長くて短い「夏休み」も終わった。「海の日」を挟んでの5日間の連休は充実していた。特別に何事もなく「無事」に過ごせたことに、1番の感謝だった。朝、目が覚めて、3度のご飯を食べ。排便があり、立って歩け、人との会話も出来た。これ以上何を望むのか。
▼一昔のコマーシャルに、「喰う。寝る。遊ぶ」。どこかの自動車会社の宣伝文句だった。長い間の庶民生活は、「喰う。寝る」ことが1番幸せだった。戦後は、この二つが出来ない日々が続いていた。
▼空いた時間の「遊ぶ」は贅沢だ。と、いう時代もあったが、いつの間にか「贅沢(ぜいたく)」のコトバは影をひそめ、「これでもか、これでもか」のあとに、「もっと、もっと」が蔓延している。そして、「まだ、足りない。まだ、足りない」が、口癖になっている。
▼1909年刊の「青い鳥」。メーテルリンクの童話劇。チルチルとミチルの兄弟が幸福を象徴する鳥を探して、さまざまな国を夢の中で遍歴するが、見つからず。「目が覚めて」幸せの鳥は身近にいることを知る物語だった。
▼日本を代表する「東芝」の、不適当な会計処理問題で、歴代経営トップが辞任したニュースがテレビ画面でみる。「これでもか。もっと。まだ足りない」。が、「誤魔化してもやれ」というトップダウンが表面化した、愚かな人間の末期であろう。
▼1920(大正9)年に、「芝浦製作所」」の初代会長三井守之助の後を引き継いだ「岩原謙三」は、2代社長に就任した。昭和5年の辞任まで、「東芝」の前身であったこの会社の経営に当たり、世界的企業になる基礎を築いた。「謙三」は大聖寺藩士の長男として、大聖寺「穴虫」に生まれた。
▼「岩原謙三」生誕150年を顕彰して、菩提寺でもある「蓮光寺」境内に、「歴町センター大聖寺」が「お御堂」を建立したばかりだったのに。「草葉の陰で嘆く」、謙三の声が聞こえて来そうだ。
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