ユーロ圏に残っていいとギリシャが言われたら?
私、思うのですが、ギリシャ問題に関しては、多くの勘違いが存在していると思うのです。
先ず、ギリシャがデフォルトを起すかもしれないと言われている訳ですが...ギリシャは今から4年ほど前にデフォルトを起したと同じなのです。
何故かと言えば、2010年5月以降、ギリシャはEUやIMF或いはECBの支援を受けているからですが、通常、IMFはラストリゾートと呼ばれていて、破綻の恐れがある場合か、破綻した後に最後の貸し手として登場する機関であるからです。
簡単に言えば、IMFに頼らなければいけないということは、既に一度破綻したか、破綻の恐れが極めて高いということなのです。
本日が、借金返済の期限だと言われていますが、誰に対する借金かと言えば、そのラストリゾートのIMFに対しての借金なのです。
とすれば、今度は二度目の破綻、或いはデフォルトと呼ぶのが相応しいでしょう。
ギリシャ政府の対応はお粗末としか言いようがありません。
だって、その最後の拠り所のIMFなどのお蔭で最悪の事態を免れてきたのに、そのラストリゾートの言うことを聞かなかったら、どのような結末になるかくらい簡単に予想できたはずだからです。
つまり、ギリシャは大変に認識が甘い、と。
でも、どうしてそんなにギリシャの認識が甘いかと言えば...その責任の一端はEUやIMFなどにもあるのです。というのも、ギリシャの財政問題を早急に解決したいと思うあまり、ギリシャに事の重大さを十分に認識させないままに救済の手を差し伸べてしまったからなのです。
ギリシャは、自分たちを破綻させると、EUも困るのだなと、あの時、実感したのではないでしょうか。そして、ユーロ圏から去られて困るのもEUなのだ、と。
ということで、こんな混迷した状態が長く続くことになってしまったのです。
いずれにしても、本日が返済のタイムリミットであるので、明日になれば、ギリシャはデフォルトに陥ったと正式に認定されることでしょうが...その後のことが少しばかり気にかかるのです。
つまり、ギリシャは、ユーロ圏にこのまま留まるのか、と。
ギリシャの国民の多くがユーロ圏に留まることを強く希望しています。ドラクマを使うのは二度と嫌だ、と。このままユーロを使い続けたい、と。
では、仮に他のユーロ圏諸国が、ギリシャに対し、そこまでギリシャが望むのであれば、このままユーロ圏に留まることには反対しないと言ったとしたら、どうなるのでしょう?
ギリシャの国民は、多分、大喜びするでしょう。
では、それでギリシャの国民の生活は保証されるのか?
答えはノー。
というのも、ギリシャが幾らユーロを使い続けることができるとしても、自分たちが勝手にユーロを発行することはできないので、ギリシャ政府は資金繰りを付けることができず、そして、ギリシャの民間銀行も、金庫にはキャッシュが残っていないので、営業を再開することができないからです。
そうなると、他の誰かが支援の手を差し伸べてくれない限り、幾らユーロ圏に残ることができても、ギリシャ政府にはなす術がないのです。
正確に言えば、ギリシャ政府には税金が入ってくるには入ってくるでしょうが、入ってくるよりも出て行く方が多いので、政府は、公務員を雇って置くことができず、国の機能は完全にストップしてしまうでしょう。
もちろん、年金の支払いもストップです。
そんな状態になってもユーロ圏に留まることに何の意味があるのでしょうか?
もちろん、どこかの国が再びギリシャを助けてもいいと言うのであれば、別ですが...
このような事実をどれだけのギリシャ国民が認識しているのか、私は大いに疑問だと思うのです。
まだ、多くのギリシャ国民が現政権を支持し、そして、ユーロ圏に残留することを希望する一方で、緊縮財政は受け入れられないと言い続けているのですから、混迷は深まるばかりでしょう。
ギリシャの国民は、また、誰かが助けてくれると思っているのだろうか、と疑問に思う方、クリックをお願い致します。
↓↓↓
人気blogランキングへ
先ず、ギリシャがデフォルトを起すかもしれないと言われている訳ですが...ギリシャは今から4年ほど前にデフォルトを起したと同じなのです。
何故かと言えば、2010年5月以降、ギリシャはEUやIMF或いはECBの支援を受けているからですが、通常、IMFはラストリゾートと呼ばれていて、破綻の恐れがある場合か、破綻した後に最後の貸し手として登場する機関であるからです。
簡単に言えば、IMFに頼らなければいけないということは、既に一度破綻したか、破綻の恐れが極めて高いということなのです。
本日が、借金返済の期限だと言われていますが、誰に対する借金かと言えば、そのラストリゾートのIMFに対しての借金なのです。
とすれば、今度は二度目の破綻、或いはデフォルトと呼ぶのが相応しいでしょう。
ギリシャ政府の対応はお粗末としか言いようがありません。
だって、その最後の拠り所のIMFなどのお蔭で最悪の事態を免れてきたのに、そのラストリゾートの言うことを聞かなかったら、どのような結末になるかくらい簡単に予想できたはずだからです。
つまり、ギリシャは大変に認識が甘い、と。
でも、どうしてそんなにギリシャの認識が甘いかと言えば...その責任の一端はEUやIMFなどにもあるのです。というのも、ギリシャの財政問題を早急に解決したいと思うあまり、ギリシャに事の重大さを十分に認識させないままに救済の手を差し伸べてしまったからなのです。
ギリシャは、自分たちを破綻させると、EUも困るのだなと、あの時、実感したのではないでしょうか。そして、ユーロ圏から去られて困るのもEUなのだ、と。
ということで、こんな混迷した状態が長く続くことになってしまったのです。
いずれにしても、本日が返済のタイムリミットであるので、明日になれば、ギリシャはデフォルトに陥ったと正式に認定されることでしょうが...その後のことが少しばかり気にかかるのです。
つまり、ギリシャは、ユーロ圏にこのまま留まるのか、と。
ギリシャの国民の多くがユーロ圏に留まることを強く希望しています。ドラクマを使うのは二度と嫌だ、と。このままユーロを使い続けたい、と。
では、仮に他のユーロ圏諸国が、ギリシャに対し、そこまでギリシャが望むのであれば、このままユーロ圏に留まることには反対しないと言ったとしたら、どうなるのでしょう?
ギリシャの国民は、多分、大喜びするでしょう。
では、それでギリシャの国民の生活は保証されるのか?
答えはノー。
というのも、ギリシャが幾らユーロを使い続けることができるとしても、自分たちが勝手にユーロを発行することはできないので、ギリシャ政府は資金繰りを付けることができず、そして、ギリシャの民間銀行も、金庫にはキャッシュが残っていないので、営業を再開することができないからです。
そうなると、他の誰かが支援の手を差し伸べてくれない限り、幾らユーロ圏に残ることができても、ギリシャ政府にはなす術がないのです。
正確に言えば、ギリシャ政府には税金が入ってくるには入ってくるでしょうが、入ってくるよりも出て行く方が多いので、政府は、公務員を雇って置くことができず、国の機能は完全にストップしてしまうでしょう。
もちろん、年金の支払いもストップです。
そんな状態になってもユーロ圏に留まることに何の意味があるのでしょうか?
もちろん、どこかの国が再びギリシャを助けてもいいと言うのであれば、別ですが...
このような事実をどれだけのギリシャ国民が認識しているのか、私は大いに疑問だと思うのです。
まだ、多くのギリシャ国民が現政権を支持し、そして、ユーロ圏に残留することを希望する一方で、緊縮財政は受け入れられないと言い続けているのですから、混迷は深まるばかりでしょう。
ギリシャの国民は、また、誰かが助けてくれると思っているのだろうか、と疑問に思う方、クリックをお願い致します。
↓↓↓
人気blogランキングへ