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東芝・松本幸一郎 チーム最年長の34歳が持ち前の勝負強さと熱いハートで恩返し誓う

[ 2024年10月29日 15:38 ]

東芝・松本幸一郎内野手(写真提供:戸田優輝)
Photo By 提供写真

社会人野球の第49回日本選手権に8大会連続32度目の出場を果たす東芝は、30日の1回戦でHonda熊本と対決。入社12年目の松本幸一郎内野手(34)は一戦必勝を誓った。

「日本選手権はこのチームとして戦える最後の大会。相手がどこであれ、悔いのないように一戦一戦、臨みたいと思います」

チーム最年長の34歳。横浜高(神奈川)では3度の甲子園出場を果たすと、立大でも通算73安打をマークし、13年に入社した。左打席からのシュアな打撃と堅実な守備で、長年にわたり内野のレギュラーとして活躍。卓越した技術もさることながら、熱いハートの持ち主でもある。

今夏の都市対抗西関東予選。本戦出場をかけたENEOS戦に、2―8で敗れた。試合後の整列時。松本は人目をはばからず悔し涙を流した。

「純粋に悔しかった。あれだけたくさんの方が応援してくださったにもかかわらず、ふがいない試合をしてしまった。自分としても最後の都市対抗という思いもあって、(本戦に)出たかった。瞬間的に感情があふれ出ました」

感謝の思いを忘れたことはない。野球に打ち込める環境は、会社全体のバックアップがあってこそ。職場の仲間からの励ましや、球場での応援に背中を押されてきた。

「いろんな状況がある中で、僕ら野球部は活動できている。会社あっての野球部。わざわざ球場に足を運んでくださったり、応援が力になっています。僕自身、そういう応援や、家族、地域の方々の支えがなければ12年間もやってこられなかった。勝つことで恩返ししたい思いはあります」

そんな思いが凝縮された1打席がある。先のENEOS戦。6点を追う9回1死一塁で代打として起用された。カウント2―2からの6球目。社会人でも屈指の好投手・柏原史陽が投じた内角スライダーを、ライナー性で右前へ弾き返した。厳しいコースだったが、体が自然と反応。昨冬から熱心に取り組んできたウエートトレーニングも奏功した。

「全然あきらめていなかった。後ろへつなごう、と。無心でバットを振りました」

昨年からはDHや代打としての出場機会が増えたが、持ち前の勝負強さは欠かせぬ存在だ。難しい役割であることに違いないが、「気持ちの面でいかに集中力を出せるか」と極意を語る。積み重ねてきた経験値と、1球にかける思いは誰にも負けない。名門・東芝には頼れる男がいる。

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