヒントがあると思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
2021年03月30日10:00
カテゴリ
投資
株式
月曜日の東京市場、日経平均が大きく上げる中、野村證券の株価がドツボにはまっていたのに気が付いた方もいらっしゃったと思います。一時、17%以上下げ、終値も16%下げました。同社株の歴史でもかつてないほどの衝撃的な売りこまれ方でした。

会社側の発表はアメリカ子会社の顧客絡みの請求を取り損なう可能性があり、その額、最大2200億円というものでした。巨額です。何が起きたのでしょうか?

私も解明中ですので以下記載する点は憶測も含まれている点はご了承ください。

アメリカのファンド、アルケゴス(Archegos) キャピタル ファンド社はビル フアン(Bill Hwang)氏が設立したファミリーオフィスとされます。ファミリーオフィスとは自分の非公開会社で裕福な家族の資産管理会社と考えてよく、フアン氏の場合、資産額は50-100億ドル(5千億-1兆円)とブルームバーグには記されています。ただ、他のアメリカの投資系専門情報ではせいぜい10億ドルとかもっと少ないという見方もあります。また、ファミリーオフィスにしては彼の家族構成も不詳です。

そのフアン氏はその運用に関して複雑な取引、いわゆるデリバティブを行っており、ポジションは500億ドル(5兆円)(ブルームバーグ)とされますが、仮にブルームバーグのストーリーが正しければ最大10倍ぐらいのレバレッジをかけていることになります。

ポートフォリオのうち数銘柄の投資残は上場会社の10%を超えるほどだったとされますが、彼の名前は市場にはあまり出てきませんでした。フアン氏は父親が韓国人の牧師のアメリカ人二世です。生い立ちは投資の世界では知らぬものがないとされるタイガーマネージメント出身であります。ただ彼が花咲いたのはタイガーが閉鎖された後、伝説のヘッジファンドマネージャー、ジュリアン ロバートソンの門下生になった時のようです。そこでタイガー アジア マネージメントを運営、頭角を現したとされます。ところが2012年にインサイダー取引で有罪判決となりファンドを閉鎖します。その後、ファミリーオフィスを開設したものと思われます。

今回の引き金はフアン氏の投資先のバイアコムの株価が増資発表で急落したことが引き金です。CBSをもつメディア大手の同社株は3月22日頃までは100ドルを超えていたのですが、24日の増資発表が引き金となり、ほぼ一週間後の29日時点で半値以下の40ドル台半ばで取引されています。このため、フアン氏はいわゆる信用取引の追証を求められたものの資金調達して解消することができなかったため、手持ち株式を大量に売却します。

いわゆるブロック取引というのは大量で巨額の取引を一気に敢行することでこれを26日金曜日に行い、その強制売却額は1兆円規模ともいわれています。29日月曜日もバイアコム株には時折巨額売り玉が入り込んでいる状況で出来高は通常の11倍になっています。

ではなぜ、野村證券やクレディスイスが大損しなくてはいけなかったのか、ですが、このデリバティブに深く関与していた公算があります。フアン氏はスワップ、ないし差金決済取引によるものが主体であった可能性が高く、彼自身は主要株主名簿に上がっていなかった模様です。つまり、取引内容次第ですが、ハイレバレッジ手法による「架空マネーの空中戦」を行っていたとみてよいでしょう。

調査を待たねばなりませんが、仮にブルームバーグが報じるような個人資産額があるなら野村の損失はそんなに大きいものにならない気がします。フアン氏が500億ドルものポジションがあり、株式市場が基本的に堅調であることを踏まえれば何らかの損金回復は可能のようにも見えます。ただ、私にはどうも嘘か話がどこかで膨らんでいるような気がしてならないのです。個人でそんな多額の資産形成はいくら何でも不自然であります。フアン氏の資産はそれよりはるかに少なく、担保割れの公算もあるかもしれません。この辺りは要注意です。

なぜか、ゴールドマンサックスはこの手の内を知っていたようでさっさとフアン氏との取引から降り、損失計上額は割と少なかったとされます。スイス当局も調査に入っていますが、現状、野村とクレディスイスの損失が一番大きく、他の欧米系銀行の損失は知れているレベルとされます。

この話を聞いて私は旧日本興業銀行が大阪の料亭の女将に2000億円を貸し付けた話を思い出しました。フアン氏も個人取引でポートフォリオが膨れ上がり、爆発して終わってしまいます。つまり、金融機関の取引には危ういものがあり、ファンドでも簡単に清算を強いられる時代にフアン氏のケースでは、たかが手持ち投資先の一社の株価が増資理由で下落しただけで信用の追証が発生し、それを埋めることすらできなかったのです。

これは氏がきわめて脆弱な財務体質にあったと言わざるを得ません。(ソフトバンクも先日似たような巨額損失を計上していますが、びくともしないのと比較されたらご理解いただけると思います。)ならば80年代のバルブ時代に偽の預金証書をつかまされていた銀行が気が付かず、信用査定とリスク管理問題が浮き彫りになった金融機関側の問題とうり二つで過去、有罪歴があるフアン氏の実資産がこれから暴き出されることになりそうです。

ちなみにゴールドマンなど主力米銀はフアン氏と長く取引禁止状態でしたがこの2-3年、それがすこし解禁されたようですが、野村やクレディスイスが営業的に攻めて引き受けをしていた可能性はあるのでしょう。

今回のこの事件そのものは個人単体の取引ですのでリーマンショックのような広がりは起きません。但し、似たような取引があって金融機関が収縮しようとする動きが出ればそれは別の意味で急速なブレーキになりかねないでしょう。それと今回の敗者は金融機関でみれば野村とクレディだったようです。なぜそうなったか、そこは別次元の検証が必要でしょう。

私の長い投資経験とマネーの戦場を見てきた中でこのような問題は時折起きたのですが、それが潮目の変化を意味してきたこともしばしばあります。その点、十分に気を付けるべきでしょう。

今日の内容は興味のない人には申し訳なかったと思います。でも私には様々な切り口があって実に興味深い事件でありました。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
ファーストフード店に行くと自販機で食券を買い、無言で店員に渡し、しばらくすると注文した食べ物が出てくる、というごく普通の光景もよく考えると昔との違いに気がつきます。かつては注文を聞き、勘定をもらう作業があったため、それが業務の中にあったはずですが、自販機がそれを代行するため、カウンターの中は最小限の調理人とそれを客に出すスタッフだけとなりました。では調理人はスキルが必要か、といえばセントラルキッチンから提供されたものを簡単に調理し、温め、盛りつけるだけなので調理技術を求めるのではなく、肉体労働化させたのがチェーン飲食店の選んだ道でした。

日経にはロボットが動き回る焼き肉店とか、店員と一切接触しない回転すし店が紹介されています。店員の作業は厨房での作業や片付けですがこれも機械化が進みます。

ロンドンのタクシー、通称ブラックキャブは世界で最もドライバーの免許が取りにくい、とされています。高度な記憶力と最短で行けるルートを瞬時に答える試験があり、この試験に合格すれば鼻高々だったのです。しかしこんな試験、ナビがあれば一瞬で解決する問題であり、まるでレジ打ち係になるのに高度な暗算能力を要求することと何ら変わりありません。

我々の世代はそれでも「誰かがやらねばならない」という社会でそろばんもペン習字もタイプライターの打ち方も技能として習得して「どれか役に立つだろう」というぐらいだったと思います。スマホができたとき、私は人間の「外部記憶装置」と揶揄したことがあります。自分の家の電話番号が分からない人が圧倒的に増えている現実。ましてや親や家族の携帯番号なんて記憶している人はどれぐらいいますか?このスマホは更に進化し、AI機能が様々なサジェスチョンをしてくれるようになり人間は技能の習得に疑問を持ち、そのかわり、時間つぶしのゲームをするのです。

私の友人の自動車修理事業者。彼が「自分の子供にはこの仕事は継がせない。だって車の基本が変わるのだから継続性がない」と。

今は車から家電までセールスマンは必要なくなりました。多くの客はネットでじっくり調べてくるので決め打ち型で店に来たとき、「あるか、ないか」しか聞かない客が増えているのです。

これら一連のストーリーは仕事の質がどんどん変わり、機械化できるものはそれに代わり、人間が引き続きするのは高度な技術、能力、創造力、複数の違う作業を効率的にこなす能力といった分野か、機械化できなくはないけれど人間がやった方がまだ安いものの二極化であります。冗談のような社会が本当にやってきているのです。そのうち、手織り製品に「made by human」という表示がなされるかもしれません。希少価値ですごい値が付きそうです。

ウーバーなど宅配配達員が急増していると報じられています。問題は配達員同士のパイの奪い合いで、だんだん仕事の数が減っているという声も聞こえます。また配達員の料金体系は複雑ですが一般に配達が長距離であるほど高いインセンティブが出るため、自転車等の暴走が起こりやすい背景となっている点はあまり指摘されていないでしょう。

配達員はいくらもらっているか、時給換算で1500円ぐらいとされます。しかし24時間ランチやディナータイムがあるわけじゃなくピークタイムに集中する点の視点が欠けています。では本当にいくら稼げるか、ネットを覗くと「10時間で8千円-2万円も稼げる!」とあります。時給で800円から2000円、しかも10時間働く肉体労働です。通常のフルタイムの人が時給2000円換算だと月の給与は32万円、年収で400万円弱。こう考えると極めて厳しい労働環境なのです。

実情は「稼がないと食えない」なのですが、そうではなく「自転車をこぐスキルしか与えられない」とも言えないでしょうか?これは大変憂うべく社会が形成されつつあるということです。トラックドライバーのスキルもない、調理人のスキルもない、建設作業員のスキルもないの「ナイナイずくし」の人が増えてしまったのです。

「AIができると仕事がなくなるのか」という議論をかつて何度かしたことがあります。結論はAIや技術が浸透しても必ず新しいビジネスが生まれるから仕事がなくなることはないということでした。しかし、私は最近、この考えを少し変えなくてはいけないのではないか、と思いつつあります。つまり、あぶれてしまう人が急増するリスクです。人口減の日本ですらそういう社会になりつつあるのです。

カナダにはホームレスが本当に増えました。雇う側も選ぶのです。そして募集すればそれなりの数は集まります。しかし、私が最近小耳にはさんだのは両手の数ぐらいの人数を面接したのに「該当なし」でされも採用されなかったという事実です。つまり会社は一定の能力を持つ人ではないと妥協すらしないともいえるのです。

こんな社会、誰がした、と怨嗟の声が聞こえてきそうです。

では今日はこのぐらいで。

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2021年03月28日10:00
謝罪のニュース、最近だけでも少なくともこれだけあります。

LINEが委託した中国の業者の個人情報へのアクセス問題
みずほ銀行の2週間で4度のシステムトラブル
東電の柏崎原発のテロ対策不備
松井証券の社員が顧客の株式無断売買

それ以外に謝罪というほどではないですが報道ステーションのセンスのないネットCMの取り下げとお詫び等々。

日経ビジネスは毎年「謝罪の流儀」という特集を年の終わりに組み、毎月これだけ謝罪があったと報じています。何年もやっているのですから毎月それだけ目立つ謝罪が延々と繰り返されているということです。

さて、この謝罪文化について外国人は奇異な目で見る人もいるようです。「アメリカじゃ謝罪なんかしないし」と言い切ったコメントが以前、日経ビジネスにもありましたが、それは言い過ぎで謝罪する時はします。一方、韓国は人のせいにするのが得意なので謝罪は少ないと思います。ただ、トップに立ち、人のせいにできない文大統領はちょくちょく頭を下げています。また、どうにもならなくなったら自殺してしまう特殊性があり、例えば最近ではソウル市長がセクハラで自殺するといった感じでしょうか?

では日本の謝罪文化とは何なのでしょうか?

基本的に「水に流す」だと考えています。幕引きともいえるでしょう。その理由に問題を起こした本人が謝罪をするのは政治家が不正を働いた時や芸能人が麻薬で捕まった時などに限定され、企業が発した問題にその本人が出てくることはほぼ100%ないと言い切ってよいでしょう。本来であれば本人の口から謝罪を聴きたいのですが、日本の会社に於いては「社員の非は会社の非」であり、その頂点である社長など経営陣がお詫びすることで幕引きを図るのです。芝居で幕を引くことが語源ですが、ではその幕の後ろがどうなっているかは分からないのに、観客である国民は「チャン、チャン」で終わりという実はものすごく中途半端な文化なのであります。

また、フラッシュが放たれる中、起立して〇秒間、頭を下げるのがあまりにも当たり前になっていますがこれでいいのか、と疑問を持たないのか不思議なのです。マスコミもそこからの深追いはあまりせず、フォローアップ記事が時折出るだけ。つまり、多くのマスコミは問題を追及し、謝罪に追い込んだ時点で「勝ち誇り」「フラッシュをたいて」心の中で雄たけびを上げる、ということではないでしょうか?

日経ビジネスが毎年、同じ特集を延々と組めるのは謝罪文化に本当の反省がないともいえ、形だけの謝罪行事となっていることを誰も指摘しないのはなぜでしょうか?

日本の謝罪文化は時として復讐心を煽ります。記憶に新しいのは「7万円ステーキ」問題で首相が謝罪する一方、誰がそれをリークしたのか、その犯人探しをし、見つければ懲らしめるという三文芝居が行われます。企業系の謝罪も同様で「ライバル社がリークしたに違いない」「会社の経営方針に反発していた社員のあいつに違いない」といった犯人捜しであります。この文化を面白おかしくしたのが「半沢直樹」で結局土下座して謝罪しながらあのくやしさまみれの顔は心の底からの謝罪ではないことが一目瞭然に読み取れるのです。

私がタイトルを「謝罪を糧とする文化」としたのは「糧」=「活動の本源、チカラづけるもの」であり、日本の社会、ビジネスにおいて不可欠なレアメタル的存在であり、あまりたくさんあっても困るけれどないと困るというものなのでしょう。そうでないと週刊文春も上がったりになるのです。

ではどうすればよいのでしょうか?私は謝罪会見自体が芝居がかっていて大げさなのだと思います。企業が不祥事を起こした際でも「すわ、記者会見!」という「パブロフの犬」状態になっているのだと思います。内容によっては丁寧な文書とわかりやすい説明を会社のホームページに記載し、報道関係者に配布するというもっと論理的で実利的なやり方でもよいのだと思います。

また、一部からは「謝罪会見がないぞー」という声も上がるのだろうと思いますが、全体から見ればごくわずかの声をいかにも国民の声であるがごとく報じるマスコミの偏向報道がより歪ませているのだと思います。

つまり謝罪会見ほどおいしいものはないと思っているのはマスコミで自らが作り出している芝居に悦に入っているとしか思えないのであります。

では今日はこのぐらいで。

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2021年03月27日10:00
スエズ運河で長さ400メートルもある巨大コンテナ船が座礁し、運河をふさぐ形となり、一部で大騒動になっています。(一般の人には興味ない話ですからメディアは当然、小さくしか取り上げません。)これは日本の会社が所有する船を台湾のエバーグリーン社が定期用船(一定期間借りること)しているものです。私もマリーナの仕事をしているので座礁の話はよく聞こえてくるのですが、これは簡単な作業ではないかもしれません。それより、座礁によりこんな簡単に経済活動がとん挫するならスエズもパナマ運河も意図的にブロックさせて経済をマヒさせられることを実証しました。盲点です。

では今週もつぶやいてみます。

株式市場は立ち直れるか?
先週のこの項で「株式市場は熱さまし」とし、調整期にあるけれど深くないと申し上げました。ではどうなるか、私の見立ての結論から言うとここから落ち着くとみています。テクニカルですが、日経平均は18日にチャート上のダブルトップをつけたのではないかと一部で意見されていました。私はそうではなく2月16日の高値を上回れなかったとみています。この読み方の違いで180度意味が変わってきます。更に3月5日の安値に対して3月24日がそれを下回らなかったことでも安堵感が出たとみています。

これ、分かる人にはわかるのですが興味ない人にはまるでつまらない話だと思います。チャートは過去を見ながら未来を予想するのでAI君と同じなんです。ただ、読み方は捉え方によって色々見えるので私はもとよりAI君でも間違えるよ、ということです。では私はなぜ落ち着くと考えているかと言えば日本独特の理由として月曜日が3月の年度末権利落ち、30日から実質新年度入りで買いが入りやすい環境にあるからです。

一方、アメリカの方は給付金絡みの個人投資家の株式投資への興味ははげ落ちましたが、きちんとした投資家が主導権を取り戻したこと、ワクチンの普及が弾みをつけアメリカの7月4日正常化計画に期待がかかることがあると思います。ただ、期待がかかればインフレ圧力も今まで以上になるため、パウエル議長が長短金利のツイストオペなどを通じて10年物国債のコントロールをしなければナスダック市場の芽もないということです。ここはシンプルに経済復興をベースにコンベンショナルなバリュー株だと思います。

聖火ランナーが始まったけれど...
25日に福島県をスタートした聖火ランナー。いよいよオリンピックの序章が始まったわけですが、なんでこんなに盛り上がらないのでしょうか?そんな中、今日、2つのネガティブなニュースが掲載されています。一つはブルームバーグが「世論を味方に付けられない五輪広報、問われる危機管理と開催意義」、もう一つがアメリカNBCが掲載したジュールズ ボイコフ教授の「Amid Covid fears, Tokyo Olympic Games' torch relay kicks off. It should be extinguished」。端的に言えば聖火リレーなんてやめてしまえ、であります。特にNBCはオリンピックの放映権を持つわけですがその文化ライフスタイル欄に日経電子版と同じような「Think」という枠組みで一石投じています。

こう言っちゃおしまいよ、と言われるかもしれませんが、これも政府の姿勢なのだと思います。菅総理は聖火の出発式典に参加しませんでした。オリンピックやるぞー、という熱意も政権から聞こえてきません。申し訳ないですけれど橋本聖子氏の存在感もなく、うるさいほど聞こえてくるのは一連の不祥事絡みや山下会長への猛烈な批判など醜聞だらけなのです。おまけに前述のNBCには復興五輪と称しながら福島はいまだに十分な状態ではないのにこの五輪のために東京にそのエネルギーを吸い上げたとまで書かれる始末です。ひどい内容だと思いますが、そう思われたということは明らかに日本政府のパブリックリレーションズ、ブルームバーグの指摘する広報能力が欠如していると言わざるを得ないのです。

このオリンピック、どうなるか、私が予想するのは海外からの選手の辞退が多く、戦いへの熱意もなく、結果として開催国で有利な日本がたくさんメダルを取ると思います。しかし、仮にそうなっても国民はちっとも嬉しくないと思います。いつか書かれるのでしょうね、「誰がこんな五輪にした」と。

大学ランキングと人気大学ランキング
英国THEが発表する世界大学ランキングの日本版が発表されました。わが卒業校の校友会でこのランキングを巡って「なんでこんなに低いのだ!」と声が上がっております。大学ランキングと人気大学ランキングは全然違う、その温度差は何でしょうか?THE発表の上位50校に駅伝常連校は早稲田(13位)と明治(39位)、中央(50位)しかランクインしていません。一方、高校生が選ぶ人気大学私学の部では1位が青学です。ちなみに2位の近大、3位の関西大学併せてトップ3はTHEではトップ50ランク外であります。

私は校友会の役員をしているのですが、数年前の全国会議の際、ある役員が「駅伝で有名になってちゃらちゃらしているのはいいけれど本来大学は勉学するところであって勉学の成果で自慢できるようになるべきだ!」と強くボイスアウトされ、いたく感動しました。その方が今後は君が宜しく、と言ってそれから数か月後には帰らぬ人になりました。だから肩に力が入るわけではないですが、大学は勉強するところなんですよ。今までの日本の大学の在り方が別次元だったのです。

大学を就職へのブリッジと考えるのもおかしいし、今後は「あなたは何ができますか?」と問われる時代になります。「大学時代はバイトを一生懸命していました」と答えれば「では今後もそれを続けてください、はい、さようなら」となります。大学時代は自分に最後の時間的投資が与えられているチャンスだと思うべきでしょう。駅伝は結構。だけど大学経営陣からしてそれで浮足立っているようでは大学経営そのものがお。し。ま。い。です。

後記
ナイキとH&Mが新疆ウィグル族の強制労働への反対声明に対して中国政府が直接的に不買運動を扇動しています。今日に始まったわけではないビジネスへの政治介入ですが、中国は最終的に自分で自分の首を絞めると思います。中国は調子に乗り過ぎています。言論を弾圧し、洗脳し、政府の力ですべてをコントロールすることは大きな代償を払うでしょう。「大きな代償」とは中国の常とう句ですが、私はそれを中国に言い返します。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
2021年03月26日10:00
カテゴリ
社会一般
教育
慰安婦問題について「(業者との)契約だった」とするハーバード大学ラムザイヤー教授の論文に対する批判の声が目立ちます。「目立つ」と申し上げたのは援護する記事があまりにも出てこないからです。メディアにとって出しにくいという事情があるのでしょう。同教授を擁護するような記事を掲載すれば出版社/メディアに対して厳しい批判の目が向けられる可能性があるからです。

我々は言論の自由という社会に生きています。自由ですからAと主張してもBと主張してもそれは構わないし、それぞれに言い分があります。また、どちらが正しいのか、それは事象によって異なりますが、議論になるということは答えが出にくい内容だとも言えます。

日経ビジネス電子版の記事に「持ち家VS賃貸論争、データを見れば結論は出ている」というのがありました。記事のトーンは経済計算からすると持ち家が有利なのは自明という結論であります。ただ、私はこれに違和感を持っています。自明というのは経済計算だけであって人の生活が損得勘定だけでは割り切れないはずなのです。つまり、これは書き手の強い断定的主張でありますが、読み手を惑わせるものの一つなのです。事実、この手の内容にしてはものすごい数のコメントが上がっていました。

不動産ついでに申し上げると住宅関連会社が発表する不動産の人気地域ランキングもこれは誰目線なのか考えて読み解かないと誤った理解をすると思います。21年のSuumoの関東地区ランクは上位が横浜、恵比寿、吉祥寺です。不動産事業者である私としてはピンときません。同業のLilfullのランクは購入不動産では勝どき、白金高輪、本厚木、賃貸人気エリアは本厚木、大宮、葛西となっています。

これを見てお分かりなると思いますが、結局、調査機関や誰をターゲットにしている調査かでバラバラなのです。不動産は人気で選ぶものではなく、個人のライフスタイルや価値観が強く反映されるものです。つい1-2年前の人気地は赤羽、北千住、池袋だったはずでまるで違う場所に次々と変わるのは本当の意味でのランクではないのです。もしも論理で押すならm2当たりの売買ないし賃料価格が需給関係でいう人気ランクになるし、取引件数による分析方法もあるでしょう。

五輪開催、コロナ、接待問題など様々な社会問題に対してメディアは街角インタビューでAとBという相反する意見を取り込みます。そうしないと偏りが生じるからです。ただ、俯瞰してAが1割でBが9割の意見だとしてもマスコミがそれぞれの意見を一つずつ取り上げたらその情報の受け手は誤った方向に「誘導」される確率が5割存在することになります。

「誘導」という言葉を使ったのは一般人はその問題に対して必ずしも精通しているわけではない、あるいは問題の当事者ではないという観点に立った時、判断基準はメディアのトーンに流されやすいということです。そして読み手はその主張が必ずしも正しいかどうか十分検証することもなく、その案件は忘れ去られるのです。その時点で非当事者は判断の部分だけの記憶を植え付けられます。あの件はAだったよな、とかこれはBに決まっているよ、といった具合です。これは危険で、結論ありきの社会が生まれ、それを見返すことがなくなるのです。

特に最近のポータルサイトのニュース欄はAIが機能しているためか、ある一定の方向に振れやすい傾向がみられます。例えば私はヤフージャパンのニュースを最近ほとんど無価値だと思うようになったのは記事の並びがあまりにも陳腐で読み手の意志ではなく、ビックデータによる人の好みの「勝手な詮索」であるからです。それゆえ、私はなるべく編集されたメディアの記事を見ます。できれば紙面で見るようにしているのは編集技術による真の意味での訴え方を確認したいからです。

私自身はまだ、社会の動向を読み取る興味があると自負しています。しかし9割以上の方はそんなことには興味がないのです。考えること自体を拒否している人すら増え、スマホに聞けばなんでも答えてくれるようになったのです。恐ろしいことです。

思考能力の低下と洗脳の結果「おなかがすいたんだけど僕、今日は何を食べたらいいの?」とスマホに聞くと「今日のあなたはラーメンの日です」との答えに従う日も近いのだろうな、と思うと一抹の寂しさすら感じます。

では今日はこのぐらいで。

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2021年03月25日10:00
自民党の総裁任期は9月末、遅くとも10月には衆議院選があります。一方、7月には都議選があります。東京都議会は「小池百合子帝国」を擁護する体制を続けられるのか、それとも自民が意地を見せるのか、秋の国政選挙を占う意味でも注目が集まります。今日はそのあたりを少し覗いてみましょう。

都議選に関しては二階幹事長の動きが引き続きキーであるとみています。二階氏が小池氏を支持している以上、自民党都議連の自由度はかなり狭まっていると考えざるを得ません。その自民都議連で絶対的権力者であり都議連最高顧問であった内田茂氏は小池氏に寝返りを打ったことで都議連が「処分」を検討するそうで、都連内部での不安定感が引き続き残ります。

小池氏がグローバルダイニング社からの訴訟を受けて立っているのも小池劇場的には有利に展開しそうです。日本医師会も小池氏のバックについていますし、安心安全をモットーにされると飲食店の不満は多勢に無勢になる可能性があります。

もう一つの切り口は先日行われた千葉県知事選の結果だったと思います。森田健作氏が退任するにあたり、行われた選挙で熊谷俊人氏が過去最多の得票で当選しました。弱冠43歳。20代で市議選トップ当選、その後千葉市長選には31歳で当選、3期務め、今回、順調に「昇格」して知事となりました。

熊谷氏は無所属でありますが、自民色ではないので小池氏と連携を進める可能性があります。森田氏が首相とのラインがあったことを考えると一都三県という括りで政治を考えたとき、オセロが微妙な感じになってきています。埼玉の大野知事が野党推薦候補だったことを考えると多分、神奈川の黒岩知事ぐらいしか政権とのグリップがない状況になります。こう見るとどうも自民党の形成は悪いと言わざるを得ません。

では総裁選と衆議院選はどうなのか、であります。菅総理の支持率はここにきてようやく安定してきましたが、「可もなく不可もなく」というのが正直な評価ではないでしょうか?目の前にはコロナ対策があり、オリンピックが控える中でその2つをいかにうまくこなすかが政権評価の7-8割になることを考えれば現時点で「うまくやって当たり前、失敗したら大バッシング」ですから大ヒットも飛ばさない代わり、大チョンボもしない戦略かと思います。ミドルホールを5番アイアンで攻める感じでしょうか?

では総裁選について対抗馬は出るのか、であります。日経には「二階俊博幹事長もかねて『衆院選に勝てば無投票再選という落ち着き方になる可能性は高い』と指摘する。再選すれば3年の任期が加わり、在任期間は計4年となる」とあります。これは総裁選後に衆議院の任期が切れる現在のスケジュールの順番を逆にしようという下地作りと「二階−菅ライン」生き残り作戦を考えているようにも聞こえます。

しかし、オリンピック後の日本は心機一転、新たに仕切り直して進まなくてはいけない中、大衆受けと活舌が今一つの菅総理を無投票再選で済ませるのが良いのか、私には疑問符だらけなのです。二階氏は党利党略の目線ですが、今は自民党が真の与党となる試金石だと思っています。

総裁選は岸田氏が再挑戦したいと発言しています。次いで女性活躍社会を考えると女性が誰か立候補すべきと思います。野心のある野田聖子氏よりもオリンピックを無事終了した時点で実績感のある橋本聖子氏の方が20票の国会議員推薦人が集まりやすいかもしれません。そして最後に国民目線から人気のある河野氏がいます。石破氏は出馬しないのではないでしょうか?

とすれば二階氏が画策をして無投票にすれば別ですが、国民としては総裁選で多様な顔同士がぶつかり合い、自民党をリフレッシュさせることを望むと思います。

菅政権は安倍政権を引き継いだものです。ただ、2012年末からスタートした安倍体制から9年経ち、世界の勢力地図も日本の経済社会の立ち位置もずっかり変わったことを考えるとまずは政治家の若返りが必要だと思っています。例えば幹事長にいつまでも二階氏が居座っていることが自民党にとって良いことでしょうか?党内のコントロールには都合がよいでしょうけれど国民はそう取っていないし、若い人、特に女性目線ではとても体質が古いとしか見えないと思うのです。

個人的希望としては何年も前から言い続けていますが、岸田さんが幹事長に適任だと思っています。政治家の人事は時として「政治的」でありますが、人事としての向き不向きは当然あるわけで岸田さんは党内調整向きであります。そしてもう少し個人的希望を言わせて頂けるなら首相には河野さんのような対話ができ、国際感覚にも明るい人を、そして副首相に女性を持ってきたらどうかと思います。

最後に衆議院選挙ですが、野党の中身は別にして、反自民党、あるいは「自民党ではない党」に投票する人は増えるとみています。マスコミの偏向報道も含め、リベラル化している社会を反映しているのですが、自民党も中道右派からより中道寄りにシフトした感はあります。一方で国際社会の動静を考えると今後、日本を取り巻く環境は非常に厳しくなってくるわけで力強いリーダーシップが最も重要になるでしょう。

その意味では私は自民党が引き続き政権を担うのがベストだと考えますが、自民党自体が大きく世代替わりすべきだと思っています。その中で現代社会にマッチしなくなった憲法の改正はぜひとも必要です。(例えば先日の判決にあった同性の婚姻についてはどうとらえるべきでしょうか?)憲法改正は9条というイメージを作ったのはマスコミ、だけど婚姻についてはリベラルにとって必要な改正のはずです。その点、「反対、反対、なんでも反対」という野党が本当の論戦ができるほどに頑張らないと自民党も成長しないのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう。
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