鹿島研究員のHDD
kiri.png

霧の探求者のシンボルマーク。

霧の探求者とは
・財団の隠すような超常的な秘密、謎の存在に気づいた一般人の集団。
・目的は、財団・GOC・蒐集院・UIUほかの組織によって隠された超常的な秘密(彼らはそれを『霧』と呼ぶ)を暴き、白日の下に晒すこと。
・そのことの問題性には気づいていないわけではないが「知らないよりはいい」という考え方。
・メンバーは大きく分けて「北風」「太陽」「旅人」の3部門に分けられる。
・特別な訓練を受けているわけではないので、実地での探索能力は低い。
・仲間同士はコードネームで呼び合う。雰囲気付けの意味合いが強いが、役職がわかる、もしも財団につかまった時に他のメンバーの情報を引き出されにくい、などの理由もある。

「北風」
・情報部門。
・具体的にはハッカーの集まり。
・まあ「UIUを始めとしたいくつかの組織のデータベースにハッキングし」「逆探知されない」程度には優秀。ただしまだ財団へのハッキングによる成果はほとんど上がっていない。
・また、インターネットなどを介して超常現象の記録・痕跡などを漁る地道な作業も行っている。
・他にも、他のメンバー同士の連絡の補助を行ったりもしている
・「北風」メンバーは風にちなんだコードネームで呼び合う(例:春一番、ガスト)

「太陽」
・諜報部門。
・カウンセラー、セラピストあるいはそれに準ずる技能の所持者たち。
・財団によるカバーストーリー・記憶処理の痕跡を探し、被記憶処理者に暗示や催眠を応用した「記憶回復術」を用いて情報を探る。ただし、成功率は低く、そもそもBクラス以上の記憶処理には対処できない。
・メンバー管理などの役職も担う、司令塔的役割。
・「太陽」メンバーは晴れあるいは太陽にちなんだコードネームで呼び合う(例:五月晴れ、レンブラント)

「旅人」
・現地調査部門。
・多くの場合「太陽」たちによって記憶を取り戻した一般人
・「北風」により発見された以上のあると思われる場所に乗り込み調査をする役割。
・ほとんどの場合はハズレ、当たっても財団に先回りされて記憶処理され戻ってくるのがオチだが何度か財団より先に異常現象に出くわしたこともある。
・「旅人」メンバーは架空のあるいは実在の旅人、冒険家にちなんだコードネームで呼び合う(例:ガリバー、マゼラン)

所持している情報

UIUに関係する情報

彼らの情報の中で最も重要視されているもの。誤りや偽装された情報も一緒くたにしている。

いくつかの主要な団体に関係する情報

スーツの男たち。霧隠しの財団。商人。司書。彼らがそう呼ぶ団体への知識。...とはいえ、彼らにとってこれらは謎の多い存在であり、これから解明してゆくべきものだ。

超常現象に関係する情報

おもに「太陽」の調査によって得られた情報。事件の目撃者や当事者の証言が元になっていることが多い。また、彼らが得た物の中でも比較的正確な情報をインターネットを使い公開したことも何度かあったが、まともに取り合われることはなかった。

空白白

空白白

空白白

SCPの創作や翻訳に実績を設けることで創作意欲を高めようという発想の元、hal_akiが独断で作った実績案です。

使いたい人は著者ページの下の方にでも書いておくといいんじゃないでしょうか。
目指せ全実績マスター
(参考:http://sandbox.scp-wiki.net/achievement-badges)


参加表明

サイトへの参加を承認される

はじめましての挨拶

フォーラムに書き込む

秘密の実験室

サンドボックスに自分のページを作成する

三人寄れば

フォーラムで下書きを公開する

小さな一歩

記事を作成する

採用通知

人事ファイルを作成する

私の提言

評価が1以上のSCP-001-JP記事を作成する

巻頭カラー

執筆したSCP記事が注目のSCPに取り上げられる

表紙を飾る

執筆したTaleが注目のTaleに取り上げられる

銅メダル

評価が15以上の記事を書く

銀メダル

評価が30以上の記事を書く

金メダル

評価が50以上の記事を書く

テレキル合金メダル

評価が100以上の記事を書く

みならい・そうさく

SCP記事を5以上作成する

みならい・冗談じゃないぜ

SCP-J記事を5以上作成する

みならい・かたりべ

Taleを5以上作成する

みならい・ほんやく

海外記事を5以上翻訳する

ミスター・そうさく

SCP記事を10以上作成する

ミスター・冗談じゃないぜ

SCP-J記事を10以上作成する

ミスター・かたりべ

Taleを10以上作成する

ミスター・ほんやく

海外記事を10以上翻訳する

多分SCP-001か何か

SCP記事を20以上作成する

博士の大爆笑ギャグ20連発大図鑑!

SCP-J記事を20以上作成する

短編集

Taleを20以上作成する

とってもエキサイト

海外記事を20以上翻訳する

マスター・そうさく

SCP記事を50以上作成する

マスター・冗談じゃないぜ

SCP-J記事を40以上作成する

マスター・かたりべ

Taleを50以上作成する

マスター・ほんやく

海外記事を100以上翻訳する

お祭り好き

コンテストに参加する

お祭り男

コンテストのために累計10以上の記事を書く

ダイスキミヤザワ

コンテストで優勝する

主催者

コンテストページを作成する

人類学者

評価が20以上かつ、自我を持っていて人間に近い外見の人型オブジェクトについてのSCP記事を書く

生物学者

評価が20以上で、かつ生物学、生命、遺伝子、動物、植物、バクテリアのいずれかのタグを持つSCP記事を書く

物理学者

評価が20以上で、かつ物理法則、外部エントロピー、電気、磁力、重力のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

化学者

評価が20以上で、かつ化学、腐食、ガス発生のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

地質学者

評価が20以上で、かつ地質、水晶、鉱石のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

天文学者

評価が20以上で、かつ外宇宙、惑星、衛星、太陽のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

言語学者

評価が20以上で、かつ言語、文書、文字入り、記述、語りのいずれかのタグを持つSCP記事を書く

心理学者

評価が20以上で、かつ精神影響、ミーム、強制力、感情、記憶影響、知識のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

数学者

評価が20以上で、かつ数学、立方体、多面体、球体のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

医者

評価が20以上で、かつ医療、生理的、眼球、骨格、毒性のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

芸術家

評価が20以上で、かつ芸術、彫り物、装飾品、音楽、彫刻、像のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

建築家

評価が20以上で、かつ都市、建築家、場所のいずれかのタグを持つSCP記事を書く

旅人

評価が20以上で、かつ時空間、未来、異次元、地図、ポータルのいずれかのタグを持つSCP記事を書く

エンジニア

評価が20以上で、かつ機械、時計仕掛け、電子デバイス、自動装置、コンピュータのいずれかのタグを持つSCP記事を書く

崩壊のきっかけ

評価が20以上で、かつxkクラスのタグを持つSCP記事を書く

めちゃめちゃいケテル

評価が20以上のKeterクラスオブジェクトについてのSCP記事を書く

秩序を守る悪魔

評価が20以上のThaumielクラスオブジェクトについてのSCP記事を書く

ニュートララライスド

評価が20以上のNeutralizedオブジェクトについてのSCP記事を書く

映画とかで後ろの方にいるモブ

評価が20以上のExplainedオブジェクトについてのSCP記事を書く

常識外れ

評価が20以上のunclassedオブジェクトについてのSCP記事を書く

英雄譚

自我を持っていて人間に近い外見の人型オブジェクトが主人公であり、評価が20以上のTaleを作成する

誰かの日常

財団職員が登場せず、かつ評価が20以上のTaleを作成する

SCPは世界をつなぐ

日本支部以外の支部、または本家サイトの記事が元となっており、かつ評価が20以上のTaleを作成する
(SCPや人事ファイル、要注意団体など)

てのひら財団

800文字未満かつ評価が20以上のTaleを作成する

シンプルイズベスト

通常の形式で補遺、音声記録、実験記録、インタビュー記録、探査記録等が無く、かつ評価が20以上のSCP記事を作成する

人気者

自分が書いたSCPオブジェクトについて書かれており、かつ自分以外が作成したTaleが10以上ある

ひっぱりだこ

自分が書いた人事ファイルの職員が登場しており、かつ自分以外が作成したTaleが20以上ある

議論の的

ディスカッションに総計50以上の書き込みがある記事を作成した。

週刊誌

一か月に4つ以上の記事を作成する

先達はあらまほしきこと

エッセイ記事を作成する

普通のぉぉぉ標識ぃぃぃ

ガイド記事を作成する

みんなでつくろう

合作記事を作成する

普通じゃない

日本のAnomalousアイテム一覧に追記する

メン・イン・ブラック

日本の超常現象記録に追記する

先生、質問です

財団質問箱に追記する

砲手

カノンハブページを作成する

来週もお楽しみに

連作Taleのためのハブページを作成する

フリーのカメラマン

SCP日本財団中枢資料室に画像を投稿する

スカスカのアルバム

自分の撮影した写真を使用した記事が10以上ある

バイリンガル

本家以外の支部サイトの記事を日本語に翻訳する

ドクター・フー?

「博士」の起源に関するTaleを執筆する

空白白

空白白

空白白

評価: 0

アイテム番号: SCP-888-JP-J

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-888-JP-Jの収容は現在不可能です。
SCP-888-JP-Jが発生した場合には、対象となった人物にBクラス記憶処理が行われます。

説明: SCJ-888-JP-Jは一定の条件下で発生する過去改変現象です。
SCJ-888-JP-Jの発生は、誰かが「執筆」、「作図」、「描画」、「発明」などの方法により、独創性が必要とされるアイデアを形にしたとき(以降、「創作」と表記)に一定の確率で発生します。詳細な発生条件は不明ですが、人種・国籍・所在などの社会的条件、健康状態や周囲の温度、湿度、明度、経度、緯度、標高などの物理的条件に関わらず発生されることが確認されています。

SCP-888-JP-Jの発生時、対象が「創作」した文章・図案・絵画・発明品などとほとんど(あるいは全く)同じものが、過去の別の時点で、対象以外の何者かがすでに「創作」していたという過去改変が行われます。これに伴い、対象の記憶以外の全ての記憶・記録が、その事実に基づいて改変されます。

その性質上、SCP-888-JP-Jの発生を感知することは非常に困難であり、現在地球上でどれだけの頻度でSCP-888-JP-Jが発生しているのか、正確な数字を確認することは不可能です。

何よりも恐ろしいのは、改変を受けた当事者には記憶が残っているということだろう。本人は盗作者の汚名を着せられ、そして当事者以外にはわからない。乾電池を発明したのは本当に屋井先蔵だったのか?イライジャ・グレイが電話機の発明者と認められなかったのはタダの不運なのか?「忍び泣く天使像」が生まれたのは本当にSCP-173が発見されたより後なのか? それすらも分らないのだ。 -███研究員

今分かっていることは、少なくともここまで下らない報告書を書いたのは貴方が二人目だということです -サイト81██管理官

皆さんこんにちは。

えー、私は今回の講義を務めさせていただきます、針山と言います。覚えておいてくださいね。

ハイ。では始めてゆきましょう。
今回のテーマはずばり、「認識災害」です。皆さん、聞いたことありますか?

......問題なさそうですね。

Tale : 絶対に笑ってはいけない財団エージェント24時
Tale : 8900と閉鎖地下シェルター「青い、青い海」
"プラシーボ(としでんせつ)"
"白線の綱渡り"
"無題 瘢画"
"マクガフィンシフター"
"計り知れない定規"
"サイト81XXの亡霊(Vanishing・霊)"
"わたしってこんなひと(明確な正体)"
"誰も知らない時間"
"きっと今は実在しない職員の記録"
"役者川龍之介"
"凡人"
"渾沌文化圏"
"せき"

"『遺伝子組み換え』作物"
"あなたのいないせかい"
"古代バベル語辞典"
"異常性があるという異常性"
"博士のわくわくベストフレンド(30日間試用版)"
"藪の中"
"蜂群崩壊症候群"
"Mr.失う(ミスター・まいごの誤訳)"
"Jそれ、もうあるよ"
"J職員顔隠し"
"マイナスイオン水"
"J 財団データベースの時間異常(休暇喰らい)"
"Tale『Skip』財団"
"Tale 富士樹海の回収作戦"
"鹿島、あるいは母と娘"

"亞書"

"COCTRPG 地球をマニ車に見立てて般若心経をひっつけた人工衛星を打ち上げて地球にアザトースを呼び出す"

評価: 0

始めにことわっておかねばならないことが一つある。
「諸知博士は何でもお見通しな感じがする」「裏で何をしているか知れたものじゃない」と評価する人物がいる。
だがそれは場合によっては正解だが、ほとんどの場合誤りだ。なぜならば、諸知博士の記憶はその時最低限必要な物のみで構成されているからだ。
博士は合理主義者なのだ。

諸知博士は液晶画面に映った自分の写真を見ていた。厳密には、自分の写真を映し出すプログラムの動作を確認していた。
スピーカーからは、不自然ながらも博士の声に似せた合成音声が響いていた。
「こんにちは、私」

諸知博士の記憶が正しければ、それは「人格移植プログラム」の試作品だった。

<hal_aki>: 「それはいかなる慈悲のもとに」
<hal_aki>: 著・内山靖二郎
<hal_aki>: ってこれSCP-TRPGのネタにちょうどよさそう
<flagire_>: 短編小説です?
<hal_aki>: です
<hal_aki>: クトゥルフ2010の冒頭についてる短いの
<flagire_>: そういえば読んでなかったな(
<hal_aki>: 意外と面白かったりするからああいうのは欠かさず読むマン
<flagire_>: 動画勢だったので完全にわかマン! データ類を読むのも面倒くさがる屑
<flagire_>: 生物の設計図についての話か...
<flagire_>: 720ーJPとかの突然変異系を思い出すな...強調度読んだだけだけど
<flagire_>: 今日ちょうど
<flagire_>: 真理を追い求める、探究者だな...
<hal_aki>: うむ、
<hal_aki>: 思ったのだよ。
<hal_aki>: こういう研究者がいたら
<hal_aki>: エージェントが乗り込むよなあ・・・・
<flagire_>: 財団としたら邪魔でしかないですね・・・
<flagire_>: 探究者といえば聞こえはいいですけど
<hal_aki>: うん
<flagire_>: 財団からすれば・・・
<hal_aki>: で、エージェントは
<flagire_>: 要注意団体ですね
<hal_aki>: この"素晴らしき研究の成果"を「収容」出来るのか?
<hal_aki>: っていう、シナリオとして、SCP-TRPGのねたにできるかなーって
<flagire_>: 真理を追い求めるものは財団にとっては危険である。真実がなにも良い物をもたらすとは...
<flagire_>: ちゃんと記憶処理しないといけないじゃないか、いけないなあ、政府は
<hal_aki>: だね。
<hal_aki>: ちょっとSCPっぽいですよね
<flagire_>: 面白かった、これは面白い。読んでなくて後悔する代物です
<flagire_>: 押収された科学者サイドは本当にこんなもんでしょうねぇ
<hal_aki>: ですよねえ!
<hal_aki>: SCP財団でも
<hal_aki>: こっち側視点のTaleは合っていいと思うんです
<flagire_>: 科学という共通の理解できる知識を極めようとしつつも、その先は神・・・科学とオカルトは紙一重? な感じが良いです
<flagire_>: ふーむ、今の感じだと
<flagire_>: "博士"がいいんでしょうか。まあアレはイタズラ商品メーカーな感じですが
<hal_aki>: というか
<hal_aki>: オリジナルでいいと思います
<flagire_>: もしくはやはり生類研?
<hal_aki>: 初戦ゲームでシナリオですし
<hal_aki>: そっちに縛られる必要はないかと
<flagire_>: ああ、そうか。シナリオでやるんでしたね!
<flagire_>: クトゥルフ2010買っていてもこの最初の部分読んでないって言う人は少なからずいるでしょうし(私 で す
<flagire_>: 知っていても、面白いかもしれません
<hal_aki>: たくさんいると思います。
<hal_aki>: Taleにしてもいいですよねえ
<flagire_>: クトゥルフだとどうしても、神を信じるのが狂信者というイメージが強いですが
<flagire_>: 神に近づこうとするのもある意味狂信者ですね...
<flagire_>: なんでそういう、手身近にあるのに読んでなかったんだろうなあ
<flagire_>: でも世界の真理も手身近になるのに隠されているのかもしれない・・・ふーむ、色々刺激を受ける話ですね
<flagire_>: お風呂に入って色々温めてみます。登場するSCPによっても変わるな...
<flagire_>: では一旦離席

やあ!

このあたりではSCPだの財団だのとは全く関係の無い文章や画像が出てくるよ!
あらかじめご了承してね!

え?日本語が間違ってる?知らん。

2015年10月中旬。一部の財団職員に驚くべき報せが届きました。
SCPが、商業誌に載った」。
情報は、Twitterを拠点とする職員を中心に広まってゆき、少なからぬ人々に驚きと興奮をもたらしました。
その商業誌というのが、Role&Roll Vol.133......TRPGの専門誌です。

その雑誌には、おおよそこのような内容が書かれていたそうです。
TRPG『インセイン』の新しいサプリメント、『インセインSCP』が近日発売!

TRPG。皆さん、聞いたことはありますか?
知っているという方、聞いたこともないという方、聞いたことはあるけど意味は知らないという方、知ってるけど遊んだことはないという方......色々な人がいると思います。

私たちは、今回の件をきっかけに、より多くの人たちにTRPGについて知っていただきたいと思い、こうしてお話をすることにしました。TRPGを知っている人も、知らない人も、これを機に、一度遊んでみるというのはいかがでしょうか?

前置きが長くなってしまいましたが、「TRPGとは何か」「実際のプレイはどの様な感じなのか」「インセインとは何か」の3つに分けて、TRPGについてお話をしたいと思います。


さて、TRPGとはなんでしょう? ひとことで言うなら、電源なしに行うロールプレイングゲームです。

みなさんはテレビゲームをしたことはありますか? ドラゴンクエストやファイナルファンタジー、最近だとSkyrimだとかFalloutだとか、様々なものがありますが、元来そういったコンピューターを使ったロールプレイングゲームは、TRPGの人間をコンピューターに変えることで気軽に遊べないか、という試みから始まったものでした。

コンピューターでRPGをする時には、まずキャラクターとストーリーがあります。キャラクターのステータスはコンピューターが管理し、行動は決められた中から選ぶことになります。また、ストーリーは多少の枝分かれはあるものの、結末は決まり切っています。しかし、TRPGの場合は少し違います。全てのキャラクターは「中の人」が居て、考えて行動します。ストーリーは、ある程度決まってはいますが、キャラクターの行動次第でいくらでも変化します。

つまり、TRPGは、つくりかけのストーリーをみんなで完成させるゲームということです。

TRPGをするとき、参加者はGM(ゲームマスター)とPL(プレーヤー)に分かれて、ゲームを行います。
GMは、ゲーム内で起こりうる出来事を管理し、状況を説明し、大まかな筋書きを立てる役割を持った人です。小説に例えると、「地の文や、脇役の行動やセリフを書く人」といえます。
一方PLは、ゲーム内に登場する人物のうち一人となり、その人物を操って物語を進めてゆきます。小説に例えると、「主人公の行動、セリフ、独白を書く人」です。

あまりピンと来ないでしょうか?では、実際にプレイするとどんな感じなのかを書いてみましょう。

GM:ジェイクは仲間を見つけるために酒場を訪れた。
ジェイク:よしきた。マスターに挨拶するよ。
GM:「いらっしゃいませ、ご注文は?」
ジェイク:「おすすめは何だい?」って聞く。
GM:なるほど。するとマスターは「今日のおすすめはこのワインと干肉ですぞ」って教えてくれるよ。
ジェイク:じゃあそれを頼もうかな。「そいつをくれ」って感じでね。

この場合、ジェイクはPC(プレイヤーキャラクター)、つまりPLの操作する人物です。

このようにして、話を進めてゆくわけです。台本に似ていますね。ゲームとしては、RPGの他に、アドベンチャーゲームやノベルゲームにも近いでしょうか。しかしこれらに比べ、「やっていいこと」「できること」が非常に多いです。返答は「はい/いいえ」だけではありませんし、選択肢は二択や三択ではありませんから。

もちろん、何をしたっていいわけではないです。TRPGは多人数ゲームですから、他の人の迷惑も考えなければなりません。他の人が不快になるような行動や発言、話の進行を妨げるようなことはしないようにしましょう。逆に言えば、全員が楽しめるなら何をやったっていいのです。

人なら一度は抱いたことがあるであろう、「小説の主人公になってみたい」という思いに応えるゲーム、それが「TRPG」です。

GM:さて、君たちは扉の前まで来たけど、どうする?
ジェイク:扉は開きそう?
GM:鍵は掛かっていないようだね
ジェイク:じゃあ、とりあえず開けてみるのはどうかな?
リリー:ちょっと待った。ここは敵陣なんだから、もっと警戒したほうが良くない?
ジェイク:おっと、そうだったな。頼んだ。
リリー:耳を澄ませて、扉の向こうの様子を探りたんだけど、GM?
GM:いいとも。【警戒】で判定をするといいよ、6以上で成功だ。
リリー:私の【警戒】は2d6+1...(コロコロ)...8。成功だね。
GM:なるほどなるほど。ではリリーは、誰かが息を潜めていることに気がつくよ。
リリー:(......聞こえたわ!誰かいる、気をつけて!)って小声でジェイクに伝える!
ジェイク:コクリと頷くよ。で、できるだけ警戒しながら開ける!
GM:では、君が扉を開けた瞬間、矢が飛んで来る。【回避】を振ってね。
ジェイク:警戒してるから補正かからないかな?
GM:もちろんかかるとも。普通だったら6だけど、今回は4以上で成功だよ。
ジェイク:えっと、【回避】は1d6+2......4ぴったし。危なかった...
リリー:ホッ。

"永い後日談のネクロニカ"。
ざっくりいうと、プレイヤーはゾンビの少女となり、核戦争で滅んだ世界を旅する。
この世界ではネクロマンサーと呼ばれる、アンデッドを作れる者が支配者であり、実はプレーヤーキャラクター達もそのコマに過ぎないのだ。
しかしそれでも、彼女らは自由を追い求めてさまよう。そんなゲーム。
ゲームの性質上、所謂「リョナ」系の描写が多く(彼女らは痛みを感じないが、その分悲惨だ)、耐性が無い人にはおススメできない。
そんな物好きなゲームで遊ぶプレイヤーが3人、インターネット上に会したというわけである。

これはその物好きな3人の操る可憐な少女たちと、腹黒なゲームマスターことネクロマンサーの記録。

ネクロマンサー 晴野

いわゆる「ゲームマスター(GM)」。邪神の陰謀が渦巻く世界でのGMが「キーパーオブシークレット(KP)」であったり、怪物どもの住む洞窟を管理するGMが「ダンジョンマスター」であったり、あるいはコンピュータが管理する資本主義のディストピアにおけるGMが「ウルトラヴァイオレット」であるように、ネクロニカの世界のGMは「ネクロマンサー(NC)」なのだ。
TRPG経験はそこそこではあるが、ネクロニカは2回目。ツイッターで募集をかけたら割と簡単にメンバーが集まるあたり果報者である。

プレイヤー ペーティ

プレイヤー(PL)その1。TRPGはかなり経験済み。ネクロニカは初めてだが、学校にルールブックがあったので借りて読みながらやるとのこと。それを聞いたときNCが「これで説明が楽になるかも」と内心思ったのは言うまでもない。積極的なプレイングで良い感じの雰囲気を作ってくれる頼れる人。

プレイヤー ひのけん

プレイヤー(PL)その2。TRPG経験はあるが、チャットでのセッションは初とのこと。チャットで文字を打ちながらロールプレイをするのは苦手だとのことだが、顔を合わせてロールプレイする方がこっぱずかしいのではというのが私の意見だが、どうだろう。口数は多くはないが、盛り上げるとこではしっかり盛り上げてくれます。

プレイヤー TVfish

プレイヤー(PL)その3。TRPGは完全に未経験だが、ネクロニカの事は知っていたとのこと。その割にはみんなを引っ張ってロールプレイをしてくれた気がするが......。今回かなり個性的なキャラクターを作って来てくれたので、どう動くのだか、とても楽しみだ。

それと、キャラクターについてもここに書いておこう。

ドール ヴェリタ(中の人:ペーティ)

このネクロニカでは、プレイヤーの動かすキャラクターは「ドール」と表記される。また、「仲間」「パーティ」は「姉妹」となる。
ドールその1。
ドールにはポジション(性格のような物)とクラス(職業のような物が)ある。それによってドールの性能が大きく変わるのだが、
彼女の場合、ポジションがホリック(追い求める者)、クラスはタナトス(白兵特化)、バロック(肉弾戦特化)だ。
また、ドールたちは生前の記憶をほとんど持っていないが、わずかに断片的な記憶を持っている。それによると、生前の彼女は、布団にくるまってすやすや寝るのが好きで、誰かに嘘をついたことを後悔しているそうだ。そして、過去の自分と今の自分は大きく違うとも感じている。そして、手鏡を大事に持っている。
基本的に戦闘に特化したタイプで、戦闘では【死神】(命中率・クリティカル率アップ)【怪力】(近接ダメージ増加)などのパッシブスキルを使いパワフルに敵をなぎ倒すキャラクターだ。メインとなる武器は【日本刀】、特徴としては腕に【よぶんなめ】(行動回数増加)が付いている。
他の姉妹と違い耐久が弱いので、うまくカバーしてもらわないと厳しいだろう。その辺も含めて注目だ!

ドール リーベ(中の人:ひのけん)

ドールその2。
ポジションはホリック(殆ど壊れているが、それでも希望を捨てない者)、クラスはバロック(肉弾戦特化)、ステーシー(防御特化)となっている。
彼女の記憶は、大事に育てた花が一杯の花壇、そして、書きかけの絵で占められている。しかし、それに関する何らかの悲劇があったらしいことも覚えていた。
プレイヤーの趣味により【けもみみ】【しっぽ】(共に行動回数増加)が生えていて、なかなか愛らしい外見になっている。基本的な戦闘スタイルとしては、【庇う】というスキルで姉妹のダメージを肩代わりし、【再生】(ダメージ軽減)で耐えるという、いわゆる盾役となっている。攻撃手段は【肉切り包丁】だ。
その包丁でどう料理してくれるのやら、見ものだね。

ドール ハチヤ(中の人:TVfish)

ドールその3。
ポジションはソロリティ(姉妹をまとめあげるリーダー役)、クラスはロマネスク(汎用型)、レクイエム(射撃特化)だ。
彼女の記憶に残っているのは、誰か大切な人を生き返らせたかったことと、優雅なお茶会を開いたこと。そして、何かこの世界を変えうる情報を持っていたような気がする......ということ。
これまたプレイヤーの趣味なのかは知らないが、下半身が多脚戦車に置き換えられている(【キャンサー】)。これにより割と頑丈だが、なんだかタチコマと人間のハーフみたいになっている(そこがまた可愛いともいえる)。主な武器は【バール】と【二丁拳銃】を使ったガン=カタだ。役割としては、【愛撫】(敵の動きを一時的に封じる)や【ワイヤーリール】(相手を動かす。状況によってさまざまな使い分けができる)を使ったサポート役と言ったところか。
外見年齢が10歳とのことで、それでリーダー役が務まるのか若干不安ではあったが......はたして。


あなたたちは、奇妙な音に起こされる。
もっと眠っていたい、眠っていなければならない...そう思いながら。
部屋は真っ暗だったが、あなたにはわかった。この部屋が白いことが。
白い部屋。ここはどこだろう。あなたが覚えているのは、自分の名前と、ほんのわずかな記憶のカケラだけだ。
ふと横を見ると、知らない少女がそこにいた。


ネクロマンサー@晴野:といったかんじで始めていきましょう!まずみなさんどうしますか?

ヴェリタ@神宮寺:「ここは一体......ボクは寝ていたのか?」って体を起こします。
ヴェリタ@神宮寺:なんとなく僕っ娘にしてみた
ネクロマンサー@晴野:よい
リーベ@ひのけん:その言葉に「......うーん?」と反応しながら目を擦って体を起こします
ハチヤ@TVfish:グーグー寝てます
ヴェリタ@神宮寺:「君たちは......?」
リーベ@ひのけん:「いや、それはこっちのセリフなんだけど......」と言いながらハチヤの方に目をやる
ネクロマンサー@晴野:起こしてあげてw
リーベ@ひのけん:近づいてビンタしてみる

しょっぱなからこれである。容赦がない。

ハチヤ@TVfish:「ぷえっ!!な、なにすんねん!」
ヴェリタ@神宮寺:関西弁だ
ネクロマンサー@晴野:関西弁だ
リーベ@ひのけん:関西弁か...
ヴェリタ@神宮寺:さすが財団関西勢やでぇ......(注:TVfish氏は関西在住)

リーベ@ひのけん:「......いや、寝てたから」
ヴェリタ@神宮寺:「もう少しそっと起こしてあげてもよかったんじゃないかな」
ハチヤ@Tvfish:「あーん、もうほっぺたジンジンするー・・・あれ?おねーちゃんたち誰?」
ヴェリタ@神宮寺:「ボクは......誰といわれると困るけど名乗るならこうだ。ヴェリタ、と」
リーベ@ひのけん:「私はリーベ、かな?」
ハチヤ@Tvfish:「へー、かっこいい名前やー、ウチはハチヤいいます。よろしゅう」

なお、彼女らの名前は、本当の名前とは限らない(彼女らの記憶はおぼろげな物である)ので、こんなあいまいな自己紹介になる。

ヴェリタ@神宮寺:「よろしく」
ネクロマンサー@晴野:というわけで自己紹介は終わりかな?
ハチヤ@Tvfish:いえい
ネクロマンサー@晴野:じゃあ、他に取りたい行動はあるかい?
リーベ@ひのけん:周りを見てみる
ヴェリタ@神宮寺:部屋でも調べましょうか
ヴェリタ@神宮寺:何か目につく物はあるかなー
ネクロマンサー@晴野:部屋はコンクリート製ですネ〜
ネクロマンサー@晴野:部屋は本当に殺風景で
ネクロマンサー@晴野:3人分の壊れたベッド、換気扇、扉があるくらいです
ヴェリタ@神宮寺:「一応外に出られるみたいだね」
ネクロマンサー@晴野:おっとその前に、対話判定を振ってみるといいんじゃないかな?

対話判定とは、ネクロニカの重要なシステムの一つだ。
姉妹たちはこの「終わった」世界で過ごしていくうち、次第に狂気に呑まれていく。
そんな中、狂ってしまわないように仲間と心を通わせ正気を保つ。それが「対話判定」だ。
ドールが仲間と会話したときに、NCに「対話判定振っていいですか」と聞き、NCは、会話の流れが「こんな会話だったら微笑ましいな」とか「狂気も和らぐだろうな」を思った場合、それを許可する。
そしてPLはダイスを振り、判定に成功すれば狂気が和らぐ...と言った具合。

インセインシナリオ「Bees」


概要

タイプ:特殊型
リミット:4
プレイヤー人数:3人
プライズ:穴だらけのメモ 電話のメモ ハチの日記 カルテ
ワールドセッティング:本当は怖い現代日本
シーン表:オリジナル
ルールブック:基本のみ。
トレイラー:君たちの知人、春山英一は死んだ。その最後はあまりにも凄惨で、狂気じみたものだったという。死。死とはすなわちハチだ。ハチは死だ。ハチから逃げなければ。
背景:PC1の兄であり、PC2の友人である春山英一が不審な死を遂ました。実は彼はある怪異に侵されていて、それが原因で死んだのです。そして、怪異はPCたちをも狂気の渦に引き込んでしまいます。PCたちは何とかしてこの怪異の影響下から脱しなければなりません。
狂気:【疑心暗鬼】【広がる恐怖】【パニック】【フェティッシュ】【異言】【闇からの祝福】【多重人格】【暴力衝動】に加え、シナリオオリジナルの狂気として【疑問】2枚と【思い込み】2枚を用意する。

疑問
トリガー:そのシーンで、他のPCが「ハチ」と発言する。
もし誰もハチが邪悪な計画をしていることに気づかなかったらどうなるんだろう?もし架空のキャラクターがたまたまハチだったらどうなるんだろう?荒唐無稽な疑問が延々と口からあふれ出す。この【狂気】が顕在化したシーンに登場する自分以外のPCは全員、【正気度】を1減らす。
思い込み
トリガー:錯乱状態になる。
自分は実はハチなのではないかと思い込む。自分が新たに【狂気】を公開するまで、自身が攻撃判定を行うとき、指定特技の適用範囲に《刺す》があれば、指定特技の代わりに《刺す》で判定を行う。

特殊ルール

プライズの受け渡し

このシナリオに登場する全てのプライズは、PC間の合意があれば、ドラマシーン中に特に制限なく受け渡しをすることができます。

プライズの調査判定

このシナリオに登場する全てのプライズは、【秘密】を持っています。プライズの【秘密】を知るには、プライズに対し調査判定を行う必要があります。プライズに対する調査判定は、所有者でなくとも行うことが出来ます。

プライズの廃棄判定

全てのPCはドラマシーン中、計画判定および補助判定として、任意の暴力分野の技能で判定を行うことが出来ます。成功した場合、そのPCは所持するプライズを好きな数、廃棄しても構いません。廃棄されたプライズは、誰の所有物でもなく、基本的に無いものとして扱います。

ハチシーン表
このシナリオでは、以下のシーン表を用います。
出目 ハチシーン表(2D6)
2 羽音が聞こえる。ふと気が付くと、腕が何か所も腫れている。どうやら虫に刺されたようだ......。
3 羽音が聞こえる。それも四六時中ずっとだ。頭がおかしくなってしまいそうだ。いや、もうおかしくなってしまっているのか......?
4 羽音が聞こえる。それは外に居ても、今みたいに自分の部屋でくつろいでいても変わりない。
5 羽音が聞こえる。それなのに、周囲に虫のようなものは見当たらない。もっとよく探してみようか......。
6 羽音が聞こえる。いや違う。これは雨音だ。ざあざあと振る雨が、ふと一瞬、ハチの群れのように見えた。
7 羽音が聞こえる。たとえどんなにうるさい場所に居ても、それは変わらない......。
ハチ 羽音が止んだ。しかし、喜びもつかの間、安息の時間はそう長続きする物では無かった。
9 羽音が聞こえる。一体どこから聞こえるのだろうか。耳を澄ませて探ってみると......。
10 羽音が聞こえる。こんな真っ暗闇の中に居ても、この羽音は付いてくるのか......。
11 羽音が聞こえる。せっかく音楽を聞いているのに、これじゃあ台無しじゃないかと抗議したい気分だ。
12 羽音が聞こえる。見ると一匹のハチが飛んでいる。何となくそれを目で追っていると、不意に、視界内のものが全てハチであるような錯覚を覚えた......。

2:2。羽音が聞こえる。ふと気が付くと、腕が何か所も腫れている。どうやら虫に刺されたようだ......。
3:3。羽音が聞こえる。それも四六時中ずっとだ。頭がおかしくなってしまいそうだ。いや、もうおかしくなってしまっているのか......?
4:4。羽音が聞こえる。それは外に居ても、今みたいに自分の部屋でくつろいでいても変わりない。
5:5。羽音が聞こえる。それなのに、周囲に虫のようなものは見当たらない。もっとよく探してみようか......。
6:6。羽音が聞こえる。いや違う。これは雨音だ。ざあざあと振る雨が、ふと一瞬、ハチの群れのように見えた。
7:7。羽音が聞こえる。たとえどんなにうるさい場所に居ても、それは変わらない......。
8:ハチ。羽音が止んだ。しかし、喜びもつかの間、安息の時間はそう長続きする物では無かった。
9:9。羽音が聞こえる。一体どこから聞こえるのだろうか。耳を澄ませて探ってみると......。
10:10。羽音が聞こえる。こんな真っ暗闇の中に居ても、この羽音は付いてくるのか......。
11:11。羽音が聞こえる。せっかく音楽を聞いているのに、これじゃあ台無しじゃないかと抗議したい気分だ。
12:12。羽音が聞こえる。見ると一匹のハチが飛んでいる。何となくそれを目で追っていると、不意に、視界内のものが全てハチであるような錯覚を覚えた......。


導入フェイズ

シーン1 ム死の報せ

このシーンはマスターシーンです。
PC1の元に電話がかかります。その内容は、数年の間疎遠であったPCの兄である「春山英一」の死を告げるものでした。話を聞く限り、彼の死は非常に凄惨なものだったらしく、なんと自らアイスピックで全身に穴を開けて死んでいたそうです。また、春山の友人であったPC2にも同様の内容の電話がかかってきます。

シーン2 医師の探求

このシーンはマスターシーンです。
精神病院で勤務していたPC3の元に警察がやって来ます。なんでも、この病院の患者である「春山英一」という人物が不審な死を遂げたということで、彼の症状に関するカルテを資料として要求してきます。

シーン3 羽音

このシーンはマスターシーンです。
PCたちは春山の住んでいたアパートを訪れます。お互いに自己紹介をして下さい。
彼の部屋は非常に雑然としており、警察の人々も調査に苦労しているようです。そんな中、PCたちは不意に、「ぶぅん」という、虫の羽音のようなものを耳にします。

シーン終了時、ハンドアウト「羽音」「春山英一の死体」「春山英一の部屋」が公開されます。
導入フェイズはこれで終了となります。


メインフェイズ

このシナリオには、以下のマスターシーンが発生します。

彼はハチ

1サイクル目が終了したタイミングで発生するシーンです。
PC3の元へ、警察官の男性が再び訪れます。彼は、PC3の所持していたカルテを返しに来たのです。
彼はカルテを返却したあと、相談を持ち掛けてきます。内容は、「最近、ハチがやかましくて、困っているんですよ。この調査に関わってからですかね、本当に、うるさくてかなわんのですわ。最近は、家の中に住みついちまったみたいで、ぶんぶんと、うるさいんですわ。最近は、ハチを困っとるんですわ。最近は、頭のなかにハチがぶんぶんとうるさくてハチ」などと、支離滅裂な物です。そして最後に彼は、「やかましい!」と叫び、持っていた拳銃で自らのこめかみを打ち抜きます。
彼はその場に倒れます。こめかみから大量の血が噴き出しています。しかしよく見るとそれは血ではありません。ハチです。
驚いてもう一度よく見ると、そこに倒れていたのは警察官ではなく、無数のハチが群れ集ったものでした。
PC3は《夢》で恐怖判定を行ってください。PC3はプライズ「カルテ」を獲得します(これは功績点には含みません)。

あなたはハチ

2サイクル目が終了したタイミングで発生するシーンです。
PC2と、それ以外のPCが1人以上登場します。登場するPCは希望を募ってもいいですし、ランダムに決めてもかまいません。このシーンに登場するPC2でないPCを、便宜上PC(X)と表記します。
PC(X)は、一緒に行動していたPC2が気が付くと居なくなっていることに気が付きます。《追跡》での判定に成功すれば、PC2を見つけることが出来ます。PC2は人気のない場所で、なんとあの羽音と会話をしています。PC2はPC(X)に気が付くと、直ちに会話をやめ、「携帯電話を使っていた」などと言ってごまかすでしょう。PC(X)は《物陰》で恐怖判定を行ってください。《追跡》での判定に失敗した場合、PC2は自分から戻ってきます。しかし、PC(X)は、PC2の周りを飛び交う羽音に気づきます。PC2はそのことを全く意に介していません。

世界はハチ

3サイクル目が終了したタイミングで発生するシーンです。
PC1は、昼夜を問わず責め立てる羽音に苦しめられています。そのせいか、時折自身の思考が支離滅裂になってゆくのがわかります。踏切の縞模様から無数のハチが飛び立ち、あなたの方へ襲い掛かってくるのを見ました。降りしきる雨の一粒一粒が実はハチであることに気が付きました。本を読んでいたら、テレビがハチで、ニュースキャスターは活字を毒針であなたを刺しました、痛い。
あなたはもうおかしくなってしまいそうです。もしかしたら、あなたも気づいていないだけで、自分は何かを忘れているのかもしれません......そう思います。
PC1は《終末》で恐怖判定を行ってください。以降、PC1に対して調査判定を行った場合、もともとの【秘密】に加え、【忘れられた秘密】の情報を入手できます。また、PC1は自身に対する調査判定を行えるようになります。

俺はハチ

「ハチの日記」の【秘密】が公開されたタイミングで発生するシーンです。
登場するPCは、直前のシーンに登場していたPC全員です。
日記の内容が公開されます。それは以下の通りです。

3月17日
今日、俺はこのノートを買った。なんとなくだ正直な話、何となく入った店の店員が可愛かったから、話すきっかけになればと思ったんだ。もったいないし日記でも始めることにする。それと、俺のおじさんの遺産がついに整理された。山ほどの金はなかったが、その後クソ重たいガラクタを手に入れた。とんでもなく古いガラクタだ。なんだかひどく懐かしい感じのする代物だった。(略)

3月20日
おじさんのガラクタを調べてたときに妙なことが起こった。(判読不能)そしていつの間にか俺はこのトゲ刺すモノを持ち上げて腕に振り下ろす。見ると、刺し傷の跡のようなものが5個、腕に付いていた。これは何だ?俺を刺す気配は何もなかったんだが、念のため殺虫剤を買ってきた。

3月21日
メモ:ブンブンいってるのが何なのか探し出す。ぎりぎり音が分かるような時でも、煙探知器のそばにいる時と同じように、俺はあの音が大嫌いだ。アパートの管理人からは何も言われてない。管理人が来て、私には何もできないとか言い張っていた。ケチめ。面倒事を無かったことにしたいんだ。どうせ階段上るのがめんどくさいとかそう言うことだろ。

3月22日
(略)関係ないが、今日ハチについてニュースで見た。どうも大量のハチが姿を消していて、なぜなのか誰にもわからないらしい。それで今はフルーツやらを授粉させることができないらしい(誰でもフルーツ食べているという意味だ)。俺はそれをエイリアンだったとは言っていないが、しかしエイリアンだったのだ。けどどういうわけか全部俺を刺してくる。たくさん。ハチ! 最近俺変だぞ。
ブンブンいうのはまだ消えていない。どちらかといえば、うるさくなっている。害虫駆除業者もここでは何もできなかった。それから食器棚の中を探っていたときに俺は腕に他の刺し傷を作っていた。偶然なのかそれとも俺ハチょっと被害妄想になってきているのか。

もしハチがスズメバチに我慢できなくなったらどうなるんだろう?
もしハチがもっと小さなハチで作られていたらどうなるんだろう?
もしハチがもっともっと大きなハチで作り上げられていたらどうなるんだろう?
もし電話をとったときに代わりにハチだったらどうなるんだろう?
もしハチの写真があったらどうなるんだろう?
(数ページ略)
もしハチが精神科に殺到していたらどうなるんだろう?
もしハチがキツネザルになることを夢見ていたらどうなるんだろう?
もしハチについてのウィキがあったらどうなるんだろう?
もしウィキペディアがハチだったらどうなるんだろう?
もしハチが話の途中で俺を殺したらどうなるんだろう?

ドアの鍵を掛けた。
3月32日 4月?思い出せない、あとでもう一度試そう。ハチ。ハチ!
アロエを使い果たした。マウスウォッシュに使わなければならかったやつだ。驚くほど効果的だったけど、まだ出血は治ってない。優香から電話が来て木曜のハチ時にデートの約束をした。2時間前のことだ。彼女がブンブンいううるさいのを乗り越えてここに来れたのは驚いた。電話はハチだった。

木曜日
今日優香がやってきて、ハチのせいで悲鳴をあげた。今や彼女はハチだ。なんで俺はハチじゃないんだろうか。もしかして俺も?ハチは自分たちがハチだということを知っているのか?黄色。
(押しつぶされたハチの死体)
かかってこい

3月17日
道路を見る。道路はほとんどハチじゃない。このほくろを診てもらえるかどうか確かめるために、病院へ向かうつもりだ。
病院へ行け。病院はハチだ。すでに、どうやって?ちょうど着いた。いや、待て、それは俺のメガネだ。俺のメガネはもちろんハチだった。
診察の予約も何もしてなかったが、看護婦はパニックチームか何かに電話して、急いで俺を医者まで連れて行った。嬉しいけど僕は別に緊急じゃあない。俺は本当にほくろを診てもらう必要があるだけなのに。ほくろがハチじゃない限り。
医者は俺を診てどこも悪いようには見えないと言った。えーと、もちろん悪いところはない、ハチ以外は。あと出血、けどそれはハチに刺されたからだろう。医者はしばらくの間議論してたが、間もなく俺を追っ払った。

3月119日
ハチが医者を食っていたことに触れるのを忘れてた。他の医者はしばらく叫んでいたが、ハチが食べ終えたときには彼らは完全に落ち着いていて、俺にサインさせて追い出した。
ああ疲れた。もう嫌だ

俺はハチだ。

シーンに登場していたPCは、全員《メディア》で恐怖判定を行ってください。

ハチではない

「ハチの日記」が廃棄されたタイミングで発生するシーンです。
登場するPCは、直前のシーンに登場していたPC全員に加え、登場していなければPC2です。
PC2は意識の混濁に気づきます。あなたは春山から送られてきた日記を受け取ってから、まるで誰かに操られていたかのように行動していたのをおぼろげに記憶しています。【正気度】を2減少させ、狂気カードを1枚引いてください。
PC2は、自身の本来の【秘密】と【使命】を手に入れます。


クライマックスフェイズ

4サイクルが終了した時点で、「穴だらけのメモ」「カルテ」の秘密が公開されていなかった場合、あるいはすべてのプライズが廃棄されずいずれかがゲーム内に残っていた場合、クライマックスフェイズには進まず、シナリオは失敗となります。PCたちはハチのもたらす狂気に呑まれてしまうでしょう。バッドエンド表を振ってください。
「穴だらけのメモ」「カルテ」の秘密が公開されており、かつ、全てのプライズが廃棄されていた場合、クライマックスフェイズへと進むことが出来ます。
クライマックスフェイズの舞台は、春山英一の自宅です。ハチのもたらす狂気から逃れるためにはハチに関係する記録を破壊する必要があるのですが、あなた方が持つ記録は全て破壊しました。しかし、ハチの羽音は止みません。
まだ春山の部屋に残されたハチの記録があるのではとにらんだPCたちは、残った記録を廃棄するために、ここまで来たのです。
PCたちが部屋の中を調べていると、ブゥーン......という、羽音によく似た、しかし別の音が聞こえてきます。音が聞こえてきた方を調べると、なんと放置されたコンピュータがあります。コンセントも回線もつながっていないように見えるそれはしかし、インターネットにつながっており、何かのデータをアップロードしているように見えます。PC達による操作は受け付けません。《電子機器》で恐怖判定を行ってください。
「ハチ」との戦闘になります。
5ラウンド目が終了した、あるいはPC全員が離脱した、戦闘不能になったなどの理由により、「ハチ」を倒すことが出来なかった場合、ハチは世界中に拡散されます。バッドエンド表を振ってください。ハチを倒せば戦闘は終了です。最後のハチの宿主であったコンピュータは破壊され、PCたちは付きまとう羽音から解放されます。

ハチ
脅威度:6 属性:怪異 生命力:21 好奇心:情動 特技:《刺す》《物音》《生物学》《混沌》
アビリティ:
【基本攻撃】 攻撃 《刺す》
【精神浸食】 サポート 《物音》 支援行動。ドラマシーンにも使用できる。目標1人を選ぶ。目標は、《物音》で判定を行う。失敗すると、未公開の【狂気】をランダムに1枚選び、それを公開する。(【毒電波】と同じ)
情報に寄生し増殖する蜂の怪異です。どこまでも付きまとう無数の羽音は人々の心を狂わせます。今はコンピュータに憑りついています。

ハンドアウト

PC1の使命
あなたは自殺した春山英一の弟だ。 兄の死はどう考えても異常な状況であった。これは絶対に普通の自殺ではないとあなたは確信している。
あなたの【使命】は、兄の死の真相を解き明かすことだ。
PC1の秘密
ショック:なし 兄が死ぬひと月ほど前、兄から電話が掛ってきたことがある。その時の兄はひどく疲れた様子で、狂ったようにハチの話をしていた。これは確かなことだ。なぜなら......なぜだったっけ。
兄が死んでからというもの、時折どこからともなく羽音のようなものが聞こえる。この不気味な羽音は蜂の物なのだろうか?自分も兄の様になってしまうのだろうか?
あなたの【本当の使命】は、この付きまとう羽音から逃げきることだ。
PC1の忘れられた秘密
ショック:なし マスターシーン「世界はハチ」が終了するまでは、この情報は公開されない。
あなたは、兄からの電話の内容をメモしていた。些細な事だったから忘れてしまっていたのだろう。
この【秘密】を知ったPCは、公開状態でプライズ「電話のメモ」を獲得する。
PC2の使命
あなたは自殺した春山英一の友人だ。 彼の死はどう考えても異常な状況であった。困ったことにあなたは、彼が死んでからというもの、奇妙な夢ばかり見るようになってしまったのだ。
あなたの【使命】は、悪夢を見なくて済むようになることだ。
PC2の秘密
ショック:全員 あなたはハチだ。ハチはあなただ。今は人の姿をしている。つまりハチは人だ。そして人はハチだ。
あなたはプライズ「ハチの日記」を非公開で隠し持っている。なぜならハチだから。
あなたは「ハチの日記」に調査判定を行うことが出来ない。
あなたの【本当の使命】は、PCのうち誰か1人をハチ(つまり錯乱状態)にすることだ。
この【秘密】を知ったPCは、《混沌》で恐怖判定。
PC2の本来の秘密
ショック:なし 春山が死ぬ数日前、彼から郵便物が届いた。それは彼の日記であった。それを受け取ってからというもの、まるで体も心も他人のもののようで、現実感がなかった。
本来の意識は取り戻したが、再び体を乗っ取られるのは絶対に嫌だ。
あなたの【本当の使命】は、怪異を退けることだ。
PC3の使命
あなたは自殺した春山英一の担当医だ。一度会っただけではあるが、妙に彼の事が気になって仕方がない。
あなたの【使命】は、春山英一の死の真相を解き明かすことだ。
PC3の秘密
ショック:なし あなたは最近、よく眠れない。眠ろうとすると、どこからともなく羽音が聞こえてきて、それに起こされてしまうのだ。また、知らぬ間に虫刺されの様なできものが出来ていたこともあった。
そういえば、春山があなたのカウンセリングを受けた時に、やたらと蜂について口走っていた気がする。カルテにもそう書いてあるはずだ。
あなたの【本当の使命】は、何とかしてこの厄介な虫を追い払うことだ。
あなたは、はじめから【恐怖症】の【狂気】を持っている。
羽音
PCたちを悩ませる謎の羽音。ぶんぶんうるさい。
羽音の秘密
ショック:なし どんなに探しても、羽音の正体を見つけることが出来ない。だが、他の人には聞こえないようだ。しかも、気が付かないうちに刺されていたらしく、腕が数か所腫れている。
この【秘密】を知ったPCは、《物音》で恐怖判定。
春山英一の死体
春山英一は自室にて奇妙な自殺を遂げた男性だ。PC1の兄であり、PC2の友人でもある。どういうわけか、最近はほとんど外出していなかったらしいが、PC3のいる精神病院で数回受診している。
死体は手にアイスピックを持っており、それを自身の体中に突き刺したためか、穴だらけの状態である。
春山は【使命】を持たない。死んでいるからだ。
春山英一の死体の秘密
ショック:この【秘密】が明らかになったシーンに登場したPC 拡散情報。春山の死因は失血死ではなく、アレルギー症状の一種であるアナフィラキシーショックだ。詳しく調査した結果、原因は蜂毒の一種であることがわかった。
それと、彼は一枚の紙を持っていた。紙には無数の穴があけられ、ほとんど読むことが出来ない。
【秘密】が明らかになった時、シーンプレイヤーはプライズ「穴だらけのメモ」を獲得する。
この【秘密】を知ったPCは、《刺す》で恐怖判定。
春山英一の部屋
春山英一の住んでいた部屋。ひどく散らかっている。
春山英一の部屋の秘密
ショック:ハチでないPC 彼の部屋は非常に雑然としている。無数のごみや紙くずを取り除いていると、ごみの下から大量の蜂の死体が現れた......
この【秘密】を明らかにしたPCは、任意のアイテムを1つ獲得できる。
プライズ:穴だらけのメモ
アイスピックのようなもので無数の穴を開けられたメモ。ノートの切れ端のようだが......?
穴だらけのメモの秘密
ショック:なし 拡散情報。どんな文章が書かれてるかはわからないが、メモをよくよく見ると、「ハチ」と読める文字が頻繁に登場していることがわかる。また、無数の穴が規則的に開けられた様子は、どこか蜂の巣を連想させるものだ。
これを持っているとなんだかひどく嫌な感じがする。これを所持しているハチでないPCは、サイクル終了時に【生命力】か【正気度】を1点減少させる。
プライズ:電話のメモ
春山からPC1への電話を記録したメモ。要領を得ない会話の内容が綴られている。
電話のメモの秘密
ショック:なし 拡散情報。「ハチを殺すなら、広めるの逆」という一文を見つける。
これを持っているとなんだかひどく嫌な感じがする。これを所持しているハチでないPCは、サイクル終了時に【生命力】か【正気度】を1点減少させる。
プライズ:ハチの日記
春山の日記。表紙にデフォルメしたハチが描かれている。
ハチの日記の秘密
ショック:なし 拡散情報。イベント。
この【秘密】を明らかにしたPCは、このプライズを得ることが出来る(本来の持ち主から奪う)。
これを持っているとなんだかひどく嫌な感じがする。これを所持しているハチでないPCは、サイクル終了時に【生命力】か【正気度】を1点減少させる。
プライズ:カルテ
春山のカルテ。診断の結果は、統合失調症と診断された。
カルテの秘密
ショック:全員 拡散情報。春山の発言を記録したものの中に、「ハチを広めるには、記録させる」という一文を見つける。
これを持っているとなんだかひどく嫌な感じがする。これを所持しているハチでないPCは、サイクル終了時に【生命力】か【正気度】を1点減少させる。
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