リカードの「経済学および課税の原理」の改訳版の配布を始めてから2週間ほどが経つのですが、今までに57名の方にお配りいたしました。
実にいろんな方がいらっしゃるようで..サラリーマン、高齢者、大学院生、英語教員、翻訳業の方、東南アジア在住の方、電力会社の方、国富論を原書で読破された方、社員の教育用に欲しいと仰る方、コンサルタント、経済学部の学生。
[画像:David Recardo] えっ、貴方はまだ注文されていない!? どうして? 難しそうだから..? でも、ゆっくり時間をかけてもいいのです。3か月かけても、半年かけても、或いはそれ以上でも..きっと真に経済学というものが分かるでしょう。
菅さんなども、基礎ができていなかったから..結局、人気取りに走ったとも言えるのです。林議員と乗数議論なんかしましたよね。でも、自信がなさそうでした。
ということで、経済学の筋力をつけたいと思う方に、リカードをお奨めします。
えっ、リカードよりケインズを読みたいというのですか?
しかし、リカードは、証券ブローカーをやっていて、若くして財をなすことができた人です。それに対して、ケインズは投資に失敗をしたのです。ケインズは、リカードを読んでからに致しましょう。
リカードの学説に関することで、割と多くの人が知っていることを挙げておきましょう。
<比較優位の原理>
リカードは「比較優位の原理」で、自由貿易のメリットを証明するのに成功した人。このことは、高校の政治経済学の教科書にも登場するので、これだけは押さえておきたいところです。
<差額地代論>
次にリカードの学説として有名なのは、差額地代論です。つまり、地代が発生する原因は何かを明らかにしたリカードのユニークな議論です。比較優位の原理については、仮にそれを知らなくても、「経済学および課税の原理」を読破するのにそれほど支障はありませんが、「差額地代論」を理解することなくして「経済学および課税の原理」を理解することはできません。
非常に論理的で面白い議論ですが、ただ、実際にはどうかと言われると多くの疑問が浮かびます。
<穀物法>
リカードは、英国が穀物の輸入を自由化すべしと主張したことでも有名です。そして、その件でマルサスとも論争をしているのです。では、何故、リカードは、穀物の輸入自由化を主張したのか? それには、マルサスの「人口論」が大きな影響を与えているのです。しかし、結論として、マルサスが穀物の輸入自由化に反対したのは皮肉なことと言えるでしょう。
<賃金と利潤の関係>
以上の3つは、一般の方でも、割とリカードに興味を持っていれば知っていることかもしれませんが、賃金と利潤の関係に関する考えはリカードのユニークな学説と言えるでしょう。
皆さんは、賃金が下がると、モノの価格は下がると思いますか? 多くの方は、当然そうなると思うでしょう。逆に賃金が上げれば、モノの価格は上がり、インフレになる、と。しかし、リカードは、そういう風には考えないのです。
非常に変わった考え方をするリカード。最初は戸惑うかもしれません。しかし、リカードの考えを知ると、なるほど..と。本当に興味が尽きないのです。
リカードの考えを極々簡単に紹介すれば、以上のようなことになるのですが、やっぱり本当は原書を読んでもらうのが一番です。
でも、原書を読んでリカードの言うことを理解できる人は少ないと言っていいでしょう。というか、幾人かの手による翻訳を経ても、なお幾つもの誤訳が放置されているのです。
また、それが、私が敢て改訳を試みた理由でもあるのです。
皆様も、是非、リカードの本をお読みになることをお薦め致します。
でも、手っ取り早く経済の知識を身に着けようとする人には余りお薦めできないのもそのとおりです。時間をかけて、経済学の筋力を付けようと考えているような人にお薦めと言えるでしょう。
改訳版「経済学および課税の原理」の注文先は次のとおりです。
↓↓↓
発行者メールアドレス:seiji@cj9.so-net.ne.jp
もちろん、無料です。