「サンキュー毎日」
「サンデー毎日」という老舗の週刊誌がある。定年後の多くのサラリーマンだった人は、毎日が日曜日となる。それを、モジって「毎日サンデー」と言っていたことがあった。小生も、また、ミニ現役に戻った。「週3日」の労働者で、「毎日サンデー」ではない身分である。ありがたいことに、健康だからこその「サンキュー毎日」でもある。
▼23日は「勤労感謝の日」。勤労者として、祝ってもらうというより、自分に「ご褒美の日」だ。勤務のローテーションで、20日から24日までの5連休でもある。「ご褒美」といえば、19日に「ジョボレ・ヌーボー」解禁。「松茸」、「コウバコ・ガニ」と、まだ、初喰いもしていない山海の味覚に、ヨダレが出る季節でもある。
▼本来は、収穫物に感謝する「新嘗祭」という宮中の行事であった。しかし、戦後、GHQの圧力で宮中行事を祝日にすることが禁止されて、「勤労感謝の日」になった。いまでも、全国で選ばれた農事者の「献穀田」で収穫された「献上米」を、宮中に奉納する大事な宗教行事でもある。
▼「五穀豊穣」という、古代より人類が生きるために1番大切な「収穫祭」として、八百万の神々に感謝する日でもあった。飽食の現代、忘れがちな食物への感謝する習慣は、千年前から続けられていたことを、いま一度、再認識のために、復活してもいいのではないかと思う。
▼「初物」を食べる時には、日が昇る「東を向いて笑え」。とか、日常食べられない初物を食べると「75日長生きする」など、食物を育てる太陽や経済的に余裕のある環境に感謝することが、日常生活でも、当たり前なことであった時代を想い出す。
▼昨今、「ご当地B級グルメ」などとアピールして、地域興しブームである。観光客向けのご当地の、九谷焼と山中漆器に盛り付けられた香箱ガニの、おもてなし膳の「加賀カニごはん」を、まずは地元民が食べるブームにしたいものだ。取りあえず、感謝を込めて食べてみたい。