[フレーム]
新聞購読とバックナンバーの申込み
×ばつ

【コラム】戸塚啓

サイドバックの人選 旗手の起用はあるのか

[ 2023年5月26日 10:00 ]

日本代表メンバーについて説明する森保監督 (撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

誰かが選ばれれば、誰かが選ばれなかった、と言われる。代表チームのメンバーとはそういうものだ。(戸塚啓=スポーツライター)

6月中旬にキリンカップに挑む日本代表のメンバー26人が、5月25日に発表された。3月の2試合は招集外だったFW古橋亨梧、MF旗手怜央のセルティック勢が、今回は選出されている。26人のうち実に22人までが海外組である。

3月のメンバー発表陣は7人だったから、海外組のボリュームが増えている。6月はヨーロッパや中東のリーグが終了しているので、海外組を呼びやすいところがあるのだろう。

そのためか、Jリーグの得点ランキング1位の大迫勇也(神戸)、2位の浅野雄也(札幌)、3位タイの鈴木悠磨(鹿島)、町野修斗(湘南)、伊藤遼太郎(新潟)は選ばれていない。

いずれにしても、アタッカー陣の顔触れに物足りなさはない。多少なりとも監督の好みが反映されるのは当然で、今回のメンバーで成果と呼べるものをあげれば、森保一監督の選考が批判されることはない。具体的なターゲットがすぐ近くにないいまは、経験の少ない選手をテストできる貴重な時期でもある。

気になるのはサイドバックだろう。

長く代表チームを支えた長友佑都と酒井宏樹が選考されておらず、右SBの常連だった山根視来も3月に続いて選ばれてない。左SBで起用されてきた中山雄太も、長期の戦線離脱から復帰していない。

右SBは、3月の2試合に先発した菅原由勢と、初代表の森下龍矢が担うことになる。森下は所属する名古屋で、左右サイドで起用されている。

左SBはCBが本職の伊藤洋輝が、引き続きポジションをスライドして起用されることになりそうだ。さらにもうひとり、旗手怜央も候補にあがってくる。

所属するセルティックでは中盤でプレーしているが、複数ポジションに対応する国内屈指のユーティリティープレーヤーだ。森保監督が指揮した21年の東京五輪では、左SBで起用されている。

旗手の左SB起用は、チーム内のバランスにも好影響を及ぼす。左ボランチの守田英正、2列目左サイドの三笘薫とは、川崎フロンターレでともにプレーした。CBの谷口彰悟も当時のチームメイトだ。

それぞれが所属クラブを変えてから時間が経っているものの、彼らだから共有できる感覚はあるだろう。三笘のドリブル突破を引き出すという左SBのタスクも、旗手ならスムーズにこなせるはずだ。

また、3月の2試合では、ポゼッション時にSBが内側に立った。インサイドハーフでプレーしている旗手なら、自らの立ち位置に戸惑うことはないだろう。

今回のメンバーはDF登録が6人で、CBも谷口、板倉滉、瀬古歩の3人に限られる。伊藤のCB起用も想定されるなかでは、旗手の左SB起用が現実味を帯びてくる。彼こそは6月シリーズのキーパーソンと言っていい。(戸塚啓=スポーツライター)


日本代表メンバーは以下の通り(2023年5月25日発表時点)。(注記)が初招集選手

【GK】シュミット・ダニエル(シントトロイデン)、中村航輔(ポルティモネンセ)、大迫敬介(広島)

【DF】谷口彰悟(アルラヤン)、板倉滉(ボルシアMG)、(注記)森下龍矢(名古屋)、伊藤洋輝(シュツットガルト)、瀬古歩夢(グラスホッパー)、菅原由勢(AZ)

【MF、FW】遠藤航(シュツットガルト)、伊東純也(Sランス)、浅野拓磨(ボーフム)、古橋亨梧(セルティック)、守田英正(スポルティング)、川辺駿(グラスホッパー)、鎌田大地(フランクフルト)、相馬勇紀(カザピア)、三笘薫(ブライトン)、前田大然(セルティック)、旗手怜央(セルティック)、堂安律(フライブルク)、上田綺世(セルクル・ブリュージュ)、(注記)川村拓夢(広島)、中村敬斗(LASK)、久保建英(Rソシエダード)、(注記)川崎颯太(京都)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /