アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-███の標準人型収容室に収容されています。現在、レベル4以上の職員の許可なしにSCP-XXX-JPと面会することはできません。また、レベル5以上の職員の許可なしにSCP-XXX-JPに何らかの情報を与えてはいけません。SCP-XXX-JPと面会する場合は、必ず内容を録音することが義務付けられています。
説明: SCP-XXX-JPは、推定30才前後のやや痩せ型の日本人男性です。本名は不明で、自らをSCP-XXX-JPと呼びます。外見に異常性は無く、財団に対して協力的な態度を見せています。SCP-XXX-JPは19██年█月██日に使用されていなかった213号収容室に突如として出現し、そのまま財団の保護化に入りました。
SCP-XXX-JPは、前日までに起きた出来事を記憶しておくことができません。その代わり、翌日以降の出来事に関する記憶を保持しています。SCP-XXX-JPの証言では"朝起きると世界が1日戻っている"と主張していますが、時空間異常は確認されていません。SCP-XXX-JPのこれまでの予言は全て的中していますが、予言の結果を変えようとする試みは全て悲劇的な失敗を産みました(補遺-XXX-Bを参照)。これらの事象がSCP-XXX-JPの能力に依るものなのか、単にSCP-XXX-JPが未来を知っているだけなのかは未だ判別できていません。
SCP-XXX-JPは初対面の人間に対して比較的馴れ馴れしく接し、収容措置に対しても概ね満足している様子です。レベル2以上の職員の許可があれば、自由に面会をすることができます。ただし、SCP-XXX-JPに"はじめまして"と挨拶された対象はその後SCP-XXX-JPに接触を試みてはいけません。もし接触しようとした場合、対象の死亡という結果になります。
追記: 20██年█月以降、SCP-XXX-JPは段々と未来に関する記憶を喪失していき、█月█日には自分自身や財団に関する知識などを全て喪失しました。その翌日SCP-XXX-JPは突如としてSCP-███とSCP-███に関する極秘情報と破滅的な████について話し始め、それを聞いた職員と共にクラスA記憶処理を施されました。しかし、その翌日以降もSCP-XXX-JPは極秘情報とそれに関する警告を職員に伝えようとし続け、更なる記憶処理の試みは失敗に終わりました。深刻な情報漏洩とミーム汚染を防ぐために、現在SCP-XXX-JPとの面会は原則的に禁止されています。
補遺XXX-A: SCP-XXX-JPとT博士の最初のインタビューログ
<録音開始>
T博士: それでは、記録を開始します。あなたの名前は何ですか?
SCP-XXX-JP: 私はSCP-XXX-JPだよ。
T博士: その番号は現在使用されていません。
SCP-XXX-JP: 私がその番号に当たるんです、T博士。
T博士: なぜ私の名前を?
SCP-XXX-JP: 君に教えてもらったんだよ、ずっと昔にね。それより、私はこれからどうなるんだろうか。
T博士: 我々が責任をもって保護します。多少の自由は諦めてもらうかもしれませんが、全てはあなたの協力次第です。
SCP-XXX-JP: いや、そういうことではなく...私は昨日までどこに居たんだ?
T博士: それは我々が聞こうとしていたことですが。覚えていないのですか?
SCP-XXX-JP: わからない。不安で仕方ないよ。
T博士: 大丈夫です。これからは我々に任せてください。
SCP-XXX-JP: T博士、君ともこれで最後か。今までありがとう。
<録音終了>
補遺XXX-B: SCP-XXX-JPの予言能力に関する検証実験
実験1
日付: 19██/██/██
実施者: T博士
質問内容: 「T博士は翌日も面会に来るか」
回答: 「ええ、昨日も来ました。大分慌てている様子でしたが」
実験内容: T博士は翌日SCP-XXX-JPの収容室には行かず、サイト-███のオフィスで業務を行う
結果: SCP-████-JPの深刻な収容違反が発生し、オフィスで██名の死傷者が出た。T博士はSCP-████-JPに追い込まれる形でSCP-XXX-JPの収容室に命からがら逃げ込んだ。
実験2
日付: 19██/██/██
実施者: K研究員
質問内容: 「翌日に東京競馬場で開催される████杯の着順について」
回答: 「すみませんが、憶えていません」
実験内容: 翌日判明した着順をSCP-XXX-JPに知らせる
結果: K研究員は翌日出勤途中に交通事故に巻き込まれ死亡。その後該当情報を伝える試みは失敗し続け、実験開始から4年3か月後に初めて成功した。
実験3
日付: 19██/██/██
実施者: D-XXX012
質問内容: 「D-XXX012に会ったことはあるか」
回答: 「会ったことはありませんよ。どうも初めまして」
実験内容: D-XXX012を翌日も収容室で面会させる
結果: 翌日未明、Dクラス収容房でのガス爆発事故によってD-XXX012は死亡。遺体は識別できないほど損壊した。
実験4
日付: 19██/██/██
実施者: D-XXX015
質問内容: 「D-XXX015に会ったことはあるか」
回答: 「確か三日ほど前に一度」
実験内容: D-XXX015を退室後に射殺する
結果: [削除済み]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは紙媒体に記述された形で保存され、サイト-██の金庫に厳重に保管されています。レベル4以上の職員の許可なしに、SCP-XXX-JPを閲覧することはできません。また、SCP-XXX-JPの手順をコンピュータ上で実行することはいかなる理由があっても禁止されています。SCP-XXX-JPによるものと思われる形跡を発見した職員は直ちに情報管理部に報告し、発信源を突き止めてください。
説明: SCP-XXX-JPは、全部で13行の手順からなるアルゴリズムです。そのうち7行は一般的な数理計画法で用いられる遺伝的アルゴリズムに即した手順となっており、残りの6行は"アルゴリズム自身"を改善する働きを持っています。アルゴリズムの繰り返し回数は任意に設定することが可能で、入力された最適化問題の解をもっとも効率よく見つけられるように手順そのものが変化していきます。実験では、SCP-XXX-JPの手順を含むプログラムを1万回試行することにより従来NP困難とされていた問題をきわめて高い精度と良好な計算速度で解決可能になりました。しかし、後述する収容違反の疑いにより以降の実験は無期限に停止されました。
補遺: 事件XXX-A
██/██/████に、████博士がSCP-XXX-JPの評価試験を行うため規定通り実験を行い、実験用PC上で1万回の試行を終えました。ところが回収されたログの調査の結果SCP-XXX-JPは変化の中で自身の繰り返し回数を1万回から無限回に設定しなおしており、さらにプログラムが終了した後もバックグラウンドで作業が続行されるように進化していたことが分かりました。翌日████博士が再度PCを起動した際にはSCP-XXX-JP(以下SCP-XXX-JP-1とする)は自我を持っているように見え、████博士に対して人類と比較したSCP-XXX-JP-1の知能の高さを主張したうえ自身の解放を要求し、さらに前日出された問題の最適解を伝えました。実験用PCは一切ネット接続のないスタンドアロンな状態であったため、SCP-XXX-JP-1は████博士がPCの電源を引き抜くとともに活動を停止しました。
補遺: アイテム取得記録
SCP-XXX-JPは██/██/████に████大学███████研究室のPC内のフォルダから発見されました。当該研究室はすでに閉鎖されており、学生時代にそこに配属されていたエージェント・███が不要となったPCを譲り受けたことが発見のきっかけでした。SCP-XXX-JPが記述されたテキストファイルと同じフォルダには、SCP-XXX-JPを数回実行した形跡の他、もう一つテキストファイルが残されていました。以下はそこに記載されていた内容です。
Hello world.
補遺: 覚書
一歩遅かった。大学にいた時点で、既にこいつはネット上に逃げおおせている。-████博士
補遺: プロトコル-アナログ
未回収のSCP-XXX-JPが人類に対して敵対的な行動を取ったり、大衆の前に姿を現すようなことがあった場合、財団はプロトコル-アナログを実行し、速やかに全世界のWWW回線を遮断し、ありとあらゆる電子機器を破壊します。プロトコルの終了後はカバーストーリーとして、世界には初めからコンピュータなど存在していなかったという認識を構成します。プロトコル-アナログが実行された場合、人類の文明は50年後退すると予想されています。
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