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【2016年11月17日マニプール(インド・マニプール州)発】インド東部のマニプール州に住む女性、ボイヌBoinu は結婚後、夫が家に女性を連れ込んだことが原因で、友人たちにヘロイン heroin の注射を勧められた時に使用した。現在29才の彼女は、薬物使用者のHIV予防を目的とした現地のNGO、ニルヴァーナ財団Nirvana Foundationのプロジェクトに登録された女性薬物使用者、236人のうちの1人である。6年間、セックス・ワーカーとして得た収入を薬物購入に充てる習慣から逃れられず、路上生活を送っていた。マニプール Manipur 州には、彼女のような薬物使用者が何百人といる。

マニプール Manipur における人々の暮らしは他州よりも厳しく、暴力、貧困、失業や民族間の緊張状態は、生活者を薬物使用へ押しやっている。加えて、いわゆる「黄金の三角地帯」 Golden Triangle に隣接し、薬物が簡単に安価で手に入る環境にある。2012年の研究によれば、マニプールの女性は、男性に比べて支援を求めたりケアを受けたりできる可能性が低い。さらに、セックス・ワークを通して薬物使用を悪化させる傾向が高い。

ヘロインとHIV感染に対して、州は厳しい闘いを続けている。マニプール州エイズ抑制協会パートナーNGOフォーラム(Manipur State Aids Control Society Partner NGOs Forum のヴィクラム・シン・ネプラム会長 Vikram Singh Nepram は、HIV陽性者かつ薬物使用者のケアを行うためプロジェクトを運営し、その結果、薬が手に入るようになった。しかし、今も多くの女性薬物使用者がおり、HIVは課題のごく一部である。

ニルヴァーナ財団 Nirvana Foundation のソーバナ・ソロクハバム事務局長 Sobhana Sorokhaibam は、2010年に女性対象の活動を始めてから、女性のニーズが男性といかに異なるかを理解した。「女性は、家族と社会の両方に追いやられる。環境が原因で薬物を使用するにもかかわらず、差別のレベルは想像を絶する」。財団代表が、マニプール州で実施されているプロジェクトは、どれも女性薬物使用者の社会的・経済的脆弱性に対応できていないと指摘しているにもかかわらず、2013年12月時点で、女性薬物使用者は、国家エイズ抑制プログラム National Aids Control Programme の第4フェーズでようやく加えられたにすぎない。

さらに、2015年8月時点で、公衆衛生センターと地域保健センターが不足している。ヘロインもその一種であるオピオイド opioid 系薬物の問題に取り組む「オピオイド代替療法センター」23施設のうち10施設が、公共医療センターやコミュニティ医療センターの指定を外された。また、女性薬物使用者対象のプロジェクトを実施する4つのNGOは、どれも公的な治療センターに認定されていない。

治療の効果が少なくなるほど、薬物を簡単に手に入れることができるようになってしまう。薬物使用者の年齢が低下している中、選択肢が少なくなれば、路上で生活する女性は一層の困難を抱えることになる。

原題:Great highs and astounding lows: The drug problem among Manipuri women
出典:Scroll
日付:2016年11月17日
URL: https://scroll.in/article/821617/great-highs-and-astounding-lows-the-drug-problem-among-manipuri-women

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