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外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2008年05月

僕はサラリーマンを約20年経験しました。実家は自営業で本来なら家を継ぐのが普通だったのでしょうが、家業に興味があまりなかったせいか、会社勤めを始めてしまいました。

サラリーマン時代のよい点、悪い点はサラリーマン時代に上司に付き合って酒を飲み交わしながらいろいろ話には聞いていましたが、サラリーマンをやめて事業家になったときにはっきり認識することが出来ました。頭ではわかっていても経験からくる認識というのはもっと強い確証が出来ますからね。

サラリーマン、何がよいかというと黙って給与をくれることと最終責任は自分ではなく、組織の上部か銀行が面倒見てくれたこと。(銀行はその当時は一蓮托生でしたからね。)だから、僕の上司は「金の屏風」という表現をしていましたね。屏風の前に立てばどうにかなるんだって。自信もつくし、かっこよく見えるのでしょう。一流企業であればあるほど屏風は立派になるしね。

会社を辞めて自分で事業者になったとき、あぁ、給与をもらうのではなく、払ってあげなくてはいけないのだという意識がでました。それまでだって関連会社の雇われ社長をしていたけど、事業主だという認識はなかったですね。だって、本社があり、銀行があったからね。関連会社といえども株主である親会社の意向はすべて反映しなくてはいけませんしね。ああいうのは社長とは言わない。単なる操り人形。

本当に自分が100%の株主になって借金背負ったとき、自分の後ろには屏風がないことに気がついた。だから、自分が早く金色に染まらなきゃいけないといつも思っていた。自己管理もそのころから厳しくなったよね。雇われ社長のときはカラオケ行って酒飲んで翌朝、二日酔いでも会社に行くということが重要だったけど、自分で仕事すると中身がもっと重要。だから、ぜんぜんライフが変わってしまったのですよ。従業員を守らなきゃいけないとかさ、自分の行動はいつも見られているとかさ、そんなことを意識するようになった。

青木に勤めていたとき、社長の秘書をしていたのだけど、その社長が社長に就任したばかりのころ、「これで僕もパチンコ屋にはいけないのですよ。世間の目があるでしょう。あの会社の社長さん、パチンコしていたわよ、といううわさはすぐに広まるからねぇ。」この会話は1989年当時です。今やインターネットでうわさは一日にして海を渡りますからねぇ。なおさらおそろしやです。

結論からするとサラリーマンほど楽なものはない。が、特に日本のサラリーマンはどんなにがんばっても中の上までしか上がれないよ。日本はそういうことになっているのです。図抜けてはいけない金太郎飴を作るよう政策で方向付けているのです。金太郎飴が大きいか、小さいか、まぁ、どんぐりの背比べなのです。ポイントで旅行しちゃったとか、会社が家賃補助を出してくれるのでこんなにいいところに住める、というのはすべてどんぐり。

もしもあなたがバシッとその枠組みから抜けたいのならやっぱり、サラリーマンから足を洗うことです。が、事業者の成功率は10分の1。伝え聞くところによると80%近い事業は赤字とか。そうなると住宅ローンも抱えながらでは奥様の承諾も取れないよねぇ。

あぁ、悩ましやです。

では。


この数年、日本ではビジネスコンサルタントが大活躍のようです。中小企業や起業を目指す方を相手にコンサル業を営む傍ら、本やブログ、はたまた、講演等で知名度を広げている方も多いようです。

僕が接したり、傍で様子を見る限り、僕のビジネスにはあまり役に立ちそうにもない気がしています。

まず、コンサルタント諸氏のブログや講演は基本的に他人の本や新聞、雑誌などで仕込んだニュースにコンサル諸氏がはぐくんだ人間関係をベースに自分の中で蓄積したノウハウを一般の経営者や起業家に大所高所から指導をするのだろうと思います。

が、僕はいつも疑問に思うのですが、案外、ビジネスコンサルの知識は浅いのではという仮説に立っています。つまり、本や他人の話を取りまとめたことを他人に教授するというのだからそれはしょうがないと思います。自分がその業界にいたとか、苦労しながら作り上げたノウハウではないからでしょう。ましてやそれを汎用的にビジネス指導するというのは基本的に難しいのではないかと思っています。例えば、小学校の先生が何でも教えるけど、中学になると専門の先生がつくでしょう。ビジネスコンサルは僕からみると小学校の先生のようなものかな。

ちなみに僕のビジネスコンサルタントは「日経ビジネス」なんですよ。海外で定期購読できるビジネス雑誌として非常に重宝しています。それ以上に日経が持っているデータベースやコネクションがフルに生かされていて大手企業や業界の重鎮の人のインタビューが盛りだくさん出ています。僕はそういう方々の苦労話やノウハウ、テクニックがビジネスコンサルに勝る教科書だと思っています。

スポーツ解説者がよく、偉そうなコメントを出しています。あるいは辛口の指摘をしたりしています。それでもそのスポーツ出身者の解説はなかなか、説得力がありますがそうでないとやはりはっとするものがないですよね。例えば星野仙一氏が野球の解説をするとなかなか面白いコメントをしますよね。だけど、たまに野球人ではない人が解説やゲストでいると彼らのコメントはどうもピントがずれている。

ビジネスの環境というのは規模、場所、業種、ターゲットなどなど、数え切れないほどのファクターを組み合わせた結晶です。それを一介のビジネスコンサルタントが汎用的な形で断言するのは無理ではないかと思います。もしも自分のビジネスを改善したいのなら自分が先ず、前線に立ち、問題点を洗い出し、そのポイントごとの解決策を専門家や詳しい人と相談することから始まると思います。
精神論的なビジネスコンサルの指導は言わんとしていることはよく分かるけど、でも、受け売り的な感じがしてしまいます。含蓄がないというか、重みがないというか。

僕はもっと自分を信じていいのではないかと思います。そして、壁にぶち当たり、その壁をどう破るのか、自分で考えることがビジネスをもっとはぐくむ一番の薬だと思いますよ。

では。



2008年05月21日09:15
前回は不動産市場の予想を書いていました。
今日は株式市場です。

今日、カナダのTSXは初めて15000ポイントの大台に乗せてきました。一方、ダウは約200ポイントのダウン。原油価格の結果が導いた典型的な今日の動きでした。
この傾向は最近のトレンドですのでこれを否定し、逆張りをするのはちょっと怖い。

が、ものに永久はないのなら、原油価格もそろそろ落ち着かなくてはいけない。いや、指標などは基本的に価格を落ち着かせるものがそろっているのに投機筋の買い上げでいくらでも上がる状態にあります。一部の専門家も指摘しているようにこれはきわめて危険な状態で暴落のリスクを抱えています。

原油価格の緩やかな下降はダウや日本の株式市場には好影響、カナダ市場はプラスとマイナスで心理的にはマイナスがやや上回る感じかな。ただ、暴落すると市場に混乱が生じ、株式市場にも極めて悪い影響が出ます。ここはうまい運営を期待しましょう。

で、仮に思惑通りに原油価格が落ち着くとします。それならばダウは14000ドルを回復する足取りになるでしょう。日経平均は僕が年初に予想している18000円を目指すはずです。実際、日本の株式にはこの数週間、外資を中心に買いが相当入っており、売買主体動向からは個人投資家の一人負け状態ではないかと思います。

日本の株式の場合、トヨタや銀行株など、一流どころが一時に比べいまだ30%以上売り込まれていますから上値を追う余地は大有りでしょう。みずほの80万とか、東京三菱の150万、トヨタの7000円は難しくない目標です。ソニーやシャープなどの勝ち組もまだいけるはずです。三菱商事の上場来高値はこれは別理由ですから、ウェイトはかけないように。それよりも丸紅のこの先の快進撃に期待かな。

新興市場は個人の痛手が大きすぎるようです。新興市場の雄、楽天、USEN,アセット、などの決算が今ひとつなのもこちらの市場にステップインする躊躇そのものだと思います。ただ、個別銘柄から拾い上げながら市場の好転するのを待つしかないでしょう。

基本的に今は踊り場だと認識しています。3月安値から23%ぐらい上がっていますが、今までが一気の回復でしたから、1,2週間のお休みを経て再び上昇基調に転じると思います。

これが僕の見方です。

では。
バンクーバーに不動産を持っている人、もとうと思っている人、いろいろいらっしゃると思います。去年の夏からアメリカで端を発したサブプライムの問題はいろいろな形で波紋を広げていますが、バンクーバーの住宅はさてこれからどうなるのでしょうか?
今日はこのテーマが久しぶりですので最近の動きを踏まえてざっくりと捉えてみましょう。

基本的にマーケットに変化が出ていることは間違えありません。統計からはリスティングが大幅に増大しているにもかかわらず、価格が高止まりしています。一方、取引件数も減少していることから、心理的には価格が落っこちるぎりぎりのところにあると考えられます。特に弱含みをしているのがコールハーバー辺りの1ミリオンドル前後の物件。これは、あまりに供給過剰でリセールも多すぎる状態になっています。また、リスティング価格の偏差が大きすぎてリアルターの値付けに問題がありそうです。一部にはコールハーバーに数ヶ月前に出来たある新築物件の出来が悪く、リセールが膨らみ、この辺が市場心理を冷やしているという見方も出ています。

もっと住宅市場全体論からすると悪い材料はあります。
まず、金利の見立てです。アメリカの金利は底打ちしたと見られており、今後上昇が予想されますが、カナダもあと一回ぐらいの利下げがあるかもしれませんが、それで終わりと見られています。
金利が上がる理由はとりもなおさず、インフレ対策で先ず、アメリカドルが金利を上げることで通貨防衛をして資源投機に回っている資金を引き上げさせる戦略に出ます。その際、西カナダが潤っている資源価格の高騰による好景気はその段階でストップすることが考えられます。オイルが200ドル超えるかもしれないというのは投機の結果、そうなる可能性を否定することは出来ませんが、実需からみるとありえない話だと考えてください。だとすれば、今の水準から3割価格が下がってもおかしくないのです。そうすれば、景気が回復し、消費が上向きますから、金利は上げることになり、一方、西カナダの景気は冷えるということです。

景気は永遠ではありません。資源価格が永遠に上がることもなく、不動産が一本調子でずっと上がり続けることもありません。必ず、上がったり下がったりするのです。
僕は前から行っているようにそろそろ、息継ぎのころだと思っています。

中国の株式バブルもかなり崩壊しており、その資金がバンクーバーに流れてくるストーリーも若干、期待度が下がるはずです。
そういう点からもマーケットはやや弱含みと見てください。

気をつけたほうがいいエリアはリッチモンド。ここは90年代に買った香港系中国人が今後数年間で一気に売りに出ますが、それを吸収できるだけの中国本土からの需要があるかどうかが勝負になります。

こんなストーリーが僕の今の不動産体感です。

ではまた。
僕の知っているワーホリさんは今も昔もみんなお財布はピーピーです。ただ、僕のところで働いた人でうん千ドルためた人もいましたけどね。彼女は確かにフルタイムで働いていたけど、どうしてそんなにためたのか、立派だったと思います。しかも、そんなに生活がキュウキュウしていなかったと思いますが。

ではワーホリの花子さんの家計簿を作ってみましょう。

収入 バイト代 時給8ドルx8時間x22日/一ヶ月=1408ドル
税金などを引かれて月の手取りが1250ドルとしましょう。

支出
家賃 ルームシェアで500ドル
光熱費 シェアで30ドル
ここでいったん収支の小計を出します。
1250ドル-500ドル-30ドル=780ドル

つまり、花子さんは衣食住から住の部分を確保した後、まだ780ドルのお金が使えるということになります。
僕の知っている標準的なワーホリさんの食費は200-300ドルです。正直、これも多いとは思いますが、一応、保守的に見積もり、250ドルとしましょう。
すると、衣食住の食住をまかなってもまだ530ドル残ることになります。

ここで100ドルを旅行積み立て費用、150ドルを交際費、100ドルを携帯電話などの通信費に当てても更に180ドルの予備費が取れることになります。

ここまでが第一弾の作業です。
これを読んだ皆さんは私は花子さんほど稼いでいないという方がいらっしゃると思います。では、花子さんより稼ぎが少ない分を支出のほうで切り詰めてみてください。例えば、花子さんはまだ予備費が180ドルあります。通信費の100ドルも余裕があります。こうやって自分の収支を作ってみてください。

以上が第二弾の作業。
最後にそこを更に切り詰める算段を考えます。
それは食費です。

食費のマジックとは
1 外食は自炊の5倍かかるよ。
2 自炊している人、コンビニで弁当買っているのかな?あれは高くつくよ。
3 スーパーで買い物している人、えらいと思ったら間違えだな。原料から作ってみよう。

こうすることで食費というのは究極的に下げられます。一月100ドルというのは実は楽勝なんですよ。もちろん、ちゃんと食べてですよ。自炊反対派は「だって、腐っちゃうじゃない。」とおっしゃいます。いいえ、野菜だってちょっと工夫さえすれば3週間フレッシュさを維持することが出来ます。
特に絶対に食費を安くすることの出来る食材は小麦粉です。これさえあればパン、うどん、パスタ、ピザ、お好み焼きなどなど、いくらでも出来るのです。こういうテクニックを学ぶとお金が有効に使えるようになります。

ということでワーホリの皆さん、一工夫して生活を一歩、楽しいものにしましょう。

ということでお金をためたいシリーズ全10回、これにて終了させていただきます。
参考になったでしょうか。

ではまた、次回からは普通のブログに戻りますね。
ワーキングホリディの方の基本スタイルはカナダに来て、とりあえず、ホームスティをしながらESLの学校に行って3ヶ月たったら仕事をして残り9ヶ月をたのしくすごす、ですよね。僕の知っている限り、少なくとも半分ぐらいの人がこのパタンではないかと思います。来る時期は2月ごろがひとつのピークだから5月ごろは仕事を求めるワーホリさんも必然的の多くなるというのも結構パタン化しています。
多分、これは日本の時期的な問題があるのかなぁと勝手に想像しています。

先ず、お勤めになっていた方は12月にボーナスもらって会社辞めてお正月を日本で過ごしてさて、カナダ行くぞという心機一転型。

学生さんは2月の後期の試験を終えて春休みに入った瞬間に休学してさて一年、海外暮らしをするぞというガッツ型。

どちらにしても結構なことです。が、今年はせっかくワーホリさんが増枠になったのに定員割れとは残念なことです。

それはともかく、ワーホリさんは少し落ち着くと必ず、アパート探しを始めます。そして、僕の知りうる限り、平均、1.5回ぐらいは住むところが変わっています。
最近はダウンタウンのアパートを大家さんが改装を理由にいったんルームメート引継ぎを禁止し、高い値段でローカルの人に貸し出すケースも増え、ワーホリさんがダウンタウンから遠くに追いやられている状況です。これではコンビに屋さんも苦しくなるわね。
さて、このアパートの経済学は面白い。
僕もずいぶんワーホリさんのアパートの件で相談を受けたけど、一番不思議なのが家具の引継ぎ。つまり、アパートに入居の際、家具を800ドルとか1000ドルでいったん引き継ぎ、その人が出るときにまた同じ金額で引き継いでもらうという仕組みです。ところがこの家具というのがひどいんだ。お世辞にもまともとはいえない家具、古びた引き出し、座ったら汚れそうな椅子、20年前の韓国製テレビ....これ、全部新品買っても500ドルしないだろうという代物がとんでもない金額で引き継がれるわけです。僕はこれはショバ代ということなんだろうと思います。家具引継ぎなんてとてもじゃないけど恥ずかしくていえない。

それ以上にこの引継ぎ家具は絶対に減価償却しないんだ。それどころか、儲けようとするやつもいる。「このテレビは私のときに買ったやつなので新品だから引継ぎ代800ドルにテレビ代200ドルを足した1000ドルください。」とかね。

冷蔵庫のシェアの仕方もいろいろあるらしい。基本は自分のものは自分だけのもの。料理は自分で自分のものだけを作り、勝手に食べる。ルームメートのことは原則干渉しない。つまり、「つかず離れず」の関係を維持することでルームメートとして機能する。時々、家でパーティーや友達を呼ぶときはルームメートにも声をかけるが基本的に強要しない。この距離感が大事だと思います。

ほらほら、ルームメートともめているあなた、距離感はあっていますか?

このワーホリさんのお財布はまた厳しい状況。この辺を次回、検討してみましょう。

では。
お金をセーブしながら環境にやさしくするということも重要です。
皆さんご存知のとおり、BC州は環境対策が非常に進んでいるところで僕はバンクーバーのよさは何と聞かれると環境かなと答えています。

その環境は住民の人がみんなで守っていこうという姿勢で維持されています。
それをやりながらお金をセーブすることを考えてみましょう。

先ず、空き缶、空き瓶の回収は皆さんご存知ですよね。
お酒の缶、ビンは時々酒屋に持っていって換金してもらいましょう。なぜだか知りませんが、缶はつぶさないようにしていますね。(数えやすいからかな?)缶やビンは通常、10セントです。基本的に一回、24缶、本までですから気をつけましょう。

ジュース缶、ビンや紙パックのドリンクは買ったお店に持っていくとひとつ5セントでとってくれます。くれぐれも買ったお店に持っていくことが重要でほかの店のジュースの缶を「これはうちの店で扱っていない。」と返されてしまいますからご用心。

こういう小銭は案外たまるもんなんです。環境にもやさしいし、やってみてください。

最近レジの袋にも注意が必要です。有料になっているのがスーパーストア、アイキヤなどですね。コスコにおいては袋がありません。確か、一部のスーパーストアも袋がなくなると聞いています。
また、スーパーストアの場合、スーパーストアのグリーンバックを使って買い物するとポイントが50点たまるらしいですよ。

コーヒーなども自分のカップを持っていくと割引になるところがあるようです。スタバが確かそうだったと記憶しています。

最近、環境対策が加速度的に進んできたバンクーバー。日本の過剰包装はやっぱり環境問題対策には程遠いのでしょうね。

ではまた。
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