▼「この木、なんの木、気になる木・・・見たこともない木ですから・・・」は、「日立」のコマーシャルソング。私でも覚えたのだから、宣伝効果はVサインだ。
▼「五箇山」への研修バスは、「徳光SA」でのトイレ休憩。秋晴れの駐車場には、週末だから多くの県外ナンバー車で混雑していた。そんな中の大型トラックのボディーに「気になる木」があった。
▼「檪木運送株式会社」。誰かが、「あの木はなんてよむ?」と叫んだ。老々仲間も「さぁー?」と、言うばかり・・・。意を察して、「福井のやる木」と「小松のやる木」が、スタートしかけたトラックの運転手に聞いた。「いちのき(檪木)」だという。読み方を待っていたメンバーに伝えたが、「そんな木」知らないという顔だった。
▼加賀市が視察研修用に、一日貸し切りの市管・バスと運転手に、観光交流課の職員も同行で支援してくれた。22人乗りのマイクロバスは、ほぼ定員だった。「町おこし」には、『1若者 2よそ者 3馬鹿者』がいなけりゃ、起爆剤にならないと言われてきた。バスの最後部には、福井・愛知・小松の「よそ者」3人が陣取った。
▼「檪(くぬぎ)」と読ますことを知ったのは、バスを降りてから3時間後のことだった。「広辞苑」から、「椚・橡・櫪」も「くぬぎ」。ブナ科の落葉高木で、「檪炭(くぬぎずみ)」の原木としても有名であることを知った。
▼五箇山の「相倉合掌造り集落」には、西日に映えた山々が色づき始めていた。遠くに見える山肌に、植林した常緑樹の杉が帯状に、尾根から麓まで左右に紅葉樹林を分けていた。そんな紅葉仲間に、炭の材料にもなる「檪(くぬぎ)」も自生していたはずである。
▼加賀市の植物分布も、「ふるさと検定」試験に出るというから、自習していた。江沼三山の、「大日山、富士写ケ岳、鞍掛山」の高山植物は、「椈・橅(ぶな)クラス域」だという。漢字表記では読めない樹木名「﨓・椨(たぶ)」や「スダジイ(すだ椎)」が列記されている。学習帳IIにも、樹木名は全てカタカナで表記されている。
▼松・杉・椿・桜・栗・柿などの漢字表記は、公園や庭木、果樹で見慣れているから読み書きできる。しかし、山に自生している樹木の漢字名、「小楢(こなら)・肉桂(にっけい)・水楢(みずなら)・胡桃(くるみ)」など、読み慣れない漢字が多い。
▼このコーナーも、気長に「檪(きらく)」にいきたいものだ。
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