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【2021年3月8 日 ジュネーブ(スイス)発】国際保健におけるジェンダー平等の進捗について独立した立場から評価するイニシアティブである「グローバルヘルス50/50」(Global Health 50/50)が3月8日に刊行した「2021年グローバルヘルス50/50報告書」において、途上国の三大感染症対策に資金を拠出する国際機関、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)が、栄誉ある「12の最も高得点を得た組織」に入った。
このレポートは、「ジェンダーの平等:危機の時代にあてずっぽうに進むGender equality: Flying Blind in A Time of Crisis」というタイトルで出版され、201のグローバルヘルスに関する団体を対象に、団体の内部や、その団体が展開する保健のプログラムにおいて、いかにジェンダー平等を実現しているかを評価したものである。2021年版では、45の高得点を得た組織の中から、12の「最高評価組織」、そして33の「高評価組織」を決定した。

「グローバルヘルス50/50」の共同事務局長である、ケント・ビュース氏Kent Buseとサラ・ホークス氏Sarah Hawkesは、グローバルファンドの今年度の業績について、「計画的かつ透明性の高いアクションによって、グローバルファンドは変化をおこすために自身の組織や周囲にもプレッシャーを与えつつ、世界のすべての人にとっての健康、人間の尊厳、そして社会的正義、ジェンダー平等を達成しうるに十分な希望を与えてくれた」と称えた。

グローバルファンドの2017〜2022年の戦略は、人権とジェンダー平等の促進および保護に貢献した。ヘルスケアへのアクセスを阻む、ジェンダーや人権の壁をなくす取り組みを加速させることは、様々な感染症の減少や保健医療提供の改善のためにきわめて重要である。

「このレポートでの我々に対する評価は、我々の仕事にとって必須のジェンダー平等のみならず、組織内におけるジェンダー平等への取り組みを同時に反映したものだといえる」グローバルファンドのマライケ・ヴェインロクス事務局長代行Dr. Marijke Wijnroksはこう述べ、「我々は多様性と平等を認め合うインクルージョンの促進に貢献する組織である。採用過程やスタッフへの利益の還元を含め、我々は特定の規準を定め、多様性や平等の促進、インクルージョンの促進に貢献する行動規範を強化してきた。我々の貢献は広範囲に及び、透明性があり、研修を備えたバックアップ体制などがある」

このレポートの全体的な評価は低く、COVID-19への対応によって露見したように、グローバルヘルスにおけるジェンダー平等の進展を加速するためにはさらなる努力が必要であると指摘した。また、レポートはグローバルヘルスに関するプログラムが、このパンデミックに対して「ジェンダーを無視した対応」であった、と報告している。国際女性デーの日に出版されたこのレポートは、組織内におけるジェンダー不平等を阻止するための明確かつ堅固な評価規準がないことに対しても落胆の意を示した。

一方、レポートでは希望も示している。4年前の初回のレポートから進展があることだ。より多くの組織がジェンダー平等に対して貢献し、多様性のある、インクルーシブかつ平等な職場環境を形成するという方針により透明性を高めるようになってきている。

原題:Global Fund Gets Top Marks in New Report on Gender Equality in Global Health
出典:Global Fund
日付:2021年3月8日
URL:
https://www.theglobalfund.org/en/news/2021-03-08-global-fund-gets-top-marks-in-new-report-on-gender-equality-in-global-health/

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発行者:AJF

アフリカ日本協議会

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