『ながら族の老人力』
年末年始の休暇を楽しんでいる。休暇に入って3日目になった。年末の掃除はまだやっていない。気持ちはこれからやりたいが、腰が上がらない。この二日間はテレビ漬けで、日ごろは部分的に見ているが、ランダムに通しで見るのは久しぶり。
▼ひと昔、「ながら族」という流行語があった。付けっ放しのテレビを見ながら、パソコンを作動。挿入しているDVDの音楽を聴きながら、時には、タバコをくわえて、2冊の本を交互に読んでいる。
▼落ち着かない「ながら族」だ。だが、日常の行動は、「マルチ」でない。二つの荷物を持つと一つを忘れることが日々多くなってきているから、「悟る即ち立つ」の毎日である。明日やるという予定が当てにならない。こんな症状を「ボケ進行」というらしい。
▼高齢化が進む社会に、活力を与えるテレビ番組を途中から見た。一点集中主義というのか、カメラを持って旅する老人の特集らしい。「耳をすませば2・・・情熱と観察」という表題だが、全部を見ていない。しかし、途中の映像からでも、何かピリッと光るものを感じた。
▼持ち主の意図はわからないが、旅先の町家の周辺にある変わった構築物に「芸術美」を感じる。そんな景色を撮影している人を追っている番組だった。「路上探歩」をしながらから、「老人力」を謳歌している。故「米倉斉加年・赤瀬川良平」という「マルチ人間」は、そんな「こだわり人生」を楽しんだという。
▼きのう、大聖寺の街中を通る国道を、『足裏健康道路』と名付けて観光客を呼び寄せる。そんな、アイディアを提案してくれた浜松の旅人へ、礼状を郵送した。旅行先で感じたことを「素」に先方に伝える浜松の人も「マルチ人間」なんだろうと思った。
▼「肉食妻帯」と並んで親鸞聖人が際立っているのは、『歎異抄』に記入された、『悪人こそ救われる』という悪人正機説であろう・・・・・。こんな「はじめに」から始まる「親鸞聖人を学ぶ」の単行本から学び、有意義な休暇にしたい。