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経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2009年09月

「長妻を潰せ! 厚生役人 3つの罠」

おどろおどろしい文字が並んでいます。これ、週刊ポストの新聞
広告です。

厚生労働省の官僚は最後まで、長妻大臣を受け入れないつも
りなのでしょうか。

でも、それって、国家公務員法違反です。国家公務員は、入省
式の時に、「法令を遵守し、上司の命令に従い」と宣誓したわけ
ですから。

本当に言うことを聞かないというのであれば、幹部職員には早
く辞めてもらったらどうでしょうか。それに、厚労省担当の副大臣
の数を増やすとか、いっそのこと、また、厚生省と労働省に分割
したらどうでしょうか。

だいたい、思い返せば、橋本総理の行政改革が間違っていた
のです。

意味もなく、省庁を統合してしまい..

厚生省と労働省がひっついて、厚生労働省になり、そして、建
設省と国土庁と運輸省がひっついて国土交通省になり..、それ
で、何か良いことがあったというのでしょうか。

特殊法人の独法化も、形だけ法人化しても、相変わらず国の予
算によって運営されており、しかも、法人化したことによって、役
員ポストが増え、天下り先を増やしただけなのです。

形だけは、英国の真似をしたようなのですが、実質的には、役
人の思う通りにされてしまったのです。

日本のマスコミは、そんなことにどうして気が付かないのでしょ
うか。


ところで、私、消費者物価指数のデータをみるために総務省の
サイトにアクセスしたのですが、どうもいつもと雰囲気が違いま
す。デザインが変わっているのですよ。それにいつもテレビでみ
る原口大臣の写真がちゃんと掲載されているではありませんか。
本当にこの人、人前に出ることが大好きなんだから..。でも、そう
してホームページのデザインが変わるということは、きっと大臣が
指示をしたのだ、と察知しました。そして官僚の側も大臣に気を
使っている、と。

では、厚生労働省のサイトはどうなのか?

な、な、なんと、長妻大臣が、舛添大臣に頭を下げている写真
が掲載されています。

なんじゃ、こりゃ。

これは、まだまだ厚生労働省の官僚が、長妻大臣を受け入れ
ようとしていないことの表れでしょう。長妻大臣の心労が心配され
ます。


では、その他の省庁のサイトも訪れてみましょう。

財務省:トップページには写真なし。殆ど変化なし。藤井さん
は、先輩でもあり、かつて大臣を務めたこともあります
から、それほど抵抗感はないということでしょうか。

外務省:ここは、岡田外務大臣の写真がばっちり紹介されてい
ます。ゴマを擦りすりという感じです。

経産省:ここは、チーム直嶋発足、と小さな写真が。

農水省:ここも、赤松大臣の小さな写真だけ。

環境省:トップページには写真なし。

消費者庁:初めて訪れました。地味なサイトです。福島大臣の
写真はなし。

金融庁:ここも地味なサイトです。亀井大臣の写真はなし。

首相官邸:ここは、鳩山総理の活躍の風景がばっちり、と。


ということで、各省庁の役人の本音が透けて見えるようです。ま
だまだ、役人に抵抗は相当に根強いということでしょうか。


厚生労働省と長妻大臣のバトルは、まだまだ続く、と思った方、
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世界銀行のゼーリック総裁が、ドルの基軸通貨としての地位を
当然視するのは間違いだ、と述べています。

ゼーリック氏、ご存知ですか?

そう、かつて国務副長官をやっていて、中国寄りのゼーリック氏
です。で、日本はパッシング。日本の外務官僚には会おうともし
なかったことで有名です。

ゼーリック世銀総裁は、いくらブッシュ大統領が指名した人物と
はいえ、世界銀行の総裁といえば現政権にとっても閣僚みたい
なものです。そのような地位にある者が、ドルが基軸通貨であり
続けると思うのは間違いだというのですから、これには何か裏が
あるのでは..、と考えたくなります。

それは、ガイトナー財務長官は、つい先日も、強いドルは非常
に重要だ、と述べたばかりだからです。なのに、何故政権の中枢
にあるといってもいいゼーリック氏が、ガイトナー財務長官の発
言を否定するようなことを言うのか? ひょっとして、現政権自身
も、緩やかなドル安を容認するような姿勢になってきたのではな
いか。ただ、それをいきなり表明するとショックが大きいということ
で、とりあえず形式的には部外者である者に発言させて..、なん
ていうことを想像してしまいました。


取り敢えずどんなことを言っているのか、見てみましょう。

以下の内容は、9月28日、ジョンズ・ホプキンズ大学でのスピー
チの抜粋です。


Will the U.S. dollar remain the predominant
reserve currency?

「ドルは、支配的な準備通貨であり続けるのか?」

The Bretton Woods currency system gave way in
1973 to floatingrates, with the dollar as the world’s
main reserve currency. For all the questions about
the dollar’s reliability as a reserve currency, its value
strengthened during the crisis as it offered investors
a safe haven.

「ブレトンウッズの通貨体制は、1973年にドルを世界の主要な準
備通貨とする変動相場制に移行した。準備通貨としてのドルの
信頼性に関する全ての疑問にも拘わらず、ドルの価値は、金融
危機の間にむしろ上昇した。それは投資家にとって避難港になっ
たからだ」

The United States is incredibly fortunate that the
dollar enjoys this special status. When I work with
countries struggling to pay for budgets or finance
trade deficits, I reflect on how Americans do not
spend a moment considering the unique advantages
of being able to issue bonds and print money freely.
The histories of the Napoleonic wars tell of great
campaigns and battles, but the ultimate victory of
Britain and its coalition depended on the dry chapter
about Pitt’s restoration of Britain’s credit.

「アメリカは、ドルのこの特別な地位のために信じられないくらい
幸せな思いをしている。私は、財政赤字や貿易赤字のためのフ
ァイナンスに苦労している国々と一緒に働く時、アメリカ人が、国
債や紙幣を自由に発行することができるという有利な立場を全く
考えもしないということに、しみじみと思いを巡らせる。ナポレオン
戦争の歴史は偉大な戦いについて物語るが、英国とその同盟国
の最終的な勝利は、ピットが英国の信任を回復したかどうかにか
かっている」


The United States would be mistaken to take for
granted the dollar’s place as the world’s predominant
reserve currency. Looking forward, there will
increasingly be other options to the dollar.

「世界の支配的な準備通貨としてのドルの地位を当然視すること
になれば、米国は間違っている。将来に目を向ければ、ドルに代
わるものが現れる可能性が益々高まるであろう」


Given the ECB’s recent performance, there is every
reason to believe that the Euro’s acceptability could
grow. The influence of the Euro will depend in part
upon the competitiveness of European Union
countries in future years, and the depth and liquidity
of its financial markets. Demographics and growth
prospects will also matter. But Euro financing offers a
respectable alternative if the dollar is weak.

「欧州中央銀行の実績からすれば、ユーロが今後益々受け入れ
られると考えることには十分な合理性がある。ユーロの影響力
は、一部にはEU諸国の今後の競争力と、そして、その金融市場
の懐の深さと流動性にかかるであろう。人口動向や成長の見通
しもまた問題になろう。しかし、もし、ドルが弱くなれば、ユーロが
代りを務めることになろう」

Moreover, China is moving toward gradual
internationalization of its currency. China is making it
easier for trading partners to do business in Renminbi
– for example, through currency swaps. We are
likely to see this shift in the world of investment as
well: for the first time this month, China issued
sovereign bonds in Renminbi to offshore investors.
China recently announced that foreign companies will
be able to list their stocks in China, a step toward
making Shanghai an international financial center. As
a major importer of commodities, one can imagine
new benchmark indices established at Shanghai or
other Chinese ports, eventually in Renminbi.

「さらに、中国は、通貨の国際化に向けて徐々に動いている。中
国は、例えば、カレンシー・スワップを通して貿易相手方との人民
元による商売を行いやすくしようとしている。こうした変化は、投
資の世界においても見られるようになるだろう。今月、中国は初
めて海外の投資家に向け人民元建ての国債を発行した。中国
は、最近、海外の企業が中国の株式市場に上場することが可能
になると発表した。これは、上海市場を国際的な金融市場にする
一つのステップなのだ。一次産品の主要な輸入国として、上海か
他の港において、新しい商品相場が形成されることになるとも思
われる。そして、その相場は、最終的には人民元建てとなろう」


Chinese leaders will be cautious. Most want to
retain the control that comes from a closed capital
account. Financial and banking markets are likely to
continue to be subject to various tools of intervention
and control. Yet I expect China will be inevitably
drawn outward. Over 10 to 20 years, the Renminbi
will evolve into a force in financial markets.

「中国の指導者たちは警戒するだろう。多くの人は、閉鎖的な資
本取引を維持したいと望んでいる。金融市場は、今後も、介入や
コントロールの対象であり続けるように思われる。しかし、私は、
中国が不可避的に開放政策に向かわざるを得ないと予想する。
今後10年か20年後には、人民元は金融市場の一大勢力になる
であろう」

Countries and markets may also experiment with
financings denominated in Special Drawing Rights –or
SDRs— which reflect a portfolio of major currencies.

「世界の国々、そして世界の市場は、SDR建て、即ち世界の主
要通貨の組み合わせとなっているものであるが、そのSDR建て
の金融についても実験が可能である」

Of course, the U.S. dollar is and will remain a major
currency. But the Greenback’s fortunes will depend
heavily on U.S. choices. Will the United States
resolve its debt problems without a resort to
inflation? Can America establish long-term discipline
over spending and its budget deficit? Is the country
restoring a healthy financial sector capacity for
innovation, liquidity, and returns, without producing
the same risk of big bubbles and institutional
breakdown? The dollar’s value will also depend on
the extent to which we see the return of a dynamic,
innovative private sector economy.

「もちろん、ドルが今もそうであるし、これからも主要な通貨であり
続ける。しかし、ドルの運命は、米国の選択にかかることになろ
う。米国は、インフレに訴えることなくして債務問題を解決するこ
とになるのか? 米国は、長期的な財政規律を確立することが可
能なのか? 米国は、健全な金融セクターとしての能力を回復し
つつあるのか。技術革新、流動性、収益が確保できるのか。バブ
ルを再度起こしたり、或いは、金融システムの破綻を招くことなく
それが可能なのか? ドルの価値は、ダイナミックで革新的な民
間セクターの経済がどの程度の収益を生み出すかにもかかって
いる」


さあ、如何でしょうか。

こうしてゼーリック総裁のスピーチを実際に読んでいると、言っ
ていることは至極当然。こうした考え方に反対する人は、極めて
少ないのではないでしょうか。

でも、それはそうであるものの、だからと言って、そんなことを言
ってしまえば、やはりドル安を容認するもの、と取られても自然だ
というもの。

ただ、ドル安を容認してしまうと、海外からの資本の流れが細
り、金利が急騰することが懸念されます。しかし、現政権として
は、そうした事態は受け入れることはできません。他方、強いド
ルのままではアメリカの海外からの借金は益々増えるばかり。そ
んなことになったら、米国の経済成長という果実の多くが、利払
いの形で中国に益々流れて行ってしまうことに。それも、アメリカ
にとっては承服しがたい、と。

ゼーリック総裁の発言の真意は、今一つ分かりませんが、いず
れにしても、この発言によって暫くはドル安の局面が続くのでは
ないでしょうか。


ゼーリック氏は、中国にゴマをすり、為替の自由化を進めさせよ
うという作戦なのかも。


ゼーリック氏は、中国ばかり見ているな、と思った方、クリックを
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本日、メルマガに「不均衡の是正」と題して書いた記事を掲載し
たいと思います。

何故、経済学者は、消費過剰が経常赤字の原因と考えるか?

そして、私がその考え方に反対する理由。


金融サミットが開催され、世界経済の不均衡是正の必要性が
言明されま
した。

世界経済の不均衡ということは、もう少し分かりやすく言えば、
貿易の
不均衡ということです。つまり、アメリカは貿易赤字で、中
国や日本、ド
イツは貿易黒字という姿が定着している、と。

で、貿易黒字が毎年続くということは、輸出で稼いだ外貨が貯
まる一方
で、逆に貿易赤字が毎年続くということは、輸入代金の
支払いのために借
金が増大する一方だ、ということになります。

黒字になったり赤字になったりを繰り返すのであれば、別にどう
という
こともないのでしょうが、ずっと赤字が続き、借金が増大す
るだけの姿な
ど、誰が考えても永遠に続くことはないと思われま
す。それは、個人が誰
かから借金をする場合にも同じです。借金
の額が、年収からみて合理的な
範囲に収まっている場合や、何
か財産でも保有している場合には、お金を
貸す方も心配はしない
でしょうが、そうでない場合には、ある程度以上の
借金になると、
果たして返済が可能なのか、と心配になるわけです。

国と国の間においても、借金はほどほどにということで、しばし
ばアメ
リカの恒常的な経常収支の赤字が問題にされてきたわけ
です。

そして、今回も不均衡の是正に努力することが謳われているわ
けですが、
その方法はと言えば、四半世紀前となんら変わってい
ません。それは、
日本や中国などの経常黒字国は、過剰貯蓄を
改め、そして、アメリカなど
の経常赤字国は、過剰消費を改めろ、
と。

で、そうした考え方を基に、日本は内需拡大に努力するように
アメリカ
から尻を叩かれ、現在問題になっているような公共工事
をバンバン行って
きたという経緯があるのです。政官業の癒着な
どということが言われます
が、本当は、それプラス、アメリカから
の内需拡大要請があったわけです。

では、アメリカが過剰消費を改めたらアメリカの経常赤字は縮
小するの
か。そしてまた、中国や日本が消費に励んだら、日本の
経常黒字は縮小す
るのか。

経済学者の多くは、それが当然のことだと言います。私は、そ
の考え方
は、間違っていると思うのですが、学者はそういうので
す。では、どうし
て、そういう風に考えるのか?

彼らはこんな風に考えるからです。

GDP=C+I+(XM) だと。民間と政府部門を一緒にして考
えています。

Cは消費で、Iは投資。Xは輸出で、Mは輸入です。

GDPは、一定期間に一国で生産されたものの総量ですから、
その総生産
物は、もし、輸入がゼロだとすれば、消費されるか、
投資に回されるか、
或いは輸出されることになると。

で、この式は、次のように変形することが可能です。

GDPCI=XM

右辺のXMは、輸出から輸入を差し引いたものであるので、
貿易収支と
いうことになります。XMよりも大きければ貿易黒字
になり、小さければ
貿易赤字になるということです。

では、アメリカはどうなっているかといえば、貿易赤字であるの
で、X
Mより小さいと。だからXMはマイナスになり、従って左
辺のGDPCI
もマイナスになります。そして、アメリカはその
マイナス幅を縮小したい
と考えている、と。だったら、CI、つま
り消費や投資を小さくすれば、
当然のことながらマイナス幅が小
さくなるだろう、というのです。

さあ、如何でしょう?

多くの人は、「なるほど、そうだったのか」と思ったかも知れませ
ん。

しかし、そこに落とし穴があります。

それは、GDPが一定であればという前提条件が付いていると
いうことで
す。もし、GDPが一定であれば、消費を減らせば減らす
ほど、GDPCIは、
マイナス幅が小さくなるか、或いは、プラ
スの値が大きくなるでしょう。

しかし、もし、幾らアメリカ人が消費を減らしても、その減らす対
象が
アメリカの製品であったらどうでしょうか。Cが縮小する分、
GDPも同じ額
だけ縮小し、マイナス幅は小さくならないのです。つ
まり、貿易赤字は小
さくならない。

では、どうしたらアメリカの貿易赤字は小さくすることができる
か?

そんなこと簡単です。それは、海外の製品の購入額を減らすこ
と。つま
り、右辺のMを小さくすればいいだけの話です。

また、次のようにいうこともできます。アメリカは消費を減らさな
くて
も、GDPを増やすことができれば、GDPCI の値をプラ
スに転じること
ができます。では、どうしたらプラスにできるか?
それは右辺のXを増や
すことです。つまり、輸出を増やせ、と。で
は、どうしたら輸出が増える
のか?

それは、アメリカの製造業の国際競争力を向上させることであ
り、その
ためには、ドル安も役に立つということなのです。

以上


過剰消費の議論の考え方が分かったという方、クリックをお願
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亀井静香大臣の徳政令が益々注目をされています。

この人、本当に名前負けというか、名前と大違いですね。静か
なんてとんでもない。世間の人は、亀井ウルサイと思っているよう
です。

ただ、世の中にはこの亀井氏のアイデアを支持する人も若干い
らっしゃるようですので、この平成の徳政令が今後どのようにな
るかを、考えてみたいと思います。

先ず、何故、亀井氏を支持する人がいるのか?

それは、人間には好き好きがあるからです。そして、それよりも
多い理由としては、庶民の銀行に対するマイナスイメージが影響
しているものと想像します。特に、商売などをしていて、お金を借
りたいと思っている人、そして、既にお金を借りている人、そうい
う人々のなかには、内心この野郎と思っている人がいると思うの
です。

何故か?

だって、銀行などというもの、商売をしていてもなかなかお金を
貸してくれないのです。固い商売をしていて、そして、商売が順調
に行っていて、確実な担保があって、保証人もそろえないとお金
は貸しません。

でも、お金を借りたいと思っている人々の大半は、確実な担保
なんてないわけですから..。逆に、商売が軌道に乗っていて儲か
っていることが外部からも分かるようになると、銀行の方から足を
運んできて「当行とお取り引きをなさいませんか?」などと言ってく
るわけです。或いはまた、資金繰りがきつくなってきて追加融資
を頼むと、「追加の担保が必要です」なんて言われるわけです。

そういうことで、零細企業の経営者なんかには、銀行に対して
いい感情を持っている人が少ない、と。だから、そういう人々にと
っては、亀井さんでも誰でもいいから、1回銀行にガツンと言って
やってくれよ、と思う訳です。


ただ、だからといって、本当に亀井大臣の徳政令を実現させて
いいものでしょうか?

亀井さんは、川内康範氏の「おかあさん」という歌を歌います。
皆さんも聞いたことあるでしょ?

川内氏は、亀井氏に対して、うなるんじゃなくて歌うのだよ、と
何度も怒っていましたが..、そして、亀井氏は「歌っているつもり
なんですけど..」と妙に低姿勢だったのを覚えています。要する
にオンチ。でも、この人、オンチであるのにも拘わらず敢えて人前
で歌う。下手な歌でもきっと人情に訴えることができるということ
を、政治家の本能が知っているのでしょう。だから歌う。

今回の徳政令に関しては、既に専門家などから多くの批判を浴
びています。ですから、恐らく亀井氏は、自分が金融オンチであ
ると思われていることを薄々承知しているはずです。しかし、敢え
て徳政令に拘る。

何故か?

それは、国民新党のような零細政党が生き抜いていくために
は、独創的なことを打ち出さないと埋没しかねないからです。幾ら
多数の人々の支持を得られなくても、特定層の支持が得られる
のであれば、目立つことをやろう!と。

弱肉強食の経済原理を批判し、そしてまた、ハゲタカの手先を
厳しく批判する亀井氏ですから。今回は、銀行を強者に、そして
中小零細企業を弱者になぞらえて弱い者の味方をするという戦
法なのでしょう。

でも、既に専門家は、こう言って徳政令を批判します。

「中小零細企業のためと言うが、そんなことになったら、銀行は
もっとお金を貸さなくなってしまう」

この議論、最低賃金制度の話と似ています。ワーキングプアが
可哀そうだからという理由で、時間当たりの最低賃金を大幅に引
き上げるとどういうことになるのか?

例えば、今まで1時間働いて700円しかもらえなかった賃金が
1000円に増えるのか?

しかし、1000円もらえるというのは、引き続き働く場が確保でき
た人たちだけの話です。最低賃金が1000円に上がることによっ
て、却って人を雇わなくなってしまう可能性があるので、そうなる
と失業者が増えるだけの話なのです。

せっかく、中小零細企業のためにと思って徳政令を発しても、そ
れによって却って銀行が貸し出しを躊躇するようになれば、何の
意味もありません。

それに、冷静に考えると、いろんな問題が頭に浮かびます。

仮に3年間元利払いを猶予するということを法律で義務化して
しまえば、基本的には相手がどんな状況にあろうと、担保権を実
行することができなくなってしまいます。折角抵当に入れている物
件があっても、抵当権は行使できない、と。

これは、債権者の権利を大きく侵害するものであり、憲法29条
に違反する恐れがあるのではないか、と。

それに、元利払いの猶予の措置など、銀行はすでにケースバ
イケースで実施しているのです。何も、亀井さんに言われなくて
も。何故かといえば、どんなに借り手企業からお金を返してもらい
たくても、相手企業にお金がなければ、どうしようもないからで
す。だから、支払いの猶予を認めることもあれば、利子を引き下
げることもあるし、そして、場合によっては元本だって減免するこ
ともある、と。

まあ、こんなことを言えば、亀井氏側は、そんなことを認められ
るのは、大企業に対してだけではないか、と反論することが予想
されます。確かにそうかもしれません。

でも、百歩譲って、仮に中小零細企業を助けたいのだというの
であれば、それなら、銀行側に負担を押し付けるのではなく、国
がそうした中小零細企業に対し、元利返済分の一部か全部を肩
代わりするのが筋なのではないでしょうか。

で、そのように国が中小零細企業を救済するということになれ
ば、結局、それは国民がそうした財源を負担するということにな
るので、誰も納得はしないでしょうし、そんなことをしたら、世の中
モラルハザードもいいところです。

という訳で、銀行の肩を持つわけではないのですが、亀井氏の
徳政令は、どう考えても支持することができません。

ですが、亀井大臣は、金融庁の事務方に対して、早く法案を準
備しろ、と言うでしょう。

どうするのでしょう、金融庁。

そんなとんでもない法案を作ることが可能なのでしょうか。恐ら
く、内閣法制局が通らないでしょうし、関係省庁も反対するでしょ
う。

でも、事務方は、上司の命令に従わざるを得ない。

となると、殆ど何の意味もない法案を作ってお茶を濁す、とか。

例えば、「銀行は、融資先の中小零細企業から、経営上の理由
で借入金の返済の猶予を求められた場合には、猶予を認める場
合の合理的な基準を予め融資契約に際して、明示しなければな
らない」なんて。
こんな法律なら、実質的に何の義務も銀行に課し
たことにはなりません。

単に、こういう場合には、銀行として返済猶予を認めますよ、と
事前に明確にするだけのことです。

そんな形だけの法律を作って、亀井大臣の顔を立てるというこ
とになるのでしょうか。

或いはまた、亀井大臣の弱点を探し出して、それをちらつかせ
ることによって徳政令を引っ込めることにさせるのでしょうか。

亀井さんが、銀行にはどれだけでもお金があると考えていると
ころは、共産党と似ているような気がします。

亀井大臣は、当分は、突っ走り続けると思うという方、クリックを
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皆さん、中国のGDPが日本のGDPを追い越しそうなことは、ご
存知ですよね。

中国のことが好きになれない人々にとっては、話したくない話題
かもしれません。でも、そうした人々も、中国は人口が日本の10
倍もいることだし..、とか、中国の統計の信頼性はいい加減だか
ら..、と。

本日は、そうした人々にショックな話を。

「今年、中国のGDPが日本を抜くの?」

そんなことではありません。遠からず中国のGDPが日本の2倍
になる可能性があるのです。

今回の金融サミットの集合写真、ご覧になりましたか?

中国の国家主席は、ちゃんとオバマ大統領の隣の位置をキー
プしていますよね。それに対し、鳩山総理は端っこの方で、オー
ストラリアの首相の隣にいました。

「そんなことより、どうして中国のGDPが2倍に?」

それは、アメリカが世界経済の不均衡を是正すべきだ、と言っ
ているからです。

「不均衡を是正すると、どうして中国のGDPが日本の倍になる
の?」

皆さんは、プラザ合意というのをご存知ですか?

今から24年前の1985年9月22日、ニューヨークのプラザホテ
ルに先進国5カ国(日・米・英・独・仏)の大蔵大臣と中央銀行総
裁が集まり、ドル高の是正について合意したのです。

具体的には、基軸通貨のドルに対して各国の通貨を10〜12%
切り上げるよう、各国は外為市場で協調介入をおこなうことを合
意したのです。

何故そんな合意をしたかといえば、ドル安によって米国の輸出
競争力を高め、貿易赤字を減らしたかったから訳です。つまり、
そんなに以前から「不均衡是正」の必要性が認識されていたわ
けです。

では、それ以降不均衡は是正されたのか?

そんなことはありません。というよりも、現在は、一層不均衡が
拡大しているのです。そして、その主な理由は、中国の米国に対
する輸出超過です。

ところで、もし、貴方が米国の産業界の人間だとしたら、中国に
どんなことを要求しますか?

「人民元が安すぎると、文句を言う訳ね」

そういうことですね。かつて日本は、アメリカから円安はけしらん
と文句を言われていた時代がありました。そして、現在米国が注
目をしているのは人民元レートとなるのですが..、人民元レート
が最近どのような水準にあるか、ご存知でしょうか?

「確か、4年ほど前から人民元レートは緩やかに上昇している
のよね」

それは、1年ほど前までの話なのです。昨年の夏以降は、人民
元レートは、固定化されたかのようにずっと1ドル=6.8元台で推
移しているわけです。

「だから、中国に文句を言いたい訳ね」

そういうことです。で、今回のG20で、世界経済の不均衡を是
正する、と言ったというわけです。

では、どうするか?

もう想像がつくと思うのですが、そろそろ人民元をもう少し切り
上げろと、今まで以上に米国が中国に要求するとともに、中国
も、世界経済が回復し出せば、人民元のレートの切り上げを認め
ざるを得ない状況になってきているのではないか、ということで
す。

プラザ合意の直前には、円は、1ドル=240円程度の水準にあ
ったのですが、それが、2年程度を経て120円ほどになりました。
そのことから予想するならば、人民元レートも今後2-3年間ほど
で今の価値の2倍になることもあり得るということです。そして、人
民元レートが今の2倍の価値になるということは、ドルで評価した
GDPも2倍になるということで、中国のGDPは日本の2倍になる
ということなのです。


やっぱりドル安なのか、と思った方、クリックをお願いします。
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人民元レートが上がれば、もう安い中国の椎茸は買えなくなる
かも、ということですね。

はい、貴方に質問です!

今回の金融サミットについて、どう思いますか? そう、ピッツ
バーグで開かれたG20の金融サミットです。

私、どうも納得がいきません。何故かって、
「各国首脳は、金融・経済危機を招いた世界経済の不均衡是正
に向け各国の政策を相互評価する枠組みを新設することでも合
意」なんてことが報道されているからです。

いいですか、世界のリーダーたちは、世界経済の不均衡が金
融危機や世界同時不況を招いたなんて、言っているわけです。
おかしいと思いませんか?

世界経済の不均衡の問題とは、米国は、恒常的に経常収支が
赤字となっている一方で、中国や日本、ドイツなどは恒常的に経
常収支が黒字となっているという構造問題のことです。中国の黒
字が目立ってきたのは近年のことですが、この世界経済の不均
衡問題は、もう数十年も続いている問題なのです。

それが金融危機の原因だなんて、どう考えてもおかしい。金融
危機を起こしたのは、欧米の金融機関やヘッジファンドが投機に
走り過ぎたからであって、この世界経済の不均衡の問題は直接
の関係はないのです。もちろん、世界経済の不均衡の問題は、
一方で、日本や中国などが米国への輸出に過度に依存した経済
構造になっていることを意味しているので、もし、そうでなけれ
ば、日本経済は昨年秋以降の輸出の急減による痛手を受けるこ
ともなかったと言うことはできます。

しかし、仮に、日本と米国の貿易関係が、黒字でもなく赤字でも
ないような状態にあったとしても、米国の景気が悪くなれば、当
然日本からの輸入も減るわけなのです。つまり、仮に、日本が米
国に対して輸出超の状態になっていなくても、今回のような金融
危機が起きれば、輸出は急減し、日本は痛手を受けたであろう、
ということです。

だとすれば、今回の金融危機や世界同時不況を世界経済の不
均衡問題とを関連付けることは不自然なのです。

では、世界経済の不均衡問題は解決しなくてもいいのか?

そんなことはありません。それはそれで徐々に解決していくこと
が必要であり、また、米国の住宅バブルが弾ける前までは、G7
においてもそういう認識ができていた訳です。

でも、結局、世界経済の不均衡問題は、各国の思惑により放置
されたままになっていたのです。何故か?

その方が、米国にとっても、日本やドイツなどにとっても都合が
よかったからです。貿易不均衡を改めるということは、基本的に
米国への輸出依存度を落とすということになり、それは日本やド
イツの輸出企業にとっては有難くない話であったからです。一
方、米国にしても、確かに経常収支の赤字が増大することは歓
迎すべきことではなかったわけですが、それでも海外から米国に
資本が流入し、米国経済が順調に成長を続けることができるの
であれば、そうした流れに冷や水を浴びせる必要はないと考え
た、ということです。

それに、そもそも現在の不均衡は、何も誰かから強制された結
果ではなく、経済民主主義のルールに従った結果なのです。つま
り、米国の消費者が中国や日本の製品を買いたいと思うから、
米国の経常収支が赤字になっただけの話ですし、また、そうして
借金国になった米国に対し、中国や日本は、いくら借金大国とは
いえ、やっぱり米国は世界一の経済大国だからと考えたから、い
くらでも米国に投資をしただけの結果なのです。

もし、日本や中国が、米国に対する信認度を落とすことがあっ
たら、米国への資本の流れはもっと少なくなっていたはずです。
そして、そうなれば、当然のことながらドル安が進み、その結果、
米国の製造業は、今ほどは国際競争力が落ちることはなく、結
果として経常収支の赤字も今よりも小規模で済んだはずだと思
うのです。


では、何故、今、この世界経済の不均衡問題を持ち出したの
か?

それは、アメリカが中国の勢力に押された結果なのです。今の
アメリカ経済が回っているのは、一つには、海外からの資本流入
があるからです。いくら経常収支ベースで、毎年8000億ドルほど
の赤字を計上しようとも(最近は減少気味ですが)、それを補う資
本の流入があるので、経済が回っているのです。もし、この海外
からの資本の流れが滞ってしまうと、たちどころに金利が上昇し
てしまい、経済に大打撃を与えることでしょう。

そして、ご承知のとおり、米国に対し大量の資金を供与してい
るのが、中国であり日本であるのです。

米国は、日本が、保有する米国債を売り払うなんてことはない
と高を括っています。それは、日米には固い信頼関係があるから
です。というよりも、日本には米軍が駐留しているではありません
か。日本が、アメリカの気に障るようなことをする度胸はない、と
思っているのでしょう。

他方、中国はどうでしょうか。人口13億人の中国。一党独裁の
中国。人権が尊重されない中国。軍事大国の中国。それに急速
に経済成長を遂げている中国。その中国が、大量の米国債を保
有しています。つまり、米国は、中国から借金をしていると。

で、その中国が、いろんなことをことあるごとに言うのです。国
債を発行し続けてインフレになるようなことはないだろうな、とか、
ドルが暴落するようなことはないだろうな、とか。日本のように米
国の言うことをいつも聞くとは限りません。もし、何らかの理由で
中国が米国債を大量に売り払うようなことになれば..、そうした
恐れを米国は感じているのでしょう。

今までナンバーワンだと思っていたのに、いつの間にか中国と
いう金貸しにお金を借りるような立場になってしまった、と。これ
は何とかしなくては..、と。

だからこそ、少しでも海外から借金をすることがなくて済むよう
に、世界経済の不均衡是正を訴えているのです。海外は、内需
振興に努め、米国製品をもっと買うようにしろ、と。

で、世界経済の不均衡を是正するとなれば、当然のことなが
ら、これから先緩やかにドル安が進むことを容認するということに
なります。急激なドル安は、資本の逃避を招き危険すぎますが、
緩やかなドル安なら歓迎だ、と。そういうシナリオが米国政権の
頭の中にできつつあるのではないでしょうか。

そして、そういう雰囲気が日本にも伝わってきていればこそ..

何のことかお分かりですか?

日本は、政権が交代しました。そして、財務大臣には藤井さん
が就任しましたね。そして、その藤井大臣は、国際通貨研究所の
行天理事長を顧問に付けたではありませんか。

私、最初は、何で今頃..と思いました。

このぎょうてんさんという方、いい人です。国際金融局の審議官
をしていたとき、私は部下として仕えたことがあります。エリート臭
くないところがいいのです。世間では通貨マフィアとして名前が知
れているのでしょうが..

まあ、そんな方ですが、何で今頃?

それは、藤井大臣が、かつてのプラザ合意のようなことが近い
うちに起こるかもしれないと感じたからこそ、この人を呼んだので
はないか、ということです。

何となくそういうムードが出来上がりつつあり、そしてドルは、
90円を割り、89円台に突入しているのだと思います。


暫くは、円高が続くかも..と思った方、クリックをお願いします。
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おまけの情報

次の名前を読んで見て下さい。イランの大統領です。

Ahmadinejad

「アフマディ ネジャド」

ハイ、正解です。でも、不正解です。

「どういうことかいな?」

日本国内では大正解。しかい、海外では不正解。

海外では、「アフマ ディネジャ ダ」 みたいに発音します。

人の名前なのに間違ったらいけませんよね。

無駄な予算を探すために、大臣たちが現地を訪問しています。

無駄の削減大いに結構!

で、藤井財務大臣が一番無駄だと主張しているのが、ご承知
の官庁営繕です。つまり、国の機関の建物の建設や維持補修の
予算です。先日ご説明しましたよ、ね。例えば、国の合同庁舎や
宿舎の建設等にかかる予算です。

確かに、補正予算でそうした予算を付けることは、筋としてはお
かしいかも知れません。何故なら、補正予算は、予期せぬ事情に
対応するための予算であるからです。国の建物の維持補修など
最初から十分計画が立てられるはずで、補正予算のタマがない
からといって、官庁営繕を持ち出すのは怪しからん、と言われれ
ばそれまでです。

しかし、昔から、大学や研究機関の建物の維持補修にはなか
なか予算がつかなかったのですよね。

阪神大震災の後も、耐震性が十分でない公共施設の耐震性補
強に予算が殆ど認められなかったことは、関係者なら知っていま
す。

そうした予算はいつも後回しにされ、景気対策のために補正予
算を組むようなときにしか認めてもらえなかったのです。

ですから、幾ら官庁営繕といっても、テレビで紹介されたような
建物の維持補修の工事などを見ると、そんなのも止めさせてしま
うのですか、と、つい言いたくなってしまうのです。

誤解がないように言っておきますが、ムダの削減大いに結構。
ムダなダム工事は中止すべし!

しかし、単に官庁営繕だから皆ダメだ、というのは如何なものな
のでしょうか。

私、藤井さんという方を、ある意味尊敬していたのですが..

しかし、そうして真に必要性を判断するようになると、なかなか
切れないものですよね。そうなると、財源も捻出できなくなる恐れ
が出てきます。

本当に、子ども手当の財源が確保できるのでしょうか?

でも、藤井大臣は、子ども手当は、所得水準に拘わらず支給す
るとも言っています。子どもを育て教育することは国の努めだか
ら、だと。

しかし、そうなると次のような疑問が浮かびます。

子どもを育て教育することが国の仕事だというのであれば、仮
に、今後出生率が大きく上昇して、日本の人口が再び増加して
も、ずーっと国は子ども手当を出し続けるのか?

藤井大臣の考え方からすれば、子ども手当はずっと出し続ける
ということになりそうなのですが、
国民は、子どもの数が多くなり
過ぎるような状況で、国が子ども手当を支給することを支持する
とはとても思えないですよね。

やっぱり、子ども手当に所得制限を設けないというのは、単に
それが技術的に困難で、麻生政権の二の舞になりたくないだけ
のことではないでしょうか。

そうしたことをマスコミは鋭く衝いてもらいたいと思います。


子ども手当はどうなるのだろう、と思った方、クリックをお願いし
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シルバー・ウィークが終わりました。

政治家の皆様、お休み期間中も激務のご様子で、一国民として
有難く思います。

で、その政治家の先生方ですが、ご承知のように鳩山総理は
ニューヨークで演説を行っています。そうです、温暖化対策につい
てです。

マスコミなどは、中身よりも鳩山さんの英語力に興味があった
模様です。

鳩山総理の英語を再現してみましょう。

Based on the discussion in the Intergovernmental
Panel on Climate Change (IPCC), I believe that the
developed countriesneed to take the lead in
emissions reduction efforts. It is my view that Japan
should positively commit itself to setting a long-term
reduction target. For its mid-term goal, Japan will
aim to reduce its emissions by 25% by 2020, if
compared to the 1990 level, consistent with what the
science calls for in order to halt global warming.

「IPCCにおける議論を踏まえ、先進国は、率先して排出削減に
努める必要があると考えています。わが国も長期の削減目標を
定めることに積極的にコミットしていくべきであると考えています。
また、中期目標についても、温暖化を止めるために科学が要請
する水準に基づくものとして、1990年比で言えば2020年までに
25%削減をめざします。」

This is a public pledge that we made in our election
manifesto. I am resolved to exercise the political will
required to deliver on this promise by mobilizing all
available policy tools. These will include the
introduction of a domestic emission trading
mechanism and a feed-in tariff for renewable energy,
as well as the consideration of a global warming tax.

「これは、我々が選挙時のマニフェストに掲げた政権公約であ
り、政治の意思として、国内排出量取引制度や、再生可能エネ
ルギーの固定価格買取制度の導入、地球温暖化対策税の検討
をはじめとして、あらゆる政策を総動員して実現をめざしていく決
意です。」


However, Japan's efforts alone cannot halt climate
change, even if it sets an ambitious reduction target.
It is imperative to establish a fair and effective
international framework in which all major
economies participate. The commitment of Japan
to the world is premised on agreement on ambitious
targets by all the major economies.

「しかしながら、もちろん、我が国のみが高い削減目標を掲げて
も、気候変動を止めることはできません。世界のすべての主要国
による、公平かつ実効性のある国際枠組みの構築が不可欠で
す。すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が
国の国際社会への約束の「前提」となります。」

文字で見る限りでは、予想されたような内容になっており、特に
目新しいところはありませんね。関心はやっぱり、英語力の方に
行ってしまいます。

鳩山総理は、説得力のある英語で、スピーチを行うことができ
たのか?

答えは、まあまあというところでしょうか。

とくダネに出ていたデーブが、発音はちゃんとしていて、聞き取
れなかった単語はなかったというので、お世辞があるにしても、ま
ずまずだと理解していいでしょう。

ただ、固くなっていたことは否めませんね。


ところで、この鳩山総理の英語のスピーチをめぐって、ネット上
では、鳩山氏の英語が誤解されているのではないか、との指摘
がなされています。

どうでもいいような指摘なのですが、事情がよく分からない人々
は、ひょっとして誤解するかもしれないと思い、解説しておきま
す。

上に引用した最後の文章は、次のようになっています。

The commitment of Japan to the world is premised
on agreement on ambitious targets by all the major
economies.

このうちの、is premised の premised のp の発音が聞こ
えず、remised に聞こえ、このため、日本は無条件で25%の削
減を宣言をしたと受け止められたのではないか、と。

確かに、premised がremised に聞こえると意味は違ってく
るでしょう。

premise は、前提条件とするという意味であり、remise は、
放棄するというような意味になります。

でも、この指摘、どう考えてもおかしい。

何故ならば、もし、remised と聞こえたとすれば、日本の世界
に対する公約は放棄される、というような意味になってしまうから
です。英語を喋る人は、そんな文章は意味をなさない、と思うは
ずです。つまり、remised と聞こえたとすれば、それは、聞き間
違えか、発音を間違えたのだろう、と思うでしょう。

それに、そもそも何度聞いても、ちゃんとpは聞こえ、primised
と聞こえるからです。

ネットの世界には、そうした説を簡単に信じてしまう人が多数い
ることも驚きです。皆さんは、誤解しないで下さい。


さて、どうでもいい話はそれ位にして、オバマ大統領は、何と言
っているか、といえば、結論から言えば何も言っていません。

でも、それだけでは寂しいので、温暖化対策に関する部分をご
紹介しましょう。


Third, we must recognize that in the 21st century,
there will be no peace unless we take responsibility
for the preservation of our planet. And I thank the
Secretary General for hosting the subject of climate
change yesterday.

「第三に、21世紀においては、我々がこの地球を守ることなくして
は平和はあり得ないということを我々は理解しなければならな
い。そして、私は、昨日、気候変動の問題について会議を招集し
た事務総長に感謝したい」

The danger posed by climate change cannot be
denied. Our responsibility to meet it must not be
deferred. If we continue down our current course,
every member of this Assembly will see irreversible
changes within their borders. Our efforts to end
conflicts will be eclipsed by wars over refugees and
resources. Development will be devastated by
drought and famine. Land that human beings have
lived on for millennia will disappear. Future
generations will look back and wonder why we
refused to act; why we failed to pass on -- why we
failed to pass on an environment that was worthy of
our inheritance.

「気候変動がもたらす危険は、否定することができない。我々の
義務の履行は先延ばしするべきではない。もし、我々がこのまま
進み続ければ、この国連総会に参加する全ての国は、国境の内
側においても取り返しがつかない変化を目撃することになろう。
紛争を終わらせようとする我々の努力は、難民や資源を巡る戦
争によって妨げられるであろう。発展は、干ばつや飢餓によって
打撃を受けるであろう。何千年もの間人々が住み続けてきた陸
地は消失するであろう。未来の人々は過去を振り返り、何故我々
が行動することを拒んだのかと考えるであろう。何故我々は、相
続価値のある環境を将来世代に引き継ぐことができなかったの
か、と」

And that is why the days when America dragged its
feet on this issue are over. We will move forward
with investments to transform our energy economy,
while providing incentives to make clean energy the
profitable kind of energy. We will press ahead with
deep cuts in emissions to reach the goals that we set
for 2020, and eventually 2050. We will continue
to promote renewable energy and efficiency, and
share new technologies with countries around the
world. And we will seize every opportunity for
progress to address this threat in a cooperative effort
with the entire world.

「そして、それこそが、アメリカがこの問題に躊躇する時はもはや
終わったという理由なのだ。我々は、クリーンエネルギーが、採
算の合うエネルギーになるためにインセンティブを与えつつ、
我々のエネルギー経済を転換するための投資をしていく。我々
は、2020年の目標値を達成することができるような、そして、最
終的には2050年の目標を達成することができるような、大幅な
排出削減を推進する。我々は、再生可能エネルギーの促進と効
率化を継続し、新技術を世界の国々と共有する。そして、全ての
機会を捕え、この温暖化の脅威に全世界とともに協調して取り組
んでいきたい」

And those wealthy nations that did so much
damage to the environment in the 20th century must
accept our obligation to lead. But responsibility does
not end there. While we must acknowledge the need
for differentiated responses, any effort to curb carbon
emissions must include the fast-growing carbon
emitters who can do more to reduce their air
pollution without inhibiting growth. And any effort
that fails to help the poorest nations both adapt to
the problems that climate change have already
wrought and help them travel a path of clean
development simply will not work.

「20世紀において環境に対し多大のダメージを与えた豊かな
国々は、リードする義務を受け入れなければならない。しかし、責
任問題はそれだけではない。我々は、それぞれの対応の差異を
認識しなければいけないが、二酸化炭素の排出削減の努力に
は、成長を阻害することなく排出削減のために多くのことを行うこ
とが可能である主要排出国の責任を含めるべきである。気候変
動が既にもたらしている事態に最貧国が適合することを手助け
することや、クリーンな経済発展の道を歩むことを手助けすること
は失敗しており、機能することはないのだ」

It's hard to change something as fundamental as
how we use energy. I know that. It's even harder
to do so in the midst of a global recession. Certainly,
it will be tempting to sit back and wait for others to
move first. But we cannot make this journey unless
we all move forward together. As we head into
Copenhagen, let us resolve to focus on what each of
us can do for the sake of our common future.

「我々がエネルギーを使用するような、基本的なことを変化させ
ることは難しい。そのことは分かっている。そういうことを世界が
景気後退に陥っているときに行うのはなお難しい。確かに、少し
身を引いて、他国が動き出すのを待ちたくなる。しかし、我々が
皆ともに動きださねば、この旅は始まらない。我々は、コペンハー
ゲンに向かっているので、我々それぞれが将来のために何がで
きるかについて焦点を当てることを決意しよう」


オバマ大統領は、地球温暖化対策に積極的に取り組むことが
今や避けられないことをはっきりと認めています。しかし、その一
方で、では、アメリカが何をするかについては、具体的なことは何
も言いません。

2020年の中期目標を達成できるようにするために大幅な排出
削減を行うと言うのみです。そして、そのためには、中国と名指し
することはしないでも、中国の参加が前提条件だと言っているの
です。

では、その中国は、何と言っているのでしょうか。

China would: plant millions of acres of forest,
enough to cover an area the size of Norway; boost
renewable energy sources to supply 15 percent of
China's consumption within a decade; and cut
emissions by "a notable margin" from 2005 levels, as
measured against China's GDP, by the year 2020.

「中国は、ノルウェーの面積に匹敵するほどの何百万エーカーと
いう森林に植樹することになろう。再生可能エネルギーの開発を
促進し、10年間以内に中国のエネルギー消費量の15%を賄う
ようになるだろう。そして、2020年までに、中国のGDP比で見
て、排出量を著しく削減することになろう」

China would not sacrifice economic growth by
agreeing to binding international targets.

「中国は、拘束力のある国際的な目標値に合意することによって
経済成長を犠牲にすることはない」

We should and can only advance our efforts to tackle
climate change in the course of development and
meet this challenge through common development.
It is imperative to give fullconsideration to the
development stage and basic needs of developing
countries while we address climate change.

「我々は、この気候変動という難問題に対しては、経済発展を通
じて対応すべきだし、また、対応することができるに過ぎない。気
候変動問題に立ち向かいつつも経済の発展段階と経済発展の
必要性に最大限の考慮を払うことが必要不可欠である」


今回の中国の発言には若干の変化がみられます。それは、
a notable margin という表現を使用しているからです。中国も
少しは格好がいいところを見せたいのでしょうか。しかし、いくら
a notable margin の削減を行うと言っても、それは、あくまで
もGDP比で見て、というのです。つまり、仮に中国経済が8%で
成長を続ければ、今後4%ずつ二酸化炭素の排出量が増えて
も、著しく削減したと主張するわけです。

それで、アメリカや日本、或いは欧州勢は納得するのでしょう
か。

やっぱり、先はまだまだ長い気がします。そして、そうしている
間に益々温暖化の影響が顕在化する気がします。



中国が、そう簡単に欧米や日本の言うことを聞くはずがないと、
思う方、クリックをお願いします。
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亀井さんを郵政・金融担当大臣にし、そして、藤井さんを財務大
臣につけた人事と言うのは、適当だったのでしょうか。

多くの人は、亀井さんの金融担当には疑問を持っているようで
す。特に金融界と海外の評価は大変に低い。

では、藤井さんの財務大臣就任については、どうなのか?

藤井大臣は、こんなことを言っています。

「子ども手当は豊かな家庭とか貧しい家庭とは何の関係もな
い」

きっぱり言い切ります。

でも、面白いのは、社民党の、しかも少子化担当大臣まで兼ね
ている福島氏が、所得制限をすべきではないかと言っているとい
うことです。

それなのに、何故、藤井大臣は金持ちにも子ども財源を配ると
主張するのか?

藤井大臣は、こんなことまで言います。

「外国では子ども通帳を作っている。(使途は)制限する。親が勝
手に使ってはいけない」

藤井大臣の頭の中には、どのような構想があるのでしょうか。

例えば、我々が子供のころに始まった教科書の無償配布は、
全ての児童が対象でした。お金持ちの子も、貧乏の子もにも無償
で教科書が配られました。つまり、所得制限はしなかったわけで
す。でも、それは、無償で教科書が配られる児童とそうでない児
童がクラスの中で明確になってしまうことの弊害を恐れたからで
はないでしょうか。

「子ども通帳」などというと、戦後の米穀通帳を連想してしまい
ます。それに、親が勝手に使っていけないなんていっても、お金
に色目はついていないわけですから、そんなことを言っても「意味
ないじゃん!」。

或いは、藤井大臣は、子供の育児教育は基本的に国の責任な
のだ、と考えているのでしょうか、例えば、オーウェンが昔考えた
ような。

しかし、仮にそうだとしても、民主党の多くの議員のなかにそう
した共通認識が出来ているのでしょうか。私はそうは思いませ
ん。それに、国民はそんなことなど全く考えていないのですから。

穿った見方をすれば(確かに、子ども手当には少子化対策とし
ての効果がないとは言わないが)、子ども手当は、選挙対策のた
めのものであって、そしてまた、もし仮に、所得制限などというこ
とを言い出せば、麻生政権の定額給付金の二の舞のなりかねな
いので、つまり、自治体レベルで各家庭の正確な所得の捕捉が
困難なので、所得制限をしないとしか言いようがないということで
はないでしょうか。

ということで、藤井氏の言動にクエスチョンマークがつきそうな
雰囲気です。


ところで、本日の日経新聞によれば、政府は、2011年度にも、
企業の温暖化ガスの排出枠を割り当てる予定だとか。所謂キャ
ップというやつです。

普段から地球温暖化対策に積極的に取り組むべきだ、と主張
している私のことですから、このニュースを歓迎していると思いま
すか?

答えは、ノーです。

それは、温暖化ガスの排出枠について、どの産業にはどれだ
け、そして、どの企業にはどれだけと決めることは、現実には大
変困難だからです。

もちろん、適当に決めるのはできるでしょうが、どの産業もそし
て、どの企業も納得しないでしょう。

一体、誰が、どういう基準で決めるというのでしょうか。

民主党は、その点よく考えなおすべきなのです。

新政権では、各大臣が言いたいことを言っているな、と思う方
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亀井大臣が、閣内及び世間を騒がせています。そうです、そう
です、郵政民営化と借金返済猶予法案についてです。

閣内では、藤井大臣と衝突、そして、原口大臣と衝突。

こうなると連立などしなければよかった、という声が強くなると
いうもの。或いは、亀井大臣を更迭すべき、だと。

金融庁の職員、特に幹部職員は、「ああ、折角局長になれたの
に、なんてこった!」と思っているかもしれません。カメちゃんに何
と言っても、言うことを聞くようなことはとても期待できないからで
す。

亀井大臣は言います。

国は、金融機関に救いの手を差し伸べるのに、その金融機関
は、何故借り手の中小・零細企業を助けないのだ、と。

この論理、どう思いますか?

確かに、国民のなかには、金融機関だけが、或いは大企業だ
けが国に救済されるのは不公平だ、と感じている人がいるかもし
れません。でも、その論理でいくならば、その中小・零細企業から
何かを購入した消費者も救済されてしかるべきだ、ということにな
りそうです。

街のスーパーは、お金がない人にもツケで売ってあげなさい、
なんて。或いは、電気代や電話代を滞納したからといって、ガタ
ガタ言わずに、返済を猶予してやれ、なんて。

でも、そんなことになったら金融機関の経営も、そして、中小・零
細企業の経営も成り立たなくなってしまいます。

それに、そもそも、金融機関だったらどこだって国が助けてしま
うという、今の政策が間違っていることに気が付かなければいけ
ません。

潰してしまったら、金融システムに影響を与え、経済が計り知れ
ない被害を受けるというのなら、分かります。でも、実際には、さ
ほど影響があるとは思えない信用組合クラスまで保護の対象に
なっているではありませんか。



ひょっとしたら、亀井さんも銀行からお金を借りているということ
なのでしょうか。


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