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2016年08月

台風10号に「ライオンロック」という名称が付いた。八丈島近海で19日に発生した台風10号は南西へ進み、沖縄県・南大東島近海で26日朝にUターンして28日には本州の南海上に進んだ。30日夜以降には気象庁の統計開始以来、初めて東北地方の太平洋側に直接上陸する可能性が高まっており、前例のないルートをたどっている。
▼風変わりな台風10号のおかげで、熱帯夜が続いていた昨晩は、寒くて布団をかぶって寝ることができた。だが、今後の進路が定かでないと言う。また、北海道方面に大雨を降らすらしい。被害が重なることに心配でもある。

▼厚い雲が広がっている日曜の昼過ぎ。大聖寺観光案内所に、一人の青年が訪れた。そしてレンターサイクルを利用した。閉店時刻の4時になっても、帰ってこない青年を心配して、登録していた携帯電話で連絡したが応答がない。

▼帰って来ない子供を案じて案内所の扉を開けて戸外に出たら、ちょうど戻ってきた青年が額に汗を滲ませながら立っていた。「あぁよかった、無事で」と声を掛けた。どこまで行ったのかと聞くと、大聖寺を一回りして山代まで行って来たという。

▼登録住所は、兵庫県西宮市。学生風だったので、大学生かと尋ねると「高3」と言う。疲れた顔を見て中で休憩を促すと、素直に応じた。冷たいジュースでなく、温かいインスタントコーヒーでごちそうする。

▼青春切符で10年ぶりの大聖寺だという。帰りの電車までの1時間。親戚のお爺さん役でおもてなしをした。小学2年生まで錦城小学校に在籍していて、父親の仕事の都合で関西方面に移住したが、記憶にない幼少期、熊本県から大聖寺に来たと言う。同級生からも忘れられた転校生だという「虎之助」君。伏し目がちな目を時々開けながら、ぼそりぼそりとしゃべる。

▼夏休みも、あと少し。8歳の記憶が、大学受験を前にして大聖寺にUターンしてきた。大学は東京だという。虎之助君も、ライオンロックも、これからどこへ向かうのか。逆立ちしても戻れない、青春の18歳と出会った日だった。

金メダル12個、銀メダル8個、銅メダル21個で計41個の獲得数は、日本がこれまでの五輪大会では最高の記録だ。興奮の17日間の大会が終わった。日本の反対側に位置するブラジルとの時差は12時間。100年前には、日本から多くの移民団が入植した歴史もある。大会前まで、競技場が未完成のところもあると報道されていたが、何とか支障もなく無事に終わった。ひとまず良かった。

▼これぐらいのことを、4年後の東京大会までは、覚えておきたいものだ。前回の東京五輪は、半世紀前の昭和391010日と記憶している。それは、長女が生まれた年だったから覚えている。「東洋の魔女」の女子バレーチームが金メダルを獲った。そして、裸足のランナー「アベベ」がマラソンで優勝した。あとの金メダルを獲った種目の記憶は、はっきり覚えていない。

▼4年後には、80歳を目の前にした年齢になる。近ごろ「もの忘れ」が多くなっているから、少し心配だ。2020年は、どんな年になっているだろうか。たかが、4年と言っても時代の進む速さは、以前とはスピードが違う。4年の間に多くのアスリートたちが、五輪を目指すだろう。

▼老いる者と伸び盛りの者の「生きる戦い」は、いつの世も同じである。だが、リオ五輪でメダルの栄光に輝いた選手たちの、これまでの経過をさかのぼると、恵まれた環境だったアスリートが多かった。両親が幼少の頃から指導して、トレーニングの送り迎えに随行しながら、成長してきた。

▼「年寄りの愚痴」から言えば、苦節何十年。「裸一貫」から成功者になったアスリートの実現は難しいらしい。短期間に養成された人たちの世界がある。「明日はヒノキになろう」という「あすなろ」が、一時期、流行語として当方も夢を追ってきた。結局、「アテ」にしてきたが、「ヒノキ」には成れなかった。

興奮冷めやらない「リオ五輪」も閉幕が近づいている。また、メダルラッシュが続く「日の丸チーム」の快挙に、テレビの前で大声を上げた。陸上男子400メートルリレーがやってくれた。日本史上初「銀メダル」はすごい。「おめでとう!」。

▼「37・6」秒の記録を、4人で走ると@「9・4」秒になる。個人記録では、9秒台のいない日本チームがリレーになると、アメリカを抜いて、王者ボルトも走ったジャマイカチームに次いで2位になった。サムライジャパンの勝因は、バトンリレーの技術だという。

▼次期開催地の「東京五輪」に向けて、がんばった結果が、これまでの五輪よりメダルが最高数になったと言うが、出来すぎである。絵に描いたように取れるメダルではない。世界の選手たちより体格的に小柄な日本チームの選手が次々とメダリストになる。

▼今回の五輪も、団体競技でメダルを獲った、日本チームが輝いている。当然個々の選手が積み重ねた努力の結果であることには違いないが、チーム力が他国に勝る伝統の国民性なのかも知れない。

▼競歩50キロで、荒井選手が逆転の銅メダルを獲った。これも競歩史上初のメダルだという。逆転で勝った選手もいれば、負けた選手もいた。4連覇を目指していた女子レスリングの吉田沙保里選手が銀メダル。それでも、申しわけがないと悔し涙を流していたが、立派なメダルなのに、彼女は負けたという。

▼アスリートたちのかんばる「見本」を見て、毎日教えられている。辛抱するところは、しっかり我慢する。ここだ、というタイミングに攻撃する。冷たい飲み物を飲みながら見ている者からは、偉そうなことは言えないが。当方も残された余生に与えられる金メダルはないが、せめて与えられた環境を、楽しく過ごせたことで、鉛のメダルでも貰えるように、努力したいものだ。

夕日と雲のドラマが展開するシーンが終わりかけていた。残った光線が一筋、かすかにまだ残っていた。打ち返す波の音だけが目を閉じると聞こえる。「波の音を聞きながら、頭の先に付いた紐を真っ直ぐ天に伸ばしながら、ゆっくりと、鼻から吸って口から出してください・・・・」。「瞑想」の世界へ導く岩井さんの透きとおった声だけが、暗くなった波うち際の浜辺で15人の集団を、異次元の世界の導く。

▼台風7号が発生して、太平洋側の関東から東北地方に大雨を降らしていた。17日に予定していた「定住化促進サロン」の8月定例会は、「夕日に赤く染まる浜辺で、加賀の歴史と瞑想体験」のテーマ通りに、片野海岸の浜茶屋「サンルーカス」の会場。一般客の混じる仮説の会議場で、違和感もなくスケジュールは、確実に進んでいた。

▼東洋を起源とする瞑想の技術、「マインドフルネス」(気づき)のトレーニングを導入している企業が増えている。世界企業の「グーグル社」や米国のデパートチェーンの「ターゲット社」に大手食品メーカーなどの社員が、「自分の軸になるもの」を見つけるためのコースや機会を提供しているという。

▼「10分間セミナー」でプレゼンする「加賀市の歴史」に選ばれた「深田久弥」を語る真栄氏、「竹の浦館」の畑氏、「大聖寺藩の怪談会」や、明治に入って、貧藩の大聖寺藩士だった「石川嶂(たかし)」は琵琶湖で汽船を就航させた。資金源の「ニセ金づくり」に発展した「パトロン事件」で終末を迎えた。「加賀の偉人たち」の、伊林氏の話に吸い込まれた。

▼京都と加賀を往復するトヤマ氏は、加賀市の自然風土に魅了されたという。加賀市内で「スポーツ知識で肉体改善を提唱」する羽深氏の5分間体操は、腰痛に効いた。

▼願いが通じた夕日に、ざわつく浜茶屋の雑音も一興だった。だから、プレゼンを傾聴させた。事前準備は完璧だから、いつもながら、瀬戸氏の際立った「いぶし銀」の司会術が光っていた。

田んぼの脇を車で走ると、品種は分からないが稲穂が色ずいているものと、まだ、薄い色の品種が交互に出合う。早場米の出荷地と古くからの加賀はコメ処。お盆あけの20日ごろから新米の刈り取り作業が始まるという。

▼農家の米作りの苦労を、体験したことがないが、消費者の立場から、習慣的に今年の稲作はどうなのかと気に掛かる。情報で、「平年並み」と知ると「あぁ、良かった」と口には出ないが、ひと安心する消費者の一人でもある。

▼きのうの夕方、台風7号が接近している石川県に、大雨洪水警戒が解除されたというニュースを見た、「あぁ良かった」。だが、関東・東北地方には大雨が降るという。新米の収穫時期と重なる加賀地方の天気も気になるが、今日予定している「活性化サロン」の定例会が、夕方から片野海岸の浜茶屋で行われる。裏方の当方は、大雨にならないかと、気が気でない。

▼いつもことながら、「図体はデカイが気が小さい」。「運は天に任せる」事ができない性格である。人は「取越し苦労」だね。と言うが、「そうなんです。だから、取越し苦労をしてきたから、白髪になった」と・・・。

▼人百倍の練習と、幼少のころからの天性と重なって、環境にも恵まれた「リオ五輪」選手たちが、メダルに向かっての毎日。「運を天に任せる」なって悠長なことをコメントする選手はいない。10代最後の体操選手白井健三のメダル受賞コメントには、「さすが、すごい若者だ」。しっかりした自己分析と感謝に、勝利を引き込む精神は、全力を出せることに集中したと。「自分を信じての・・・」座右の銘には、年だけ重ねた者も「あぁ、良かったね」と、口から出すことに躊躇した。

▼今朝の新聞情報は、天気予報は、午後から晴れだという。「全力を出し切って、自分を信じて」、イベントを成功させようという「当たり前」を教わった。

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