森の通信簿in中津川市加子母 - 2014年09月30日 Tue
森に成績をつけちゃおう?!
『森の通信簿』は、スギやヒノキなどの人工林(人が木を植えてできた林)を対象として、森の持つさまざまな働きを簡単な方法で調べる方法です。
岐阜県では、『岐阜県水源地域保全条例』の施行を契機に、水源地域の保全や機能強化に関する取り組みを進めています。今年度から『清流の国ぎふ森林・環境税』を活用して、県内各地域のグループが行う自主的な活動を支援する『県民協働による森の通信簿事業』を開始し、公募により5グループが採択されました。
グループは、水源地域内の森林において、水源涵養、土砂流出防備、生態系保全、快適環境、木材生産に関する機能の調査を行うほか、グループ独自の勉強会等を、企画・開催する予定となっています。
K通信簿
9月29日(月)。中津川市加子母地域にて、『加子母森林環境保全研究会』による『森の通信簿』が開催されました。
笹の葉を分け入って森に入り、森の様子を五感で感じるところから始まります。
まずは、「1森の第一印象」、「2まわりの地形(林地崩壊等)」、「3生き物(クモの巣や鳥を見たか)」について採点します。
「家族や友達に教えてあげるほどではないけど、気持ちがよい森と感じた項目に当てはまるから、2点やな!」「クモの巣はあったで2点やぞ!」「普段は鳥の姿もよく見るけど、こうして探そうと思って見ると、みつからんもんやなぁ?でも鳴き声は聞こえとったで2点かな。」
3点満点で評価していくので、順調に加点されていきますね!
K通信簿・斜度植生
調査枠を囲って、地形の観察も行います。
写真左は、斜面の方位と傾斜角を確認。その後、「4人工林の荒れ具合(枯損木と竹の侵入)」を確認し、「5草と低木の茂り方(調査枠内を草や低木がどれだけ覆っているか)」を採点。
写真右は、調査枠内の草や低木の種類をカウントします。
「草も低木も結構種類があるで、いい森なんやないか?」
K通信簿・土壌調査
土壌の調査も行います。
「6落葉層の割合(調査枠内の土の表面が、落ち葉や落ち枝で覆われている割合)と腐食層(地面を掘った時にできる、地層の一番上の部分)の厚さ」を計ります。(写真右上)
「10cmまではいかんけど、5cmはあるから、2点やな!」
写真下は、「7土の中の生き物」を調査します。生き物が3つのグループに分けられていて、どのグループの生き物が多いかで点数がつきます。アリやクモはすぐに見つかりましたが、点数は1点のグループ。もっと点数が高い生き物を見つけたいですよね!
最初は、「こんな中からどうやって見つけるんや?」「なんにもおらへんぞ?」とおっしゃっていましたが、じっくり見ていると目が慣れてきたようで、「あ!おったおった!!」「結構たくさんおるもんなんやなぁ!」と!通信簿としては、「3点の生き物もおったけど、2点の生き物が一番多かったかなぁ...。」とのこと。
その後、、「8土の湿り具合」を調べて、土壌調査は終了。
K通信簿・直径樹高
エリア内の植栽木の調査では、植栽木の直径と樹高を測定して、混み具合を調べます。
「9林分形状比(木の太さが健全かどうか)」を計算したところ、ひょろひょろでもなく、「健全」の数値となったので、3点満点が加点されました!!
密度を計算したところ、「10樹木の混み具合」も良好なので3点!
森の調査が終了し、ここまでの結果から最後の森の印象は最初よりも評価が上がって、「家族や友達に教えてあげたいくらい、気持ちが良い森だから3点!!」満点に格上げされました!!
K通信簿・水質調査
午後からは川の調査を行います。
小川の水を採取して、「I.川のにごり」を調べます。
K通信簿・水源地
「II.川底のたい積物」(川底にたまっている砂や土がどれくらいたまっているか。足や木の棒で川底をかき回して、まき上がった泥水のにごり具合で判断)と、「III.川の水かさ」(川底から水面までの深さと、水面から川岸にある岩などにコケや草が生えているところまでの高さとで計算します。)
どちらも良い点数がとれたようですよ!
K通信簿・笹舟
最後に、笹舟を流すスピードを計って、川の流量を計算したら、全ての調査終了です。
「子どもの頃によく作って川で遊んだけど、(作り方)忘れてまうもんやなぁ!」と言いながら、童心に返って笹舟作り!それでも作り方を覚えている方はいらっしゃるものですね!手際よくサクサクと作ってくださいました!
K通信簿・結果報告
調査結果をグループごとにまとめて発表。
写真左下のグループでは、下呂市で行われた『森の通信簿』に勉強に行って測定した値と比較もしてくださいました。
どちらのグループも、どの項目も点数が高く、バランスがとれた良い森だということがわかりました!!
K通信簿・加子母の森
『森の通信簿』の調査後には、加子母地域で特に森林づくりをこだわって行っている『加子母森林組合』の森林も見せていただきました。(今回の調査エリアは中津川市有林でした)
この辺りは『東濃桧』というブランド木材の生産地!!ぱっと見ただけでも、貫禄のある木が立ち並ぶ立派な森です!試しにここでも森の調査を行ってみましたが、どの木も太く健康的に育っているので、混み具合も3点満点の「良好」では表せないくらい、「超良好!!」と言えるようです!
これだけ手入れされた森林だと、雨水の涵養機能も抜群なようで、「ここの水はおいしい!!」と、組合長の内木さんがとてもおいしそうに飲んでいるので、みんなつられておいしくいただきました!
地域の伝統産業である、林業や木材生産に誇りを持って取り組んでおられる『加子母森林組合』の皆さん、とても理想的な森林を見せてくださってありがとうございます!
こうして終えた、中津川市加子母地域の『森の通信簿』。普段、「超良好」な森林を見て生活しているだけに、そこよりは木の直径が細く、密度が高くなっている森林での評価は低いのではと心配していらっしゃったようですが、予想に反して高評価だったので満足そうな顔で帰っていかれました!
今後も、『森の通信簿』を活用して森林機能の向上を図っていきます。勉強会などのイベントが開催される時には、ぜひ皆さんも参加してみてください!
『森の通信簿』は、スギやヒノキなどの人工林(人が木を植えてできた林)を対象として、森の持つさまざまな働きを簡単な方法で調べる方法です。
岐阜県では、『岐阜県水源地域保全条例』の施行を契機に、水源地域の保全や機能強化に関する取り組みを進めています。今年度から『清流の国ぎふ森林・環境税』を活用して、県内各地域のグループが行う自主的な活動を支援する『県民協働による森の通信簿事業』を開始し、公募により5グループが採択されました。
グループは、水源地域内の森林において、水源涵養、土砂流出防備、生態系保全、快適環境、木材生産に関する機能の調査を行うほか、グループ独自の勉強会等を、企画・開催する予定となっています。
K通信簿
9月29日(月)。中津川市加子母地域にて、『加子母森林環境保全研究会』による『森の通信簿』が開催されました。
笹の葉を分け入って森に入り、森の様子を五感で感じるところから始まります。
まずは、「1森の第一印象」、「2まわりの地形(林地崩壊等)」、「3生き物(クモの巣や鳥を見たか)」について採点します。
「家族や友達に教えてあげるほどではないけど、気持ちがよい森と感じた項目に当てはまるから、2点やな!」「クモの巣はあったで2点やぞ!」「普段は鳥の姿もよく見るけど、こうして探そうと思って見ると、みつからんもんやなぁ?でも鳴き声は聞こえとったで2点かな。」
3点満点で評価していくので、順調に加点されていきますね!
K通信簿・斜度植生
調査枠を囲って、地形の観察も行います。
写真左は、斜面の方位と傾斜角を確認。その後、「4人工林の荒れ具合(枯損木と竹の侵入)」を確認し、「5草と低木の茂り方(調査枠内を草や低木がどれだけ覆っているか)」を採点。
写真右は、調査枠内の草や低木の種類をカウントします。
「草も低木も結構種類があるで、いい森なんやないか?」
K通信簿・土壌調査
土壌の調査も行います。
「6落葉層の割合(調査枠内の土の表面が、落ち葉や落ち枝で覆われている割合)と腐食層(地面を掘った時にできる、地層の一番上の部分)の厚さ」を計ります。(写真右上)
「10cmまではいかんけど、5cmはあるから、2点やな!」
写真下は、「7土の中の生き物」を調査します。生き物が3つのグループに分けられていて、どのグループの生き物が多いかで点数がつきます。アリやクモはすぐに見つかりましたが、点数は1点のグループ。もっと点数が高い生き物を見つけたいですよね!
最初は、「こんな中からどうやって見つけるんや?」「なんにもおらへんぞ?」とおっしゃっていましたが、じっくり見ていると目が慣れてきたようで、「あ!おったおった!!」「結構たくさんおるもんなんやなぁ!」と!通信簿としては、「3点の生き物もおったけど、2点の生き物が一番多かったかなぁ...。」とのこと。
その後、、「8土の湿り具合」を調べて、土壌調査は終了。
K通信簿・直径樹高
エリア内の植栽木の調査では、植栽木の直径と樹高を測定して、混み具合を調べます。
「9林分形状比(木の太さが健全かどうか)」を計算したところ、ひょろひょろでもなく、「健全」の数値となったので、3点満点が加点されました!!
密度を計算したところ、「10樹木の混み具合」も良好なので3点!
森の調査が終了し、ここまでの結果から最後の森の印象は最初よりも評価が上がって、「家族や友達に教えてあげたいくらい、気持ちが良い森だから3点!!」満点に格上げされました!!
K通信簿・水質調査
午後からは川の調査を行います。
小川の水を採取して、「I.川のにごり」を調べます。
K通信簿・水源地
「II.川底のたい積物」(川底にたまっている砂や土がどれくらいたまっているか。足や木の棒で川底をかき回して、まき上がった泥水のにごり具合で判断)と、「III.川の水かさ」(川底から水面までの深さと、水面から川岸にある岩などにコケや草が生えているところまでの高さとで計算します。)
どちらも良い点数がとれたようですよ!
K通信簿・笹舟
最後に、笹舟を流すスピードを計って、川の流量を計算したら、全ての調査終了です。
「子どもの頃によく作って川で遊んだけど、(作り方)忘れてまうもんやなぁ!」と言いながら、童心に返って笹舟作り!それでも作り方を覚えている方はいらっしゃるものですね!手際よくサクサクと作ってくださいました!
K通信簿・結果報告
調査結果をグループごとにまとめて発表。
写真左下のグループでは、下呂市で行われた『森の通信簿』に勉強に行って測定した値と比較もしてくださいました。
どちらのグループも、どの項目も点数が高く、バランスがとれた良い森だということがわかりました!!
K通信簿・加子母の森
『森の通信簿』の調査後には、加子母地域で特に森林づくりをこだわって行っている『加子母森林組合』の森林も見せていただきました。(今回の調査エリアは中津川市有林でした)
この辺りは『東濃桧』というブランド木材の生産地!!ぱっと見ただけでも、貫禄のある木が立ち並ぶ立派な森です!試しにここでも森の調査を行ってみましたが、どの木も太く健康的に育っているので、混み具合も3点満点の「良好」では表せないくらい、「超良好!!」と言えるようです!
これだけ手入れされた森林だと、雨水の涵養機能も抜群なようで、「ここの水はおいしい!!」と、組合長の内木さんがとてもおいしそうに飲んでいるので、みんなつられておいしくいただきました!
地域の伝統産業である、林業や木材生産に誇りを持って取り組んでおられる『加子母森林組合』の皆さん、とても理想的な森林を見せてくださってありがとうございます!
こうして終えた、中津川市加子母地域の『森の通信簿』。普段、「超良好」な森林を見て生活しているだけに、そこよりは木の直径が細く、密度が高くなっている森林での評価は低いのではと心配していらっしゃったようですが、予想に反して高評価だったので満足そうな顔で帰っていかれました!
今後も、『森の通信簿』を活用して森林機能の向上を図っていきます。勉強会などのイベントが開催される時には、ぜひ皆さんも参加してみてください!
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