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外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2007年09月

僕のところで働いてくれていたワーキングホリディの若者が今日、帰国しました。彼はワーホリの期間半ばだったのですが、考え抜いた末に日本でやりたいことを目指すために思い切った帰国を決めました。

もちろん、僕にとっては重要な戦力を失うということは業務上、痛手ではありますが、若き彼の夢と目標と比べたら僕が引き止める理由はありません。

僕がバンクーバーの企友会で役員をしていた頃、学生さんやボランティアさんがたくさん手伝ってくれました。彼らは海外で何かを学ぼうとして必死でした。僕はその姿勢に心を打たれました。
企友会の役員は昨年末に降りましたが、自分のところの会社でワーキングホリディの人の採用をすこしづつ増やしてきています。今は常時、5人前後は働いていると思います。僕は彼らに海外での仕事を通じて国際人になるため、ほんの少しでも経験をさせてあげたいと思っています。

今、日本は自分の殻に更に閉じこもりつつあります。海外との交流の仕方そのものがまるで退行するように未熟化していっています。世界柔道連盟で日本からついに一人も役員を送れなくなったのもいい例だと思います。

日本は日本国内だけでは生きていけません。もっと広い心と広い常識を持たなくてはいけません。が、日本での偏った常識と人間関係と日本独特の社会が国際社会と大きく隔離しています。その殻をワーキングホリディできた日本人の人に少しでも割ってもらいたいと思っています。僕はそれを教えてあげる義務があります。そして、今日一人の卒業生がまた、日本に帰っていきました。彼はよい仲間とよい経験ができたと最後に述べていきました。彼のこの半年の経験は彼が10年、20年経ったとき、必ず、役に立つものです。僕はそんな彼の長い将来に少しでも役に立てたらうれしい限りです。

今日はちょっと感動でしょ。

ではまた。
ついにカナダドルが米ドルを超えました。そう、為替レートの話です。
31年ぶりとかそういう話だと思いますが、この状況については皆さん、いろいろな意見があるようです。
僕ら日本人にとってはアメリカに行くとモノが安く感じるので比較的、うれしい話。
それから、カナダで給料を貰っている人にとっては日本円が安くなっているので日本の物価が安く感じるようになります。

さて、僕の大胆予想です。この状況はこの先どうなるのでしょうか?

まず、中期的にはカナダドルが米ドルに対して強くなる傾向は変わりません。この先、数年のうちに更に10−15%程度上がっていくことになるでしょう。カナダドルと日本円も同様に120円から140円を目指す展開が想定されます。

但し、目先、短期的には一月以内に調整が入り、一時的にカナダドルが米ドルに対して弱くなるときが来ると思います。その理由はずばり、カナダは利下げをするからです。いや、利下げをせざるを得ない状況に追いやられるはずです。カナダ中央銀行は非常に難しい舵取りを求められています。基本的には石油などの資源価格の高騰が今回のカナダドルの高騰に繋がっていますから景気は基本的にいいわけです。その状況で利下げは逆効果で景気のドライブがかかってしまいます。しかしながら、オンタリオ州の景気がイマイチ。これは、アメリカ向け製造業が為替関係でかなり苦しい状況になってきているからと思われます。

カナダドルはもともと、米ドルの陰に隠れてアメリカより安い物価というイメージできていますから、ここで米ドルよりも高くなることでカナダ側にそこまでの経済的バックグラウンドが整っているかというのが極めて疑問ですが、金融調整という手法で利下げをする以外に方法はないと思います。カナダは経済小国ですからアメリカに逆らって独立独歩を断行できるような国ではないということが一番大事なポイントです。

今日はまじめに書きました。

ではまた。
昨日、バンクーバーに長くいる人たち数人と食事をしていて盛り上がった話題。かなり面白かったのでブログでも紹介します。

皆さん、バンクーバーのいわゆるブランドショップには行ったことあるでしょう。ビトンとか、フェラガモとか、コーチとか...... 僕もたまに行きますがいつも思うことがあります。日本人の店員さん、

何でそんなに態度が横柄なんだ。

まず、目と目が合うと、
「観光の方ですか?」と聞く。なぜ、買うか買わないか以前の段階で滞在ステータスを聞くのだろうか? 観光客は買う率が高いとか、居住者は小うるさいことを言うとか?

そこをぐっとこらえて、
「これはこの色しかありませんか?」
と丁重に聞くと、これだけしかないと、商売気のない顔で「私は忙しいから早くして。」といわんばかりの態度で返答される。
だいたい、ブランド店の店員は客を持ち上げることで商品の10%分ぐらいの価値があると思っているのにブランド店の日本人店員はスーパーマーケットの店員より質が悪く、気分を悪くさせる。だから、僕はなるべく、白人のベテランそうな店員に応対をしてもらう。
日本にあるブランド店は店員の接客が素晴らしい。向かい合う態度、しゃべり方、微笑み方、体の向きの角度まで細かく設定されている。これは、プロが厳しくチェックしているから。

こちらのブランド店の店員はちょっと英語ができるというだけで笑顔一つ見せない最低の店員だと思う。僕はブランド店のイメージを傷つけていると思うな。店員さんにとって、ああいうブランド店に勤める最大のモチベーションはそこの商品を安く買えるということでしょう。でも、店員選びにはもっと気をつけたほうがいいと思います。

ちなみにこの傾向はバンクーバーだけでなく、アメリカを含め、各地に於ける強い傾向だということを付け加えておきます。

ではまた。






このブログで確か2ヶ月ぐらい前に阿部ちゃんは辞任した方がいいと書いたけど、本当に辞任したねぇ。正直、彼は運がなさ過ぎた。全てが向かい風。昨日のテレビの会見模様の彼の表情は疲れ切っていて、本当にそのまま、首を吊るのではないかという追い込まれた感じ。野党はかなり執拗に攻めていたけど、この時期での辞任は一般的にはまるで解せない。ということは彼自身のキャパがもう、一杯一杯だったということになる。事実、週末の新聞では首相のポジションにこだわらないということを言明しているが、今までの彼の首相へのこだわりからはかなりトーンダウンしている。新聞は自衛隊のインド洋沖での救援活動維持への彼の強い意思表明という書き方だったが、実は、彼自身に限界が来ていたための発言とも取れなくない。

さて、これが、経済にどう影響するか?株式市場は面白い反応だった。上がったんだね。一時的に。辞任を歓迎した。が、その後、政局不安を見越した売りがでて、結局日経平均は80円ほど下げた。問題はこれから数日でしょう。もしも株式市場があまり動かないのなら、市場が政治に対し、強い期待をしていない現われとなります。一方で、外人投資家はものすごい勢いで売りこしているので政局不安材料が更なる売りが売りを呼ぶ可能性は無きにしも非ず。

この時期になって、欧米の投資ファンド会社の決算発表を控えており、また、僕が以前に書いたように根強い中国の「この秋景気後退説」がまことしやかに囁かれています。基本的には日経平均は14000円から13000円台への一時的下落の可能性は見ておいたほうが良さそうです。

中期的には日本の株は実力比で安すぎると思うので買いだとは思いますが、11月ぐらいまではちょっと厳しいか?

以上大胆予測でした。
だいぶ長くなってきましたね、バンクーバー市のストライキ。
IKEAリッチモンド店のストライキはまだやっているのですかね? バンクーバーのホテルの組合もストライキを決行する可能性があり、その場合、9月中旬が危ないと見られています。

なぜストライキをするのでしょう?

僕の認識では経営側と雇われ側の確固たる差なんだと思います。
日本では新入社員のときは組合員でも順調に出世すれば30代そこそこで課長になる。そうすると、いわゆる管理職となり、組合員から外れるわけです。こちらは基本的にそういう出世コースというルートは確立されていない。だから、基本的には組合員はいつまでも組合員。だから、その労働条件を改善してもらうためには強力な組合組織のバックアップが必要ということですね。
逆に言うと、経営側も強気で組合側といつもがちんこ勝負ということなんです。

数年前にセーフウェイがストライキをしたことがあります。結構長かったと思います。その際、最後、セーフウェイの社長がこれ以上ストライキをやるなら経営をやめるというようなことを言って労使が収まった経緯があります。

それにしてもこのストライキ、だいたい季節のよい頃にやるのですよ。冬の寒い時期にはやらない。これはずるいなぁと思います。それから、ストライキをするにあたり、組合員は本当にそれを望んでいるのか?というのが不思議なところです。予定されているホテルのストライキの場合、各ホテルによってストライキのサポート率が違いますが、ハイアットの場合、90%近くと聞いています。他のホテルもだいたい80−85%らしいです。

はっきりいって、ストライキをしている間は給与がほとんどないんですよ。ローンとか抱えている人はどうするのでしょう。この辺が僕にとってはまったく理解できないこの国の慣習であります。

今日はそんな課題の提供まで。

ではまた。

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