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【筑後鷹】中沢恒貴 育成ルーキー内野手が広角に打ち分け"内川2世"を目指す

[ 2024年9月24日 06:00 ]

室内でアイピッチの検定を受けるソフトバンクの中沢
Photo By スポニチ

ソフトバンクの育成ルーキー、中沢恒貴内野手(19)が広角に打ち分ける打撃を武器に4軍で際立った存在感を示している。データを入力することでさまざまな投手の球質や変化球の軌道を再現できる打撃練習用マシン「アイピッチ」を用いた検定は最上位レベルに挑戦中。横浜、ソフトバンクなどで通算2186安打を放った内川聖一さん(42)のような打撃職人を目指す。

育成ルーキーが打撃センスの高さを発揮している。9月に入ってタマスタ筑後であったライブBP。先発転向1年目から2桁勝利をクリアした左腕・モイネロを相手に安打性の打球を放ったのが19歳の中沢だった。「自分はここ(筑後での4軍練習)にいる回数が人より多い。練習しないと置いていかれる」とバットを振ってきた成果を一歩ずつ出している。

青森・八戸学院光星では2度、甲子園に出場。3年夏には主将としてチームの8強入りに貢献した。プロのキャリアは左肩を痛めた影響でリハビリ組スタート。まだ制限があるため4軍で過ごしてきたが、ここまでシュアな打撃を武器に非公式戦で28試合に出場して打率・274、本塁打0、4打点と好結果を出している。

さまざまな投手の球質や変化球の軌道を再現できる打撃練習用マシン「アイピッチ」の効果が大きい。筑後ファーム施設で今年から導入された16段階の検定を何度も受験。135キロの直球を打ち返すレベル1からスタートし、レベル15までクリアした。「受かったら自分の野球も変わってくると思う」と1軍クラスの最難関であるレベル16に挑戦中だ。合格したのは7月に支配下契約をつかんだ石塚だけ。1軍で売り出し中の先輩に続くと未来図を描いている。

目指す選手像は天才的なバットコントロールを武器に横浜、ソフトバンク、ヤクルトで通算2186安打、196本塁打、960打点をマークした内川聖一さんだ。「内川さんみたいな選手になりたいんです」と目を輝かせる。野手部門を統括する関川コーディネーターは「まだまだですけど、実際そういうふうな感じで打ってますからね。ただ練習するのではなく、将来こうなりたいという意識が練習で出ている。実戦でも結果を出しているし、対応力もいい」と将来性を評価する。試合に万全な状態で出られるようになればと前置きした上で「2軍とかでも見てみたいと思う」と楽しみにしている。

守備では笹川4軍内野守備走塁コーチのノックに必死に食らいついている。「一から叩き込まれています。まだ下手くそです」と奮闘中だ。斉藤4軍監督が「凄く負けず嫌い。ここ1、2カ月の成長を凄く感じる」と評す向上心の塊。「ザワ」の愛称で呼ばれる19歳は「どんどん上にいけるように」と力強く語った。 (杉浦 友樹)

◇中沢 恒貴(なかざわ・こうき)2005年(平17)7月3日生まれ、東京都出身の19歳。青森・八戸学院光星では2度、甲子園に出場。23年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団。背番号131。寮生活の好きな食事は牛タン。1メートル79、81キロ。右投げ右打ち。

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