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【2015年10月27日 カンパラ(ウガンダ)発】 世界貿易機関WTOが主導する「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights(TRIPS協定)では後発開発途上国Least Developed Country(LDC)に対して、医薬品に関する特許権の適用に猶予期間を設けているが、それが2016年1月に期限を迎える。


歴史が浅く、なおかつ低迷状態にある東アフリカの医薬品業界の技術水準では、医薬品の特許権適用はその地域での製薬業界の発展の実現性を低下させるだけでなく、必需医薬品への持続可能なアクセスを阻害することにもなる。

そこで、スイスのジュネーブで10月28日に行われるWTOの非公式会談に先立ち、ウガンダの人権団体などは、TRIPs協定による猶予期限を大幅に延ばすよう要請した。すなわち、「健康・人権・政策提言活動センター」Center for Health Human Rights and Development(CEHURD)(ウガンダ)、「保健への地球規模アクセス・プロジェクト」Health GAP(米国)、「ウガンダ、保健促進・社会開発」Health Promotion and Social Development (HEPS) Uganda、「コミュニティ保健・情報ネットワーク」Community Health and Information Network (CHAIN)(ウガンダ)、「南部・東部アフリカ交易情報機構・ウガンダ」Southern and Eastern Africa Trade Information and Negotiation Institute(SEATINI)Ugandaである。

これらの団体は、LDC 34ヵ国を医薬品の特許権や他の知的財産権の適用から免除することを保障していない米国の政策を批判している。必須医薬品に関する米国政府の取り組みが米国の国際的なエイズ政策である「米国大統領エイズ救済緊急計画」PEFFARの下で実施を約束している内容と大きく矛盾すると主張している。

団体の一つ、CEHURDのモーゼス・ムルンバ事務局長Moses Mulumbaは10月27日の記者会見で、「米国はウガンダが安価な医薬品にアクセスしようとしていることを阻むべきではない。米国政府の交渉担当者は最長10年の延長としているが、10年は『延長なし』と変わらない」と述べた。ネパールやバングラデシュはWTOでより先鋭的に交渉しているが、これらの国々とともに、ウガンダ政府がLDCの要求を通すために重要な役割を担ってきたことを同団体のジョイ・アガシラ企画担当Joy Agasiraは強調した。

SEATINIのマーティン・ルーサー・ムンヌ氏Martin Luther Munnuは、交渉が行き詰まってLDCが米国の要求を受け入れざるをえなくなる危険性に触れ、「WTOの貿易交渉では、自由平等の精神が重んじられなければならない。問題なのは、LDCが直面している難題が10年では解決できないということだ」と述べた。

HEPSウガンダのケネス・ムウェホン氏Kenneth Mwehongeは人権と公衆衛生の観点から、米国がこの議論について判断を誤っていると話し、CEHURDのプリマ・クワガラ弁護士Primah Kwagalaは利益よりも生命を優先させるよう米国に促した。

「保健への地球規模アクセス・プロジェクト」Health GAPの保健コンサルタントであるアジア・ラッセル氏Asia Russellは、「ウガンダは医薬品の特許権の適用について永続的な免除を強く迫る上でLDCの中心的な役割を担っている。その結果、政府や業界が低価格のジェネリック医薬品の生産と供給に向けた取り組みに集中することができている」と語った。

くろまる原題: Uganda petitions US on access to affordable medicines
くろまる出典: New Vision, Uganda
くろまる日付: 2015年10月27日
くろまるURL: http://www.newvision.co.ug/news/674945-uganda-petitions-us-on-access-to-affordable-medicines.html
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