いつも極めて壮健な人が病になることを、「鬼の霍乱(おにのかくらん)」という。これまではそんな強くて優しい鬼で来たが、最近、何かとあちらこちらに「ゆがみ」が来ている。時々からだの具合が悪くなり、流行風邪にも弱くなった。こんな症状を「鬼の弱体」と造語しておきたい。
▼高齢者のインフルエンザは「命取り」になるから、注意することをテレビで報じていた。知ってはいたがやられてしまった。知ったかぶりの「鬼の空念仏(おにのからねんぶつ)」というのだろう。また、「蛙の面に小便」ともいう。あなたのことを思って何回もお伝えしたが、「分かっている」だけで、そのための養生をしなかった。自戒を込めて今度からは気をつけよう。
▼子どもの頃の「鬼ごっこ」は、楽しかった。機敏な動作の中で、からだも小柄なためにどんなもの後ろに隠れることができた。「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」の遊びは、老体には無理だ。鬼さんに捕まったら命取りになってしまう。
▼「あの世」にも、入口に「怖い鬼」がいるという。「エンマサマ」ともいうらしいが、「地獄の沙汰も金次第」というから、袖の下が通るみたい。最近は、「エンマサマ」への袖下金に用意していたものが、この世のニセ電話一本で騙され、高額なお金が取られている。気の毒な事件が後を絶たない。
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