「中興の祖」蓮如忌
また、「ゴールデンウィーク」の過ごし方が、取りざたされている時期になった。昨年はどうしていたのかと発信したブログをバックして見た。高岡の国宝「瑞龍寺」を中心にぶらついていたが、今年も予定がなく「行き当たりばったり」の思いつきで、連休を楽しみたいと考えていた。
▼マスコミは、東京都知事が毎週の休日に東京を離れて湯河原の別荘で、知事として明日の東京を考えているという。だが、緊急時には東京にいないから、最高責任者としては如何なものかとの議論が噴出している。
▼公人には、公私混同の境目を難しくする御仁もいるが、枡添さんも今ごろは別荘で何を考えているのか。お役目、お疲れさまと言いたい。その点、同じ別荘風の「五徳庵」に居住まいするわが身は、公私混同を考えながらの毎日でない。ありがたい素浪人の余生を送っている。
▼肌寒い風が吹く「昭和の日」。大聖寺「川流し舟」の予約客が途絶えた昼下がりの頃、船頭役だった瀬戸さんから、300年以上も続いている「蓮如忌」のお参りに行こうとのお誘いがあった。
▼大聖寺の町から吉崎御坊へ舟で「吉崎参り」の客を運んでいた歴史のある「流し舟」を一部であるが再現した大聖寺「川流し舟」。昭和22年に参拝客を乗せた船が沈没した事故から、「吉崎参りの船」は廃止になっていた。
▼京都「東本願寺」を出発した蓮如上人の御影は、4月23日に吉崎に着き、10日間の御忌法要を勤められて、5月2日に京都へ帰る。法要期間中は大勢の参詣客で溢れていた吉崎の町は、祭日の「昭和の日」は静かな人通りになって、昔を知る人からすると当時の面影もない状態だという。
▼浄土真宗中興の祖と崇めれれている蓮如上人が、吉崎で布教活動して545年。「蓮如忌」は300余年の歴史がある。時代の趨勢なのか、信仰理念の変革なのか、「中興の祖」にあやかって地元も、角度を変えながら模索しているサマを身近にした日になった。