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【コラム】戸塚啓

積極的な補強が目立つJリーグ

[ 2017年6月30日 14:30 ]

神戸への移籍が決定的となったハーフナー・マイク
Photo By スポニチ

Jリーグ各クラブが補強に乗り出している。

動きが活発なのは下位チームだ。

ここまで最下位に沈む新潟は、名古屋からDF大武峻、ブラジルから元群馬のFWドウグラス・タンキを獲得した。名古屋のMF磯村亮太にも、興味を示しているという。

塩谷司をアルアイン(UAE)へ送り出した広島は、G大阪から丹羽大輝を迎え入れ、最終ラインの陣容を整えた。さらに、G大阪との契約が満了したFWパトリックを獲得している。

昨季途中に浅野拓磨が海外へ移籍し、昨オフにはピーター・ウタカと佐藤寿人もチームを去った。すでに確立された戦術を持ち、そのなかで実績のある工藤壮人を獲得したものの、新たなダイナミズムが必要になっているのは確かだ。独力で局面を打開できるパトリックの加入は、チームの起爆剤となる期待を抱かせる。

シーズン序盤の勢いを失いつつある札幌も、Jリーグで実績のある外国人選手を獲得した。昨年まで磐田の得点源だったジェイである。エースストライカーの都倉堅と同タイプのストリングヘッダーだけに、この元イングランド代表の能力をチーム戦術にどのように落とし込むのかがポイントになりそうだ。いずれにせよ、攻撃の迫力が増すのは間違いない。

伊藤彰新監督のもとで浮上のきっかけをつかんでいる大宮も、前線に新たなタレントを加えた。韓国Kリーグで結果を残しているブラジル人FWマルセロ・トスカーノだ。

1メートル84のサイズを持つ32歳は、ストライカーのポジションだけでなくウイングでもプレーできる。汎用性の高さを生かして江坂任や大前元紀とのコンビネーションを築けば、伊藤監督が採用する4−3−3のシステムはさらに磨きがかかるはずだ。

上位陣にも動きがある。

第16節終了時で首位に立つ柏レイソルでは、C大阪での活躍が印象的なキム・ボギョンがメンバーとなった。ブラジル人FWドゥドゥがケガで長期離脱しているものの、柏は攻撃のコマに不足を感じさせない陣容を整えている。そのうえで、力強いアタックを繰り出すレフティーが加わったのだ。チームの本気度が伝わってくる。

ルーカス・ポドルスキーの獲得で移籍市場の話題を集めていた神戸には、ハーフナー・マイクもやってくることになりそうだ。昨年の第2ステージで2位に食い込み、リーグ優勝を視野に入れてスタートしながら、ここまで7勝2分け7敗の五分で11位となっている。ハーフナーの獲得によって、巻き返しへの意欲をはっきりと見せたわけだ。

堂安律を海外へ送り出した3位のガンバ大阪は、韓国代表クラスのファン・ウジョをアタッカー陣のリストに加えた。パトリックとの契約も更新しなかっただけに、タイトルを見据えると新戦力の獲得は必須だっただろう。また、丹羽がいなくなった最終ラインには、千葉へ期限付き移籍していた西野貴治を呼び戻している。素早い手当てを印象づけた。

今週末のゲームで、J1はシーズンの半分を消化することになる。上位同士、下位同士の勝点は接近している一方で、上位と下位の勝点差は開いてきた印象だ。

現実的なターゲットがはっきりしつつあるなかで、各クラブは戦力をどのように見極め、結果につなげていくのか。移籍マーケットの動向を、もうしばらくチェックしていく必要がある。(戸塚啓=スポーツライター)

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