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現在、ナイジェリア政府のHIV/AIDS対策が批判にさらされている。

ナイジェリアのHIV陽性者たちは、一部の官僚が恣意的なHIV/AIDS対策しか行っておらず、根本的な解決に取り組もうとしていないと不満の声をあげている。

HIV/AIDSを含む三大感染症への対策資金を供与する「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」(世界基金)は、ナイジェリアに供与する予定だった1億700万USドルの資金援助停止を検討した。2005年12月に開催された世界基金第12回理事会では、援助停止は否決されたものの、事務局は、同国が抜本的な改善に乗り出さなければ今後も援助の中止を勧告することを示唆している。

世界基金は、援助停止の理由として、ナイジェリア政府がHIV/AIDS対策の目標を一向に達成しないこと、発表しているデータの信憑性の薄いことに加え、拠出された資金の使途が不明瞭になっていることを挙げている。同国はコンピューターでHIV/AIDS対策費の資金使途を把握するよう要請されていたが、そのシステムを導入していない。資金の一部が、役所の備品や官僚らの海外出張費に使われたこともあるという。

同国は豊富な石油資源や対外援助で膨大な外貨収入を得ている。昨年、国際石油資本からナイジェリア政府に支払われた資金は、シェル Shell 一社だけで62億USドルにのぼる。
ところが、1日2ドル以下で生活をしている国民が全体の91%を占めており、貧富の差が深刻だ。原油収入のほとんどを政府高官や政治家らが独占しているためだ。経済的な理由で治療を打ち切らざるを得ないHIV陽性者も少なくない。

ナイジェリアは、米国大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)や上記の世界基金からエイズ対策に向けて豊富な資金を得ているが、現在、治療を受けている人はARVを必要している人のうち10%、わずか5万人である。

政府は、2006年末までに治療を受けられる人を25万人に増やすと宣言した。しかし、ナイジェリアのHIV陽性者のアドボカシー団体である「ナイジェリア治療アクション運動」 Treatment Action Movement のルーシー・ウセン Lucy Usen 氏は「たとえ連邦政府が対策に乗り出しても、州政府においても官僚主義がはびこっているため、地方で治療へのアクセスを拡大するのは極めて困難だろう」と悲観的だ。

原題:Nigeria faces AIDS treatment crisis Despite oil wealth, corruption forcing aid agencies to re-evaluate funding
日付:December 16, 2005
出典:Globe and Mail
URL:
http://www.theglobeandmail.com/servlet/Page/document/v4/sub/MarketingPage?user_URL=http://www.theglobeandmail.com%2Fservlet%2Fstory%2FRTGAM.20051216.wxnigeria16%2FBNStory%2FInternational%2F%3Fpage%3Drss%26id%3DRTGAM.20051216.wxnigeria16&ord=1135655466259&brand=theglobeandmail&force_login=true
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