「がんばれ、真央ちゃん」
ここ一番に勝負を掛ける。「ハイリスク・ハイリターン」は、スポーツ界のアスリートにはつきものであるが、特にフィギュア「女子シングル」で「浅田真央選手」がジャンプに失敗して転倒するシーンは見てしまった。「NHK杯大会」の試合を実況で見ていた。
▼「ショート・プログラム」で、真央ちゃんは最初のジャンプで失敗した。失敗で歪んだ顔は、すぐに気を取り戻し笑顔になる。テレビで見ているファンは、そんな瞬間を、目を閉じて「アー」と、声を出してしまった。「ハーフ&ハーフ」という言葉から、決意して、現役に再挑戦するまでの時間は長かった。
▼また、あの笑顔を見たい気持が、陰ながら応援していた。だから、失敗するとわがことのように、くやしいやら、かわいそうで、直視できなかった。しかたがない。次の「フリー」で頑張って欲しい気持ちが、順位を確認する前にチャンネルを替えてしまった。
▼一生懸命に小さいころから、大好きなスケートをして来た。がんばって、世界に名を轟かせるトップアスリートとして頂点に登りつめた。そして、引退も考えたが、決断して銀板に戻ってきたが、いつの間にか出場者のなかで、25歳は最年長者になっていた。今やるべきことをしっかりやりたいと再出発したが、現役選手としての時間も残り少ない。
▼いずれは後継者を指導する立場になるだろう。一般社会でも、現役引退して後輩を指導する立場の人はたくさんいる。スポーツ界の引退年齢を30歳とすると、一般社会の60歳である。指導者の年齢差を、単純に比べてみると30年の開きがある。
▼多くのアスリートたちは、スポーツ界を現役引退して、それぞれの残された人生に向かう。俗にいう業界に残る人や、まったく違う業種に挑戦する人らも多い。真央ちゃんは、引退後の2度目の人生を、高く回転するジャンプをして、美しい姿でまた、テレビ画面に登場してほしい。