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外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

不動産

あおぞら銀行、かつて日本債券信用銀行として君臨していましたが、1998年に破綻、その後、投資ファンドの支援の下、再建し、現体制となり、今では日経平均算出の採用銘柄にもなっています。ところが同行が24年3月期の決算を黒字見込みから一転、想定外の通期見込み280億円の赤字とし株価は21%の下落となりました。理由はアメリカの商業不動産向け融資に損失が生じるリスクをみる引当金を更に引き当てる為です。現状、アメリカオフィス市場への融資残高は2600億円程度で引当率は9.3%まで引き上げたのが理由です。

同じ日、ニューヨークコミュニティバンクという地銀が同様に商業不動産向け損失引当金を計上したことから株価が38%も下落する事態に見舞われました。商業不動産向け融資は地銀が担っている部分が大きく、オフィス市況が構造的変化を見せる中、アメリカの地銀だけではなく、世界中に展開されているシンジケートローンなどの融資網、あるいは小口債権化によりリスクの拡散具合がつかみずらく、リーマンショックと全く同じ展開を図るシナリオさえ描けるわけで嫌なムードを感じます。

商業不動産問題は昨年春に大きく問題となりました。その際にはアメリカの金利上昇と働き方の変化によるオフィス需要の低迷がその理由とされました。その後、多くの物件はリファイナンスに成功し、持ちこたえているように見えたのですが、「臭いものに蓋をした」状態だった可能性は未だに残ります。

アメリカの商業不動産の最新市況レポートを見てみましょう。2023年のオフィス事業の売り上げは34ビリオンドルで2022年より60%減少しています。建築コストが上昇しているにもかかわらず、オフィスのリース料は前年比マイナス1.4%となっており、空室率の全米総平均は18.3%となっています。更にざっくり約1000万m2の新規オフィスが建築中です。先日オープンした麻布タワーのオフィス部分が21万5千m2ですのであれがざっと45棟分全米で新規に生まれる計算になります。

オフィスビルは機関投資家やREITなどが所有していることが多く、主に中長期のローンを組んでいますが、満期には当然借り換えをしなくてはいけません。その借り換え需要は2025年までに5600億ドルもあります。上述したように商業不動産ローンの引き受け手は地銀の割合が大きく、地銀が積極的に借り換えを受け入れなければオフィスローンが行き詰まることになります。大手銀行もある程度は引き受けますし、アメリカ最大の銀行、JPモルガンが救済的に地銀のローンを一部引き受けたこともあります。が、全体のスキームは「オフィスと地銀のコンビ」という括りは重要なキーポイントであります。

昨年、アメリカの地銀が相次いで破綻しましたが、それぞれに理由があったにせよ、商業不動産問題はどう見て見ないふりも感じます。

例えば私はカナダのオフィスREITに投資をしていますが、散々で同REITは昨年、3つの事務所ビルを売却し、REITにもかかわらず配当をゼロにして、経営陣も入れ替えて経営再建中になっています。幸い、手持ち案件の占有率は9割ぐらいあるので経営回復途上にありますが、オフィス全般を見れば空室率平均が18%ですから5割、6割ぐらいしか入居していない事務所ビルもごろごろあるわけです。

では専門家はどう見るのか、ですが、2024年は23年より更に下押しするが、底打ち後、緩やかな回復を見込んでいます。なぜ緩やかなのか、といえば24年半ばから利下げが本格化し、経済が活性化するとみられ、企業の投資拡大機運⇒雇用増大⇒事務所の需要というシナリオがあるもののオフィス需要は景気に対して遅行性があり、すぐに活況にはならないのです。

一方で働き方の構造的変化は時代の趨勢であり、昔のように事務所でぎゅう詰めになって働くというシーンはみられなくなりそうです。

最大の理由はITとAIの普及でCo-Workerを必要としなくなったことはあるでしょう。変な話ですが、事務所に来るのは管理職だけ。スタッフレベルは家で仕事をして、それを事務所で取りまとめるのが管理職という奇妙な構図すら見られるのです。もちろん、業務の種類により現場に来ないと仕事にならない人もいるでしょう。ですが、マンハッタンのような摩天楼という発想が20世紀の前近代的産物にならないとも限らないのです。

例えば私は1-2年のうちに事務所を海の上に浮かぶ「船」に新設予定ですが、働く場所の環境をより重視するスタイルは今後増えていくと思うのです。高層ビルより郊外の緑豊かな敷地にゆとりあるスペースの事務所を設けるスタイルは西海岸では既にだいぶ前から進んでいます。例えばマイクロソフトの本社はシアトル郊外のレドモンドというところにあり水と緑に囲まれた美しいエリアにあります。

日本でもパソナグループが一部門を淡路島に移し、話題になりましたが、本社部門だけは東京の青山に残しています。つまり上述の管理部門は出社し、スタッフは在宅勤務とスタイルは似ているとも言えます。

働き方の変化は景気動向とはまるで違う話です。極端な例えではスマホの台頭によるデジカメの衰退ぐらいの衝撃がある話だともいえます。日本は在宅勤務できる環境が十分ではない(子供がいる、狭い、プライバシーが保てない、集中できない、WIFIがない、など)があるので喫茶店でノートパソコンとにらめっこしているサラリーマンの方もいらっしゃるようです。よってオフィス需要は北米とはだいぶ違いますが、北米のこのトレンドチェンジは長い目ではアジアにも転移する可能性はあり、要注意だと思います。

では今日はこのぐらいで。

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また明日お会いしましょう
中国不動産業界の最大の癌とも言える恒大集団。その規模は中国280都市で手持ちプロジェクト数1300程度、負債総額は48兆円、破綻した時のリーマンブラザーズの負債総額が63兆円規模とされるので戦々恐々となるのも無理もありません。その上、破綻予備軍の不動産開発会社は他にもごろごろあるわけでそれらをひとまとめにすればリーマンブラザーズの2倍、3倍にもなるわけでとてもではないですが、持ちこたえられないだろう、というのが西側諸国の常識観であります。

「西側諸国の」とわざわざ断りを入れたのはルールも思想も全く違う中国に於いてそれをどう処理するかはお上のみが知るところであり、西側の経済ルールなど全く通用しないのであります。また、リーマンショックがとてつもなく大きな衝撃になったのは金融システムの根幹をゆるがしたことでありました。特にMBS(不動産担保証券)の仕組み債にAランクばかりと言いながらそこにCランクも混じっていた純度の悪い債権をつかまされた金融機関が世界中にいたことが引き金でした。

では恒大集団は、と言えば確かに一部の西側諸国の投資家は彼らに投資をしていました。が、そもそも会社の格付けは低かったし、中国リスクは長年指摘されてきたことです。それを承知で投資したわけですからどん欲な投資家が「俺のカネ、返せ!」と言っているだけでそれが西側諸国の金融システムや経済に直接的には影響を受けません。よって恒大がどうなろうが、勝手にしてくれ、ということです。

もちろん、中国の不動産業界の惨状に資源が売れないと嘆く資源国や資源会社はありますが、今まで散々売って儲けてきたのだろう、というしかないのです。中国の現在の住宅の完成在庫数は誰も発表していないので様々な数字から類推するしかないのですが、約5000万戸程度というのが一番信ぴょう性のある数字に見えます。一時期、30億人分(≒10億戸)とかいった無謀な数字を朝日新聞から著名な経済誌までさもありなんと報じていましたが、それは「まゆつばのべき乗」ぐらいの話であります。

仮に完成在庫が5000万戸とします。中国の23年度の売れ行きから類推する販売戸数は年間1000万戸です。つまり在庫として5年分、60カ月というのがかなり妥当な数字だと思います。これは例えば全てのデベロッパーが今住宅建築を止めれば5年で問題は解決するということなのですが、実際に完成在庫がゼロということは起こりえないので3−4年分が過剰にあるということかと思います。こう見るとそんなにひどい数字でもないのです。(カナダでは完成在庫6か月分が判断の分岐点)

中国の不動産問題の始まりは2020年ごろで、恒大集団がヤバいと言われてから既に3年以上の月日が経っています。今回、香港高裁で法的整理命令が出ていますが、知る人が見れば「あっ、そう」以上の何物でもありません。既に恒大の上場子会社の株式の取引は再開されているし、恒大の取引再開もさほど遠くないうちに始まると思います。「え、潰れたんだろう、何言ってんの?」と言われると思います。潰れて上場廃止になるのは西側ルール、香港市場は営業していれば上場を維持し売買することは継続されます。つまり投資家は保護されています。

では香港高裁が出した命令は何か、といえば西側の訴状に「そうですね、法的整理ですね」と裁判所が認めた、それだけです。但し、恒大の90%の資産は中国本土にあるのです。中国共産党が西側ルールに基づいて恒大の持つ資産を清算し、なにがしかのお金を西側投資家に返すという発想はばかげています。習近平氏にとって中国国内の資産をなぜ、西側に売り渡すようなことをすると思いますか?ありえないのです。

では中国共産党はどうするつもりでしょうか?私は以前、不動産事業はバラバラにできるので、それを個別管理して再生させるのがベストと申し上げました。同様の再生プログラムは既にあの海航集団で行っています。同グループは中国がバブルに浮かれていた頃、もっとも華やかな海外投資をしていてた企業の一つでピークにはヒルトンホテルの25%とかドイツ銀行の10%の所有権を持ち、海外不動産も次々買い漁っていました。が、資金繰りが悪化したところで創業者がフランスで「事故死」、一気に実質国有化となり、今でもちゃんと事業をしているのです。

では恒大再生プランですが、個別の不動産を査定したうえで妥当な市場価格で地方政府、たぶん融資平台が物件を買い取り、それを一般向けに分譲ではなくリースないし賃貸します。できれば「rent to own」 という長年賃料を払った人は一定期間後、所有できるようにするのです。これにより分譲住宅を買えない層の中国人マーケットにリーチし、市場の活性化をさせるのです。

こういった工夫あるスキームを直ちに組めば5年程度で手持ち物件は全部処理できるでしょう。他の不動産会社でもそうすればよいはずです。要は知恵なのです。不動産は分譲と賃貸しかいないと思ってしまうのですが、手法はいろいろあるのです。私が「Lease to own」という手法の物件をやっているのもその実験プログラムなのです。中国は人口が減っていると言ってもまだ14億人いるし、ほとんどの人はボロ屋に住んでいるのです。共産主義、共同富裕なのですから、生活レベルをアップさせるという意味からも余っている住宅の活用で中国の不動産事業に光を与えることは可能なはずです。

では今日はこのぐらいで

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東京都心部のマンション価格は天井知らずで億円単位は当たり前になってきました。坪当たり最高エリアでは1400万円、都心でまずまずのところでも坪500万円は覚悟でしょう。とすれば100m2で1億5千万円です。それでも売れるのは金利が低い、これに尽きるわけです。また、日本の不動産取得は外国人による取得に関しては特殊なエリアを除き、一般的なマンションなどは取得制限はほとんどありません。この辺りが不動産を目当てにしたマネーが入り込んでくる理由だと思います。

さて、カナダ。バンクーバーについていえば1986年の万博以来長期的にはずっと右肩上がりの不動産価格であります。北米第三の街、トロントもマネーとビジネスが集積するようになりすっかり高くなりました。バンクーバーの一等地の集合住宅ですと坪単価換算で750万円程度です。山手線の駅から歩ける高級マンションの価格水準になります。バンクーバーは高いと言ってもやっぱり東京の方がマネーは入り込んできますので物件価格は高いと思います。

さて、最近、バンクーバーであまりよくない噂が出ています。大手デベロッパーが青色吐息というものです。そのからくりを説明しましょう。カナダの開発事業者は土地を取得し、そこに(超)高層の建物を建てる土地用途変更申請を伴うことが多くなります。そのプロセスは4年前後かかります。次に建物の詳細設計を行い、当局から開発許可/建築許可をもらうのに1年。その時点で図面売りの販売を開始し、約半年から1年で一定目標の販売契約を締結、そこから掘削が始まり、3−4年の工事が始まるわけです。これを全部足すと土地取得から完成して引き渡すまで10年前後かかる長い事業なのです。

このスキームの問題は図面売りのタイミングです。買い手は4−5年後に出来る建物にコミットするのです。2割程度の預託金も払います。しかし5年後に起きるであろう社会変化は誰にも想像できません。例えば金利。コロナの初期は地を這うような金利だったのが今では5%を超えます。また政府のルールも変わります。外国人の不動産購入はますます制約が厳しくなりました。投資用で空き家にすると空き家税をがっぽり取られます。外国人取得の税もあります。つまり買い手にすれば想定外のルール変更が次々と起きるため、「そんなはずじゃなかった」となるのです。事実、建物が完成して、引き渡し可能になっても買い手が支払いが出来ないケースが続出しています。

これは売り手のデベロッパーも困るのです。理由は一度結んだ売買契約は双方の合意がないと契約解除できないのです。普通、デベは契約解除には簡単には応じないでしょう。つまり、我慢大会がはじまります。

ではデベロッパーの方の問題点をみます。販売開始時点の不動産市況と建設物価をベースに図面売りをします。販売価格の決定は土地代、設計費、建築費、ソフトコスト、金利などを計算し、利益を上乗せして決まります。が、多くは4年もの間にインフレが加速し、建築費が5割程度上がってしまい、それが吸収できないのです。おまけに普通は銀行借り入れですが、借入金利はどんなに好条件でも6%近くになっているはずです。土地取得代金や設計費、工事コストが積み上がる間の金利だけでも月に数千万円から億単位に膨れ上がり、当初の計画とは大きく相違してきています。

また建築物のデザインがどんどん複雑化し、役所も細かいところまで介入するため、建設会社の能力や設計の瑕疵が生じてしまい、現場で「あれ?」ということが起きてしまうのです。この結果、デベロッパーは既に完成の4−5年前に確定している売り上げに対してコストが大幅に上昇、やればやるほど赤字が積みあがる、という事態が生じてしまうのです。

既にトロントでは街のど真ん中の80階をこえる開発がとん挫していますが、理由は全く同じで倒産した際、売り上げに対してコストが既に2倍に膨れ上がる計算でした。

問題はデベが苦境になると住宅供給が激減する点です。カナダは移民が年間50万人あることもあり、買い替え需要を含め、潜在的住宅需要は50万戸/年ほどあるとされます。一方、供給側の能力は年間28万戸前後です。つまり、全く足りないのです。そこに持ってきて、高金利、高騰する工事費でデベが青色吐息となればどうなるか、誰でも想像できるでしょう。既存の中古住宅価格が暴騰するリスクです。

カナダ中銀は金利を上げ続け、インフレ退治を積極的に行いました。確かにそれは収まってきています。一方、その波動で今後、とんでもない住宅価格の高騰の可能性という副作用を受け入れなくてはいけないのです。このシナリオはアメリカではもっと強く出ています。住宅価格の指標であるケースシラー住宅指数の10月度分が昨日発表になりましたが、最高値です。金利が上がると住宅価格が下がるというシナリオは全く逆になったのです。

私がカナダの不動産はずっと「買い」と申し上げているのはこういう背景があるからなのです。自分で不動産開発事業をやりながらカナダでは住宅産業のサステナビリティが失われている、と思わざるを得ないのが当地の不動産の現状であります。

では今日はこのぐらいで

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久々に不動産の話をしようかと思います。テレビニュースで3年後に完成する約1億5千万円の超高層マンションを購入されようとしているパワーカップルが紹介されていました。ローンを組むシーンだったのですが、ローン金利は今のような1.0-1.5%が続くという前提でお考えになっていたように感じました。

確かに過去30年近く地を這うような金利でしたのでそれが将来上がるかもしれないと言われても「オオカミ少年だろう」と聞く耳を持たないのはわかります。しかし、ローンをするのはこれから25年とか30年といった先までの話であり、その状態がずっと続くかどうかは銀行の頭取も日銀総裁も分かりません。

ではお前はどう思うのか、と言われれば「上がる、だけど、何処まで上がるかはわからない」としか言いようがありません。経済成長率を考えるとアメリカのような7%といった水準にはならないでしょうが、2-3%にはなりえる可能性はあると思います。

その理由は日本の物価はいつまでも安くない、という前提に立っています。まず、資源だけでなく資材も多くは輸入に頼っています。その輸入資材は値上がりする中、買い負け、つまり諸外国との取引価格がより高くなり、応分の金額を出さないと買えなくなるのです。2つ目に人件費です。建設業界は3Kのはしり業種でした。外仕事できついのです。その為、建築業従事者は減少の一途です。90年代は日本で最大の就業者数を誇った業界でピークの97年には685万人いました。22年時点でそれは479万人で今後、更に減ります。理由は高齢の作業員がリタイアするからです。つまり、建物が作れない、そういう問題が起きるのです。

高橋洋一氏は移民促進ではなく、AI化を進めればよい、と言い切っていましたが、どれだけAI化、ロボット化が進もうが労働力が必要な分野は必ず生まれるのです。そう考えると(輸入)物価が上がる⇒物件価格も上がる⇒金利も上昇バイアス⇒住宅ローンの上昇のシナリオはありうるわけで、変動金利で借りた場合、思わぬ事態が生じることもあるのです。

もう1つは購入したマンションの維持管理問題です。私は「変人」かもしれませんが、自分で開発してきたマンション群のほぼすべての管理組合といまだにやり取りをしています。古いのになると20数年です。理由は管理組合の役員に建物に精通した人がいなく、判断が出来ないのです。図面すら読めません。管理会社なら知っているだろう、と思うのは大間違い。彼らは金の計算は出来るけれど専門的知識は業者の受け売りレベルなのです。なので管理会社の担当からすら私に時折メールで問い合わせが来るのです。この状況は日本でも似ていると思います。

しかし、私が懸念しているのはそれだけではありません。最大のネックは管理費や修繕積立金の支払いが行われているのか、という点です。このブログのお読みの方も分譲マンションにお住まいの方が多いと思います。では管理費や修繕積立金の回収遅延率はどれぐらいか聞いたことがありますか?

新しい建物や高額物件は遅延率は少ないかもしれません。が、築年数が20-30年以上など相当古いものになってくると驚くほど遅延率は上昇します。業界調べでその平均は25%ともあります。平均ですから古い物件は30-40%を超える物件もあるのでしょう。

ここからがポイントです。古い物件で総戸数が少ないマンション、例えば20戸程度しかないマンションだと正直、維持管理はパッチワークしかできなくなります。修繕積立金の総額が知れている上に遅延率が30-40%となれば維持できるわけがないのです。

自治体は管理組合に長期計画を出せ、といいます。計画ぐらいいくらでも作れます。が、その計画に基づく資金が実際に回収できるかは住民次第であり、計画は「絵に描いた餅」にしかならないのです。

では未払いの所有者にどうやったら払わせるのでしょうか?概ね、督促状、催告書、裁判所による支払い督促、訴訟、競売という順番です。では総戸数100戸のマンションで30人が未払いをしているとします。管理組合が30人に対してこのプロセスを取れますか?というのが私のポイントなのです。ほぼ出来ません。しかも所有者は所有権を理由に退去もしないでしょう。半ば泣き寝入りなのです。

どうしてこのようなことが起きるか、といえば日本のマンションが終の棲家でもあることがある意味、災いしています。個人の家計という単位で見ると誰もが健全というわけではありません。事業失敗、失業、家族崩壊、更には年金暮らしで病気などで出費が重なれば管理費や修繕積立金は払えないでしょう。外国人所有者で行方知らずというのもあります。

私が日本のマンションを不動産の価値として勧めない理由はたくさんあるのですが、これらは切実な問題なのです。冒頭、パワーカップルが1億5千万円の物件を低金利を理由に買おうとするのは現在の収入やステータスがずっと続くという前提です。ですが、今の社会、5年後すら予見できないのです。パワーカップルの場合、離婚したらローンの残債をどうするのかという問題もあるのです。超高層マンションを新築で購入しても日本のように転居率が少ない場合は居住者は建物と共にそのまま高齢化します。すると数百戸の住民と管理費や修繕費の運命を共にしなくてはいけないのです。

ではお前はカナダでマンション(コンドミニアム)に住んでいる理由は何故だ、と言われるでしょう。答えは管理費未払いの所有者にはLIEN(先取特権)が簡単につけられること、そしてこちらの分譲住宅は5−10年単位で住民の過半数が入れ替わるのです。つまりどれだけ管理費を未払いにしようとも物件売却の際、その未払いと金利の支払いである先取特権が優先される仕組みなのです。ちなみにこの先取特権は建設業界でも非常に多く活用されます。例えばデベロッパーが下請け業者に工事費の支払いをしないと業者が物件に先取特権をつけます。するとこのデベは実質的に物件購入者に引き渡しができないのです。だからデベロッパーは先取特権をつけられないように業者への不当な未払いはしないように気を遣うのです。

日本のマンション事情をより健全にするにはまず、管理組合の作業負担を減らし、管理費などの回収が担保保全される方法を構築すること、もう1つはデベが提示する新築時の管理費、修繕積立金は販売促進のため安く表示されているのが普通なので第三者の専門業者が知見をもってその予算を作り提示することを義務化することがまずは第一歩でしょうか?そうすると日本でマンション、買えないというムードは出来るかもしれません。いずれにせよ、今の日本の住宅業界はデベと国交省の馴れ合いだろうと思います。その国交省の大臣は公明党ががっちり握っているので改革出来ないのかもしれないとすら思ってしまいます。

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2023年09月21日10:00
不動産は買いか、と言われても場所や条件にもよります。不動産は世の中に一つとして同じものが存在しない固定資産であり、その特徴故に値が上がることもあるし、見向きもされないこともあります。

例えば自宅のマンションを売るにしても同じマンションの同じ階の似た間取りも同時に売り出されていたとすればどちらに先に買い手がつくかは割とわかりやすいものです。まず、陽当たりなどの物理的条件が変わらず、価格も同じだとすれば最後は内装です。どれだけ綺麗か、そして前の住民が丁寧に使っていたかが大事になります。水回りなどを適度にアップグレードしているかも重要です。

ただ、これらは個別の不動産の話で、私は不動産屋ではないので物件を高く売る方法の話はしません。

国交省が7月1日時点での基準地価を発表しました。全国平均で住宅地が0.7%、商業地が1.5%上昇、三大都市圏で見ると東京が3.1%、名古屋が2.6%、大阪が1.8%と「東高西低」で特に大阪の住宅地が冴えないのが気になります。地方も全国平均で見るとプラスに転じていますが、個別で見るとまだら模様。どこでも上がっているわけではなく、県庁所在地や観光地、工場誘致があるところなど需要があることが前提になっています。

では不動産は上がり続けるのか、と言われると指標的な観点で見れば上がるとみています。理由はいくつかあります。1日本経済が比較的好転しており、世代交代もあり「失われた30年」からの脱却がすすむ 2外国人が投資目的で食指を伸ばしている 3株価上昇と不動産上昇はリンクするのが定石 4建設コストが今後、驚異的に上がる 5海外の不動産価格との比較で今の円安水準だと相当割安 6日本の建築物はクオリティが高く安心の資産となる 7高いと言っても諸外国に比べればただのような住宅ローン金利、がパッと思いつくところです。

23年1−6月の23区の新築マンションの平均価格は1億3千万円。感覚的には最安値の頃から2倍になっています。誰が買うのか、といえば個人事業主、ダブルインカム層、リタイア層の住み替え、海外からの投資ですが、需要を引き上げているのは海外勢だとみています。バンクーバーが一時狂乱の不動産価格となったのも海外勢の買いが理由でした。では海外の人は何故購入するのか、といえば値上がり期待と地政学的な「保険」目的です。

一方、多くの国では非居住者による不動産取引には規制や制約があります。当地でも市レベル、州レベル、連邦レベルそれぞれでルールが設定されており、例えば投資家が持つ物件を空き家で放置すると極めて高いペナルティを毎年払うことになります。これは高くなりすぎた不動産価格を冷やす政策的理由なのですが、それらの不動産投資マネーが規制を嫌い、行き場を失い、日本に目をつけたとみています。

日本は規制の法制化に時間がかかる上に強力な規制を打ち出さないので外国人にとっては天国だし、不動産デベロッパーももちろんもろ手を挙げての賛成となり、結局、一般庶民が買えない不動産価格が作り出されるのです。ロンドンやニューヨークのように地元の一般庶民は遠方から電車で通勤になります。拡大バンクーバー圏ですら街がどんどん拡大し、電車の路線も遠くに伸ばさざるを得なくなります。一種のバブルですが、都市経済がそれで好循環を生んでいることも確かで一概にバブルつぶしというわけにもいかないのです。

もう一つ、建設コストです。東京駅のそばで超大手2社が請け負っていた高層ビルの工事現場で鉄骨を落とすという事故がありました。普通は落ちないのですが、それを落としたということは現場の管理が甘かった人為的ミスでしょう。なぜこうなるか、といえば建設従事者が足りなくなっているのです。ピークの97年の685万人から現在はその3割減、そして少子化を考えると今後、建設作業員は外国人に頼らざるを得なくなります。一方、外国で建設業と接してきた私が断言できるのは外国の品質は恐ろしく悪い点です。特に水回りと仕上げは酷く、日本の戸建て住宅など今後建築費は爆上げになると予想しています。

不動産は需給もありますが、供給側の能力とコストも重要なのです。

一週間ほど前の報道ですが、カナダ政府の調査によると2030年までに今の住宅供給ペースだと350万戸足りなくなると。理由は年間50万人水準の移民受け入れをしているからです。不足分が7年で350万戸、つまり年50万戸の話です。カナダの年間の住宅供給数は28万戸程度なので全く無謀な話なのです。よって新築の物件は天井知らずの価格になり、出来上がってもほぼ確実に水道管からの水漏れが起きる悪循環。住宅ローンの金利が7%でも買い手が途絶えないのは「一生、買えなくなる」という焦りから「糞(ばば)でもつかむ」のです。

東京だって1億3000万円です。3000万円だって高いと思う庶民にとって1億円がその上に乗っかっているなんてありえないレベルなのです。それでも引く手あまたなのはエンドユーザーではない人が買っていることが肝でしょう。日本政府がいつ、この問題に気がつき、規制を始めるか次第ですが、当面は不動産は上がるとみています。

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故坂本龍一氏の意思を次いでサザンオールスターズの桑田佳祐氏が三部作作品の最後の曲「Relay, 杜の歌」を発表、神宮外苑再開発に関する疑問をその歌詞にぶつけています。

誰かが悲嘆いてた、美しい杜が消滅えるのを...

麗しいオアシスが、アスファルトジャングルに変わっちゃうの、Ah...

桑田佳祐氏が学生時代を過ごした青山学院からほど近く、自らのスタジオもある千駄ヶ谷の目と鼻の先にある外苑再開発は2018年11月に策定された東京都の「オリンピック後の神宮外苑地区の街づくり指針」をうけたものです。22年には東京都の都市計画公示決定を受け、土地の持ち主である明治神宮とデベロッパーの三井不動産が主体となり、更に独法スポーツ振興センターと伊藤忠商事が開発の準備を進めてきました。

開発計画反対の声は21万を超えるとされますが、ほとんど立ち止まることなく、準備は進んできています。都は必要な手続きを踏まえたというスタンスなのだと思いますが、開発そのものを都民がじっくり考える余裕のないコロナ禍の中、準備だけが進んでいった、という感じもします。

今、反対の声の主流は環境破壊といった問題だと思いますが、私は全く違う視点でこの問題を捉えています。

まず、伐採は確かに行われますが、一定数の植林も行われます。環境活動家は立派な木を伐採するとは何事!というスタンスですが、木のCO2吸収量は樹齢20年程度までが最も活性化するため、一定年限での植え替えは悪い話ではないのです。よって伐採反対派の声は個人的にはあまりピンとこないのです。

それより重要なのは外苑の意味であります。

外苑とくれば当然内苑があるわけですが、それが明治神宮であります。内苑と外苑の関係は日本の文化的に一部で取り入れられています。例えば伊勢神宮の内宮と外宮とか皇居の内苑、外苑といった例があります。内苑が主たる政に対して外苑は食事や宴を祝うという意味を持たせているとされます。もともと神宮の内苑、外苑は明治時代に世界博覧会を開催する予定地だったのですが、それが時世もあり中止となり、明治天皇ご逝去に伴い、現在の明治神宮に奉り、外苑はスポーツの祭典の場として展開されたという歴史が背景にあります。

では内苑、外苑の土地はそもそもはどうしたのか、といえば国民の寄付や奉仕活動により維持された土地とされ、1926年に明治神宮に奉献、その後、風致地区として今日に至っていたわけです。宗教法人明治神宮は一般寺社業務収入は知れており、多くが外苑を通じての事業収入で成り立っているとされ、その収入で現在の広大な敷地の管理をしているわけです。が、古くなったスポーツ施設では明治神宮は経営できない、そこで三井不動産は巧みに明治神宮の懐に入り込んでいったというのが流れです。

こう見ると明治神宮と外苑の土地はより国民の土地的な要素が強く、明治神宮にそれを委託したわけですが、明治神宮がそれを当初の意図から変えた用途にするのは精神論やそもそも論からするとおかしいのです。

今回の開発の流れを見ると三井不動産と伊藤忠が開発の主導をするにあたり、利益を生む住宅なり、オフィスビルなりの開発を取り込むことで古くなった神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替えようという訳です。それが正しい方向なのか、いつの間にか計画が進んでしまったこの再開発計画ですが、本当に必要なのか、正しい都市計画なのか、それをすることで何がよくなるのか、開発計画はネガティブな点を差し引いてもやる価値がある案件なのか、など様々な疑念はあるのです。

何故ならば神宮は国民の寄進もあった土地ゆえにごく少数の民間業者が利益を得るという行為はなじまないのです。

ところで東京都の都市計画が本当に日本の歴史を考えた上で計画されたのなら明治神宮に繋がる表参道がなぜ、青山通りとの交差点で終わってしまっているのか、これは残念なのです。本来であれば外苑に繋がらなければならないはずですが、高級店が立ち並ぶ東京の超一等地、青山通りの目抜き通りは無味乾燥な高層ビルが立ち並びます。本来であれば表参道と同様の並木が絵画館入口まで繋がる緑の回廊を形成すべきでした。

それとあまり知られていませんが、外苑と明治神宮を結ぶ表参道とは別に「裏参道」、別名「北参道」があります。国立競技場の北側や東京体育館の北側に都道414号がそれです。首都高や中央線の線路沿いに当たります。まさに桑田さんのスタジオのそば。その都道414号をまっすぐ西に行くと代々木と原宿の間の山手線の高架下を抜け、明治神宮の北衛士詰所にぶち当たり、そこから神宮の本殿に向かって立派な参道がついています。明治神宮といえば多くの人が原宿経由で参拝に行きますが、私はこの北側からのアクセスが人も少なく、とても落ち着きがあり、好きなのです。

外苑の再開発、もう一度、話題になると思いますが、こういう視点で見るとやはり何かしっくりこないのが今回の計画ともいえましょう。

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株式市場ではひと時の夏休みで心地よい風が吹いているようですが、商業不動産ビジネスを巡る懸念が今年の秋のメインテーマであることはほぼ間違いないとみています。ブルームバーグによるとスターウッドが借りている約300億円の商業用不動産の支払いが滞りました。スターウッドは支払いもしないし、借り換え準備もしていないとされます。同様の状況はブルックフィールドや専門業者ではないツィッター社など数多くあり、借り手が「ない袖は振れぬ」という強気の姿勢で貸し手が寄り添う形になっています。

そうは言っても今年借り換えが必要なアメリカの商業不動産案件は37兆円規模あり、今後3年で見れば200兆円は軽く超えてきます。商業不動産、特にオフィス部門が不調なわけですが、オフィスビルは今や企業が独自で持っていることは少なく、ファンド、機関投資家、REITといった専門の業者が所有、運用します。資金はざっくり投資家から半分、借り入れが半分ぐらいだと思って頂いてよいでしょう。

REITの場合、税務上、利益の9割以上を権益所有者(株主のようなもの)に配分するのが普通ですが、賃料が十分に入らず、借入コストや金利が上昇すれば当然、権益所有者への配当は減額ないし、無配になります。一方、資金の貸し手は今までは中小銀行やノンバンクなどが主流でしたが、春の金融機関に吹き荒れた嵐で中小銀行の貸し出し余力が弱まっているため、借り換えは大手銀行に多少シフトするのではないか、とされます。ここまでが事実です。

さて、ここで2つの疑問点があります。まず、借り手の不動産所有者はこれだけ金利が上昇した中で借り換えが本当に進むのだろうかという点と、なぜ不動産所有者はテナントに見合いの賃料引き上げが出来ないのか、であります。

1つ目の借り換えは誰が貸し手であろうと貸し出し条件は市場金利水準に見合ったものになるわけで、この1年半で5%も金利が上がればこれから期間10年の借り換えをするのは常識的に経済計算が成り立ちません。テクニック的には金利がいずれ下がるだろうと見越して3年ぐらいの借り換えをして様子を見る、ということになるのでしょう。つまり、現在の北米の金利水準では賃料をすさまじく引き上げない限り成り立たないということになります。

仮にフォークロージャー(差し押さえ)になった場合、担保を受領した金融機関団はその建物を市場で売却するにも3割4割安でしか処分できず、貸し手の大幅な貸し倒れを回避するのは難しくなります。これが金融機関が借り手に対して強気になれない理由です。

ではもう1つの問題、不動産事業者は何故、テナントに見合いの賃料引き上げが出来ないかであります。実は私はこちらの問題の方が大きいのではないか、と思っています。要はテナントがいない、ないし、企業が事務所の借り入れスペースを縮小している真の理由は「人材がいない」、これに尽きるのだとみています。なので貸し手がテナントに値上げを提示すれば「ならば借りているスペースの半分は返す!」ということになってしまうのです。

人がいない、そんな馬鹿な、と思われるでしょう。労働市場で何が起きているか、といえばミスマッチと技量の足りない労働者、更に働き方のモチベーションがこの20年で大きく変化してきた中でコロナでそのひずみが一気に噴出したのではないかとみています。

この20年、情報化社会の中で様々な問題を克服するため、世界の各国、各州などでは法律をどんどん制定し新たなルールを作り続けました。まるでクレームを塞ぐためのパッチワークのようなものです。ところが恐ろしいほど変わったルールは誰も理解できない複雑怪奇な社会を生み出し、ニューカマーである若い業界参入者にいきなり難解な方程式を解け、と言わんばかりの状態を作り上げたのです。

この結果、離反する従業員が増え、効率が下がる業種だらけになり、挙句の果てにコロナの3年、座学ばかりで実務経験に乏しい人たちが労働市場に参入してきて自分たちの都合の良いルールだけを振りかざす状態になったのです。

企業の人材不足は深刻なので必死になって雇うけれど雇ってみたら酷いものだった、ということが後を絶たないのです。アメリカの雇用統計が毎月発表になりますが、あれは最終のネットの数字であって雇用される数字と解雇される数字が激しくぶつかり合っている状況が示されていません。その間、アメリカの労働生産性は悪化の一途を辿っている、これが現実です。

つまり、商業不動産ビジネスが厳しい、事務所が埋まらないということは経済全体が十分に機能していないことを映し出しているのです。リモートワークがあるじゃないか、と言われますが、3年経ってわかってきたことは便利な部分とそうではない部分なのです。そして在宅勤務は生産性が上がらないことはほぼ明白になってきており、故に北米でも出社回帰を進めるところがじわじわ増えてきたけれどそれでも事務所を埋めるだけの人材がいない、ということです。

もちろん、大手企業によるM&Aで管理部門が縮小されている事実もあります。つまりポジションが少なくなり、かつAIによる支援があれば必然的に事務所ビルは作り過ぎたという結論に達するのです。アメリカでは事務所ビルを住宅に改築する検討もなされています。

この話は北米だけの話ではなく、いずれ、日本にも降りかかる問題になるはずです。東京では事務所の供給過多で需要見合いにならない日がさほど遠くない日にやってくるとみています。

では今日はこのぐらいで

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