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ブラジル保健大臣ウンベルト・コーサ Humberto Cosa は、5月末にスイス・ジュネーブで行われたWHOの年次総会において、「HIV陽性者が、ブランド薬製造企業によって決定された高価な価格によって、抗レトロウイルス(ARV)薬を確保することが困難になっているのならば、ブラジルはブランド薬の価格を保護している特許権を破って、独自にジェネリック薬を生産することができる」と発言をした。現行のブラジルの法律およびWTOの規則下では、同国は緊急事態の発生もしくは国家の利益の観点から、特許権者の許可なしにジェネリック薬を製造できる。
1990年代に推定100万人以上の国民がHIVに感染した同国では、1997年に無料の多剤併用療法の実施を導入した結果、累計感染者数を60万人に抑えることに成功している。しかし、特許権により、新しく開発された治療薬の価格が高騰しており、ブラジル政府は、これらの治療薬を購入するために、2005年には前年に比べて50%も国家予算を増加させなければならなかった。さらに3億2,200万ドルの上乗せ実現はきわめて難しい。
同国は今年3月から、比較的新しいタイプの抗レトロウイルス薬であるエファビレンツ Efavirenz、ロピナビル Lopinavir、リトナビル Ritnavirおよびテノフォビル tenofovir の製造元に対して、特許料を支払って国内生産を行うことを目指して交渉を進めている。これらの企業は、現在同国が輸入しているARV薬の3分の2を生産している。同国保健省は技術移転の許可を協議中だが、合意に達しないならば強制実施権の発動も検討している。

原題:Brazil could break patents for antiretroviral medication
日付:June 20,2005
出典:Proyecto Agenda LGTB Informative bulletin Issue # 75

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