グリーンスパン前FRB議長が、住宅バブルが起きることを事前に予想
できなかったのかと議会で厳しく追及されました。
あのマエストロと呼ばれた議長ですが、どう答えたのでしょうか。
じっくり見てみましょう。
英語の嫌いな人は、日本語だけ読んで下さい。
ALAN GREENSPAN: We are in the midst
of a once-in-a-century credit tsunami.
Central banks and governments are being
required to take unprecedented measures.
「我々は、1世紀に1度の金融津波の真っ只中にある。各国の中央銀行
と政府は、未曽有の措置を取ることが迫られている」
REP. HENRY WAXMAN (D), California:
And my question for you is simple:
Were you wrong?
「私の貴方に対する質問は単純なことだ。貴方は間違っていたのか?」
ALAN GREENSPAN: Partially.
「一部は」
REP. HENRY WAXMAN: The question
I have for you is, you had an ideology, you
had a belief that free, competitive
-- and this is your statement -- "I do have
an ideology. My judgment is that free, competitive
markets are by far the unrivaled way to organize
economies. We've tried regulation. None
meaningfully worked." That was your quote.
「質問というのは..、貴方はある信念をお持ちであった。自由で、競争
的な..、貴方は次のように言っている。『私は、ある信念を持っている。
私の判断は、自由で競争的な市場は、経済を組織化するのに、これに
まさる方法はない。我々は規制を試みたことがある。 しかし、巧く行っ
たものはない』、以上引用終わり」
You had the authority to prevent irresponsible
lending practices that led to the subprime
mortgage crisis.
You were advised to do so by many others.
And now our whole economy is paying its price.
Do you feel that your ideology pushed you to
make decisions that you wish you had not made ?
「貴方は、サブプライムローン問題につながっていった無責任な融資を
防ぐ権限を有していた。貴方は、多くの人から、そうすべきだとアドバイ
スを受けていた。そして今、経済全体がそのつけを払っている。貴方
は、貴方の信念がそうした決定を下させたと思うのか? そして、今と
なってはそうでなければよかったと願うのか?」
ALAN GREENSPAN: Well, remember t
hat what an ideology is, is a conceptual framework
with the way people deal with reality.
Everyone has one. You have to -- to exist,
you need an ideology. The question is whether
it is accurate or not.
And what I'm saying to you is, yes, I found
a flaw. I don't know how significant or permanent
it is, but I've been very distressed by that fact.
「信念というのは、観念的なものであって、それを用いて人々は現実に
対処しているということを思い出して欲しい。誰でも信念を持っているも
のである。皆、生存しなければならないので、信念が必要なのだ。問題
は、それが正しいかどうかだ。私が、今言おうとしているのは、私は欠
陥を見つけたということだ。それが、如何に重要で永遠のものかは分か
らないが、私は、その事実によって非常に苦しめられている」
REP. HENRY WAXMAN: You found
a flaw in the reality...
「現実における欠陥を見つけたと」
ALAN GREENSPAN: Flaw in the model that
I perceived is the critical functioning structure
that defines how the world works, so to speak.
「私が感じたモデルの欠陥とは、言わば、世界がどのように機能するか
を規定する、重大な機能構造のことだ」
REP. HENRY WAXMAN: In other words,
you found that your view of the world, your
ideology, was not right, it was not working?
「要するに、貴方は、貴方の世界観、信念が正しくないことが分かった
訳だ。それは機能していなかったのか?」
ALAN GREENSPAN: That is -- precisely.
No, that's precisely the reason I was shocked,
because I had been going for 40 years or more
with very considerable evidence that it was
working exceptionally well.
「そのとおりだ。それがまさしく、私がショックを受けた理由なのだ。何故
かといえば40年以上もそれでやってきたし、それが、間違いなく巧く機
能しているという相当の証拠もあったからだ」
REP. DENNIS KUCINICH (D), Ohio:
 Now, Mr. Greenspan, before the collapse
of the housing bubble, didn't you also say t
hat the U.S. has not experienced housing
slumps to justify your policy that there would
be no bubble?
And can you tell this committee when it occurred
to you that there was a housing bubble?
「グリーンスパンさん、住宅バブルがはじける前に、貴方は、米国は住
宅不況を経験したことがないと言って、バブルは起こらないであろうとい
う貴方の考えを正当化したのではないか。貴方にとって住宅バブルが
起こったのはいつのことなのか?」」
ALAN GREENSPAN: I knew -- the housing
bubble became clear to me sometime in early
2006, in retrospect. I did not forecast a significant
decline because we had never had a significant
decline in prices.
And it's only as the process began to emerge
that it became clear that we were about to have
what essentially was a global decline in home
prices.
「住宅バブルは、2006年の始めの頃からはっきりとしてきた、今振り返
ればだが。価格が相当に下落することは予想しなかった。それは、かつ
てそれほどの下落を経験したことがなかったからだ」
REP. HENRY WAXMAN: Well, I want
smart regulation. But I want to point out that
what I'm hearing from our witnesses today
is that they just didn't know.
They couldn't make projections about what
the future was or they're not always right.
The truth of the matter is that there were
a lot of warning signs. The reasons why we
set up your agencies and gave you budget authority
to hire people is so that you can see problems
developing before they become a financial crisis.
To tell us afterwards, when we are now faced
with the disaster that we're seeing, that you couldn't
have foreseen it just doesn't satisfy me.
「まあ、私は、賢い規制を望む。しかし、私が本日証人たちからお聞きし
たことは、彼らは分からなかったということだ。そのことを指摘しておき
たい。
彼らは、将来がどうなるのか見通しが立てられなかったのだ、つまり
彼らは常に正しいという訳ではないのだ。
実際には、多くの兆候が現れていた。我々が、貴方がたの組織を設
立し、そして予算をつけ職員を雇う権限を与えているのは、金融危機に
なる前に、貴方がたが問題を見つけることができるようにするためなの
だ。
後から言われても..、今や惨事に直面しているのだから..、そして、
それが予想できなかったので、私としては不満足なのだ」
ALAN GREENSPAN: So it strikes me that,
if you go back and ask yourself how in the
early years anybody could realistically make
a judgment as to what was ultimately going
to happen to subprime, I think you're asking
more than anybody is capable of judging.
「もし、貴方が過去に戻り、サブプライムについて最終的に何が起こる
かということについて、相当早い段階で現実に予想できたものがいたか
どうかを貴方自身に尋ねたとしたら、人が判断できる能力以上のものを
貴方は求めていることになる」
And we have this extraordinarily complex
global economy, which as everybody now
realizes is very difficult to forecast in any
considerable detail.
「そして、我々はこの異常なほど複雑な世界経済に直面しており、皆が
知っているとおり世界経済のことを細かく予想することは大変に困難な
ことなのである」
And, Mr. Chairman, I know -- I agree with
you in the fact that there were a lot of people
who raised issues about problems emerging,
but there are always a lot of people raising issues,
and half the time they're wrong. And the question
is, what do you do?
「議長、私は、問題が発生していることを警告した人々が大勢いたとい
う事実については貴方に同意する。しかし、いつも問題を提起する人は
いるものだが、そのうち半分については彼らは間違っている。結局、問
題は、どうするかということだ」
I mean, you point out quite correctly that
the Federal Reserve had as good an economic
organization as exists, and I would say, in the
world. If all those extraordinarily capable people
were unable to foresee the development of this
critical problem, which undoubtedly was the
cause of the world problem with respect to
mortgage-backed securities, I have to -- I think
we have to ask ourselves, why is that?
「貴方は、連銀が、経済機関としてこの世に存在していることを適切に
指摘した。もし、それらの類まれな優秀な人々がこの重大な問題を予想
できなかったとしたら..、そして、この重大な問題が、住宅担保証券に
関する世界の問題の疑いもない原因である訳であるが..、我々は、
我々自身に問う必要がある。何故そうなのかと」
And the answer is that we're not smart
enough as people. We just cannot see events
that far in advance. And unless we can, it's
very difficult to look back and say, why didn't
we catch something?
「答えは、我々は人として、十分に賢くないということだ。我々は、はる
か以前から世の中がどうなるかを見通すことはできないということだ。も
し、それができない以上、過去を振り返り、どうして私たちは何か分から
なかったのか、とは言えないのである」
結局、グリーンスパン議長は、自分は賢くなかったと認めたということ
です。
でも、こうした問題が発生すると警告した人々が、内部にも存在してい
て、それをグリーンスパン氏は無視したとも言われています。
それは何故?
その答えは、彼が市場の機能を信じていたからです。
余計なことをしなくても、市場が巧いこと機能するからと。
でも、それ以外にも理由がありそうです。
それは、本来適切に規制すべきだったデリバティブの取引が、打ち出
の小槌に見えたので、それを止めさせることができなかったのです。
そういう意味では、自分自身で認めたように、グリーンスパン氏も十
分に賢いという訳ではなかったのです。
グリーンスパン氏に全ての責任があるわけではないが、しかし彼の弁
解は納得できないと思った方、クリックをお願いします。だって、それを
認めると、バブルが起きたのはしようがない、ということになってしまう
訳ですから。
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