日刊・兵頭喜貴 八潮秘宝館公式サイト

八潮秘宝館館主にして大日本ラブドール党総裁の兵頭 喜貴(ひょうどう よしたか)公式ブログにして個人新聞 スマートフォンで閲覧する方はブラウザーの設定を【PC版サイトを表示】にして下さい。広告が非表示なります。

らすかるさんに続いて、古谷さん夫婦のインタビューを掲載します。実は、らすかるさん、古谷さん、兵頭は、2004年にこの領域に足を踏み入れた同期生にして、ほぼ同年代のオッサンで、いずれも暴れ者です。もしかしたら、次元を超えた三兄弟なのかもしれません。

異色の人形ユーザーとして名高い古谷さん宅にお邪魔し、実家住まいユーザーの苦難と結婚への道のりついて語って頂き、奥方様からも貴重な話を伺って来ました。


親バレ・弾圧の日々


古:今、考えれば普通の母親の反応だと思うよ。周りの親戚が30歳過ぎて結婚するか同棲してて、その中で女の気配が無いのは私だけだったもん。親が家に帰ったら、あんな大きな外人面のマネキン(親はそう思い込んでいた)があって、もともと頭のおかしい息子だと思っていたら、いよいよこいつは本気で狂ったかと思うわ。


兵:両親の留守中に、居間で撮影してたらストロボの電池が切れて、買いに行って戻ったら、いないはずの親がその場にいたんでしたよね?


古:そう、何か備品が足らなくなって、買いに行って、少し時間潰したのがあかんかったな。家の前に親の軽自動車が止まってて、ああヤバって。置き放しにしてたからこれはミスったと。最初のうちは何も言わなかったのよ。見て見ぬふりしてた。2日、3日経ったら徐々に母親の態度が露骨になって来た。何かちょっとケンカになって、親が私をなじるときに、あの人形を引き合いに出して文句を付け始めた。「あんなものがあるから、お前が悪い」というニュアンスの言い方をし始める。何か世間で事件が起きると「お前はああなるなよ」とか「あんなこと頼むからしてくれるな」と言うようになり、どうして今のニュースが私と繋がるのって本当に思ったもん。


兵:それは、宮崎勤の影響ですよね?


古:そう。それである日、いちいち突っかかってくるけど、どういう意味なの?って問い質したら「ああいうの持ってるのは頭のおかしい奴ばかり」って話になって、ちょうど宮崎勤が死刑執行されたってニュースがあったのよ。一連の事件が一気に報道されて、もう大爆発!秋葉原の殺傷事件の影響もあって、オタクってフレーズが母親の中では危険分子と合体しているから、もうあかん。息子はきっと何かやらかすかもしれない。と本気で思ってたんだろうな。

古谷さん取材_000

古谷さんの作業部屋

世間様の夢を壊すようですが、オフの状態なんてこんなものです。我が家の娘達も普段は間接やシリコンに負荷の掛かり難い姿勢で休ませ、ビニール養生を被せられてます。


古:何かケンカになると、人形を引き合いに出されるから、こっちも頭に来る。父ちゃんは、基本的に不干渉というか、度が過ぎたことをしない限りは介入して来ない親だから、そのうち収まるだろうと思って黙ってたんだけど、何年経っても収まる気配が無いし、うちの母親と私がバトルする度に、父親からガツンと一発言ってやれみたいなことを言われたんだろうな。ある日さりげなく青筋立てて「本当、お前いい加減にしろよ。何とかしろ!あれ!」って一言だけ言って返って行ったことあるもん。「父ちゃんごめんよ」と思った。


兵:そこまで家庭内で大変なことになっても等身大の趣味は止めなかったんですよね?


古:母親の言う事を素直に聞いて、この趣味を辞めてしまうと「自分は変態の犯罪者でした」と、偏見を認めてしまう事になる。母親の考えに従わせるための妨害工作だと分かるから余計に腹が立つし、一人の大人として信用されない事に対する不満もあった。あんな事していたら無理もない話だけど。


兵:家庭内レジスタンスですね。


古:それに、ちょうど父ちゃんが勤めていた会社が潰れて、仕事辞めることになって、私にも怒られる、母親にも文句言われるで、父親がふて腐れちゃった。でも、そのお陰で、母親もあんまりガミガミ言うと、家の空気が悪くなることを察して、一時休戦状態になった。あと、結婚する2年くらい前から私の方も方針を変えて、等身大の趣味から一抜けする準備はしてた。小さい60センチサイズの人形に段々シフトして行ってた時期もあったから。


兵:こっちが勝手にそう思ってるだけで、大きくても、小さくても世間的に大した差は無いような...


古:女性ユーザーもそっちの方が多い。20代、30代の子達は、若いから簡単に(等身大の趣味から)ボコボコ抜けて行くのよ。もう、これは自分は売れ残るなって。だから狙うんだったらそっちってのはあったから。こっそり、等身大からそっち方面に移ろうとしてたら、ちょうど、別のユーザーさんがヨウ君(60センチサイズ)くれるって言うもんだから、それをもらって。等身大だから特別とかじゃなくて、小さかろうが、大きかろうが、人形をいじくって写真を撮るという統一した趣味のジャンルに入れてしまえっていう。それがこっそりブームになってた。


兵:自分なんて、未だに売れ残ってますけど...


古:ちょうどお見合いの話来たし。嫁さんは、人形への嫌悪感も無くて、衣装もちょこちょこ器用に作って持って来てくれて...


嫁:着せ替えてしていい?ってね。


古:このサイズ(60センチ)だったらいけるわ。って感じてたら、向こうから、そろそろ結婚してくれる気あるよね?みたいなこと言い始めて...


嫁:私、言い出してたの?フフフフフフッ...


兵:そのときエミちゃんのことは知ってたんですか?


嫁:大きい人形がおるって


古:姉から聞いてた。付き合い始めて、しばらくしてダレ始めてるの両方が分かったから、何かきっかけを作らんといかんと。で、30代で結婚するのと、40代で結婚するのとどっちがいいかと切り出したら...


嫁:そりゃ30代やって!慌てて、40歳の誕生日の前にバタバタと...


古:結婚の打ち合せを始めた瞬間に、母親の態度がガラッと変わった。もともと女の人と付き合い始めて時点で、嫌みがピタッと止まったし。父ちゃんはよく話すようになるし。

古谷さん取材_006
古谷さんの愛娘・エミ



運命の出会い


兵:お二人のなれ初めを詳しく伺いたいのですけど。


嫁:(古谷さんの)お姉さんと知り合いで、そろそろ落ち着かないといけないね。一人余ってるよと言われて、じゃお会いしてみますと。


古:姉にちょっと変わった人いるけどって言われて。


兵:お見合いの途中で帰ったって聞いたのですが...


嫁:そうです。ゲームが気になるんで、うちに帰りますって。ラグナロ全盛だったので。


兵:古谷さんは、それを聞いてどう思ったんですか?


古:それはいかんわ。今度ゲームが大変じゃないときにまた会いましょうと。自分も同じゲームやってたから、そりゃ大変でしょうと。


兵:そこが古谷さんの凄いところですよ。普通、そんなこと言われたら、その時点で終わりですから。


嫁:その頃は、全然周りを見てなかったんです。自分の道しか見てない。他からどう思われようがしょうがないよね。とりあえずレベルを上げるみたいな生活だったので。


古谷さん取材_010
古谷さん取材_008

兵:古谷さんのどこを良いと思ったんですか?


嫁:好きなようにやらせてくれてるし、無理しなくても良かった。とにかく、結婚は何でも我慢しなきゃいけないって言われてたから、我慢しなくていいのがいい。


古:うちは女の力が強くて、父ちゃんが虐げられてるのが普通だったからな。


嫁:結婚したら、とりあえずエミちゃん付いてくるんだって思った。


兵:あははははっ、その考えは凄いですね。古谷さん、結婚するために人形処分しようとしてましたよね。


嫁:あかん、あかん、エミちゃんだけは連れて来い。他のは好みじゃないから要らないけど、エミちゃんだけはかわいい。ピンポイントでかわいい。


古:エミ以外の人形は、欲しくない人に無理矢理押し付けて来た。でも、もし、子供が出来たら、私が人形の趣味をやめたいと言うかもしれん。


嫁:エミちゃんだけは残しといて!子守してくれるかもしれん。


古:場所空けた方がいいんじゃねぇって私が言い出す可能性はある。


嫁:猫みたいにちらかすわけでもないし、立たせておけば邪魔になるものでもないし、いいんじゃねぇ。


古:邪魔、凄い邪魔!あれ無いだけで、部屋もっと広くなると思うよって、よくうちの母親に言われてました。



兵:処分しようとしていたのを嫁が止めたってのが凄いですよね。古谷さんが等身大の趣味から撤退し始めたとき、ブログの記事読んで、自分はすぐに気付いたんですよ。


古:私、この趣味やめようという意味で、エミの顔半分砂に埋めて「おしまい」って載せたんだもの。ナウシカのパロディで。


嫁:それは、やめたくないものを人にやめさせるのもなあって...


古:しかし、このインタビューをそのまま掲載したら、頭のネジがずれた人じゃないと等身大の人形って認めてもらえない世界って思われるわけ。


兵:一般的な女性には、なかなか理解してもらえない趣味ですからね。


古:うちの嫁さんみたいになるのが普通だわな。そう考えるとテンション下がるな。角を曲がったらパンくわえた少女がぶつかってくれるかもしれないって希望を抱いている人からすると、それまともにダメじゃん!


嫁:わたし、ちゃんとあいさつ出来て、ニコニコ笑って、ちゃんと真面目に仕事して、我慢もしてるよ。ダメって言われたら、電動ドリルも高圧洗浄機も買うの諦めてるし。


兵:いや、だから普通の女子は、電動ドリルも高圧洗浄機も欲しがらないんです。

古谷さん取材_012
ここが、古谷ファンにとっては聖地とも言える場所です。

古谷さん取材_013
ここで古谷さんは、あんなことやこんなことをやっているのです。



快楽の究極形


かつて青姦大王として名を馳せた古谷さんに当時の状況を伺いました。


古:そういう時期あったね。あった。あった。


兵:セパレートの時代ですよね。

(セパーレートとはソフトビニール製の組立式ラブドール)


古:セパレート時代。10年はいかない。5年以上前。河川敷降りたところに、きれいに整備してあるところがあって、ちょっと囲まれて周りからやや見え難い場所があったりすると... さらに雨が降ってどしゃぶりのときは、まず人が来ないから。ちょうど屋根も付いてるし、あれで自作のビデオ撮ってたときもあった。


兵:あるんですか。自分も撮ってましたけど。


古:主演オレ、監督オレ、女優初音って言ってね。慌てたこともあったよ。雨降ってるのに、人が上がって来ちゃって。派手におっぴろげてたから、もう大慌てでつくろって、何とからしい格好にして、最悪ヌード撮ってただけに見えるように偽装した。教訓・道がある限り、人は絶対にやって来る。


兵:自分も太平洋が見渡せる廃墟ホテルで同じようなことしてましたけど、誰もいない大自然の中で、人形とやっていると、支配欲みたいなものが満たされる気がしましたね。世界の全てを支配出来ているような... もちろん錯覚なんですけど。


古:まあ、あれは、独特の雰囲気よ。わしの場合はシチュエーションかな。外でやっているという。そんなことをしている自分っていうのが何かね。終わった後の賢者モードに入ったときの落胆は酷いけれども。


兵:やった後のホール(人工性器)の始末とかね。後が大変ですよね。


古:こんなこと世間にばれたらどうなるんだ。なに、人生を棒に振るようなことをやってるんだって思うんだけれど、あれは自分の中で快楽を突き詰めていった究極形というかね。オナニーの究極形でしょう。


古谷さん取材_001

古谷さんが試作した軽量ボディー

服で隠れる部分は、布やスポンジで肉を形成しているので軽量かつ間接の可動域が大きいという利点があります。



家庭への配慮→性機能消去


軽量ボディー製作の経緯について伺いました。


古:(結婚した)今は何かあったら、家族に迷惑が掛かるし、自分だけの問題じゃ済まないから方針転換して、大人の密かな遊びってだけじゃなくて、人様に見られても恥ずかしくない趣味に変えようって考えて始めたのが、軽量ボディーの製作。あれだったら、性機能もへったくれもない。その機能自体喪失してるんだから。見られても恥ずかしいものはない。


兵:外から見ている分には、大して変わらないですけどね。


古:使ってる本人の気持ちの問題ですね。人形との関係は、奥さんには悪いけど、男としての愉しみ。エロビデオ買って見てるのと同じ。男なんだから。浮気はいけないけど。人形が浮気のうちに入るかは微妙。入らないと思うんだけどな。


古谷さん取材_005

古谷式軽量ボディーは身体を折り曲げられるので、リュックに詰めて運搬することも可能です。

古谷さん取材_004


取材を終えて


古谷さんのあの特異なバイタリティーが、家庭内レジスタンスから生じていたとは意外でした。当時、記事を読む度に実家住まいのユーザーは大変だと感じてましたが、弾圧から生まれる力は熱く、強いのです。


結婚するために趣味の方向性を変えたり、家庭への配慮から軽量ボディーを製作したりと、常に新たな方向性を模索し続けた結果として、先鋭的なリア充を実現されたのは偶然ではなく、必然だったのだと感じました。


古谷さんの奥方さまも、とことん面白い方でした。文房具、家電、工具が大好きで、機械いじりが趣味なのです。そして腐女子!正直申して、理解を超えた領域も多分にあったのですが、話は濃いし、頭の切り替えは速いし、声がもの凄くかわいくて、インタビューしていて実に楽しかったです。


話には聞いてましたが、天の采配としか思えないお似合いのカップルです。お互い、相手がこの人じゃないと上手く行かないだろうと確信しました。きっと末長く幸せに添い遂げられることでしょう。

古谷さん取材_011
スキンヘッドでもかわいいエミ。いや、むしろこっちの方が個人的にはツボです。


古谷さんのブログ 「ドールのある風景」
http://fldoll.blog8.fc2.com /

聞き手:兵頭喜貴


2015年5月

コメント

コメントフォーム
記事の評価
  • リセット
  • リセット

[フレーム]

トラックバック

↑このページのトップヘ

traq

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /