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広島・会沢 球団捕手最長タイ19年目へ「どれだけ自己犠牲できるか」 Vの喜び「今の子も味わって」

[ 2024年12月10日 05:45 ]

契約を更改した広島・会沢
Photo By スポニチ

広島・会沢翼捕手(36)が、広島市南区の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3000万円減の年俸8000万円でサインした。球団捕手では倉義和(現2軍バッテリーコーチ)、石原慶幸(現バッテリーコーチ)、白浜裕太(現スコアラー)に並ぶ最長タイの来季19年目シーズンに向け、「チームのためにどれだけ自己犠牲ができるか」と献身の決意を示した。今季は12年ぶり0本塁打で終了。その反省を糧に、オフは打撃強化に励んでいく。

会沢の献身ぶりは、約2時間に及んだ交渉にも表れていた。話の大半は自分のこと...ではなく、会長を務める労組・日本プロ野球選手会に関する内容で占められたという。選手関係委員会の委員長・鈴木清明球団本部長と意見を交わし、「僕なりの意見を言わせてもらった」とスッキリした表情を浮かべた。

とはいえ、3000万円ダウンで臨んだ会見では、57試合出場で打率・187、0本塁打、13打点に終わった今季の反省を交えつつ振り返った。「打撃の方で貢献できれば良かった。来シーズンに向けてそこが課題だと思うので、真摯(しんし)に受け止めたい」。そう話した上で、球団捕手では最長タイとなる19年目の来季に向け決意を新たにもした。

「チームが優勝できるように、アドバイスなりを裏からしてあげられれば。チームのためにどれだけ自己犠牲ができるか。カープもそうですけど、野球界が良くなっていくことも僕にとってはすごい大事。そっちも並行してやっていきたい」

プロ野球選手としての誇りと矜持(きょうじ)を持ちつつ、自身を俯瞰(ふかん)してもいる。捕手としては一回り近く年下の坂倉、石原らとの競争は避けられない状況で「現役でいる以上は(先発マスクを目指して)やらなくてはいけないが、なかなか難しい部分もある」。現実を受け止めているからこそ、チームファーストの精神が膨らむ。その境地でいられるのは、16〜18年のリーグ3連覇を知るからだ。

「優勝したいし、今の子にも味わってほしい。寒い中やるビールかけはすごくいい。そういう喜びが、もう一回優勝したいと思える要因」

今季は先発マスク49試合でチームは27勝20敗2分け。年を追うごとに円熟味を増す好リードで、勝利に貢献した。若手に負けない武器を誇る一方、打撃では12年ぶりに本塁打0だった。来季7年ぶりの優勝に貢献すべく、打撃強化を期した。

「(本塁打0は)寂しい。来シーズン打てるように頑張りたい」

今オフは例年よりも振り込む量を増やし、体のキレを出すことに重きを置く。"献身イコールあきらめ"ではない。老け込むには、まだ早い。若手を脅かすこともまた、ベテランの役割だ。来季もグラウンド内外で奮闘する。(長谷川 凡記)

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