2015年12月05日10:05
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【2015年10月30日 ニューデリー(インド)発】 インドの首都ニューデリーで10月26-29日に開催された「第3回インド・アフリカ首脳会議2015」の合間をぬって、インド、アフリカ連合、アフリカ数ヵ国の首脳、そしてインド製薬大手リーダーによる協議が行われた。その結果、「アフリカの保健商品に関する安全保障」について既存および新たな課題に対応していくことで合意した。
インドの製薬業界は低価格のジェネリック医薬品を製造しており、開発途上国におけるエイズ治療へのアクセス拡大に貢献している。アフリカでの大規模なエイズ治療の導入のために、低価格のジェネリック品が採用され、結果として、全世界で1,500万人以上が救命の抗レトロウイルス治療ARTにアクセスできたというマイルストーンを達成できた。
しかし、これまでの進歩にもかかわらず、HIVの第1選択薬に耐性ができてしまった人たちのための、第2選択薬、第3選択薬となる医薬品や診断設備・機材等の価格は、いまだにHIV治療へのアクセスにおいて障壁となっている。この状況を改善するには、特許権が適用されている「革新的な医薬品」が全ての人々に手頃な価格で利用可能となるようにしなければならない。
「アフリカ製薬計画」では、アフリカ連合加盟国が、高品質な必需医薬品を手頃な価格で製造し、持続可能な供給ができる製薬業態をアフリカ大陸に形成する準備にとりかかっている。製薬業界の育成は、大陸での公衆衛生の改善と経済成長に寄与する。UNAIDS(国連合同エイズ計画)を含むアフリカ内外のパートナーによるコンソーシアムがこれを支援する。
ケニア、南アフリカ共和国、ウガンダ、ジンバブウェでは、既に世界保健機関WHOが事前承認した抗レトロウイルス薬を製造しており、他の国でも生産の準備を開始している。
以下は会議における発言者である。
ウフル・ケニヤッタUhuru Kenyattaケニア共和国大統領、「後発開発途上国に対する権利放棄の期間延長を成し遂げたインドとアフリカのチームを讃える。アフリカでの製薬産業が十分に育成するまでは、インドがARV生産を継続し治療規模を急速に拡大するのに必要な量を供給してくれることを希望する」
J.P.ナッダNaddaインド保健家族相、「インド政府は、持続的に救命薬にアクセスできるようにしたTRIPSの柔軟性が完全に活かされ、十分な供給を確保することを約束する。我々にはこの流れが変わらないようにする義務がある」
ミシェル・シディベMichel Sidibe UNAIDS事務局長、「インド・アフリカ間の連携強化が、科学・医学・工学領域で投資に向けての魅力的な活力と、数百万人に対する健康改善とをもたらす。そして、SDGs(持続可能な開発目標)にあるヘルスケアへの普遍的なアクセス目標を達成できる」
●くろまる原題: India and Africa strengthen partnership on accessible and affordable medicines
●くろまる出典: UNAIDS
●くろまる日付: 2015年10月30日
●くろまるURL: http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/featurestories/2015/october/20151030_india-africa
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アフリカ日本協議会