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松坂大輔氏が語る日本一と世界一 悔しさの後に巡ってきた雪辱の舞台 PSは最後の最後に力与えてくれる

[ 2024年10月29日 04:00 ]

04年、日本シリーズで登板した松坂氏
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【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】元西武の松坂大輔氏(44=スポニチ本紙評論家)による月1回の連載コラム「松坂大輔の探球」10月編。現在、日本シリーズ、ワールドシリーズと日米で「頂上決戦」の熱戦が続いている。松坂氏は西武時代の04年に日本一、レッドソックス時代の07年に世界一に輝いた。独特な雰囲気に包まれる10月の戦い。当時の思い出などを振り返った。

日本と米国。頂点を目指す戦いはともに第2戦が終わりました。午前中はワールドシリーズ、夜は日本シリーズ。ファンの方もテレビ観戦など大忙しではないでしょうか。長いシーズンの最後に、まだこんな力が出せるのか。そう思わせる熱戦を繰り広げるのがポストシーズン。自分にとっては悔しさと、その後に巡ってきた雪辱の舞台と――。それが一番の思い出です。

西武時代の02年。初出場の日本シリーズは巨人が相手でした。2試合に投げて2敗。故障明けながら開幕戦の先発を任されましたが、期待に応えられなかった。04年の中日との第2戦も黒星で、シリーズ3連敗。「松坂は大事なところで勝てない」。そんな声が聞こえてきました。なんとか払拭を、そしてリベンジを。それがかなったのが第6戦でした。

2勝3敗。負けられない試合で8回2失点で白星を挙げて、逆王手をかけました。チームが任せてくれて、やっと勝つことができた。それが何よりうれしかったです。試合直後には伊東勤監督に「7戦目はブルペン待機します」と伝えました。翌日は1イニングを無失点、そして日本一。このために頑張っていたんだと心から思えました。

ポストシーズンはやはり、最後の最後に力を与えてくれます。レッドソックス1年目の07年。インディアンス(現ガーディアンズ)とのリーグ優勝決定シリーズ第3戦は、5回途中4失点で敗戦投手に。それでも04年の日本シリーズのように、第7戦でリベンジの機会が回ってきます。自分は「他の投手が投げるのでは?」と思っていましたが、信頼して先発を託してくれました。5回2失点で勝利投手。期待に応えたい。その一心でした。

ワールドシリーズはロッキーズに4勝0敗。自分も第3戦で白星を挙げ、3回には左前に2点適時打を打ちました。レ軍投手の2点適時打はベーブ・ルース以来89年ぶりと騒がれ、打撃が好きな自分は凄くうれしかったのを覚えています。

日本一と世界一。2つの頂点を経験できたのは、もちろん自分だけの力ではありません。大勢の人のサポートに加えて、運もあるのでしょう。山本投手が第2戦に勝利し、ワールドシリーズの日本人の白星は松坂以来、と名前が出るのもうれしかったです。誰もがたどり着ける舞台ではない。感謝の思いとともに、自分は幸せ者だなと改めて思います。(スポニチ本紙評論家)

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