2020年06月
【 2020年3月24 日 シウダード・フアレス(メキシコ)発】中米ホンジュラスからメキシコ国境を経て米国に入国し、亡命を申請したフェルナンダさんは、米国カリフォルニア州のとの国境に面したメキシコの都市シウダード・フアレス市の移民シェルターに収容されている。彼女は、米国の移民管理局(The Immigration Agent)に自分がHIV陽性であること、そして米国に亡命したいことを訴えたが、メキシコにある移民のためのシェルターに送還され待機させられてから、薬も支援もないまま1か月が過ぎた。続きを読む
【2020年3月27日】HIV検査はHIV感染症の予防・治療・ケアへの入り口として重要な役割を担っている。以前からHIV症例が多く報告されているアフリカ東部・南部においては、HIV検査の利便性が向上しているにもかかわらず、2017年の時点でHIV陽性者のおよそ24%が自らの感染を自覚していなかった。特に15〜24歳の若者や男性が検査を受けられない状況は今なお続いている。状況を打開するために、HIV検査に対する障壁を取り払うための取り組みが進められている。こうした中でWHOが推奨しているのがHIV自己検査である。HIV自己検査は利用者が自宅などプライバシーの保護された環境で、自身の血液や唾液を採取して行う検査方法である。HIV自己検査は利用者の自主性とプライバシーを確保できるため、検査へのアクセスやスティグマといった障壁を克服し、HIV検査の受診率を引き上げることが期待されている。続きを読む
【2020年5月13日】世界保健機関(WHO)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、サハラ以南アフリカにおける新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大により、同地域のHIVにどのような影響が及ぶかをモデリングした予測結果を発表した。この調査では、5つの異なった調査モデルに基づいて、今後3〜6カ月間のHIV治療中断による影響について推測したが、これによると、HIVを死因とする死者数は、例年の死亡者数平均と比較して、およそ55万人増加する恐れがある。この予測に基づき、WHOとUNAIDSは、この先5年間について、HIV治療の中断による死者数の増加を懸念している。「恐ろしい見通しです。アフリカでエイズ死者が50万人以上増えるというのは、過去の歴史に逆戻りするようなものだ」とWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長 Tedros Adhanom Ghebreyesusは述べた。
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2020年06月30日13:20
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- グローバルファンド
- 資金援助/ドナー関連
【2020年5月15日ナイロビ(ケニア)発】途上国の三大感染症対策に資金を拠出する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)のムアマドゥ・ディアニュ(Mouhamadou Diagne)総括監察官(Inspector General) は、5月の第43回理事会で、2019年の年次報告書を発表した。総括監察官事務所 (The Office of the Inspector General)は、グローバルファンドへの投資が、エイズ、結核、マラリアの死亡率と感染率の低下に貢献していることを賞賛した。また、グローバルファンドの総合的な管理環境とリスク管理プロセスの改善が、成熟段階とされる「(通常業務に)組み込まれている」レベルに達したと評価した(詳細は後述)。一方これは通過点であり、最終目標は三大感染症の終息であること、そして変化するニーズとリスクに対応するために、ガバナンス、リスク管理、内部統制を継続的に改善させる必要があると勧告した。続きを読む
2020年06月03日19:26
【2020年5月15日、ナイロビ(ケニア)発】途上国の三大感染症対策に資金を供給する国際機関である「グローバルファンド」(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)は、HIV、結核、マラリアに対するコミュニティ、権利、ジェンダー(CRG)に基づいた対応促進のための第6回年次報告書を完成させた。この報告書は、完成前の最終確認のために2020年3月に開催された、グローバルファンド理事会が設置する小委員会である「戦略委員会」の第12回会合へ提出されたものであり、時期が若干早かったことから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応は含まれていない。しかしながら、グローバルファンド事務局の CRG 部門責任者は、報告書が最終化されてから数週間の間にCOVID-19への対応をしており、人権とジェンダーの障壁に対処するための行動や強固で広範なコミュニティの関与と対応がCOVID-19への取り組みを成功させ、最終的にはあらゆる健康への対応に結びついている、と強調している。
報告書の大部分は、CRG に基づくプログラムや支援方法、政策を推進するために2017-2019 年に実施したことを評価している。特に、グローバルファンドが、人権に関連した障壁(バリア)を取り除くために国家レベルでの包括的プログラミングの実施を支援したことや、思春期の少女や若い女性のためのHIV予防サービスへのアクセスを拡大したこと、対策のカギとなる脆弱な人々のための、三大感染症を対象としたサービスの世界的拡大、ハーム・リダクション(健康被害軽減)のための最大の資金提供者としてのリーダーシップを発揮したことを自賛している。一方で、各国が提出するHIV対策の事業案件提案書などに含まれる人権・ジェンダー分析の質の向上の必要性や、ポートフォリオ全体での、対策のカギとなる主要な脆弱な人々(Key Vulnerable Populations)に対するグローバルファンドの支援サービスの範囲と規模が引き続き限定されていることなど、大きな課題が残っていることも指摘している。
また、本報告書は、上記の教訓に加え、CRG関連投資の強化に向けた進捗状況や2020〜2022年の資金調達サイクル実施に向けた事務局の準備状況に関しても言及している。これらの内容は、長期的な視点に基づくケーススタディとして、「事務局全体のキャパシティ強化とより広範なコミュニティ連携」「コミュニティシステムとその対応」「対策のカギとなる、脆弱性のある集団」「人権」「ジェンダー平等の推進と思春期の少女や若い女性への支援」のトピックに分けて要約している。
5月14〜15日に開催された第43回理事会会合では、本報告書の内容をもとにCOVID-19の影響で性と生殖に関する保健サービスへのアクセスが難しくなっている問題が提起され、各国政府が家族計画サービスを必須サービスとして分類する必要性が強調された。また、CRG 関連への投資を効果的に伝えるためにより戦略的にデータを活用することも提案された。
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原題:Community, Rights and Gender report to the Board requests input on COVID-19-related measures
出典:Aidspan
日付:2020年5月15日
URL:https://www.aidspan.org/node/5310
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報告書の大部分は、CRG に基づくプログラムや支援方法、政策を推進するために2017-2019 年に実施したことを評価している。特に、グローバルファンドが、人権に関連した障壁(バリア)を取り除くために国家レベルでの包括的プログラミングの実施を支援したことや、思春期の少女や若い女性のためのHIV予防サービスへのアクセスを拡大したこと、対策のカギとなる脆弱な人々のための、三大感染症を対象としたサービスの世界的拡大、ハーム・リダクション(健康被害軽減)のための最大の資金提供者としてのリーダーシップを発揮したことを自賛している。一方で、各国が提出するHIV対策の事業案件提案書などに含まれる人権・ジェンダー分析の質の向上の必要性や、ポートフォリオ全体での、対策のカギとなる主要な脆弱な人々(Key Vulnerable Populations)に対するグローバルファンドの支援サービスの範囲と規模が引き続き限定されていることなど、大きな課題が残っていることも指摘している。
また、本報告書は、上記の教訓に加え、CRG関連投資の強化に向けた進捗状況や2020〜2022年の資金調達サイクル実施に向けた事務局の準備状況に関しても言及している。これらの内容は、長期的な視点に基づくケーススタディとして、「事務局全体のキャパシティ強化とより広範なコミュニティ連携」「コミュニティシステムとその対応」「対策のカギとなる、脆弱性のある集団」「人権」「ジェンダー平等の推進と思春期の少女や若い女性への支援」のトピックに分けて要約している。
5月14〜15日に開催された第43回理事会会合では、本報告書の内容をもとにCOVID-19の影響で性と生殖に関する保健サービスへのアクセスが難しくなっている問題が提起され、各国政府が家族計画サービスを必須サービスとして分類する必要性が強調された。また、CRG 関連への投資を効果的に伝えるためにより戦略的にデータを活用することも提案された。
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原題:Community, Rights and Gender report to the Board requests input on COVID-19-related measures
出典:Aidspan
日付:2020年5月15日
URL:https://www.aidspan.org/node/5310
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【2020年4月8日 イバダン(ナイジェリア)発】3月24日は世界結核デーだったが、ナイジェリアでは、今年はCOVID-19のパンデミックによって盛り上がりに欠けた。
アフリカでは、COVIS-19が公衆衛生上の緊急事態になる前は、結核とHIVの重複感染がHIV/AIDS対策の優先課題であった。COVID-19はすでに結核とHIV対策に影響を与えている。WHOと国連合同エイズ計画(UNAIDS)がHIV-結核感染者がCOVID-19をどう克服していくかデータとエビデンスを収集し対策に乗り出した。
WHOのグローバル結核プログラムの主任であるテレザ・カサエバ氏 Tereza Kasaevaは「航空便がキャンセルされ空港は閉鎖されている。これは医薬品供給にとって大きな問題であり懸念事項である。各国は結核治療薬を切らすべきではない。治療が中断となった場合の最悪の結果は薬物耐性であり、これは結核対策にとっての最大の脅威である」と話した。
ナイジェリアの南西部に位置する主要都市のひとつ、イバダンでは、COVID-19感染の最初の症例が確認されて以降、医療従事者は消毒液などの防護用品が不足していることにより、結核に感染しているかもしれない患者を含めあらゆる患者に対して通常通りの医療サービスが提供できないことに不安を訴えた。
イバダンの北東部を管轄とするイバダン北東地方政府 Ibadan North-East Local Government は庁舎内に結核クリニックを開設しており、新規感染のスクリーニングとは別に結核治療も行っている。通常50人ほどの患者を日々診療しているが、ランセットの記者が訪問した日にはわずか一人だけ薬を受け取りに現れ、これが数週間は続くだろうと明かした。
可能な選択のひとつは数か月治療が維持できるように十分な医薬品を患者に与えることである。しかし、この予期しなかったCOVID-19の発生によって輸送が途絶えて十分な補充が難しくなっている。結核とHIVに感染している患者だけが影響を受けるわけではない。ロックダウンが開始されて脆弱な保健医療システムと悪戦苦闘しているアフリカ諸国において、広範なHIV予防メカニズムもまた危うくなる可能性が高い。
ナイジェリア政府は、COVID-19の感染拡大を食い止めることおよびHIVと結核の治療を継続することが最優先だとしている。一方でUNAIDSは、数か月間の薬剤供給とコミュニティ内での抗レトロウイルス薬の配布、自己検査の指導、医療施設でのCOVID-19への暴露を最小限に抑えること、そして医療施設に頼るヘルスケアシステムの見直しを提案している。UNAIDSはまた政府に対して結核の診断や治療を継続するよう要求している。長引く熱や咳などの結核症状がある人はCOVID-19の診断が遅れないよう早急に受診すべきであるが、COVID-19に対する感染リスクを減らし、重症患者の入院に余裕を持たせるよう受診は最低限にする必要があるともしている。
UNAIDSの事務局次長であるシャノン・ヘイダー氏 Shannon Haderは、「我々はどんな情報が必要とされるかを知り、COVID-19の予防を支援しそしてHIV対策を継続するため、HIV陽性者や鍵となるネットワークとともに働いている。しかし、スラムや収容所といった最もハイリスクな集団に対して集中したCOVID-19の検査、調査、そして予防サービスの強化も必要である。このような対応でHIV陽性者や結核患者のコミュニティを強化することがヘルスシステムの復活にとって重要である」と話す。
原題:Tuberculosis and HIV Responses Threatened by COVID-19
出典:The LANCET
日付:2020年04月08日
URL:https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lanhiv/PIIS2352-3018(20)30109-0.pdf
アフリカでは、COVIS-19が公衆衛生上の緊急事態になる前は、結核とHIVの重複感染がHIV/AIDS対策の優先課題であった。COVID-19はすでに結核とHIV対策に影響を与えている。WHOと国連合同エイズ計画(UNAIDS)がHIV-結核感染者がCOVID-19をどう克服していくかデータとエビデンスを収集し対策に乗り出した。
WHOのグローバル結核プログラムの主任であるテレザ・カサエバ氏 Tereza Kasaevaは「航空便がキャンセルされ空港は閉鎖されている。これは医薬品供給にとって大きな問題であり懸念事項である。各国は結核治療薬を切らすべきではない。治療が中断となった場合の最悪の結果は薬物耐性であり、これは結核対策にとっての最大の脅威である」と話した。
ナイジェリアの南西部に位置する主要都市のひとつ、イバダンでは、COVID-19感染の最初の症例が確認されて以降、医療従事者は消毒液などの防護用品が不足していることにより、結核に感染しているかもしれない患者を含めあらゆる患者に対して通常通りの医療サービスが提供できないことに不安を訴えた。
イバダンの北東部を管轄とするイバダン北東地方政府 Ibadan North-East Local Government は庁舎内に結核クリニックを開設しており、新規感染のスクリーニングとは別に結核治療も行っている。通常50人ほどの患者を日々診療しているが、ランセットの記者が訪問した日にはわずか一人だけ薬を受け取りに現れ、これが数週間は続くだろうと明かした。
可能な選択のひとつは数か月治療が維持できるように十分な医薬品を患者に与えることである。しかし、この予期しなかったCOVID-19の発生によって輸送が途絶えて十分な補充が難しくなっている。結核とHIVに感染している患者だけが影響を受けるわけではない。ロックダウンが開始されて脆弱な保健医療システムと悪戦苦闘しているアフリカ諸国において、広範なHIV予防メカニズムもまた危うくなる可能性が高い。
ナイジェリア政府は、COVID-19の感染拡大を食い止めることおよびHIVと結核の治療を継続することが最優先だとしている。一方でUNAIDSは、数か月間の薬剤供給とコミュニティ内での抗レトロウイルス薬の配布、自己検査の指導、医療施設でのCOVID-19への暴露を最小限に抑えること、そして医療施設に頼るヘルスケアシステムの見直しを提案している。UNAIDSはまた政府に対して結核の診断や治療を継続するよう要求している。長引く熱や咳などの結核症状がある人はCOVID-19の診断が遅れないよう早急に受診すべきであるが、COVID-19に対する感染リスクを減らし、重症患者の入院に余裕を持たせるよう受診は最低限にする必要があるともしている。
UNAIDSの事務局次長であるシャノン・ヘイダー氏 Shannon Haderは、「我々はどんな情報が必要とされるかを知り、COVID-19の予防を支援しそしてHIV対策を継続するため、HIV陽性者や鍵となるネットワークとともに働いている。しかし、スラムや収容所といった最もハイリスクな集団に対して集中したCOVID-19の検査、調査、そして予防サービスの強化も必要である。このような対応でHIV陽性者や結核患者のコミュニティを強化することがヘルスシステムの復活にとって重要である」と話す。
原題:Tuberculosis and HIV Responses Threatened by COVID-19
出典:The LANCET
日付:2020年04月08日
URL:https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lanhiv/PIIS2352-3018(20)30109-0.pdf
【2020年5月8日 キガリ(ルワンダ)発】東アフリカの内陸国ルワンダでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応が進んでいる。「今ルワンダ政府は、HIV検査のための研究室をCOVID-19の患者の検査のため利用する計画に取り組んでいます」とルワンダバイオメディカルセンター(RBC)の所長を務めるサビン・ンサンジマナ医師は語る。RBCでは、1日に1,000人以上の検査を行われているが、その一方で、さらに多くの検査を行うための施設拡大にも努めている。
「パンデミックが始まって以来、検査室の設備は倍増しましたが、検査が必要な人の数は日に日に増えています。私たちは、ルワンダの各県でHIVを検査するための機器を揃え、順次実用に向けて準備を進めています。」と、ンサンジマナ医師は語った。
ンサンジマナ医師は、世界中の研究室がよりよい医療の提供のため最善を尽くしているように、ルワンダの研究室も、人々にとってより近い存在にならなければならない、と考える。「十分な設備が整っていると自信を持って言える国はありません。しかし、私たちの研究所は、優秀な人材と優れた設備の配置に取り組み、一刻も早くより国民の皆さんに近い存在となれるよう働きかけています。」と彼は語った。
センターの増築に向けて
ンサンジマナ医師によれば、研究センターの増築も計画されている。感染者が増えた場合にカニンヤ地域以外でも患者の受入れができるよう体制を整えるためだ。その背景には、ロックダウンが部分的に解除されたことを受け、感染者数が急増した場合に備えて、可能な限りの準備を政府がしていることがある、と彼は述べた。
彼は、「十分な設備なしに患者を抱えることはできません。我々は、感染者数を観察するチームをつくり、新しい施設を開設するか、別の施設を閉鎖するかの判断を行っています」と語った。
RBCのデータポータルによると、13の地区で新型コロナウイルスの確認症例が少なくとも1件以上記録されているが、他の17の地区ではまだ発症例はない。5月6日水曜日時点で発症例が最も多いのは、キレヘ地区とブゲセラ地区で、それぞれ101件と47件だった。
COVID-19の感染症例を年齢別にみると、圧倒的に多かったのは30代で、103人だった。それ以外の年齢では、60歳以上は9人、50代で16人、40代では51人だった。20代では68人で、20歳未満は14件のみであった。
政府の調査によれば、ルワンダでは集団感染の事例はない。これを受け、政府は5月4日の月曜日に6週間に及ぶロックダウンを緩和した。一方で、厳しい制限を設け、引き続き警戒を呼び掛けた。
原題:Rwanda: Govt ‘Considers’ Using HIV Labs for COVID-19 Testing
出典:The New Times (Rwanda)
日付:8 May 2020
URL:https://allafrica.com/stories/202005080029.html
「パンデミックが始まって以来、検査室の設備は倍増しましたが、検査が必要な人の数は日に日に増えています。私たちは、ルワンダの各県でHIVを検査するための機器を揃え、順次実用に向けて準備を進めています。」と、ンサンジマナ医師は語った。
ンサンジマナ医師は、世界中の研究室がよりよい医療の提供のため最善を尽くしているように、ルワンダの研究室も、人々にとってより近い存在にならなければならない、と考える。「十分な設備が整っていると自信を持って言える国はありません。しかし、私たちの研究所は、優秀な人材と優れた設備の配置に取り組み、一刻も早くより国民の皆さんに近い存在となれるよう働きかけています。」と彼は語った。
センターの増築に向けて
ンサンジマナ医師によれば、研究センターの増築も計画されている。感染者が増えた場合にカニンヤ地域以外でも患者の受入れができるよう体制を整えるためだ。その背景には、ロックダウンが部分的に解除されたことを受け、感染者数が急増した場合に備えて、可能な限りの準備を政府がしていることがある、と彼は述べた。
彼は、「十分な設備なしに患者を抱えることはできません。我々は、感染者数を観察するチームをつくり、新しい施設を開設するか、別の施設を閉鎖するかの判断を行っています」と語った。
RBCのデータポータルによると、13の地区で新型コロナウイルスの確認症例が少なくとも1件以上記録されているが、他の17の地区ではまだ発症例はない。5月6日水曜日時点で発症例が最も多いのは、キレヘ地区とブゲセラ地区で、それぞれ101件と47件だった。
COVID-19の感染症例を年齢別にみると、圧倒的に多かったのは30代で、103人だった。それ以外の年齢では、60歳以上は9人、50代で16人、40代では51人だった。20代では68人で、20歳未満は14件のみであった。
政府の調査によれば、ルワンダでは集団感染の事例はない。これを受け、政府は5月4日の月曜日に6週間に及ぶロックダウンを緩和した。一方で、厳しい制限を設け、引き続き警戒を呼び掛けた。
原題:Rwanda: Govt ‘Considers’ Using HIV Labs for COVID-19 Testing
出典:The New Times (Rwanda)
日付:8 May 2020
URL:https://allafrica.com/stories/202005080029.html
【2020年5月14日 モスクワ(ロシア連邦)発】ロシアでは、1989年にHIV対策のためにロシア連邦(当時、旧ソ連)で設立された100以上の予防・管理センターが、そのネットワークを活用して、COVID-19との闘いを支援している。
各センターは、HIVサーベイランス、予防、検査、治療に特化しており、ハイテク検査機器、感染症専門家や疫学者を含む高度な資格を持つ保健スタッフ、疫学的サーベイランスや接触者追跡調査の専門知識を保持している。これらのセンターは現在、HIV検査と診断に関する技術と専門知識をCOVID-19の検査拡大のために活用している。
ロシア連邦消費者権利保護・人間福祉調査機関(Rospotrebnadzor)の中央疫学研究所 ロシア連邦エイズセンターの主任研究員であるナタリア・ラドナイア氏 Natalia Ladnaia は、「多くのAIDSセンターでは、COVID-19の診断を行うために研究室を利用しているが、HIV陽性者への質の高い医療ケアの提供は続いている」と話す。
HIVサービスの継続性を確保するために、多くのAIDSセンターはコミュニティ組織と密接に連携して、オンライン・カウンセリングの提供、HIV陽性者の自宅への抗レトロウイルス薬の配達、そしてCOVID-19の世界的流行が始まって以来増大した精神面の課題への対応などを行っている。
また、幾つかのHIV検査サービスはオンラインに移行しつつある。検疫制限により、移動式検査室は移動できないため、シベリアにおけるHIV対策のカギになる人口層(キー・ポピュレーション)を対象とする遠隔検査を実施する人道的なプロジェクトが発足した。2020年3月以降、HIVや薬物使用者をはじめとするキー・ポピュレーションの健康に関連するオンライン及び電話によるカウンセリングが強化されている。人道プロジェクトの責任者であるデニス・カマルディノフ氏 Denis Kamaldinovは、「私たちのカウンセラーは、電話、ソーシャルメディア、インスタントメッセージで相談者と交流を図っている」と話す。
ロシア連邦のタチアナ・ゴリコワ副首相 Tatiana Golikova は、COVID-19流行時、キーポピュレーションやHIV陽性者と活動する非政府団体(NGO)を支援するよう呼びかけている。COVID-19に伴い封鎖を実施した地域では、AIDS対策を含む社会サービスに従事するNGOが、職員の移動の自由と個人用保護具の提供が担保される状態で活動を継続することが推奨されている。
「AIDSセンターの重要性は、COVID-19への迅速かつ専門的な対応によって示されている。また、地域全体のAIDSセンターがこういったリーダーシップを発揮していることは確かである。AIDSセンターとそのパートナーが戦略的に関与することで、当地域におけるCOVID-19への対応はより効果的になり、AIDS対応の進展が後退するリスクは軽減されるだろう」と、国連合同エイズ計画 Joint United Nations Programme on HIV and AIDS(UNAIDS)東欧・中央アジア地域支援チームのディレクターであるアレクサンダー・ゴリウソフ氏 Alexander Goliusov は述べている。
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原題:Russian regional AIDS centres leading the fight against COVID-19
出典:UNAIDS
日付:2020年5月14日
URL: https://www.unaids.org/en/resources/presscentre/featurestories/2020/may/20200514_russian-federation-covid19
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各センターは、HIVサーベイランス、予防、検査、治療に特化しており、ハイテク検査機器、感染症専門家や疫学者を含む高度な資格を持つ保健スタッフ、疫学的サーベイランスや接触者追跡調査の専門知識を保持している。これらのセンターは現在、HIV検査と診断に関する技術と専門知識をCOVID-19の検査拡大のために活用している。
ロシア連邦消費者権利保護・人間福祉調査機関(Rospotrebnadzor)の中央疫学研究所 ロシア連邦エイズセンターの主任研究員であるナタリア・ラドナイア氏 Natalia Ladnaia は、「多くのAIDSセンターでは、COVID-19の診断を行うために研究室を利用しているが、HIV陽性者への質の高い医療ケアの提供は続いている」と話す。
HIVサービスの継続性を確保するために、多くのAIDSセンターはコミュニティ組織と密接に連携して、オンライン・カウンセリングの提供、HIV陽性者の自宅への抗レトロウイルス薬の配達、そしてCOVID-19の世界的流行が始まって以来増大した精神面の課題への対応などを行っている。
また、幾つかのHIV検査サービスはオンラインに移行しつつある。検疫制限により、移動式検査室は移動できないため、シベリアにおけるHIV対策のカギになる人口層(キー・ポピュレーション)を対象とする遠隔検査を実施する人道的なプロジェクトが発足した。2020年3月以降、HIVや薬物使用者をはじめとするキー・ポピュレーションの健康に関連するオンライン及び電話によるカウンセリングが強化されている。人道プロジェクトの責任者であるデニス・カマルディノフ氏 Denis Kamaldinovは、「私たちのカウンセラーは、電話、ソーシャルメディア、インスタントメッセージで相談者と交流を図っている」と話す。
ロシア連邦のタチアナ・ゴリコワ副首相 Tatiana Golikova は、COVID-19流行時、キーポピュレーションやHIV陽性者と活動する非政府団体(NGO)を支援するよう呼びかけている。COVID-19に伴い封鎖を実施した地域では、AIDS対策を含む社会サービスに従事するNGOが、職員の移動の自由と個人用保護具の提供が担保される状態で活動を継続することが推奨されている。
「AIDSセンターの重要性は、COVID-19への迅速かつ専門的な対応によって示されている。また、地域全体のAIDSセンターがこういったリーダーシップを発揮していることは確かである。AIDSセンターとそのパートナーが戦略的に関与することで、当地域におけるCOVID-19への対応はより効果的になり、AIDS対応の進展が後退するリスクは軽減されるだろう」と、国連合同エイズ計画 Joint United Nations Programme on HIV and AIDS(UNAIDS)東欧・中央アジア地域支援チームのディレクターであるアレクサンダー・ゴリウソフ氏 Alexander Goliusov は述べている。
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原題:Russian regional AIDS centres leading the fight against COVID-19
出典:UNAIDS
日付:2020年5月14日
URL: https://www.unaids.org/en/resources/presscentre/featurestories/2020/may/20200514_russian-federation-covid19
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