3日後には、満月になる上弦の月が、秋の「釣瓶落とし」の空に見えた。気ぜわしい思いだけが先に発つが、行き当たりばったりの習慣が身についている。旬の「ズワイガニ」も店頭に並んでいたが、見て見ぬ振りして通り過ぎ、昨夜は、ポリ袋に入った「おでん」にした。
▼恒例の「忘年会」へのお知らせが、2つもあった。定年後に勤めた勤務先のOB会は、今月の24日に、金沢駅構内の飲み屋でやる。もう一つは、12月6日に山代温泉の旅館で、ボランティアのメンバーの忘年会。
▼「今年また忘年会に声掛かる 吾亦交」。いずれも、定年後に縁あった仲間が集う忘年会でもある。永年、同じ飯を食べた職場での共通話題もない、寄り集まった再就職先の仲間の会。町の活性化にボランティアとして集まった仲間たちでもある。そんな2つの会でも、最年長の方でもある。
▼毎日、「五感」の反応が衰えていることを自覚する。見かけの「五体満足」でも、反応は退化している。「あるがままの素地」を素直に出すことが、一番健康的だと、後輩に教えられた。だが、硬くなった脳みそは簡単に反応しない。「頑固」、「一徹」、「意固地」の漢字が先に出る。
▼「老いては子に従え」という格言がある。現役時代には、先輩としての職務経験が優先された立場であったが、退役後の昨今は、世相の流れが速く、時代の流れについて行けない当方は、後輩から教えられることばかりである。
▼ 上弦の月は、これから満月に向かう時の半月。基礎を固めた時期から、行動に移す時期でもある。そのため積極的に行動しやすくなる。ほかの人とのコミュニケーションも円滑にいきやすく、様々なことにチャレンジし、頑張るパワーがあるときでもあるという。
▼茹で上がった「おでん」には、いろんな具材に交じって、いい味に浸み込んだ二つの満月の玉子があった。晩酌の肴の一つから、柔軟な思考力を訓練する秋の夜長であった。
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