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【コラム】戸塚啓

イニエスタ効果は絶大 1年後の神戸がどんなチーム編成に!?

[ 2018年8月9日 16:00 ]

チーム編成にも良い影響を与えている神戸のMFイニエスタ
Photo By スポニチ

ヴィッセル神戸がまた外国人選手を獲得した。カタール代表のアフメド・ヤセルを、期限付き移籍で迎え入れたのだ。

吉田孝行監督が統べるチームには、ドイツ人のルーカス・ポドルスキ、スペイン人のアンドレス・イニエスタ、ブラジル人のウェリントン、韓国人のキム・スンギュ、タイ人のティーラトンがいるから、合計で6人になる。

しかも、彼ら全員が同時にピッチに立つことが可能なのだ。GKのキム・スンギュはアジア枠で、ティーラントとヤセルはJリーグ提携国の選手だからだ。

スタメン11人のうち6人を外国籍選手が占める──実現すればJリーグでは歴史的なトピックになるだろう。

視線をヨーロッパへ広げれば、ヴィッセルのようなチームは珍しくない。むしろ普通である。だからJリーグでもOK、というつもりはないが、是か非かを問うものでもないと思っている。神戸のチームカラーと考えるべきだろう。

アジア人枠も提携国枠も、Jリーグがルールとして定めているものだ。どのクラブにも等しく使う権利がある。日本人選手の出場機会が限られてしまうとの声も聞こえるが、外国人選手が少数でもピッチに立てない日本人選手はいる。むしろ、ポジション争いが激しくなることでチーム全体のレベルが底上げされ、対外的な競争力がアップすると考えれば、これもまた強化方法のひとつである。

それにしても、イニエスタ効果は絶大だ。カタールからやってきた左利きのセンターバックは、神戸からのオファーに「ポドルスキやイニエスタがいるなら」と前向きになったという。世界中の大多数の選手が一緒にプレーすることなど想像もできなかった選手が、神戸にはいるのだ。イニエスタとポドルスキの吸引力はすごい。

世界的なビッグネームを、ひとりではなくふたり揃えたのが大ヒットだった。リーグ戦の成績だけを見れば「成功」の表現はまだ早いが、移籍市場での神戸はこれからも抜きん出た存在感を発揮していくだろう。日本国内の市場でも、神戸からオファーを受けたら首を縦に振る選手が多いのではないだろうか。海外でプレーする日本代表クラスにとっても、神戸からのオファーは魅力的に違いない。

そう考えると、イニエスタ効果が本当の意味で発揮されるのはこれからかもしれない。半年後、1年後の神戸がどんなチーム編成になっているのか、いまから楽しみである。言うまでもなく、チームの成績も。(戸塚啓=スポーツライター)

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