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確保された際のSCP-1454 |
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アイテム番号: SCP-1454
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:SCP-1454の各メンバーは、safeクラス・人型SCPの収納に使用される標準収容室に別々に収納されます。彼らにはヒューマノイド向け標準レギュレーションが適用されます。協力的な態度のあいだ、SCP-1454には許可された書物や娯楽と引換に、SCP封じ込めに関連しない簡単な作業を与えることが許可されます。
SCP-1454の各個体はテスト目的を除き、直接的または間接的にお互いに接触させてはなりません。すべてのSCP-1454の個体は、他の個体が被験中、手術中、その他生命を脅かす重大な危険下にある場合、常に監視を続けます。各SCP-1454への記憶消去処置の実施は最終手段として以外は避けてください。
説明:SCP-1454は、SCP-1454-1からSCP-1454-4と指定された、20██年に財団が保護した当時36歳の4名の成人男性から構成されています。4名は全員良好な健康状態にあり、同世代の人間と変わった身体的問題などは見られません。DNA検査は、SCP-1454を構成する個人は一卵性双生児と同程度と遺伝的に同一であることを示しました。
SCP-1454のメンバーは共有された記憶を持っています。──各SCP-1454は全員、すべての他の個体の記憶に対する完全なアクセス権を持っており、残りの3名があらゆる瞬間に何をしていて、何を経験しているのか常に認識しています。個体間の情報伝達手段は不明です。物理的距離、障壁、電磁場、薬物、[編集済み]による記憶の共有を防ごうとする試みはすべて失敗に終わっています。SCP-1454の1名への記憶消去処置は、消去された記憶について他の3名にも同様の影響を与えます。SCP-1454の4名すべては互いに独立して行動します。4名による記憶の共有にもかかわらず、「ハイブマインド」または「集団意識」の証拠は観察されていません。各個体が他を意識的に別の行動に誘導させる能力は実証されていません。
SCP-1454の4名すべては精神状態の共有に関連したユニークな精神疾患と診断されています。SCP-1454各個体は、自身と同一の存在で、共有した記憶を持つ3名の個体に気づいておらず、彼が想起できる記憶は彼自身が個人的に経験していると信じています。すべてのSCP-1454は現状を人類に典型的なものと信じており、インタビュー中において、これが普通でないと気付かず、記憶の中の同時に両立し得ないいくつかの組み合わせについては弁明したり合理化しようとしてきました。2名以上のSCP-1454が互いに連れてこられた場合、それぞれがお互いを自分自身とほぼ同様の存在と認識することに失敗し、結果として非常に混乱し動揺させ、多くの場合物理的な暴力につながります。
20██年にSCP-1454を構成する4名すべてが同時に███████、███ダウンタウンのそれぞれ別々の4つの高層ビルの窓から飛び降り自殺をすると恫喝していたところ、財団によって発見されました。行政記録の調査によりこれらの個体たちは"エリック ████████"の名前で自身を認識し、全員██████地区で生活し働いていたことが判明しました。4名全員が同一の運転免許証と社会保障カードを持ち、5つの収入源からなる税務申告書を毎年提出していました。1つの出生証明書、5つの住宅、7つの自動車、6つの大学の学位、および7つの結婚許可書にこの名前との関連が見出されました。また当日2日前の飲酒運転による死亡事故の死亡診断書にもこの名が関連することが判明しました。
補遺:
回答者:SCP-1454-1
質問者:Dr. ██████
〈記録開始,██/██/20██, 12:37 PM〉
Dr. ██████:こんにちは、SCP-1454-1。気分はどうだい。
SCP-1454:最高だよ、ありがとう。あとエリックと呼んでくれ。
Dr. ██████:君がそういうなら。良かったら、いくつか質問がしたい。私たちの保護下に入る前、何をして生活してたんだい?
SCP-1454-1:[編集済み]で弁護士を、 [編集済み]の広報担当、フリーのカメラマン、 [編集済み]のメインコラムニスト 、あと████████地区の小さなシーフードチェーンのオーナー店長だった。
Dr. ██████:では、それらの仕事をどういった順序でこなしていた?
SCP-1454-1:ぜんぶ、一度に。
Dr. ██████:わかった。週に何時間仕事をした?
SCP-1454-1:仕事量にもよるが、少なくとも195時間......、週に280時間入れてた時もある。
Dr. ██████:週に168時間しか無いとわかってるかい、エリック。
SCP-1454-1:もちろん。それを知るのに十分な学位を取ったと思うよ。
Dr. ██████:どうやって一週間にあるよりも長く働けるよう時間を管理したんだ?
SCP-1454-1:まあ、それが簡単だったとは言っていない。ときどき私はベッドで寝て、休暇を取り、それでいて帳簿を整理してもまだ夜通し働いたりするからね。
Dr. ██████:寝ながらどうやって働くんだ?
SCP-1454-1:誰だってやってるだろ?
〈記録終了〉
回答者:SCP-1454-2
質問者:Dr. ██████
脚注:SCP-1454-2は、このインタビュー以前にDr. ██████との面会や、インタビューを受けたことはない。
〈記録開始,██/██/20██、9:48 AM〉
Dr. ██████:おはよう、SCP-1454-2。
SCP-1454-2:また会ったね博士。あと前にも言ったようにエリックと呼んでくれ。
Dr. ██████:もちろんだ、エリック。今どんな具合にやっているのか教えてくれるか?
SCP-1454-2:ありがとう。私は今寝ながら、朝食を取って、[編集済み]についてのすばらしい本を読んでいるよ。
Dr. ██████:確かにね。子どもの頃についていくつか質問がしたい。
SCP-1454-2:言ってみてくれ。
Dr. ██████:兄弟や姉妹はいた?
SCP-1454-2:いいや。でもウチではいつもよその子どもがブラブラしてたな。よくわからないが両親はいつもそうさせていた――彼らはいつも私に不親切だったな。特に学校で。
Dr. ██████:どのように?
SCP-1454-2:きみは、きみをからかうために小さな子どもたちがきみの周りを、いつもきみのモノマネをして歩くのを知ってるか? 繰り返しなんでもきみのように話す、きみのように服を着る、きみのように振舞うのを? 彼らはわたしにずっとそんなことをやったんだ。彼らは自分たちが私だと周りの人間に伝えさえして、私はいつもコピーだった。私も彼らは互いに好きではなかったと思う──なぜだか知らないが。
Dr. ██████:あなたの両親には伝えてみた? あるいはあなたの先生に?
SCP-1454-2:このことに関して彼らは一切何もしなかった。彼らはただ笑うか、あるいはみんな混乱して私を見た。そのためにベッドルームで大半を過ごした、彼らから離れているために。
Dr. ██████:あなたはいくつベッドルームを持っていた?
SCP-1454-2:5つ、みんなとおなじ。
Dr. ██████:話題を変えようか。あなたの最初の高校の恋人は誰だった?
SCP-1454-2:シンディ、メアリー、エマ、ケイト、それとジェーン。
Dr. ██████:尋ねたのは'最初の'恋人だ、エリック。そのうちの誰が最初の恋人?
SCP-1454-2:ケイト、だったと思う。だけど残りもほぼ最初の恋人だった。きみには何人の最初の恋人がいる?
Dr. ██████:私たちは、エリック、きみの話をするためにここにいる。
SCP-1454-2:すまない。
Dr. ██████:あなたはそのうちいずれかと結婚した?
SCP-1454-2:いや、私たちは、全員別れたよ。まったく同じ夜に。
Dr. ██████:それはどのように?
SCP-1454-2:私は彼女らみんなをシニアプロムに招待したんだ。君に私たち6人を見せたかったよ──おとぎ話みたいだった。だが、それはクソみたいな出来事だった。私が言っていたあいつらのことは覚えているか? 彼女らは彼らにもデートに誘われたんだ!
Dr. ██████:説明してくれるか?
SCP-1454-2:そうだね、私がケイトのためにポンチを取りにいって、シンディと踊っていたときに上を見るとやつらの一人がエマにキスをしているのを見た! そして私はやつに怒鳴りつけに行ったら、やつは小さい頃のようにまた私のモノマネを始めた。私がやつの彼女をとったと言い出したんだ! そしてその時メアリーが他のもうひとりに肩を抱かれているのに気づいて......、その晩ケツに蹴りをかまされたが、やられた分だけやりかえしてやったよ。
〈記録終了〉
回答者:SCP-1454-3
質問者:Dr. ██████
〈記録開始,██/██/20██,6:38 PM〉
Dr. ██████:こんばんは、SCP-1454-3。今晩はどんな感じだい。
SCP-1454-3:バッチリだ。今は私の部屋で3つのおいしいディナーを食べてるよ。それにまだエリックでいる。
Dr. ██████:あなたが逮捕された日について話したいんだが、エリック。なんで窓から身を乗りだしていた?
SCP-1454-3:ああ、まあ、私が死んだことについてちょっと動揺していたんだ。
Dr. ██████:ええと?
SCP-1454-3:私はちょうど数日前に死んでいる。それがあまりにも耐えがたかった。
Dr. ██████:しかし、あなたは死んでいないよ。
SCP-1454-3:うん、もちろん私はね。私ははっきり覚えている。
Dr. ██████:詳しくお願いするよ。
SCP-1454-3:オフィスから自宅へと運転していたら、反対車線から車がそれてきて正面衝突した。シートベルトが外れてフロントガラスを突き破ると、私は顔からアスファルトに突っ込んだんだ。動けなくて全身から出血していた。救急隊員があらわれて、わたしがショック状態になりつつあると話しはじめた。私を助けるためERに搬送しようとしたが、私は崩れ始めていたし、その後死んだ。
Dr. ██████:わかったよ。その後はどうなった?
SCP-1454-3:私は私の仕事に行って、そしたらみんな幽霊を見たようだった。みんなTVで私が死んだと聞いたと言っていた。私自身もそのニュースは見たが、なんでそんなにおおごとなのかわからない。誰だって遅かれ早かれ一度は死ぬだろ? 彼らだって葬儀の時のことは決めていると言っていた。
Dr. ██████:葬儀には行った?
SCP-1454-3:もちろんだ。最高の黒いスーツを着て、妻と一緒に行った。しかしそこで見たものは本当に私の気を滅入らせた。
Dr. ██████:それは何だった?
SCP-1454-3:そいつは全然棺の中の私ではなかった! あのろくでなしどものひとりだった! ここで私が、死んだ、と、そしてただ私をイラつかせる為にやつら自身を殺すのが面白いとやつらは思っている! それを妻に説明しようとしたが・・・・・・、
Dr. ██████:・・・・・・したが?
SCP-1454-3:残ったやつらがまだいた。そしてやつらはみな私に「私の妻たちから離れろ!」と言っていた。まるで私が自分の妻を知らないとでも思っているように...その時に私は気づいたんだ、もうたくさんだと。私はその場をはなれ、もしこの私の葬式のできそこないから逃れることさえできないなら、私がすべてを終わりにすればやつらも私をほっといてくれるかもしれないと決心した。
〈記録終了〉