「北海道新幹線 開業まで1年」のカウントダウン記事が、3月30日の新聞に載っていた。この間まで、各メディアはこぞって北陸新幹線金沢開業を掲載していたが、時の流れには逆らえない。「姫路城」の修復工事が完成した記事も載っていた。金沢の左官職人が伝統技術の「漆喰工事」で、真っ白な城を回復させた。しかし、伝統技術を守る職人の仕事がないから、職人技が衰退するということも載っていた。
▼いつもながら、「狭いニッポン、そんなに急いで何処へ行く」の標語を思い出す。進化することを否定はしないが、先人の築いた風土に合った生活の智恵がだんだん消えてゆく。消えたものは修復できないことを危惧して「・・・遺産」が「まちづくり」のメインテーマーになって来た。
▼先日の日曜日。ときどき雨になった大聖寺の町へ、京都から老夫婦が訪れた。以前から何回も来ている。その都度、自転車を借りて近場を廻って帰るという。その日は、雨のため2時間ほどして自転車を返しに来て、今日はもう帰ると言う。
▼大聖寺は「ふるさと」ですかと、尋ねると、「違う」という。そして、「いつ来ても、いいですね。大聖寺は・・・」と言って、電車の都合で駅に向かった。
▼全国的に、昔は栄えた地方の町も、子どもの減少で小学校が廃校になっている。山中の菅谷小学校も141年の歴史の幕を下ろした。この地区は「山中漆器の産地」として発展してきたが、地元に根付いた伝統技術の継承者育成にも先細りが懸念される。
▼「十年ぶりに 降りた駅 想い出たずねて ここへ来た 三本立ての黄昏シネマ 学校帰りに 待ち合わせたね・・・・」。中年歌手「すぎもとまさと」が歌うCDを聞きながら、過ぎた昔を懐かしんだ。
コメント